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著作権分科会 国際小委員会(第4回)議事録・配付資料

1. 日時
  平成18年12月12日(火曜日)10時〜12時

2. 場所
  三田共用会議所D-E会議室

3. 議題
 
(1) 「平成18年度文化審議会著作権分科会国際小委員会報告書(案)」について

配付資料
 
資料1   平成18年度文化審議会著作権分科会国際小委員会報告書(案)

参考資料1   文化審議会著作権分科会国際小委員会(第3回)議事録
(※(第3回)議事録・配付資料へリンク)

午前10時開会

【道垣内主査】 すでに傍聴の方には入場していただいているところでございますけども、本日も議事を公開するということで、特にご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【道垣内主査】 それでは、本日の議事も公開ということで、傍聴の方にはそのまま傍聴していただくことにしたいと思います。
 はじめに事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【事務局】 本日の配付資料は、非常に簡単でございまして、議事次第の紙にございますように資料1として報告書(案)、それから参考資料1として、ちょっとこれ打っておりませんが、前回の議事録を配付させていただいております。
 以上です。

【道垣内主査】 はい、ありがとうございます。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 これらは今ご説明いただきました国際小委員会報告書(案)について、ご議論をしていただくということになります。事務局から、まずは内容の概略をご説明いただきます。

【事務局】 それでは報告書(案)について、かいつまんでご報告させて、ご説明させていただきます。
 前回、骨子を一度ご議論いただいているということと、事前にも一度配付させていただいておりますので、主に主要な変更点を中心にご説明させていただきます。
 まず、第1節として、はじめにということで、この報告書が目指す目標のようなものを書いてございまして、まず我が国の目指す姿として、歴史的に美しい文化・伝統・自然のある国でございましたが、これをどのように続けていくかということが当面の政策の大きな目標であるということでございます。
 それで我が国が美しい国であるというのは奈良・飛鳥の時代からずっと、やはり外国から帰ってきますと日本は本当にきれいな国だなということを実感するわけでございます。その一番のベースとしてあるのは、日本は非常に経済的に豊かな国だということでございまして、やはり途上国のように貧しい国になりますと「貧すれば貧」と言いますか、やはりその美しさが壊れてしまうということで、その安定した経済の強さというのをどうやって続けていくか。今、社会変化の中で、人口が減少するというのは少子化対策などを行っても相当程度、避けられないという状態にございますので、これを克服するためにイノベーション・技術革新あるいは新たなビジネスモデルをつくりだすということと、それから国際に開かれた姿ということをやっていかなければならないということが課題となっております。
 それでやはり先進国が成熟している一方で、ブリックスなど途上国の中には日本の昭和30年代、40年代に匹敵するような成長を続けている国々というのがございまして、そういった国々の成長力をどうやって日本が活用していくか。ある意味、戦後ヨーロッパだとか、アメリカの成熟した国々もやはり経済の停滞ということを経験していたわけですが、日本がその当時は非常に高度成長していたということで、やはり日本の高度成長、日本からの輸出によって、例えば非常に高いインフレに苦しんでいたアメリカなども日本からの輸入で非常に経済的に助けられていたというようなことがございました。それと同じようにやはりこれから、日本で生産される物のマーケットとしても途上国は重要ですし、あるいは途上国の人材労働力を生かすという意味でも、どうやって活用していくかというのが、日本がこれから伸びていくかということでの大きな課題になっているということでございます。
 そういったことで、この文書の中には書いておりませんが、アジアゲートウェイ構想。日本がアジアの中で、アジアと世界のかけ橋になると。スポーツなどで言いますと、やはり野球などは日本の選手が大リーグに出て行ってしまうというようなことが、人材を流出してしまうというような事態があるわけですけれども、そうではなくて日本が文化の中心になる。大相撲のように、世界の優れた人材が日本で活躍できる。そういう環境をどうやってつくっていくかという、そういう発信力を強化していくということが大きな課題になっているということを書いてございます。
 それで1ページ目の真ん中の下のあたりからでございますが、そういった日本がコンテンツの発信の拠点となるということにおいて、障害になっているのは二つあるわけでございまして、一つはやはり、日本のコンテンツがそのものが、ただアジアに出て行くというのは文化的背景、あるいは経済的背景など、非常に違いますので、遅れた国から見ればやはり韓国のドラマとかの方がある意味、親しみやすいみたいなところもあるかもしれません。
 そういった問題と、それからやはり、日本のコンテンツの側から見ると、知的財産が保護されないようなところに出て行っても仕方ないんじゃないかという、そういった問題と、その二つがございます。
 アジアの中に多様な文化や社会があるということ自身については、必ずしもそれが悪いことというよりは、やはりそういう多様性の中で、新しい文化が生まれていくということですので、ポジティブに考えていって、文化は世界で画一化していくというようなことではない。
 ちょっと、ここは先般、多様というのだけだと出て行くという話にならないので、一定の共通の基盤を有するということを入れさせていただいておりますが、アジアと日本の文化というのは一定の親近性を持っているということと、そのまま簡単に出て行けるわけではないという、2つのことをあわせて書いてございます。
 他方で、やはり文化が違うということは、それはいいとしてですね、やはり著作権の保護ができていない。途上国の制度が不備だということで日本のコンテンツが出て行けないというのは非常に不幸な事態でございますので、それをどうやって改善していくかということが大きな課題になっているということでございます。
 そういった考えから政府といたしましても、知財推進計画・本部をつくって、海賊版対策というのは大きな政策として力を注いできたということでございます。
 成果もある程度出ておりまして、中国が何といっても一番大きなマーケットでもあり、あるいはその将来性という意味でも大きなところなんですが、法令の整備ができてきた。さらに、国際条約の水準にも到達しつつありますし、あるいはIFPIの調査においても、やはりアジアでの海賊版の比率というのは減っているという成果は上げられているということでございます。ただ、一定の成果は上げられているものの、しかしながらというところでございまして、やはりまだまだ多いと。
 その次のところは、いただきましたコメントにあわせて、やはりアジアが海賊版の製造地域として世界に海賊版を送り出しているという側面がございますので、やはりアジアについて中心的に力を注いでいかなければならないということでございます。
 そういったことで、どういった対策をやっていくか、今まではとにかく海賊版対策を始めるということでやみくもにやってきたわけですけれども、どういったら効果的な手法になるかというところのことを考えるということがあまりなかったわけでございますので、ここでどうやってやれば一番効果が上げられるかというところをもう一回、見直して本当に効果の上がる対策を再度、構築しなければならない。
 この第1節の一番最後のところですが、ちょっと連携とか相互関係という構成ではなくなったので、分野ごとの検討と、それから周辺状況の分析という記述にさせていただいております。
 次に第2節でございます。局面ごとの分析、バイとかマルチという言葉もちょっとわかりにくいんじゃないかということで、二国間、多国間というように直させていただいております。
 それで局面としては、一番目、筆頭に出てくるものはやはり政府の役割ということで言えば、政府でなければできないことということで、政府と政府の間で相手国に働きかけるということが重要である。これが第1でございまして、これまでも政府間協議をやってきたわけですけれども、やり方について、どういうやり方をすれば効果があるとかいうのもなく、やみくもにやってきたという面がございますので、どういった考え方でやるかというのはもう一度、整理し直しまして、まず二国間の関係。次のページでございますが、ただ相手に自分の思うようにやれということだけを言っても、それで相手を動かすということは難しいので、こういう支援もやるから、こういう要求を、要請を認めてほしいと。ここの要請の主旨は、純粋なお願いベースとか依頼のような話から、やはり国際条約に加盟している国ということで、そういったルールのもとで、やはりルールに従うべしということを、強く言っていくという、硬軟両方の手法で要請をしていくと。
 それと同時に相手ができないことを言っても仕方ないので、どのようにすればできるかというところについても、親身に相談に乗るという、そういった組み合わせが必要ではないかというのが一つ目でございます。
 それから二つ目の二国間と多国間。これは著作権制度、これはそもそも各国法令で保護されているわけではございますけれども、国際的なハーモナイゼーションが進んでいるということで、まずは国際ルールに則った保護をしてくださいということを求めるということが大事。そのルールのレベルアップをさせていくということのルールに従うことを求めるということが、第1になってくるかと思います。
 それから、きめ細かなレベルになりますと、そういった一般論だけではどうにもらちが明かないというところについては、やはり我が国の固有のニーズ、要望のようなことを二国間で伝えていくということも重要であると。
 それから模倣品、海賊版については、新たな条約としては「模倣品・海賊版拡散防止条約」というものが検討されておりますので、そういった議論についても積極的に推進する立場になっていく必要があるということでございます。
 それから、日本だけが言うというよりは、やはり同じような被害を受けている先進国で協調してやっていくということが重要でございますし、先進国と侵害発生国の中間のような韓国の役目については、その双方をうまく動かしていくことが必要ではないかということを書いてございます。
 三番目のトップレベルと実務レベル。協議といいましても閣僚クラスから事務レベルに至るまで、様々なレベルで行っているわけでございますけれども、やはり事務レベルで言っても大きな話は動かせませんし、トップレベルであまり細かい話を言うこともできないということでございますので、トップ、閣僚クラブの会議などでは、やはり一般論として海賊版を何とかしてほしいということ、その中でいくつかプライオリティの高いことについて要請を図る。実務レベルでは、よりきめ細かな個別の事項について改善を要望するということをうまく組み合わせていくことが必要ではないかということを書いてございます。
 その際に、やはり相手国、国ごとに様々な状況が違いますので、そういった情報を収集ということも非常に重要になってくるということでございます。
 3ページの下の次の局面として能力構築支援。要望というだけだと、相手国としては日本と付き合うの嫌だなというだけになってしまうので、その相手国がなかなか難しいという面について、どうやってサポートするかということでございまして、一つ目が、単なるばら撒きになってはいけないということで、やはり戦略性を持って相手国を選んでいくと。これまでWIPОの枠組みでやっているAPACEプログラム、それからJICA(ジャイカ)研修などをやっているわけですが、それをそのただ単に国をランダムにというようなことで、やってきている面もあるみたいです。そうではなくて、やはり日本の税金を使ってやる事業でございますので、日本にとっても利益のあるものではならなくてはならないということで、そういった日本にとってのニーズということを踏まえて、若干「てにをは」の修正をさせていただいておりますが、日本にとってのニーズ、それから相手国の状況にあわせた研修内容ということを設定していくということが重要であるということ。地域はもう限られておりますので、そういったものに応じていく必要があると書いてございます。
 それから4ページの後半でございますが、ここはそれとの関連で、考え方の変更として、これまでは研修というものについて、それに参加した人の能力を上げるというところを見ていたわけですけれども、それだけだと実際に海賊版対策にどれだけつながるかどうかというところが、必ずしも定かではないということでございます。「そのため」以降で考えておりますように、個人の能力向上からもっと社会全体に波及していくような、その研修を受けて帰っていった人が自分のイニシアティブで、その国の知的財産保護の水準を上げていくという、意欲を持って社会を変えていってもらえるような、そういったことを重点に研修事業を考えていければということでございまして、総合的な環境づくりとか、フォローアップということをやっていく必要があるという考え方の変更を書いてございます。
 それから5ページのところでございますが、相手国の利害関係に応じたセミナーということで、これまで触れてきたところでございますが、まず日本の立場で物事を言っても、相手はやはり素直に受け取らないということでございますので、相手が一体どういうところに関心があるか、どうすれば海賊版対策をやりやすいかというところに配慮して、やはり馬を水飲み場に連れて行くことはできても、水を飲ませるということはできませんので、それはやはり途上国自身が海賊版対策をやりたいというふうな意欲を持てるような環境をつくっていきたいということが重要ではないかということを書いてございます。
 それから5ページの三番目、権利行使支援でございますが、まずやはり途上国といえども、基本は法治国家でございますので、権利者とその国の司法、あるいはその警察との関係ということになってくるわけでございます。そういう意味では、基本的には自助努力ということになるわけですが、そうは言いながらも、やはり途上国でございますので実際にそのエンフォースメントをする力があるか、あるいは法治国家と言いながらも、まだまだ人治国家みたいなところもありますので、そういったノウハウというところが蓄積されていないと、出て行った権利者が自分の力だけで、それは解決、容易なことではないと。
 それから何と言っても、冒頭に述べましたようにコンテンツの海外発信というのは国の優先課題であるということもございますので、政府においてもそういった権利行使を積極的に支援していくということが必要であるということを書いてございます。
 そういった観点から、政府でも一定の取り組みを行っておりまして、CODA・CJマーク委員会などの権利行使を行っていただいた結果、その大きな成果を上げるということも出てきております。しかしながら、まだ中国の制度の問題と、末端とがちゃんとやってくれるかどうかというような問題はまだまだ残ってございますので、そういったところについて政府間協議でこういった不十分な事例が見られるということを指摘していき、あるいは相手国は多分、二国間協議、政府間協議の中ではしっかりやりますということを言いますので、そういったことを踏まえて、権利行使を進めていただくということが必要ではないかということでございます。
 特に著作権ということになりますと、登録されているものと違って、どういった権利があるかということは権利者自身が言っていかないと見えません。商標などと違って、やはり権利者自身の情報提供ということが重要になるという、そういったところをどうやって連携していくかというのが、具体的な課題ということでございます。
 それから6ページ、第3節のところで、その他の周辺状況ということを書いております。
 これまでの(1)、(2)、(3)のところは海賊版に対する、それを押さえるという対策でございますけれども、それとともに正規版が流通しやすいという、そっちのシステムの方を改善していくということも必要でございまして、ここは鶏と卵といいますか、海賊版があるから正規版が出て行けないんだという側面もあるんですが、同時に正規版が購入できる環境をつくっていくということも重要ではないかということを書いております。
 それから、その他として、アジアの外の国でもアジア発の海賊版の問題。あるいは日本から途上国の能力構築支援をやっていくときに、どういった国内の人材を活用し育成していくか、国内の著作権の専門家というだけではなくて、海賊版対策、あるいは海外での能力構築支援ということへの専門家ということもこれから必要になってくるのではないかということでございます。
 それから、その次のところは橋本委員からのご意見で電子透かしなどの技術ということも活用していったらいいんじゃないかということを書いております。
 海賊版対策、第1章は大体、以上でございます。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 2章も続けてお願いします。

【事務局】 続けて、第2章もやらせていただきます。
 「国際的ルール作りへの参画の在り方」ということで、こちらの方はあまり政策として新しいものがございませんので、状況のご報告ということで、もっと詳しい交渉の状況については宣伝でございますけれども「コピーライト12月号」により詳しく書いてございますので、そちらの方をまたご参照いただければと思います。
 第1節で昨年までの放送条約の検討の経緯ということで、これまで1996年にWCT、WPPTができた後、98年からAV条約と放送条約の検討をやってきたということが書いてございます。
 おととし、2004年と2005年、2回一般総会に諮って、いずれも外交会議の開催という結論が出なかったというところから、本年の議論が始まるわけでございます。
 第2節のところで、2005年の一般総会で2回SCCRを開いて、外交会議の開催を提案するとなったわけでございますけれども、2005年に13回をやって、それから本年5月に14回SCCRをやったということでございます。
 それから14回のときには、ベーシックプロポーザルの作業文書ということで、各国の提案を全て入れた文書が議長から出されたわけでございますけれども、この二つの文書を差別しているということで、非常に反発が強かったので、それを一つのまとめた修正ポロポーザル案にまとめるということで、もう一回、第15回SCCRを9月に開催いたしまして、ことしも何とか一般総会に外交会議の開催を提案するというところまでいきました。ただ、今度は7ページの下のところに書いてありますように一部の国は非常に時期尚早という意見を強硬に言っていたので、コンセンサスというよりは議長がそのようにまとめたという感は残ったというSCCRになったということでございます。
 それから8ページのところで、同月には続けてということで一般総会を開催して、その15回SCCRの合意の承認を求めたわけでございます。とは言いながらも第15回SCCRがそのように紛糾した結末だったということを受けまして、やはりその一般総会でもすんなりとはまとまらなくて、多少のSCCRの合意から多少の譲歩をして、外交会議の開催時期を遅らせるということで、オーケーが出たというところが、ことしの放送条約の検討の現状でございます。
 一般総会の合意事項については、その下に載せてあります。
 8ページの最後のところに、本小委員会としての放送条約への対応の在り方について書いてございます。
 基本的に、昨年の小委員会で中身についてのご議論はすでにいただいておりまして、そこから特段の新しい中身に関する議論というのはなかったわけで、ウェブキャスティングについて、従来は慎重に検討すべきという話があったんですが、これは条約の議論から切り離されましたので、それ以外のところについては引き続き早期採択を求めていくということを除いて、特に新しいことは出なかったので、それを引き続きやる必要があるという結論になっております。
 最後のパラグラフのところでございますけれども、日本国内でウェブキャスティングの議論をどうするかということにつきましては、マルチキャスト放送の議論などがございますので、そういうこととあわせて、内々の動向を注視して、引き続き適切な対応を検討していくことが必要であるという結論を追加させていただいております。
 以上でございます。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 では、中身の審議に入りたいと思います。第1章と第2章に分かれておりますけど、まず第1章について、さらに三つの節に分かれておりますので、それぞれの節に分けて何かご意見があれば、修正意見をおっしゃっていただくということで進めたいと思います。
 最初のところでございますが、第1章の第1節のところにございまして、何かご意見ございますでしょうか。
 はい、上原委員。

【上原委員】 まず基本点の細かいことでございまして、これは内容に関することではございませんが、数字が全角と半角が混じっていて、統一性がないので、これは図っていただいた方がいいかなと。
 例えば1ページ目の真ん中よりちょっと下のところ「レベルが低いという2点」の2が、これは半角なんですが、その後、「政府は2003年」はこれは全角で、その後行くと、次のページで全角と半角がまた混じったりしていて、他の節も全部そうですので、統一性を持って。つまんない話でまず申しわけないんですが。
 それとこれはどうなのかなということなんですが、おそらく政府の課題なので、ここはこだわれてらっしゃるんだと思うんですが、日本がアジアと世界のかけ橋になるというところなんですけども、そこ自体は別に、その言葉自体は別に何も異論はないのですが、流れからいうと何となくつながりが悪い感じがして、何か落ち着きが悪いのかなという感じがして、ここは世界のかけ橋になるということを言わないとまずいのでしょうか。例えば日本が、日本とアジアの関係を深めるとか、日本がアジアの中心に、アジアの中心的役割を果たすとかと言った方が何かアジアのことに言っているのに、何となくつながりがいいかなという気がしました。
 それともう一点、2ページの第2節の前の一番最後のところですが、事業分野ごとの検討を行いと書いてありますが、事業分野と言っちゃうと、また感覚的には例えばゲームであるとか、インターネットであるとか、放送であるとかっていう、そういう事業のイメージがぽんと浮かんでしまいますので、事業を取って分野ごとにされたらすっきりするのではないかというふうにちょっと思いまして。
 以上でございます。

【道垣内主査】 前回も少しご指摘は、後者の方は私も申し上げた点だと思いますけども、今すぐご回答できるところがあれば、おっしゃっていただきたいと思います。

【事務局】 表現のところは適宜ということで、かけ橋をなんとしても書かなきゃいけないかというのは、別に何としてもということではないんですけれども、政府の最重要課題の一つであることは、そうなのでちょっと何かまた表現を工夫するなり流れを考えたいと思います。

【道垣内主査】 橋本委員。

【橋本委員】 個人的にはやはり世界のかけ橋になるということを残したら良いのではなかろうかと思います。
 と言いますのは、例えばアジアにおける日本と中国との議論で言うと、アメリカが中国に対して日本よりもさらに強硬に知財保護を働きかけており、このままいくと我が国との議論は中国とアメリカとの議論のサブセットにしかならないのではと危惧しています。要するに、その二者間の議論に終始させることなく、他国間で解決しなくてはならないという色彩が強いのではないかという意味です。
 このように、すでに中国との問題は二国間での解決が困難であろうという現実をふまえたうえで、特定の国を名指しするという事が不適切であるならば、別の表現として日本がアジアと世界の架け橋になるというところを記述として残していただきたくのが私はよろしいのではないかと思います。
 上原委員の指摘は、多分総務部に反対しているわけではなくて、文脈的にちょっと足りないんじゃないかということだろうと思いますので、もうすでに中国をめぐる問題というのは二国間で解決できないというんです。その現実に近い一行を何か加えるとかですね、した上で、特定の国を名指しするということが不適切であれば、それはまた別の表現で、やはりアジアと世界のかけ橋というところにはこだわられたらよかろうというふうに思います。

【道垣内主査】 今のご指摘も踏まえて、お考えいただけますか。
 そのほか、何かこの点について。はい、どうぞ。

【−−】 2ページ目の2節の上のところで、検討を行うと分析を行うというのがあるんですが、これは国際小委員会の報告書ですので、国際小委員会の検討を行う、分析を行うということだと思うんですけれども、他の報告書はどうでしょうか。当小委員会においてはというような、こうした観点から当小委員会においては、こういう検討を行う、こういう分析を行うという方がわかりやすいかなと思うんですけど。
 他の報告書と平仄をあわせていただきたい。

【道垣内主査】 それはよろしいですか。行ったという過去形の点もそれでよろしいでしょうか。

【事務局】 そうです。

【道垣内主査】 そのほか、ございますか。
 はい、どうぞ。佐藤委員。

【佐藤委員】 同じところの少し上、2ページ目の第3段落。デジタル技術等の進展に伴いというところなんですが、前回も海賊版というのを定義を置かなくていいのかということを申し上げた点にかかりますけれども、インターネット配信とか、そういったネットワーク経由の侵害対応が広まっているということは久保田委員から第1回目にご指摘があった点ですので、報告書のどこか、多分、ここがいいんじゃないかと思うんですが、どこかに入れていただく方がよろしいんじゃないかと思います。

【道垣内主査】 そうも読めるように思いますけども、コンテンツの違法な複製、流通ということでは、なお正確ではないのでしょうか。

【佐藤委員】 いや間違っているというよりは、海賊版というと、どうしてもやっぱり物理的なCD、DVDのイメージがあって、2ページのところにいくとCD、レコードという物理的なものしか出てきていないので、ネットワーク関係の数字がもし定量的に出せないとすれば、せめてここのどういう侵害対応だというところに、具体的に入れておいた方がよろしいんじゃあいかという主旨です。

【道垣内主査】 わかりました。それでは、そういうことも含めることとすることで、よろしゅうございますか。そのほか、なにかございますか。
 それでは、続きまして第1章の第2節のところですが、局面ごとの分析ということでございますけれども、いかがでしょうか。
 はい、浜野委員。

【浜野委員】 4ページの2番目の段落のところで、ここだけ文化コンテンツと、「文化」が付いています。「文化コンテンツ」は韓国政府がよく使う言葉ですが、何でここだけ「文化」が付いているんでしょうか。

【道垣内主査】 何か特に意味があればともかく、そうでなければ揃えていただけますか。
 そのほか、何かありますでしょうか。
 はい、菅原さん。

【菅原委員】 ちょっと二つだけ。
 一つは3ページ目の真ん中あたり、トップレベルと実務レベルで上の段落です。ちょっと書き方で侵害発生国でありつつ、中国等では海賊版被害国でもあるというところがちょっとわかりにくいかなと。これ韓国のことを言いたいわけですね。韓国と中心国というときには、「中国等では」というところで区切れちゃうのかなという気がします。ちょっと書きぶり整理していただければ。
 それからもう一つは4ページ目の上から、キャパシティ・ビルディングで上のところで、いわゆる資源を投ずるべきグループを選定するということで、施策を決定というのはこれは政府に提案するなりのことですよね。そうすると、選定するとか決定するということには、何か委員会がそういうふうにやってしまうような感じがしますので、例えば政府において、このような選定をする必要があるという、そういう書きぶりになっていかないか。

【道垣内主査】 ごもっともかと思います。
 そのほか、はい、どうぞ。

【増山委員】 質問ですけれども、このトップレベルとは、具体的にどこまでを指していますか。実務レベルという表現は大体分かるが、トップレベルというと、やはり総理大臣だけとなるのでしょうか。それとも各省庁の大臣と長官も含むという意味でしょうか。

【事務局】 組織という意味では、大臣の長ですので。

【増山委員】 要はカタカナですから、トップというと基本的には多分、一番上ということしか考えられませんので、この辺、やや不明確かなと思うんですが。

【道垣内主査】 それはあれですか。あらゆるレベルでということを言いたいんだと思いますけど、その実務レベルとの区別がわかりにくいと。

【増山委員】 そうです。

【道垣内主査】 それもまた工夫させていただくということで、考えたいと思いますが、ただ適当な言葉があるかどうか。
 そのほか、ございますか。はい、浜野委員どうぞ。

【浜野委員】 5ページ目の3つ目ぐらいの段落の「前面にアピール」となっていますが、アピールするのが人ではなくて前面になっていて、日本語としておかしい。言い回しを変えていただいた方がいいんじゃないかと思います。

【道垣内主査】 そのほかの意見。
 上原委員。

【上原委員】 いくつかあるんですが、一つは先ほど菅原委員からもお話ありました「トップレベルと実務レベル」の上の段落の表現について、非常に言いたいことはわかるんです。私もちょっとわかりにくいと思っていますので、「中国等においては」、「中国においては」みたいな書き方がよいのかと思っています。
 その後の「二国間で要請を行いつつも」という、この「二国間の要請を行いつつも」もおそらくは要請というのは、何て言うんでしょう。韓国等に対して、その国内での侵害はやめるようにという要請の意味だと思うんですよね。その後、協力内容について検討していくこともあるというところが、ちょっとここもつながりが読みにくいかなという感じがして、もうちょっとすっきりさせてあげた方が読む方もわかりやすいかなと思いますので、ちょっとご検討いただいたらどうかと思います。
 それから、非常に細かいところで恐縮ですが4ページでございまして、キャパシティ・ビルディングからキャパシティ・デベロップメントへということで、先ほどの数字と同じで、こういう校正屋さんになったみたいになるんですが、ここのタイトルのところ「キャパシティ・ビルディングからキャパシティ・デベロップメントへ」となっておりまして、本文の中にありますところでは、すなわち「キャパシティービルディング」、その後「キャパシティーデベロップメント」となっておりますので、ここも統一していただいた方がいいのではないかと思いますので、非常に細かいところで恐縮でございます。第1節のところですけど。

【道垣内主査】 はい、ありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【高杉委員】 3ページで、我が国が提唱した「模倣品・海賊版拡散防止条約」について触れられているんですけれども、この第2節から各論に入っていますので、この条約の点は第1節でも触れておいた方がいいと思うんですけども。第1節は、海賊版対策の目的として日本コンテンツの発信のための環境整備にかなり集約された記述になっておりますけども、我が国が海賊版拡散防止条約を提唱している目的は、それ以外の目的も当然あるわけで、ここの部分は結構大きな話なので、第1節にも記述を設けた方がいいと思います。
 以上です。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 はい、どうぞ。後藤委員。

【後藤委員】 5ページ目は具体的な権利行使の件で、例示としてのCODA・CJマーク委員会なんですけれども、一応説明をしておきたいと思いますので。
 CODA・CJマーク委員会の中国、香港、台湾における権利行使の申立について、具体的に申しますとCJマーク委員会及び参加のメンバーですね。CJマーク委員会としては中国の場合、違法営業として行政機関に検挙を要請するという形になります。違法営業ですから、著作権侵害じゃないです。香港なんかの場合は、著作権侵害として、個々の企業さんが申立をするということになります。なお、権利行使はもちろん自分たちはしませんので、我々の要請を受けた行政機関等の検挙していただいた数という意味でございます。
 その中の押収数でございますけども、主に映像パッケージが主体です。まだ、音楽については一部でございます。ということで、映像パッケージを主体としてアメリカ映画協会、ハリウッド6大メジャーでご組織されるMPAにも業務委託して、MPAのものを検挙すれば日本コンテンツも絶対出てくると。それを全て押さえてもらっている。それと日本コンテンツオンリーというの差し押さえてもらっています。ただ、アメリカ映画オンリーというのもたまにはありますので、それは省かれています。物量的には現況では最高値だと思っていますので、大きな成果というふうに、加筆させていただいております。

【道垣内主査】 表現自体はこれでよろしいでしょうか。

【後藤委員】 例示ですから。いわゆるこれでいいのかなと。

【道垣内主査】 例えば、ということですので、そうですね。ただ、その数字はこの何とかマーク委員会だけじゃなくてというのであれば、このマーク委員会の後に「等」を付けるとかしてはいかがでしょうか。

【後藤委員】 そうですね、「等」の方がいいんですかね。

【道垣内主査】 付けないと正確じゃないということですね。はい、わかりました。
 この節については、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、続きまして第1章の第3節、海賊版問題を取り巻くその他の周辺状況ですが、いかがでしょうか。
 よろしいですか、あまり長い節ではございません。
 それでは、第2章、これは一つ一つ分けてというよりは、全体で特にこちらの考え方というのは、第3節のところに出てくるわけですけれども、この第2章全体についていかがでしょうか。
 どうぞ。

【上原委員】 質問したい。
 原案をいただいたときに、直すのを忘れておりまして、7ページの第1節の第2段落になりますでしょうか、放送機関の保護のあり方については1998年から2005年11月まで13回にわたり検討がなされてきたとあるんですが、これ実際、2005年11月のSCCRは第13回なんですけれども、2000年の3月に行われました、確かSCCRの4だったと思いますが、そのときは2000年の12月にAVの外国会議が行われた関係で、AVしかテーマをやっていません。SCCRの開催は13回ありますが、中で放送条約の検討をしたのは12回だったので、すみません、正確に言うと検討回数は12回ということでございます。ちょっと書き方が難しいと思います。そこはその事実関係を踏まえて、お考えいただければと思います。
 それともう一点は、最後のところですが、8ページの下から3行目のところで、これは単に放送条約に関係している者としての希望です。早期採決に向けて、国際的な議論に引き続き積極的に展開していくことが必要であるということで、これ自体に何の問題もないんですが、来年が、一応来年に外交会議が設定されたと。一応、日にちが出たという状況にありますが、まだ前途多難が予想されています。それがうまくいかない場合もあり、一度の日程まで出て潰れることになると、かなりあと苦しい状況かということで、大きな山場かと思いますので、可能であれば「国際的な議論に引き続き」の後を、「より一層」ぐらいに強くして頂ければと思います。皆さんのご賛同がいただければということでございます。

【道垣内主査】 よろしゅうございますか。
 それから、上原委員よりご指摘なかったんですが、7ページの真ん中あたりから下、SCCR、その他とフォントが違っているみたいですので、統一していただければと思います。
 そのほかございますでしょうか。

【久保田委員】 第3節のところでもよろしいんですか。

【道垣内主査】 もちろん第2章全体についてです。
 どうぞ、7ページ、8ページでも結構です。9ページでも。

【久保田委員】 その前に第3節で、ここはもうさっき……。

【道垣内主査】 今、済んだつもりだったのです。どうぞ、結構です。6ページですね。

【久保田委員】 非常に悩ましくて躊躇していたんですけど、正規版流通システムの不在の問題のところに、例えば中国だと著作権の問題というよりは、文化部の問題でありまして、それゆえに流通させられないために海賊版が出てくるという背景があるんですけど、これ一番我々の業界では悩ましい問題でありまして、アニメにしてもゲームソフトにしても、みんなはねられてしまって、検閲といいますか、表現の問題で通らないということがあって、それゆえに中国の人たちは、消費者の人たちは正規の流通のところでチェックをかけられているために、海賊版で入手せざるを得ないという環境があるんですね。
 これはちょっと、いわゆる著作権問題ではないのかもしれないんですけれども、盛んに文化の発信とは、コンテンツ産業の国際的展開とかとなってきますと、韓国では長年の努力の上に流通するようになりましたけども、この辺の観点というのは書き込む方がいいのか、ちょっと私もわからないんですけど、ただ一応、議論をしておいた方がいいのかなと思います。ちょっと悩ましいので、控えめに、いかがでしょうか。

【道垣内主査】 この点、他の方、いかがでしょうか。
 これは、理由はわいせつとか暴力とか、そういう理由でだめなのでしょうか。

【久保田委員】 もあるんでしょうし、本当のところは中国の著作権産業を育てるために、理由としてそういうものを付けているのではないかと思うんですけれども。

【道垣内主査】 はい、どうぞ。

【浜野委員】 パッケージではありませんが、アニメーションの劇場公開も合弁会社を向こうでつくっていることが条件とされることがあるということです。フィルムの検閲で塩漬けにされてしまい、その間に海賊版が出回り、商機を逃すこともあります。政府段階の話なので、反撃を恐れて、みんな黙っています。民間では対応できないことなので、やはり政府レベルでやっていただくしか解決方法はないと思います。

【道垣内主査】 それは、その周辺状況には入りますよね。周辺状況のその他の中で、そこまで明確に書くのは難しいと思いますけども。

【事務局】 一案としては多少ソフトに正規版流通システムが確立していないというのを、していない、または規制があるとか何か、そういう理由の中に入れるとか、そういうのはいかがでしょうか。

【道垣内主査】 今の話を現状認識だけじゃなくて、そこは何とか政府として努力せよということも入っているのかもしれないですけど、ただそれは著作権の問題かというと、そうではないでしょうね。

【事務局】 確かにこの問題は著作権の問題として解決できる問題じゃないと思いますが、文化の流通において、大きな問題であると認識しておりまして、各国と経済協議等で話をする際には、そのような規制があるということが、日本の作品の流通に妨げになっているし、またそれが相手国での海賊版の発生の一つの原因になっているというようなことを指摘はしていくべきであると思いますし、そういったことを二国間協議などの中では話題にしていくべきであると考えております。

【道垣内主査】 同じ問題でしょうか。山本委員。

【山本委員】 同じ問題です。久保田委員からご指摘あったように、中国での問題というのは、その言論統制として実質的には著作物の流通が妨げられているという問題があります。これを問題としてはっきり認識しておいて、この著作権分野でも議論していくべき問題です。そのことは問題提起の形でも構いませんから、この中に入れておいた方がいいんじゃないか。
 私が認識しているものでも、中国だったら思想的な、政治的な問題が言論統制の対象になり得るかもわからないのですが、それとは関係のない範囲内で教材の出版も、その出版条例に基づいて、許可がないと出せない。その結果、海賊版が出回るというような事実があります。著作権法制を脱歩する手段になっているんじゃないかという疑いもありますので、やはり日本から見れば問題として取り上げることだと認識しております。
 そういう認識で、ここでも議論すべきじゃないかと思います。

【道垣内主査】 はい、どうぞ。

【久保田委員】 ちなみにといいますか、中国の著作権法案の1条の目的のところに公共の福祉と書いてあるんですね。中国の学生と議論すると必ずその、公共の福祉ということに、著作権法の領域に、その文化の問題といいますか、その判断の問題を1条の目的の中の公共の福祉でチェックをしている部分があるんです。ですから、憲法というよりは会規範であり、著作権法の中でも公共の福祉ということを盾に多分、そこを議論していくことになると思う。著作権法の問題でもあるのではないかと、これは我々側の解釈としてですけれども、付け加えておきたいと思います。

【道垣内主査】 それでは、先の方でもかけるところもあると思いますので、そこはかけていただくということでお願いします。
 はい、橋本委員。

【橋本委員】 確かに皆さんがご指摘されているとおり、これは著作権の問題ではあるけれど、それだけでは解決できない問題でもあると思います。先ほども、トップレベルという言葉の意味について議論がありましたが、私の理解では実務レベルという言葉に対応するのは政治レベルという言葉でして、中国との様々な問題が、特に日本がそうなのか、それとも海外のもの全般が同様の対応を受けているのかは私は詳細を知らないのですが、おそらく著作権をめぐる議論の中だけではこの問題の解決は不可能ではないかと思います。
 結果として著作権の問題になっているその上位概念を解決する方法というのは、この中に出てくるトップレベルというところでいろいろな議論をして、全体的な門戸開放とか規制緩和を要請していくという文脈を載せない限り解決しないのではないかという印象を持ちました。ですから、問題点の指摘はこのあたりなのか第3節が良いのかはわかりませんが、解決の指針としてトップレベルと実務レベル双方の役割として何かさらに一層の規制緩和的なものを要請していくという表現と対応させていくのがよろしいのではないかと思います。

【道垣内主査】 はい、わかりました。そのような要件踏まえて、ドラフトしていくということにしたいと思います。
 はい、どうぞ。

【佐藤委員】 どういうふうにお書きになるか、中国というふうに名指しをもしするという表現をとるのであれば、ポテンシャルとしてはベトナムにも同じ問題がありますので、国名をどうするかという場合には、一緒に検討材料に入れていただきたいと思います。

【道垣内主査】 今、戻って議論しておりますけども、全体について残された点、その他ございましたら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。

【佐藤委員】 質問なんですが、前回最後に保護期間をどうするかというのを国際委員会ないしは、どこかで議論すべきではないかというご提言があったんですが、これについては、どのようにお考えなのでしょうか。

【事務局】 大きくは、問題については、これは来期の著作権分科会のテーマという形に考えておりますので、その来期の検討課題、それから検討の体勢、その議論の中で決めてまいりたいと思っています。

【道垣内主査】 今までやってきたことの報告書ですが、今のことは違うところで決めて、委員会に投げるということですよね。
 よろしゅうございますでしょうか。どうぞ。

【増山委員】 第2章については、「国際的ルール作りへの参画の在り方について」とあるが、SCCRで検討されている放送条約の進捗状況しか取り上げていない、「視聴覚的実演の保護に関する新条約」についての報告は見当たりません。確かに今年度のSCCRでは議論されていないが、去る9月のWIPO一般総会ではきちんと審議されており、結論も出されています。この問題について、来年度のWIPO事務局による行動内容も具体的に発表されているので、何らかの形で本小委員会の報告書にも取り上げてほしい、いかがでしょうか。

【道垣内主査】 それは、事実として書くということであれば、書けると思いますけど。はい、わかりました。
 そのほか、よろしゅうございますでしょうか。
 先ほどから菅原委員から何回かご指摘いただいたように、主体が誰かということを見失わないで、私もついつい、事務局にはドラフトしていただいているだけで、書いているのは我々であるという認識が、ときどき忘れてしまって、言葉遣いが変になっていますけども、そこは改めて、はっきりさせた上で今いただいた、ご議論、ご意見を踏まえて修正版を作成して、私の方で作成の責任を取らせていただいて、つくりたいと思います。これにつきましては、時間の関係もございまして、改めてこの委員会を開くというわけにはいかないのですけれども、その修正について、これは主査、主査一任ということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【道垣内主査】 どうもありがとうございます。
 それでは、この点修正案をつくりまして、もちろん皆さん方にはまたメールで送るということになると思いますけれども、送らせていたただきます。それにつきましてパブリックコメントを求めるということにしたいと思っておりまして、約一ヶ月間、その期間をおきます。パブリックコメントでどういう意見が出るか、もちろん今の段階ではすぐできませんけども、よほど大きな、重大な変更を迫るもの、事態にならない限りは原則として、そのパブリックコメントを踏まえた再修正も、これも主査一任ということにさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【道垣内主査】 ありがとうございます。
 それでは、そのようにして修正したものを、さらに皆さん方にはお送りして、書面上ご了承をいただいた上で、委員会の報告書の確定版ということにさせていただきたいと思います。ということで、この小委員会としては今回を最後とさせていただくということにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、最後に吉田審議官より、ご一言いただけますでしょうか。

【事務局】 この国際小委員会第4回が今期の国際小委員会の最後の会ということでございますので、お礼を申し上げたいと思います。5月の26日に第1回を開催いたしまして以来、4回にわたりまして、きょうこういった報告書にまとめていただきましたように、アジア地域における、アジア地域などにおける海賊版対策施策のあり方、問題。それからもう一つは国際的ルールづくりへの参画のあり方の問題などにつきまして活発なご議論をいただきました。今回、様々な今までご議論をいただいたような形で報告書がまとまったということでございまして、これまでの委員の皆様のご熱心なご議論に御礼を申し上げたいと思います。
 本日、取りまとめていただきましたものにつきましては、この後主査ともご相談をしながら必要な修正を加えまして、1月に著作権分科会が開催予定でございますので、その場で他の小委員会の報告とあわせまして、報告をさせていただき、その後、文化審議会の方に持ち上げていくと、そういった姿をとっていきたいと、こういうふうに思っております。
 今回の報告書でも、その第1章の初めのところで申し上げましたとおり、文化発信力というのが、国力の大きな源であるという、こういった認識が今、深まってきております。韓国や中国などのアジア諸国のコンテンツに対する力の入れようといったものも、非常に大きなものがございますので、我が国としてもそういったものに遅れることなく、これから国際的な発信力といったものを高めていく必要があろうかと思います。そういった意味で著作権の分野から必要な施策をきちんと打っていくということが重要でございますので、今回おまとめいただきました報告書については、これを文化庁としても最大限、これを実現する方向で努力をしてまいりたいと思います。
 皆様にはご多忙の中、この小委員会の検討実施にご参加いただきまして、ありがとうございました。最後にまた、重ねてお礼を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。

【道垣内主査】 それでは、これで議事を終わりたいと思います。私からも改めて、御礼申し上げます。
 最後に事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。

【事務局】 連絡事項でございますが、今後の予定につきましては、本日のご議論を踏まえた修正の後、約一ヶ月間パブリックコメントにかけ、一ヵ月後、パブリックコメントを修正案を送付させていただきたいと存じます。
 本日はまことにありがとうございます。

午前11時25分閉会

(文化庁長官官房国際課)


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