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あっせん申請の手引き



文化庁長官官房著作権課




    「あっせん」の流れ

「あっせん」の流れ



    「あっせん」について

このような趣旨の制度です

  著作権等に関する紛争が生じた場合、これに第三者が関与して解決する制度としては、一般の紛争の場合と同様に、訴訟、民事調停法に基づく調停制度などがありますが、これらのほかに、著作権等に関する紛争の特殊性から、実情に即した簡易、迅速な解決を図るために、著作権法には、紛争解決あっせん制度が設けられています。
  この制度は、あっせんの本来的な性格に鑑み、当事者間の互譲による紛争の自主的解決を補助、促進することにあります。


「あっせん」の申請ができる場合
  著作権法に規定する著作者人格権、著作権、著作隣接権及び二次使用料又は報酬に関する紛争であれば、どのような内容でも申請することができますが、考えられる紛争の類型としては、以下のようなものが考えられます。
1 権利侵害の有無に関する紛争
2 権利の帰属に関する紛争
3 権利に関する契約の解釈に関する紛争
4 権利侵害による損害の額に関する紛争

あっせんの流れは?

  次のような手順になります。

(1)   文化庁への相談
  「あっせん申請書」は文化庁著作権課でいつでも受け付けますが、書類作成に不備がある場合やあっせんになじまない場合はあっせん手続に入らないこともありますので、事前に相談されるようお勧めします。

(2) あっせんの申請
  定められた様式はありませんが、6ページの例のような「あっせん申請書」を作成し、文化庁著作権課に御提出ください。

(3) 他の当事者の意向の確認(片側申請の場合)
  あっせんの性質上、紛争当事者の両者申請の場合には、あっせんの手続きに入りますが、紛争当事者の一方から申請があった場合には、文化庁長官は、他の当事者にあっせんに応じるかどうか確認をおこないます。
  なお、他の当事者からあっせんに応じない旨の回答があった場合には、文化庁長官は、あっせんに付さないこととなります。

(4) あっせん委員の委嘱
  あっせん委員は、著作権関係の学識経験者のうちから、事件ごとに3人以内を文化庁長官が委嘱することとされています。
  過去のあっせん事例においては、3人が委嘱されていますが、その構成は、著作権法又は民法専攻の大学教官1名、著作権又は工業所有権関係の事件を取り扱う弁護士1名、紛争事件の分野の実務に精通・練達した著作権実務専門家1名といった3者構成になっています。

(5) 事件の解決
  あっせん委員は、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即した解決を図ります。当事者があっせん案を受諾することにより、あっせんが終了しますが、事件が解決される見込みがないと認められる場合には、あっせんを打ち切ることもあります。


あっせんに要する費用は?

    申請時の手数料46,000円のみです。


あっせんに要する期間は?

    過去のあっせんに付されたケースでは、あっせんのための話し合いが2〜3回、審理期間が約6ヶ月となっています。


処理実績は?

    処理実績は、以下のようになっています。

処理実績
(昭和45年度から平成13年度までの実績)


解決事例は?

  解決事例としては、以下のようなものが挙げられます。

【事例1】
  出版契約に違反して著者に通告せずに発行したことに関する出版社と著者との紛争について、出版者があっせんを申請。
  出版社が、陳謝文を交付するとともに一定の損害賠償金を支払うこと等で解決。
【事例2】
  絵本の一部を著者に無断でパチンコ機器に利用したことについて著者が損害の賠償等を求めて申請。
  販売者はあっせんに応じ、一定の損害賠償金を支払うこと等で解決。
【事例3】
  糸繰り人形の著作権の帰属について人形製作者の遺族と人形劇団との紛争。(両者申請)
  権利の帰属問題は棚上げし、人形の使用条件等を取り決めることで解決。
【事例4】
  戦災等により損傷した銅像を町が修復したことに対し、彫刻家が著作者の意に反した改変であるとし、除去等を求めて申請。
  今後修復する際には著作者人格権を尊重することで解決。


あっせん申請書の記載例

  申請書の作成に当たっては、著作権法施行令第58条に記載事項が規定されています。具体的には下記の記載例を参考にしてください。

あっせん申請書の記載例

注1:あっせん申請に係る手数料(46,000円)を収入印紙により納付してください(法第107条第1項、令第59条、規則第23条)。なお、政令で定められた独立行政法人があっせんを申請する場合には手数料の納付は不要です(法第107条第2項、政令第65条)。
注2:申請者が法人(法人格を有しない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)である場合には、法人名及び代表者・管理人の氏名を記載してください。また、事務的な連絡等のため、担当者の部署・氏名・電話番号を付記してください。
  紛争の両当事者から申請する場合は、両当事者を併記して下さい。
注3:紛争当事者の一方を「甲」とし、他方を「乙」として、それらの者の氏名(法人にである場合には、法人名及び代表者・管理人の氏名)及び住所又は居所を記載してください。
注4: あっせんによって解決したい点及び希望する解決方法を記載してください。
(例)甲の論文が乙に無断で利用された場合
  「乙は、甲の論文を無断で乙の論文に利用しているので、乙に対し○○○誌に謝罪文を掲載すること及び○○万円の損害賠償の支払いを求める」
注5:紛争となっている点及びその点に関する両当事者の主張などを含めてこれまでに行われた両当事者の交渉経過を記載してください。なお、記載しきれない場合は、別紙として添付することもできます。
注6:○○万円の損害賠償の支払を求める場合であれば、○○万円の算出根拠を記載するなど当該紛争をあっせんするに際して参考となる事項を記載してください。
注7:あっせんを行うに際し、参考となる資料がある場合には、添付した資料名を記載してください。


【関係法令条文】
著作権法
(著作権紛争解決あつせん委員)
105条   この法律に規定する権利に関する紛争につきあつせんによりその解決を図るため、文化庁に著作権紛争解決あつせん委員(以下この章において「委員」という。)を置く。
  委員は、文化庁長官が、著作権又は著作隣接権に係る事項に関し学識経験を有する者のうちから、事件ごとに三人以内を委嘱する。
(あつせんの申請)
106条   この法律に規定する権利に関し紛争が生じたときは、当事者は、文化庁長官に対し、あつせんの申請をすることができる。
(手数料)
107条   あつせんの申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
  前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国等であるときは、適用しない。
(あつせんへの付託)
108条   文化庁長官は、第百六条の規定に基づき当事者の双方からあつせんの申請があつたとき、又は当事者の一方からあつせんの申請があつた場合において他の当事者がこれに同意したときは、委員によるあつせんに付するものとする。
  文化庁長官は、前項の申請があつた場合において、事件がその性質上あつせんをするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあつせんの申請をしたと認めるときは、あつせんに付さないことができる。
(あつせん)
109条   委員は、当事者間をあつせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即して事件が解決されるように努めなければならない。
  委員は、事件が解決される見込みがないと認めるときは、あつせんを打ち切ることができる。
(報告等)
110条   委員は、あつせんが終わつたときは、その旨を文化庁長官に報告しなければならない。
  委員は、前条の規定によりあつせんを打ち切つたときは、その旨及びあつせんを打ち切ることとした理由を、当事者に通知するとともに文化庁長官に報告しなければならない。
(政令への委任)
111条   この章に規定するもののほか、あつせんの手続及び委員に関し必要な事項は、政令で定める。
著作権法施行令
(あつせんの申請)
58条   法第105条第1項のあつせん(以下この章において「あつせん」という。)の申請をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を文化庁長官に提出しなければならない。
  申請者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては代表者の氏名
  当事者の一方からあつせんの申請をしようとするときは、他の当事者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては代表者の氏名
  あつせんを求める事項
  紛争の問題点及び交渉経過の概要
  その他あつせんを行なうに際し参考となる事項
(手数料)
59条   法第107条第1項の政令で定める手数料の額は、あつせんを求める事件1件につき4万6千円とする。
(他の当事者への通知等)
60条   文化庁長官は、当事者の一方からあつせんの申請があつたときは、他の当事者に対し、その旨を通知するとともに、相当の期間を指定して、当該申請に係る事件をあつせんに付することに同意するかどうかを書面をもつて回答すべきことを求める。
  前項の規定により回答を求められた者が同項の期間内に回答をしなかつたときは、あつせんに付することに同意しなかつたものとみなす。
  文化庁長官は、当事者の一方からあつせんの申請があつた場合において、他の当事者がこれに同意しなかつたときは、その旨を申請者に通知する。
(あつせんに付した旨の通知等)
61条   文化庁長官は、申請に係る事件をあつせんに付したときは、その旨及び当該事件に係る著作権紛争解決あつせん委員(次条及び第六十四条において「委員」という。)の氏名を当事者に通知する。
  文化庁長官は、申請に係る事件を法第108条第2項の規定によりあつせんに付さないこととしたときは、理由を附した書面をもつて当事者にその旨を通知する。
(委員長)
62条   事件につき2人又は3人の委員が委嘱されたときは、当該委員は、委員長を互選しなければならない。
  委員長は、委員の会議を主宰し、委員を代表する。
  委員の会議は、委員長が召集する。
  委員長に事故があるときは、委員長のあらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
(報告等)
63条   法第110条第1項の報告は、あつせんの経過及び結果を記載した書面をもつてしなければならない。
  法第110条第2項の通知及び報告は、書面をもつてしなければならない。
(委員の退任)
64条   委員は、法第110条第1項又は第2項の報告をしたときは、退任するものとする。

文化庁長官官房著作権課
著作物流通推進室管理係

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