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著作権分科会 国際小委員会(第2回)議事録

1 日時 平成17年5月31日(火曜日)10時30分〜13時

2 場所 経済産業省別館11階 1111会議室

3 議題    
 (1) 米国のファイル交換を巡る法律状況についての報告(山本委員)
 (2) デジタル化への対応の在り方(ファイル交換への対応の在り方)
 (3) その他

配付資料
  「米国のファイル交換を巡る法律状況」資料
  ファイル交換に関する論点
  ファイル交換に関する参考資料(PDF:72KB)
  菅原委員提出資料
  国際小委員会報告書(案)について


【参考資料】
 参考資料1   著作権分科会国際小委員会(第1回)議事録
(※第1回議事録へリンク)


午前10時30分開会
  ○道垣内主査 著作権分科会国際小委員会の第2回目の会合を開催したいと存じます。
 議事の内容の公開を一層進めるという今期の著作権分科会の基本方針に従いまして、本日も公開にすべく、既に傍聴の方にはご入場いただいておりますが、この点について特にご異議ございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○道垣内主査 それでは、本日の議事は公開ということで、傍聴の方にはそのまま傍聴いただくということにいたします。
 まず、このたび委員の異動がございますので、事務局からのご紹介をしていただき、引き続いて配付資料の確認もお願いいたします。

○事務局 日本民間放送連盟の田嶋 炎様からこのたび竹内 淳様に委員の変更がありましたので、照会させていただきます。

○竹内委員 民放連の竹内と申します。よろしくお願いいたします。

○事務局 続きまして、資料の確認をお願いいたします。
 資料1、米国のファイル交換を巡る法律状況、山本委員から提出していただいた資料です。資料2、ファイル交換に関する論点。資料3、ファイル交換に関する参考資料。資料4、菅原委員提出資料、資料5、国際小委員会報告書(案)について。参考資料1、著作権分科会小委員会前回の議事録です。
 不足等ありましたら、事務局までお願いいたします。

○道垣内主査 よろしゅうございますか。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 前回の会合で決めていただきましたように、審議の予定に従いまして、今回と次回の小委員会のテーマは「デジタル化への対応の在り方」ということでございます。今回は、その中でファイル交換への対応の在り方を議論の対象としたいと思います。なお、次回は「DRMへの対応の在り方」の予定でございます。
 本日の進め方でございますが、まずは山本委員から米国のファイル交換の実態についてのご報告をしていただきまして、それについての質疑応答をし、その後、事務局から論点あるいは、その他の資料の説明をしていただいて、最後に議論ということにしたいと思います。
 それでは、山本委員からのご説明、よろしくお願いいたします。

○山本委員 それでは、資料1に従いまして説明させていただきます。
 1ページ目をご覧下さい。まず、ファイル・シェアリングの実態についてご説明したいと思います。今、専ら問題になっておりますのは、いわゆるP2Pですが、ファイル交換のやり方としては、BBS(電子掲示板)に違法コピーをアップロードしておいて、それをダウンロードするという形態があります。P2Pでも3つの形態があると言われています。したがって、合計4つの形態がありますので、これを模式図でご説明したいと思います。
 1ページ目の上の表です。インターネット・ユーザーが他のユーザーに対してファイルを送付するのに、プロバイダの提供するポスティング・サービスを利用します。ファイルをプロバイダのサーバに送り、それを他のユーザーがダウンロードするというものです。ここでの当事者、関係者ですが、その下に書いてありますように、インターネット・ユーザーがおりますが、このプロバイダはポスティング・サービス・プロバイダと言われるもので、その提供しているサービスがポスティング・サービスというものです。
 また、この情報のやりとりをするために接続サービス、いわゆるアクセス・サービスを行う業者がおります。さらに、アップロードしたりダウンロードしたりするために使われる、これは一般的なソフトですが、そういうソフトウエアの開発、あるいは、配布する当事者がおります。この形態においては、著作権侵害があった場合に権利者がターゲットにするのは、ポスティング・サービスを行うプロバイダに対して侵害の差止めを求めていきます。、直接の侵害者はインターネット・ユーザーということになりますが、インターネット・ユーザーは多数いて、零細ですので、訴訟の対象にはなりにくいという状況があります。しかし、著作権侵害があった場合に、権利者がターゲットとしては、以上の4当事者が対象になり得るという背景がございます。
 2番目のP2Pのナップスタータイプですが、ここではインターネット・ユーザーが他のインターネット・ユーザーにファイルを送るにあたって、インデックス・サービス・プロバイダの提供するインデックス・サーバを利用します。そのサーバに各ユーザーの持っているファイルのインデックスをためておきまして、ユーザーが利用したいものをそのインデックスを使って検索します。検索したものをクリックすると、直接、そのユーザーが他のユーザーにアクセスして、直接ダウンロードすることになります。違法複製物のファイルはプロバイダの方には存在しない、ただインデックスを提供しているだけだという関係にあります。ここでの当事者は、ポスティング・サービスがインデックス・サービスに変わったというだけのことです。
 2ペーにまいりまして、2ページ目の下の方から説明したいと思いますが、グヌーテラタイプと言われるものです。ここでは、インデックス・サーバがプロバイダによって提供されるという関係がありません。各ユーザーがインデックスを作成し、それを利用して他のユーザーがファイルをダウンロードするということになります。ここに存在するのは、各ユーザーと、アクセス・サービスを提供するプロバイダと、ソフトウエアを開発して配布するという当事者だけです。ここでは、著作権侵害があった場合に、権利者がターゲットに一番しやすいのは、ソフトウエアの開発・配布者ということになります。これが難しいとなると、今度はユーザーの責任を追及する、あるいは、場合によってはアクセス・サービス・プロバイダをターゲットにせざるをえない状況が出てくるわけです。
 2ページ目の上の方にいきますと、これはナップスタータイプとグヌーテラタイプの中間形態です。これは、各ユーザーがインデックス・サーバを持つのではなく、特定のユーザーだけがインデックス・サーバとして機能するものです。インデックス・サーバを提供するのがプロバイダではくユーザーであるというでは、グヌーテラタイプに近いのですが、特定のユーザーだけがインデックス・サーバとして機能するという意味で、ナップスタータイプに近い形になります。ここでも存在するのはユーザーとアクセス・サービス・プロバイダとソフトウエアの開発・配布者ということになります。
 これに対してどういう法的な取組みがなされるかという問題について、3ページ目をご覧ください。表についての詳しい説明は後にしまして、大きなところだけ申し上げますと、最初にご紹介しましたBBSのタイプに関して、「プレイボーイ事件」と「ネットコム事件」がございます。「プレイボーイ事件」では、ポスティング・サービス・プロバイダをターゲットにして、それに対して直接侵害責任を追及するというアプローチをとりました。「ネットコム事件」は、同じくBBSに対するポスティング・サービス・プロバイダの責任追及ですが、そこでは代位侵害責任、寄与侵害責任を追及するというアプローチをとりました。「プレイボーイ事件」の直接侵害責任を追及するというアプローチは、最終的に立法的に排除されておりまして、「ネットコム」のアプローチ、つまり代位侵害責任や寄与侵害責任を追及することが可能な方法となっております。
 P2Pですが、ナップスターのようにインデックス・サービス・プロバイダが存在する場合に、代位侵害責任と寄与侵害責任が追及されます。それから、アクセス・サービス・プロバイダは、立証の問題がありますが、事実関係によっては代位侵害責任あるいは寄与侵害責任の成り立つ余地はあります。しかし、事例としてはございません。
 次に、ソフトウエアの開発・配布者に対する責任追及の事例としては「グロックスター事件」というのがあります。この場合には代位侵害責任の成立はなかなか考えることができませんが、寄与侵害責任は事案によっては成り立つ余地もあります。
 それでは、ユーザーに対する責任追及を考えてみようということになりますと、アクセス・サービス・プロバイダにユーザーの情報を開示してもらうということが必要になります。「ベリソン事件」は発信者情報の開示を求めた事件としてございます。
 きょうは、「ナップスター事件」と「グロックスター事件」を通じて、アメリカでどういうような法律が適用されるのかをご紹介したいと思います。8ページ目をご覧ください。「ナップスター事件」は、P2Pの法律問題を本格的に扱った最初の事件です。したがって、論点も多岐にわたって争われております。それだけ判決も詳細に議論しております。最初から問題となりましたのは、ユーザーによる著作権の侵害があるのかどうかという点です。これについては、複製権の侵害と頒布権の侵害が認定されております。ユーザーが他のユーザーに対してファイルを送ると、相手方に違法複製物が発生することになります。通常の頒布の概念からいうと、有形的媒体の移転を頒布と捉えますが、アメリカ法ではそうではなしに、複製物が相手方にできることをもって頒布と捉えますので、複製権の侵害、頒布権の侵害を認めます。
 次に、問題になりましたのは、ユーザーの行為がフェアユースであったのかどうか。これは成立するという議論自身がかなり難しい筋ですが、一応主張されております。ここでは、ユーザーの行為が非商業的利用行為だと、だからフェアユースになり得るのだという主張です。10ページの一番上に判決の要旨を紹介してありますが、「当裁判所に提出された記録によると、許諾を受けたコピーを購入する費用を節約するために、著作権のある著作物から無断コピーが反復して利得のために作成されていることが立証されることから、商業的使用が立証される。」と認定しています。つまり、購入するユーザーが本来であれば正規商品を購入することを節約すること自身が商業的使用だと認定して、フェアユースの成立を否定しております。
 問題の寄与侵害責任ですが、寄与侵害責任というのは、日本法で言いますと、教唆・幇助の行為類型と、侵害のみに使われるものを提供するという行為類型の2つの類型があります。そういう侵害への寄与(コントリビューション)と、侵害が起こることの認識、この2つの要件がございます。認識の要件は今申し上げました2つの類型によって違います。本来は現実的な認識が必要なのですが、侵害のみに使われるものの提供の場合は、侵害に使われることを知るべき状況があれば、侵害に使われるということを知っていたと擬制されるという法理がございます。
 したがいまして、侵害のみに使われる場合には、知っていたか、または知るべきであったということだけで、認識の要件は満たすと。ただ、教唆・幇助の場合には現実的な認識がないと寄与侵害は成立しない。この事件の場合には、ナップスターは侵害のみに使われるシステムではない。したがって、侵害に使われることについて現実的な認識があったことが必要だということで判断しております。原告のアメリカレコード協会がこういう侵害物がインデックスに載せられているという通知を被告に送付していたことを根拠に、現実の認識が被告の側にあったという認定をして、寄与侵害を認定しております。
 もう1つは代位責任の問題です。これは日本の法理で言いますと、使用者責任に近いものです。自分の支配内にある関係者が侵害行為を行った場合には、その者の侵害行為に対して自分が侵害者として責任を負うというものです。その要件は、直接の経済的利得があるということと、直接侵害者に対する監督の権限と能力があるということです。監督の権限があるだけではなく、現実にやめさせることができるという監督の能力も要件にされている、というところが重要な点です。
 13ページ目をご覧下さい。「原審である連邦地裁は、違法なMP3ファイルの交換そのものを監督可能であると認定して、違法なMP3ファイルの交換そのものの差止めを認める仮処分命令を出したけれども、連邦控裁は、仮処分命令の範囲をNapsterシステムそのものではなく、Napster社が監視し得るファイル名インデックスのファイルについてのみ差止めを認めた。」。この事件は仮処分の事案ですが、差止めの範囲を控訴審では狭めました。それは監督が可能であったのは、違法なファイルの交換自体ではなしに、インデックスの範囲に限られると認定したからです。
 次に、グロックスター事件についてご紹介します。これは、P2Pの事案です。先ほど申し上げましたように、グヌーテラタイプの事案です。14ページの下の方から15ページにかけて、P2Pの3つの形態について詳細に紹介しておりますので、参考のために詳しく引用しております。
 15ページ目。寄与侵害責任についての認定ですが、寄与侵害責任については最終的には否定していります。というのは、グロックスターが寄与侵害責任を負う場合には、先ほど申し上げました侵害のみに使われるものの類型ではなしに、教唆・幇助の類型なので、侵害に使われるという現実的な認識がない限りは寄与侵害責任が成立しません。しかし、その現実的な認識があったという証拠はないと認定して、寄与侵害の成立を否定しています。したがって、そういう認識があったという証拠が出てくれば、これはまた判断が変わるところです。
 代位侵害責任については、直接の経済的な利得と監督権限と能力が要件ですが、ソフトウエアの配布者は、配布した後はその利用をコントロールできませんので、監督の権限、能力がないというので、そもそもこの代位侵害責任は成立しないという判断を下しています。
 ただ、この判決はまだ確定しておりません。最高裁に持ち込まれていますが、最高裁も上告を受理しており、今、審査しているところです。ことしの夏に判決が出るのではないかという話があります。
 3ページ目に戻ってください。アメリカにおけるファイル交換に適用される法的枠組みのまとめです。
 まず第1に代位侵害責任です。これを整理しますと、要件としては監督の権限と能力、それから、直接の経済的利得があること。直接の経済的利得というのは、先ほどちょっと省略いたしましたけれども、ナップスターの場合には、インデックス・サーバにアクセスすることにたいして、料金を一切とっておりません。ただ、インデックス・サーバにアクセスするときに、ナップスターとしては、そこにバナー広告を出したりという形で、ユーザーがアクセスしてくれることによって経済的な利得のチャンスがあるわけです。そういうふうに使えるというところから経済的な利得を認定しております。代位侵害責任の効果としては、侵害者として直接侵害者と同様に扱われます。したがって、差止請求や損害賠償請求が認められます。
 寄与侵害責任の要件は、先ほど申し上げましたように、侵害の認識と侵害への関与です。認識に関しては、侵害のみに使われる侵害専用物の場合と、ほかの適法な使い方もあるという場合によって異なってきます。寄与侵害責任の効果としては、侵害者として直接侵害者と同様に扱われます。ここが日本法と違うところです。日本の場合であれば、侵害の教唆・幇助ということになると、侵害者に対して認められていた差止め請求が認められるのかどうかというところが疑問視されています。争いのあるところでございますが、アメリカの場合には、侵害者として差止めと損害賠償を完全に認めるという形になっております。
 それから、ユーザーに対して責任追及しようと思いますと、発信者情報の開示を求めることが必要になります。先ほど申しましたベリソン事件がアクセス・サービス・プロバイダに対して発信者情報開示を求める事案でありますけれども、そこでは発信者情報の開示が否定されております。というのは、発信者情報の開示を認めるアメリカの条文は、そのつくり方からいって、直接、侵害に関係したプロバイダしか対象にならないと解釈されるからです。日本のプロバイダ責任制限法とは異なり、かなり狭い規定ぶりの結果、適用範囲の狭い解釈になっております。
 4ページ目。DMCAに基づく法的枠組みとの関係です。DMCAでは大きく4つの類型に分けております。横に4つ並べてありますが、最初のものがアクセス・サービス・プロバイダ、2番目はシステム・キャッシング、3番目はポスティング・サービス、4番目がインデックス・サービスです。この4つの類型ごとに、それぞれについて、どういう場合に免責するかということを規定しております。要は、ポスティングとインデックスに関しては、寄与侵害責任も代位侵害責任も成り立たないということを要件にしております。それプラス、ノーティス・テークダウンの手続きをとっていることがあって、初めて免責を与える。そうでない限りは原則としての単純な寄与侵害責任、代位侵害責任の問題として処理するというやり方をとっております。
 4ページ目の一番下の文書提出命令は、日本法とちょっと違いますので、ご説明しておきます。アメリカでは、手続きとしては、侵害があるとプロバイダに対してこういう侵害があるという通知を出します。それの控えをとっておいて、裁判所の書記官に対して文書提出命令の申立てを、侵害通知の写しをつけて出す。さらに、これを裁判のために使いますという宣誓供述書をつけて出すということだけで、自動的に文書提出命令が出るというシステムになっております。ですから、実体審理は一切行われません。こういう形式要件の判断だけで行われるというシステムになっております。
 簡単ですが、アメリカの制度についてのご紹介を終わらせていただきます。

○道垣内主査 どうもありがとうございました。
 ただいまの山本委員のご報告につきまして、何かご質問がありましたら、この段階でお願いいたします。
 議論はまた後でしたいと思います。
 どうぞ。

○上野委員 立教大学の上野でございます。
 今、山本委員がアメリカ法の「紹介」という形でご報告になった3ページ目の上の表にあるまるばつの意味についてお伺いしたいんですけれども、ばつの方はこのような責任が訴訟で否定されたという意味、あるいは肯定される可能性はないという意味かと思うんですが、まるがつけられているものの中には、実際の訴訟では結論として責任が否定されたものもあるのではないでしょうか。そうしますと、このまるというのは、事案によっては認められる可能性があるのではないかという意味でしょうか。つまりグロックスターやアクセス・サービス・プロバイダについても、事案によっては責任が肯定される可能性があるのではないかというように、山本先生ご自身の解釈としてのまるも含まれているというふうに受けとめてよろしいのかどうか、確認させていただきたいと思います。

○山本委員 申しわけありません。そこの点について説明が落ちておりました。
 これは私の解釈において、通常、成り立ち得ないというものをばつにしておりまして、事案によっては成り立つ可能性があるというものをまるにしております。
 どうも失礼しました。

○道垣内主査 そのほか何かございますでしょうか。

○松田委員 寄与侵害の成立要件で侵害の認識の規制なんですけれども、100パーセント専用の侵害にしか使えないものを提供するという場合はズバリ当たるんだと思うんですが、おおよそ侵害にしか使わないと。ここは無理やりほかのものに使おうと思えば使えないことはない、ファイル交換に、例えば音楽や映像には使わなくても、使おうと思えば使えないことはないと。こういう場合でグロックスターの一審と二審は分かれていくのではないかと思うんですが、その幅というのは先生のご見解では、アメリカの認識はどうなのかということをご説明願えますか。

○山本委員 のみに使われるものというのは、ソニーのベータマックス判決の中で出てきたのですが、それが基にしている特許法の271条の規定は一般法理を体現したものだと考えられています。したがって、それは著作権法の問題についてもあてはまるというアプローチをしております。して、特許法の271条のC項に「のみ」類型が規定されておりますが、その解釈については、特許事例はたくさんあります。それがパラレルに著作権の事案にも適用されると思っていいと思います。日本における101条の1号に「のみ」というのがありますが、あの「のみ」も100パーセントという意味でなしに、もっと実質的な使い方において「のみ」を判断しています。アメリカでも基本的にはそれと同じようなアプローチをしております。
 先生がご指摘のように、地裁と高裁でその点についての認識の違いがあったのかどうかについては地裁の判決について覚えておりませんので、断言はできませんが、そうではないのではないかと思います。

○松田委員 ありがとうございます。

○道垣内主査 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、この点につきましては、また後で必要があれば山本さんにお聞きすることにしまして、次に、事務局から、ファイル交換に関する論点についてのご説明をお願いいたします。

○事務局 お手元の資料2、資料3をごらんください。
 まず、資料2で、今回の議題の問題意識について簡単に説明したいと思います。96年に、WCT、WPPTができまして、デジタルコピーとかインターネットの出現に伴って送り手と受け手が、手段の多様化とか技術の高度化に対してどうやって対応するかということで、利用可能化権とか技術的保護手段、権利管理情報が盛り込まれております。
 その後、技術が発展しまして、大きな流れとして非常に象徴的なものがファイル交換とDRMではないかと考えています。大きな課題として2つございます。1つは、インターネット技術は従来のワークステーショナルのコンピューティングシステムを、設備投資をしながら構築して、大容量の通信容量を必要としたシステムから、ワールドワイドウェブといったグローバリズムの通信ネットワークを構築することによって、非常に便利なものになっていったわけです。
 また、それにあわせて検索システムについてファイル交換の技術が使われることによって、仲介者を通じないでブローカレスのシステムが構築されて、ネットワーク技術は格段に高まってきたということがあるかと思います。
 一方で、匿名性が高まることによって、著作権侵害を引き起こしてしまうような環境が起きてきておりまして、汎用技術の開発と著作権の取り締まりをどういうふうに調和していったらいいかのというのが大きな課題の一つかと思います。
 もう1つは、P2Pを用いたファイル交換とDRMとの関係ですが、P2Pのファイル交換については著作権侵害の中に起きている活動でありますし、DRMというのは産業界が関係者間で相談しながら独自に技術とか契約を協議することによって合法的なシステムを構築してきたものでありまして、今のマーケットは合法的な活動と非合法の活動が混在した状況にあるのではないかと考えています。
 こういった中で、今後、違法行為を抑制しながら、合法的な活動をさらに促進していくための方策がまさに今求められているのではないかと思っていまして、以下、現状を踏まえて課題について説明させていただきたいと思います。
 山本委員からシステムについて詳細な説明がありましたので、そちらについては割愛させていただきます。
 参考資料の1ページ目をごらんください。国内におけるファイル交換ソフトの利用状況について説明いたします。これはレコード協会とACCSの共同調査でございまして、2001年5月、2003年1月、2004年6月と過去3回にわたって定点観測が行われていますが、これはアンケート調査に基づいて推定値を求めたものでございまして、ファイル交換ソフト利用者については、インターネット利用者総数2,900万人の6.4パーセントにあたる186万人がファイル交換ソフトを利用しているものと推定されております。その内訳ですが、過去の利用者数が87万人、現在の利用者数が99万人でございます。
 一点訂正があるのですが、この数字は2003年1月の数字でありまして、2004年6月の数字は、87万人に対応するのが145万人、99万人に対応するのが95万人、合計240万人になります。失礼いたしました。
 また、ファイル交換ソフトにつきましては、日本の場合はWinMXWinnyが主流になっております。そのうち著作物の占める割合が92パーセントと推定されております。ここには書いてありませんが、年齢別で見ますと、30代が一番多くて、その次が40代、その次は20代となっております。職業別で見ますと、会社員と専業主婦が一番多い割合となっております。
 次に世界の動向でございますが、6ページ目をごらんください。こちらはOECDの2003年10月の報告書でございます。左側の欄、OECDにおける世界のP2PのユーザーのうちOECDの国の占める割合は、一番下にありますが、96.9パーセントになります。アメリカが一番上で15.4パーセント、日本は第12位で0.7パーセントになっております。
 ここには書いてありませんが、それぞれの国におけるファイル交換ソフトの割合でございますけれども、例えば北米ではKazaaが76パーセントを占めており、WinMXが15パーセント、Winnyが8パーセントです。ヨーロッパでもKazaaがやはり多くて、イギリスではKazaaが60パーセントを占めています。これに対して日本の場合はWinnyWinMXが多いということかと思います。それから、先ほど説明がありましたナップスターに対するのが、日本でいうとファイルローグにあたります。また、グヌーテラ型に対応するのが日本でいうWinnyになります。
 次に、各国のファイル交換に関する民事訴訟例についてですが、8ページ目をごらんください。本日の議論をわかりやすくするために、この論点表につきましては、今回、直接的な侵害と間接的な侵害に分けて書いております。これはいろいろな議論があると思いますが、直接的な侵害につきましては、ファイル交換を使って違法行為を行っているユーザーのことを示しております。間接的な侵害につきましては、ファイル交換システムを提供した人、あるいは、そのシステムを開発した人の行為を間接的な侵害というふうに、この主張では整理しています。
 8ページ目の民事裁判の事例でございますが、アメリカについては先ほどの山本委員のご報告のとおりでございます。日本については、ファイルローグ事件がありまして、控訴審の判決がなされまして、その後判決が確定しております。具体的には差止請求、損害賠償請求が出されまして、システムを提供しているファイルローグMMOに対して著作権侵害が認定されております。この場合、ユーザーの法的責任としては複製権侵害、自動公衆送信権侵害、著作物の侵害と隣接権の送信可能化権侵害が認定されております。
 次にヨーロッパでありますが、オランダについてはオランダカザー事件がありまして、差止請求がなされて、最終的には間接侵害が認められておりません。ベータマックス的な解釈を引用した上で、カザーいう集中管理ではない方式については侵害が認定されておりません。
 右にいきまして、オーストラリアについては、オーストラリアのカザー事件がありまして、現在係争中です。また、カナダにつきましては、間接的な侵害ではないんですが、29人のユーザーに対して侵害責任が問われまして、最終的には、カナダの著作権法においては利用可能化権がまだ整備されておりませんので、これは私的利用規制にあたるということから、責任がないということで認められております。また、29人のユーザーについてのISPの情報提供の請求がなされていますが、それについても認められておりません。
 次に、各国の「間接的な侵害」に関する法的な枠組みですが、7ページをごらんください。
 アメリカと違いまして、日本では慣例法において具体的に間接的な侵害に関する関連法が成立しているわけではありませんので、幾つかの訴訟例についての要件をまとめております。ファイル交換については、ファイルローグ事件地裁判決と控訴審判決がありまして、その要件は3つに分かれます。1つは行為の内容・性質、2つ目は管理・支配の程度、3つ目が利益の状況です。これは著作権の侵害責任を認定しておりますので、こういった3つの要件から抜け落ちております。
 これ以外にも、カラオケ行為とかいろいろなこれまでの間接的な事件、侵害に対する訴訟例が出ておりまして、それを簡単にまとめたものが上の段でございます。1つの例として、「クラブキャッツアイ事件」の最高裁判決においては、管理・支配の程度と行為による利益を認定しております。もう1つは、「2ちゃんねる 小学館事件」控訴審判決においては、同様に侵害行為の認識またはその可能性と、実質的な関与を述べております。
 また、ドイツ、イギリスでは、間接的な侵害については著作権法に限ることなく、認知法体系、情報体系それぞれの基本的な体系に基づいて、損害賠償とか差止請求が認められるかどうかという判断がされていまして、そこは著作権法制度に限らない検討が必要になるかと思いますが、ドイツについてはこういった規定がございます。ドイツ著作権法の97条において「損害賠償を請求することができる」というものと、「この場合、侵害する者の中では、その行為と権利侵害との間に相当因果関係が存在する場合を含むものと解されている」とありまして、これを適用してナップスター事件がございます。その場合には、実際にナップスターのシステムを提供した人に対して、相当な因果関係を有するものとして責任を認定しております。
 イギリスにおいては二次侵害責任についての具体的な条項がございまして、1つは侵害複製物の作成のための手段の提供について規定がございます。また、侵害複製物の作成者の無許諾な送信についても規定がございますが、これに関する具体的な判例はございません。
 次に、資料2に戻っていただきまして、1ページの2.(2)のところまで説明させていただきましたが、1については、ここで議論の対象になります直接的な侵害については、カナダなどでは利用可能化権が規定されておらず、ファイル交換行為が「私的使用」として権利侵害にあたらないという判断がされた訴訟もございます。
  2ダウンロード行為の違法性ということですが、日本法においてはダウンロード行為は「私的使用」の範疇ということで、現在は権利制限されているという認識だと思います。一方、アメリカにおいては、「フェアユース」の適用によりまして、たとえダウンロード行為であっても、損害の多寡に応じて侵害の行為にあたるということが認定できるのではないかと考えております。また、ドイツ法は日本法とかなり似た体系でございますが、私的複製について今回法改正がなされておりまして、利用者が悪意である場合には、ダウンロードを行った先のサイトが違法サイトであることについて悪意である場合には私的複製行為についても違法行為であるという法改正を行っております。
 次に、間接的な侵害への対応でございます。アメリカにおいては寄与侵害、代位侵害の体系が成り立っております。日本においては、ファイルローグ事件の控訴審判決については、自らコントロール可能な行為により侵害の結果を招くこととして侵害を捉えております。また、先ほど申し上げましたカザー事件などもございます。
 これも一つの検討事項になりますが、ファイル交換に関する訴訟上の請求の内容として損害賠償や差止請求が考えられますけれども、各国の実体法、訴訟法の体系によって取扱いも異なっているかと思います。日本法の場合には、差止請求については、著作権というのは無体財産権でありますので、所有物や専有権の目的物に対する保全請求、侵害排除など予防請求の観点から、現在、112条において差止請求権が認められておりますが、こういった間接侵害に対してどこまで認められるかというのが一つの課題になっているかと思います。
  4原告の挙証責任でございますが、ファイル交換といったネットワーク上の侵害というのは、侵害の発生、及び損害額の認定が難しいかと思います。民事訴訟において原告側が挙証するのは非常に難しいものですから、各国でいろいろな制度が整備されております。日本においては104条をこれまで改正してきまして、「損害額の推定規定」とか「相当な損害額の認定」、裁判所による認定規定が設けられております。アメリカにおいては「法定損害賠償制度」が構築されておりまして、著作物1件当たりの侵害について750ドルから3万ドルの法定損害金額が認められるようになっています。「実額損害賠償制度」と「法定損害賠償制度」を原告が選べるようになっております。また、カナダについても、法律を整備しておりまして、同様の「法定損害賠償制度」を設けております。
 以上が、現状認識でございます。
 本日ご議論いただきたい検討事項について簡単に説明させていただきますが、基本的な方向性については3つございます。1つは、冒頭に申し上げましたネットワーク取引の多様な在り方の基本的な考え方として、今、DRMを使った合法的な活動がなされておりますが、こういったものはニーズと契約でもって関係者間で議論することによってビジネスモデルが構築されるものですので、あくまで関係者間の取組みを尊重しながら、必要な場合には法的な措置を講じるのが基本的なスタンスではないかと考えております。一方で、ファイル交換といった違法行為が行われておりますので、それに対して事後的な救済措置をいかに構築するのかというのがもう1つの課題ではないかと考えています。
 2つ目は、P2P技術は民生用途でありますが、この技術がファイル交換に使われますと、著作権侵害を引き起こすことになりますので、民生用途の開発と著作権の違法行為に対する対応を分けて考えるべきではないかということです。
 3つ目は、侵害の捉え方についてです。個別具体的にユーザーの行っている違法行為を捉えていくのか、あるいは、もう少し広げてファイル交換システムを提供する人に対して侵害を捉えていくのがふさわしいのかということについて、議論する必要があるのではないかと考えております。
 次に、具体的な課題でありますが、(2)についてご議論いただきたいと考えております。今回は国際的な議論への対応の在り方についてご議論いただきたいと考えておりますが、これは国内の問題ともかかわりがあるかと思います。一部については法制問題小委員会で議論されておりますが、本委員会におきましては、法制問題小委員会の方向性も考慮しながら、我が国としてこういった議題が国際的に取り上げられた場合にどういうふうな方向で臨むのかということをご議論いただきたいと考えております。
 また、その検討の場としましても、マルチ、リージョナル、バイ、それぞれの場の検討課題としてふさわしいものがありますので、そういった検討の場に議題として取り上げていきたいと考えております。
  1としては、先ほど申し上げました侵害の捉え方で、どこまで侵害として捉えるのかということでございます。
  2は、直接的な侵害への対応の在り方として、直接的な侵害については、現行著作権法においては「利用可能化権」の対応でカバーされるのではないかと思われますが、ファイル交換というのは、将来、発展して,例えばアップロード行為とダウンロード行為が分離されて行われた場合に、現行の著作権法では対応が難しくなるかと思いますけれども、現行の著作権法で十分に対応が可能かどうかというのが2の課題です。
  3、現在のダウンロード行為については、私的複製の対象と考えておりますが、今後、こういったダウンロード行為についてどういうふうに考えていったらいいのかというのが3点目の課題です。
 4点目といたしましては、各国、基本法に基づきまして間接的な侵害についても検討がされているわけですが、我が国としてもどういった範囲を間接的な侵害として捉え、法的な措置を講じるべきなのかを議論すべきではないかと考えております。その際に、損害賠償請求と差止請求の関係をどういうふうに整備したらいいのかということも課題としてあるかと思います。
 5番目としまして、原告の挙証責任の在り方については、ネットワーク上の侵害というのは挙証することが難しいということでありますので、さらなる原告の挙証責任の軽減策を検討する必要があるのかどうかというのが5つ目の課題です。
 6つ目の課題でありますが、ファイル交換は国境を越えて行われるものですので、準拠法も課題として挙げられるかと思います。
 現在、法令の現代化というのが法務省の法制審議会で検討されておりまして、3月に要綱の中間試案が出されております。その中の「不法行為」の準拠法について報告がなされておりまして、従来の法令の第11条においては「不法行為地法主義」がとられてきたわけですが、その場合に、「加害行為地説」なのか「結果発生地説」なのか2つの説がございました。
 今回、これを明らかにしようということで議論が行われておりまして、新しい案では、不法行為の結果が発生した地を原則と考えながら、例えば加害者がその地における侵害の結果の発生を予測することができず、かつ、予見できなかったことについて過失がない場合には、加害行為がされた地の法律によるということも検討しているようでございます。
 一方、著作権などの知的財産においては属地主義といった考え方もございますので、不法行為が起きた場合の準拠法の考え方について、今後どういった法律がふさわしいのかということも議論の対象になるかと思っております。
 以上が法的な対応の在り方でございますが、これ以外に啓蒙普及策というのがあるかと思います。主に国内の啓蒙普及と海外の普及の2つに分けております。国内につきましては、先ほど申し上げたとおり、ファイル交換の利用は若年層で占められておりますので、こういった人たちに対してどういう啓蒙普及を行うことが効果的なのかということが課題として挙げられると思います。また、海外につきましても、アジア諸国などでファイル交換の侵害が行われておりまして、日本のコンテンツを守るためにもアジアに対してどういった啓蒙普及が考えられるのかというのは課題として挙げられるかと思います。
 以上でございます。

○道垣内主査 今の論点に沿ってご議論いただきたいと思いますが、その前にもう1つ、菅原委員にファイル交換の実態についての資料を作成していただいておりますので,これについてご報告いただけますでしょうか。

○菅原委員 それでは説明させていただきます。
 きょうはファイル交換が中心ということでございますけれども、国境を越えた侵害の実態、特に日本の楽曲が掲載されているものについてまとめております。資料4の1ページ目がそのようなサイト、通常のホームページ・配信サイトのものでございます。一部、ご説明いたしますと、6番にある中国のMP3ステーションというサイトが、備考にありますように、2005年4月現在、サイトへのアクセス不能となっておりますが、資料の17ページにありますように、名称を変えまして、MuMuとして行われています。ただ、サイトの表示とか決済関係はすべて以前のMP3ステーションと同一のものと思われます。
 それから、合法性の主張があるというふうにありますが、ロシアのものも違法サイトと思われます。資料の中では主に洋楽と書いてございますが、宇多田ヒカルや浜崎あゆみの楽曲等日本のものも含まれているというのが現状でございます。これらにつきましてはそれぞれの国の著作権管理団体に対して調査をお願いしているがなかなか回答が返ってこないというのが現状でございます。
 それから、2ページ目はファイル交換で、ファイルの名称等把握できている範囲の程度でございます。これは国際的に動いていると言われているものでございまして、詳細につきましては、監視システムも攻撃される危険があり把握することが難しいということでございますけれども、ここには6つほど挙げております。
 もう1つ、資料には記載しておりませんが、ソリバダという韓国のファイル交換がありますけれども、その状況をご報告いたしますと、今年の1月に韓国の高等裁判所で刑事事件上は無罪ということになりましたが、1月25日、民事上の損害賠償についてはそれを認めたということになりまして、現在、上告中ということでございます。なお、ソリバダは中央サーバー型ですが現在グヌーテラ型のソリバダ2というソフトが提供されているとの情報が入っております。
 それから、上の方の17、18、19というファイル交換につきましては、日本語版のソフトがあって、これがまかれているということでございます。
 以降の資料につきましては、それぞれのサイトのハードコピーでありまして、ファイル交換の国際的なもの、特にアジアでの侵害の実態の一部について参考までにご紹介しました。

○道垣内主査 どうもありがとうございました。
 アジア関係が多いということで、これをどのくらい使っているかということはわからないんですね。

○菅原委員 それはわかりません。

○道垣内主査 それはわからないんですね。はい、わかりました。
 そういう実態も踏まえまして、先ほどの論点について、ご報告にもありましたように、国際的な場での議論はまだ明確に動き始めているわけではございませんけれども、そういうことを念頭に、まずは日本法としてどうあるべきか。これは、おっしゃったようにこの小委員会だけの管轄ではなくて、ほかの委員会との調整も必要でございますけれども、必要な限度はご議論いただかなければいけませんので、日本での在り方を含めてご検討いただきたいと思います。
 議論の順番は特にございませんが、資料2の2ページの3.検討事項のところで、基本的方向性、それから、次のページの(2)で対応の在り方がございますので、まずは基本的な考え方についてご議論いただけることがございましたら、お願いいたします。
 なお、12時半までの予定ですから、約1時間ございますので、細かい点からでも大所高所からでもよろしくお願いいたします。
 では、上原委員、どうぞ。

○上原委員 最初に質問ですが、教えていただきたいことがあります。資料3の7ページの「間接的な侵害」に関する各国の法制度のイギリスの法令及び適用要件のところの第2のところで「侵害複製物の作成者への無許諾な送信」というのが理解できませんで、何を指しているのかなと。明らかに侵害複製物を作成しているホームページ等があった場合、そこにアクセスすることを違法としようとしているのか、あるいは、侵害複製物を作成しようとしている、例えばホームページで侵害複製物をつくっている人のところへ何らかのものを送ることを違法化しているのか、その辺の具体的なイメージかつかめなかったので。恐らく丸めて書いていらっしゃると思いますので、そこの意味を教えていただければと思います。
 もう1点もご質問でございまして、ドイツでダウンロードについても一部、違法化するという立法がなされたということでございますが、アメリカのフェアユースにおけるダウンロードを複製で捉えていくというのは、フェアユース全体の大きな仕組みの中で「間接侵害」等で意味があると思うんですけれども、ドイツの法制を見た場合、ダウンロードを実質的にエンフォースで捉えるのは非常に難しいと思いますので、現実にこの法律ができ上がった後、何らかの実例があったのかどうかということがおわかりでしたら、お教えいただきたい。
 この2点についてお答えいただきたいんですが。

○事務局 まず、後者につきましては、ヨーロッパの弁護士事務所を通じて調査した結果、2003年10月にドイツの法律改正が行われていまして、EUでは2001年、デジタル対応のためのディレクティブがだされていて、それに基づいて各国が法整備をしています。ドイツは2回、法律改正を行っていまして、後者の2003年の法律改正においてダウンロードについての法律改正を行っています。
 違法サイトであることについて悪意のユーザーがダウンロードした場合には取り締まるということなんですが、これはエンフォースメントがかなり難しいと思います。原告が挙証しないといけないんですが、本当に難しいだろうと思います。ただ、基本的には何らかのファイル交換に対する対応が必要だということで、こういった規定をおいているのが今回の改正でございます。
 あと、24条の第2項、イギリスの法律にもございますが、「著作物の著作権は、著作物の侵害複製物が作成されることを知りつつ、または信じる理由を有しつつ、電気通信設備の著作物を著作権者の許諾を得ずに送信する者により侵害される」とありまして、これが送られたことによって著作物の侵害複製物が作成されることを知りながら、あえて侵害した人をここでは「侵害者」ということで認定をしています。
 ですから、自ら複製する人ではなくて、侵害を引き起こすことをわかっていながら、著作物を送る行為を二次的な侵害として捉えています。

○道垣内主査 よろしゅうございますでしょうか。複製権侵害の枠組みの中で送信を捉えているのでそういうなるということでしょうかね、送信自体をこの規定が対象にしているのではなくて、送った先で複製が行われることを知りつつ送るということを禁止していると。

○事務局 はい、そうです。

○道垣内主査 そのほかにご質問があればどうぞ。

○奥邨委員 神奈川大学の奥邨でございます。まず、ファイル交換の利用状況調査のところのサンプル数ですね、どれぐらいのサンプル数が前提の数字かお教えいただきたいというのが1点ございます。
 それから、8ページにカナダの事件についてお書きですけれども、私も1年ぐらい前にこの事件の判決を読んだだけなので記憶が定かでないため確認なのですが、ご説明された趣旨は、いわゆるユーザーの情報開示を求めたところ、私的複製だから違法ではない、違法ではない以上、情報は開示しないという一連の流れの論理の判決だったのかなと思いますけれども、それでよろしいのでございましょうか。
 3点目が、論点ペーパーの2ページ目のダウンロード行為の違法性のところで、「一方、米国は、損害額の多寡に応じて、ダウンロード行為についても「フェアユース」の適用により」となっているのですが、「損害額の多寡に応じて」というのは、損害額だけにかかわるというような判決があったのでしょうか。不勉強で申しわけないのですけれども、お教えいただければと思います。
 以上でございます。

○事務局 1点目のアンケート調査ですが、回答数は2万4,000件でございます。
 2点目のカナダの訴訟については、おっしゃるとおりの認識でよろしいかと思います。
 3点目の「フェアユース」についてですが、米国著作権法107条の要件は4つありまして、その使用の目的及び性質から始まりまして、著作権の経済的な影響、この4つのものを総合的に勘案して検討されていますので、4つ目だけを考慮して判断するものではございません。その点は訂正させてください。

○道垣内主査 よろしゅうございますか。
 では、松田委員。

○松田委員 資料2の2ページ目の検討事項は、ファイル交換に関する国内法の対応等を検討するということになるかと思うんですが、既にこの資料にもありますように、米国でいうところの寄与侵害や代位侵害に近いような認定方法というのは、既に日本の裁判所にはあらわれているわけですね。資料としても出ています。特に、カラオケの数多くの積み重なった判例は、管理可能性と利益利得ということで、それが前提としていますし、その他の事件例、例えば改変の事件、改変ソフトの販売などでは改変のみに使うソフトであるかどうかということで認識と、そのソフトウエアの実質的な使い方を認定して判断していくということがあります。そうすると、これは、ファイル交換だけでなくて、以前、日本で既にある程度の判断、もちろんそれは最終的には直接侵害と同じようなものとして判断されたんだと思うんですけれども、規定はありませんので直接侵害と同じ法律の範囲なのか、どういうふうに判断されたのか。
 ファイル交換は影響が大きいということは十分承知しておりますけれども、予防法の日本での立場を考えるときに、「間接侵害」が法制の中に取り込まれるべきかどうかということを議論していく場合には、ファイル交換だけではないんですよね。この点はこの会合でも共通認識でいいのではないかということがあると思いますし、事務局の見解をお聞きしたい。この資料はファイル交換に限定しています。

○道垣内主査 事務局、何かないですか。

○事務局 今、法制問題小委員会の中で「間接的な侵害」に対する検討がなされておりまして、ファイル交換だけではなく、いろいろな「間接的な侵害」に対してどういう対応をするのかというのが大所高所から議論されるかと思います。
 本委員会については、1つの事象でありますファイル交換を取り上げておりますが、この検討は「間接的な侵害」全般にわたるものだったというふうに認識しております。

○道垣内主査 松田委員のおっしゃるところは、あまり広くしすぎるとよろしくないということがあるんでしょうか。

○松田委員 「間接侵害」を要綱上考えるときには、ファイル交換だけで要件を考えるわけにはいかないのではないのかと言いたいんです。

○事務局 まさに先生のおっしゃるとおりだと思っておりますが、国際小委員会では、最初に説明しましたように、WIPOでデジタルの課題の検討が以前にもありましたし、今後も情報会合なども出てくると思いますので、そういう中で日本としての立場を説明していくということで、本日は議論していただこうと思って、ファイル交換における間接侵害の部分に限定してご議論していただこうと思っております。

○道垣内主査 法制的に対応する場合にはまた広い目で見直していくかと思います。
 ほかに。どうぞ。

○高杉委員 1点は確認なんですが、資料2の3ページ(2)の5原告の挙証責任の在り方についてのところで「法定賠償制度」について触れているんですが、この最後の一文、「一部の国で導入されている「法定賠償制度」については、「実損額を補填する」制度と異なることから、慎重な対応が求められるが、どのように考えるべきか」というまとめになっておりますけれども、ここで言う「実損額を補填する」というのは、逸失利益の賠償のことを指しているのかどうか。以前、司法救済制度小委員会で検討された中では、「法定賠償制度」は挙証責任を軽減化するための制度として考えられていて、懲罰的な賠償制度とかいわゆる二倍、三倍賠償とはちょっと異なるという認識があったものですから、その点を確認したいと思います。

○道垣内主査 お答えできますか。

○事務局 これは2年前に松田委員が主査をされた司法救済制度小委員会の中でも議論されておりましたが、法定損害賠償のアメリカの考え方は懲罰的な損害賠償というよりも、むしろ行為の侵害の対応から考えたときの一定の侵害が認定されるというものでありまして、懲罰的な賠償ではないと。ただ、損害額の実損を原告が挙証するのではなくて、こういった侵害行為が行われるので、これぐらいの損害額が発生するということが認定されて、金額が決まる制度というふうに考えております。

○道垣内主査 そうしますと、この記載は少しミスリーディングであるということでしょうか。ここでいう「法定損害賠償制度」というものを一般的に。今おっしゃったのは実損額賠償の話ですよね。

○事務局 そうですね。この表現については修正したいと思います。

○道垣内主査 ほかにご質問、ご指摘その他ございませんか。
 どうぞ、山地委員。

○山地委員 資料2の2ページ目の(1)基本的方向性の1はちょっと曖昧な点があるのでもう少し明確にした方がいいのではないかと思います。まず、3行目に「違法行為」とあるんですけれども、これは現行法に照らしたときに違法な行為という意味なんでしょうか。私自身は、何が違法かということがグレーで、問題になっているということがかなりあるのではないかと思うんですね。
 確かにキャッツアイ事件等でカラオケ法理などが言われたり、誰が主体かという議論が散々行われていますが、個別の判決を見ると、それはそれで妥当だと思うのですけれども、司法の判断が出る前に一般の人たちが考えたときに何が違法なのかがわからない、グレーであると、非常に問題なのではないかと思うんですね。だから、まずは何をもって違法とすべきかという議論があってしかるべきではないかと思います。
 そのことに関連して、3ページの(2)の1に侵害行為の捉え方というのがあって、侵害行為の範囲をどのように捉えるべきかというのがあるんですが、この範囲ということと何が侵害だということは関係があるんでしょうか、何か別のことを言っているのか、それがちょっと読み取りにくいので、もう少しクリアにしていただきたいと思います。もし関連がある、同じようなことを言っているんだとすれば、これは別の項目として挙げるのはいかがなものかと思います。
 それから、2番目は、もう一回(1)の1に戻っていただきまして、4行目に「法的措置も含めた環境整備」とあるのですが、この「法的措置」というのは、文脈からいうと立法とエンフォースメントと両方含めた言葉かと思われます。しかしながら、日本法はなかなかよくできていて、国際裁判管轄と準拠法の問題は別として、日本の法律だけを見た場合には、「送信可能化権」とか「公衆送信権」とか、場合によっては「複製権」、そういったものを加味するとかなり立法上は手当されているような気がします。
 しかしながら、エンフォースメントについては確かに問題がないこともない。グヌーテラのようなピュアP2P型に対して、開示請求がうまくワークするかとか、あるいは、アメリカの方式のように、被告の名前を特定しないで、訴訟開始できるようにする必要があるのかどうかとか。そういう問題はないでもないと思うんですけれども、ここの文脈、「基本的方向性」でまず最初におっしゃっている「法的措置」というのはどういう感覚をもって言われているのか、もう少しクリアにされた方がいいのではないかと思います。

○道垣内主査 何かコメントいただけますか。

○事務局 まず、第1点目につきましては、現行法での侵害行為の範囲がグレーであるというのは問題意識としてございます。したがいまして、どこまで法的な措置が及ぶのかということを明確にする必要があるかと思っています。そういう意味で、侵害行為の範囲と、何が侵害なのかというのは同じ意味で捉えていますので、侵害行為の範囲につきましても、もう少し明確に表現を変えたいと思います。
 ここの1に書いてあります「法的措置も含めた環境整備」というのは、立法措置、エンフォースメントも含めた概念で書いております。具体的に裁判で行われている「間接的な侵害」について何らかの立法措置が今後必要なのかどうかということ、または、原告の挙証責任を軽減するための法的措置もあるかと思いますが、次に具体的にエンフォースメントがどのように行われるのかということについても、対象に入るのではないかと考えております。

○道垣内主査 よろしいですか。
 要するに「基本的方向性」というところは、ネットワークで他人が持っているものを勝手にダウンロードしている人たちが実際に存在すると。それは何とかしなきゃいけませんねということを書いている部分だと思うんですが、そのこと自体についても異論があるということでしょうか。

○山地委員 いやいや、そのこと自体を特に私は問題にしたわけではなくて、そういうことを問題にしているのかどうかということがしかと読み取れませんということを申し上げたんです。
 例えばファイルローグ事件だって、僕は日本エム・エム・オーの肩を持つわけではないし、個人的な何の知識もありませんし、知人関係ではないんですけれども、あの会社は自分はこれでいいんだと、合法だと思って始めたんだと思うんですね。だけど、結果的には裁判になって、判決では負けてしまったんですけれども、エム・エム・オー自身はこういう手を打っておけば合法のはずだと、notice and takedownまでいろいろなことを考えてやっているわけですね。自分自身が複製しているわけではないということも議論して、ホームページでもそういう説明が書かれていますし、皆さん方エンドユーザーが直接、不正行為をしたら、それはあなたたちが違法ですよということも書いている。
 そういう問題が根元にあるわけで、まず基本的方向性といったときには、そこら辺の議論から始めるべきではないでしょうかということを私は申し上げたんです。

○道垣内主査 わかりました。
 エンドユーザーの立場から考えると、どういう措置をとれば安全で、どこがいけないことなのかという明確な基準がないと安心して生活できないと思います。余りに暗い社会にするのもいけないと思いますが、ただ、エンドユーザーがやっている行為によって著作権者が損失を被っているということはあるだろうと思いますので、わかりやすく、いい仕組みをつくるということでしょうか。ただ、悪いことは悪いですねと。エンフォースメントも、個々の人たちの根っこを押さえなきゃいけないかもしれない。そのようなことが必要なのではないかと。
 具体的な問題としては、次のページにあるようなことを詰めていかないと決まらないということだと思います。
 山本委員、どうぞ。

○山本委員 今、山地委員からご指摘のあった点はこの議論の出発点になると思いますので、ちゃんと考えたいと思います。まず違法行為として何を捉えるのか、その範囲が不明確だという問題もありますが、無断でファイルを送信する行為が違法であることははっきりしている。そこが出発点で、次に送信する側の違法行為をとめるためにはどうしたらいいのか、発信者情報の問題にもなりますし、ダウンロードする側は今は違法ではないのではないか、それを違法にすべきではないかと、そういう対応の必要性が浮かび上がってくる。
 さらに、間に入っているプロバイダについて、どういう責任を課すべきなのか、有効にそれをとめるためにどういう責任を負わせるのがいいのか。さらに、P2P技術の発展とのかねあいでどうしたらいいのかという問題に広がっていく。ここで出てくる問題は、何を違法にすべきか、あるいは、どういうエンフォースメントを認めるべきかという問題ではありますが、出発点は無断でファイルを送信するのは違法行為だと、そこに始まっているように思います。
 そういう理解の仕方で、いいのではないかというのが私の意見です。

○道垣内主査 いかがでしょうか。
 ちょっと私からお聞きしたいんですが、ダウンロードして、自分の持ち歩けるものに複製すると。それも違法ではないんですか。

○山本委員 今の法制の中ではどこから持ってきたものをコピーするかという対象は限定されていませんので、私的複製として適法になってしまうと思います。

○道垣内主査 個人で持っている限りということでしょうか。

○山本委員 はい。ですから、今の法制の中では送る側だけが違法で、受ける側は適法になってしまうと思います。

○道垣内主査 松田委員。

○松田委員 送る側は送るときには一対一の関係だから、それを実質的に違法と考えるには、仕組み全体として公衆というものを取り込んでいるかどうかということを違法性のメルクマールにすべきではないかと思いますね。
 その点は山本委員も同じ意見だろうとそういう前提で同じだと思います。

○道垣内主査 上原委員、どうぞ。

○上原委員 今の話の続きになると思うんですが、連休中に著作権法を読み直しておりまして、日本の今の法律からいいますと、自動公衆送信及び送信可能化が非常に細かく規定されておりますので、基本的には現在出ているP2Pのファイル交換のほとんどすべてのケースにおいて、送出側は違法行為と認定できると思います。それは山地委員と同様でございます。
 今、松田委員のお話にありました公衆という概念につきましては、日本では不特定又は多数でございますので、自分のファイルが不特定の人にとられてもいい状態において、それをネットワークにつなぐ行為はまさに自動公衆送信と送信可能化ということでございますので、今の法律は非常に細かいところまで、できたときは非常にわかりにくい法律だったんですが、今からみると非常に整理されていてきちんとできていると思うんです。
 今の議論をお聞きしていて思いますのは、違法化できているかどうかということになると、ファイル交換については違法化できている部分がきちんとあるわけです。ただ、問題はエンフォースが非常に難しいということになるので、エンフォースをどういうふうに考えていくべきなのかと。そういう二段構えで考えていかないと話が混乱するのではないだろうかと。エンフォースを考えていったときに、例えばダウンロードも違法とした方がエンフォース上効果があるんだとか、間接侵害をどう捉えることによって全体的にエンフォースがきちんとできるようになるかという問題になろうかと思います。ただ、そうなった場合には、間接侵害の問題は、先ほど松田委員がおっしゃられたように、このファイル交換だけでできる話ではありませんし、ダウンロードを捉えた場合には、エンフォース上本当に役に立つのかと。それで僕はお尋ねしたんですが、ドイツの実例を。
 もう1つ、この問題を考えるときには私的複製という著作権法の制限規定の中の根本になる問題をどう概念として扱うのかという基本的議論はしないといけないだろうと。こういう2つの問題が含まれておりますので、国際小委員会としては問題提起をしていくことはできるかもしれませんが、その問題点を洗い出した上で、中の議論は法制小委員会に渡さないとしようがないのではないかと思います。当小委といたしまして、先ほど課長からお話がありましたように、今後、国際の場でいろいろ問題が出たときに、日本の立場としてどうするかという問題点をある程度考えておかなければいけないところだと思うんですね。
 そういう点から言いますと、一番最初の出発点、つまり、山地委員も言われましたし、私も申し上げた、日本の著作権法はよくできているのではないかと。少なくとも違法という意味ではきちんと押さえられているというのは、国際条約上は利用可能化権、日本でいう送信可能化権の国内立法がきちんとできているからでありまして、先ほどのカナダのデータというのは、利用可能化がきちんと国内法に落とされていないところに問題があるのではないかというご指摘もあったところなので、国際の場でまず言うべきことは、利用可能化権を日本のようにきちんと国内法に落として、そこの段階で細かく対応できるような方法をとるべきではないかということが、まずは日本が国際的に言うことではないかということを国際化小委員会として確認していった方がいいのではないかと思っております。

○奥邨委員 今の点に関連してですが、エンフォースメントということを考えたときに、違法な行為を捕まえられるのかということに必ず焦点がいくわけで、当然それでいいんですが、それだけだろうかと。今日のために、グロックスター事件に関するアメリカの最高裁でのoral argumenttranscriptを、にわか勉強して参りました。
 その中で、権利者側に対して判事が言ったことのほとんどが、いわゆるchilling effect、一つの行為を違法とすることによって、ほかの合法的な行為にまで悪影響が出るのを果たして権利者側はどういう形で押し止める策を考えているのかということの問いかけなのです。そこは十分なんだろうかということを常に問いかけていると。
 一方で、グロックスター側に対しては、彼らはchilling effectをいうわけですが、chilling effectといえば、逆に何をやってもいいということになるのかと問い詰めているわけです。
 私は、どちらの立場に立っている訳でもないんですけれども、少なくともアメリカで今、グロックスターが問題になっているのは、良くできた日本の著作権法に比べてアメリカの著作権法は利用可能化権がないからという理由ではなくて、もちろん利用可能化権の問題はありますけれども、その点は頒布権で一応克服しているとされる訳ですが、アメリカの場合のポイントは、chilling effectすなわち1つの行為を違法としてエンフォースしていくときに、それに派生するプラス面とマイナス面をどこでバランスをとるんだという点なのです。ソニーケースは、バランスの1つとして、substantial non-infringing useという基準をで置いた訳ですけれども、それがP2Pのときにまでも維持していいのかどうか。それとも、それはそれで置いといて、別の概念を導入するのかということで議論になっているわけです。線の引き方、バランスの取り方が問題になっているわけです。
 そういう意味で、資料の「基本的方向性」のところを12に分けておられるんですけれども、全体的な基本的方向性ということを考えたときに、違法な行為としなければいけない。一方で、違法な行為を違法とするがゆえに、合法的な行為に影響が出、産業技術、それから、エンターテイメントの分野の成長力が失われるということでは、国際的な競争力という面でも望ましいことではない。その意味で、両方の視点が必要であるということが、「基本的方向性」の中で打ち出されるべきではないのかなと思います。
 この点は単にP2Pだけではなくて、松田委員からご紹介のあったところとも関係しますが、間接侵害の問題がそういう位置づけられる訳であります。違法にすること自体は別段難しくはない。違法と言ってしまえばそれでいいということがあると思うんですけれども、一方で違法としたことによるプラスとマイナスを考えざるを得ないというところに悩みがあるということを、留意しておく必要があるというふうな気がいたしております。

○道垣内主査 久保田委員、どうぞ。

○久保田委員 基本的な法律の考え方、そうすると、今、山地さんが言われたことに戻って、法の定型性について議論するということですか。バランスを考慮した具体的な判断は裁判所が行うのは当然として、ここで議論するということは、基本的には違法となるもの。それは定型的に条文上読み込める範囲は決まっているということを前提にして、さらに具体的な今の技術の状況やエンフォースメントがどこまで実行されているかという状況をもう少し検討して妥当な結論に持っていくということですか。

○奥邨委員 のみこみがわるいもので、おっしゃっていることに上手く答えられなかったら申し訳ないんですが、立法措置にしても裁判にしても同じことで、定型的にする場合でもプラスの側面とマイナスの側面があるわけですね。例えば、昨年、アメリカでずっと問題になりましたS2560法案、いわゆるinduce法案はまさにグロックスターを狙い撃ちしましょうということで議論がされたわけですね。
 そこでは、まさにchilling effectをどう考えるかということが正面から議論になって、プラス、マイナス両面からの議論があった訳です。実際は、大統領選挙もありましたから、詰めきれず、とりあえず廃案になったという状況なわけです。
 法制の議論であっても、司法の議論であっても、プラス面とマイナス面は両方あるわけでして、法制の面で、どの行為を定型的に捉えるかということを議論する場合でも、そこにはマイナスの側面が出るけれども、それをどうカバーするかというのはある訳です。個別の事項で、MMOがいいとか悪いとか、これがいいとか、あれが悪いとか、そういうことを申し上げているのではなくて、基本的な方向性を打ち出す段階ではchilling effectの問題については十分考慮した上で行うという認識は持っておかなければいけないということです。

○上原委員 よろしいですか。奥邨委員の趣旨のところはわかります。最初のご説明ではわかりにくかったんですが、先ほどお答えいただいてご趣旨がわかったような気がします。ただ、先ほどの奥邨委員のご発言の中で、利用可能化権の問題につきまして、アメリカは頒布権でカバーしているんだから、それはそれでいいんじゃないかというようなご発言があったかと記憶しているんですが、むしろ国際的な場の問題として捉えるのであるならば、アメリカは頒布権で利用可能化権をカバーしたと言っているけれども、本当かなと、それはちょっとおかしいのではないかということを詰めるべきではないかと。
 奥邨委員のおっしゃっている部分もわかりますが、国際小委として国際に対応するために何を考えるのかというと、アメリカの法制度の中でアメリカがいろいろなことを考えていることは理解いたしますけれども、我々としては国際ルール、つまり、みんなでつくったWPPT、WCTがあるわけでして、それについては日本もアメリカも一緒になってつくったわけですから、それにのっとって利用可能化を考えたときに、本当にアメリカは利用可能化権をきちんと国内法に落としているのかということについて、日本としてはぎりぎりとやっていいんじゃないかと。
 あるいは、それはバイでやると同時に、マルチの場でもそれをきちんと展開することによって、他の国々に対してもきちんと利用可能化を国内法に落とすことによって最低限のベースができますよと、エンフォースが100パーセントできるわけではないけれども、問題の整理はある程度できるのではないですかと。日本の場合は一定程度、違法か違法でないかということについては一つの線を引けていますよということをきちんと打ち出していくことが肝要ではないかと思うんですが。

○奥邨委員 先ほど上原委員がおっしゃったところで、私自身、アメリカが利用可能化権を法定化していないことがいいと言いたい訳ではなくて、グロックスターのケースはそこが問題になっているのではない、それだからグロックスターが問題になっているのではないということを申し上げているわけです。アメリカの利用可能化権のインプリメンテーションの方式がこれでいいのかの議論はあります。例えば、この前、「家庭内娯楽と著作権に関する法律」が成立して、未商品化のオーディオビジュアル作品名を利用可能化にすると、それは刑事罰という形で違法化されたという例がありますが、これなども含めて、十分なインプリメンテーションができているのかという見方は十分あり得ると思います。それは別の問題として了解いたします。

○道垣内主査 山本委員。

○山本委員 上原委員からここでの問題は送信可能化権を要求していくということでいいのではないかというご趣旨のお話があったのですが、ここで問題にしなければいけないのは、WIPOや日米イニシアチブにおいてファイル交換やDRMの在り方について議論するときに、日本がどういう考え方をとっていくのかということです。したがって、送信可能化権の主張だけするのは問題を矮小化してしまいます。そうではなしに、資料2に書かれているようないろいろな問題があります。、ここでは簡単に結論は出せない問題だと思います。
 余りにも問題が深くて広くて、しかも、この場ではなしに、問題の解決のためには、法制問題小委員会で議論すべき事柄があると思いますが、ここで提示していただいているようないろいろな問題について、どういう考え方があるのか、方向性を議論していくことが求められているのではないか。また、WIPOや日米イニシアチブで対応するときの姿勢として必要なのではないかと。単純にアメリカが送信可能化権の保護が十分ではないかもしれないというところで、そのことだけ議論しても、余りにも議論がつまらないものになってしまうように思います。

○道垣内主査 諸外国が条約をきちんと履行しているのかということはもちろん必要な論点であるとは思いますし、そのことはファイル交換にも関係していることで、論点の一つにはなるかもしれません。このペーパーにはそれ以外のことがたくさん書いてあって、問題はもっと広いということであろうと思います。
 少なくとも3ページの2の3はネガティブということでよろしゅうございますか。つまり、ダウンロードをする場合に、あやしそうなサイトであっても、個人で使う限りはよいということでしょうか。これに何か条件をつけたりしますと、ダウンロードするときにいつもいいのかな悪いのかなと思わなくてはいけなくなりますので、それはよろしくないと、法律としてそこまで入っていくべきではないということよろしゅうございますか。
 前田委員、どうぞ。

○前田委員 このペーパーの趣旨として、現行法ではダウンロードは私的複製の範疇に入ってしまうかもしれないけれども、それでよろしいのかどうかという問題提起なんですね。

○道垣内主査 そうです。そして、それについてのお考えをお聞きしたわけです、どうお考えか。

○前田委員 私は、違法な送信行為が行われていることについて、悪意があって、そのことを認識しながらダウンロードする行為は私的使用の目的であったとしても、それを合法とする正当な理由はないと。つまり、それは私的複製から排除すべきではないかと思います。

○道垣内主査 ああ、そうですか、わかりました。2の3について、ダウンロードだけであれば常に問題ない、とはいえないとのご意見ですね。

○平嶋委員 基本的には前田委員と同じ方向性ですけれども、現行法制については現行法49条1項がございますし、私的複製というのがどこまで網がかかっていて、ダウンロード行為について一般的に違法性がないのかということはそんなにクリアではないのかなという気がします。あらゆる場合についてのダウンロード行為に対して、現行法が全く対応できていないというふうに捉えられるのかと、そこの議論があるのではないでしょうか。それから、エンフォースメントという側面でも、侵害の予備的行為ということで112条の規定がありますから、あるユーザーがダウンロードして、そこからまた別の人にばらまこうということが明白だったというような場合であれば、実際にどのぐらい有効かどうかという問題は別としまして、著作権法上の私的複製として全く自由でしょう、というふうに解釈することにはならないのかなという認識があるのです。
 ここの趣旨を確認させていただきたかったのは、2との関係で、立法措置については特に必要性があると捉えておられるのかと、その辺を確認させていただきたいということだったのですが、この点は、今、道垣内先生のおっしゃったネガティブという趣旨で捉えているということですか。

○道垣内主査 いや、そうでしょうかということをお伺いしたわけです。今、おっしゃったアップロード行為が予定されているダウンロード行為はいかんのではないかということですか。それとも、そこで切れてしまう。2に関係しますが、自分はダウンロードしかしないと、そういうシステムがあるのかどうか私は知りませんけれども、そういう場合でも悪意であれば、違法なコピーであるというか、悪意であればいかんという方向にすべきであると。それは現行法の解釈でもそうなるということでしょうか。

○平嶋委員 現行法でもダウンロード行為のあらゆる場合について私的複製としてセーフにしようということにならないだろうというように解されるのではないかと思います。もちろんエンフォースメントの問題としては、積み残しで十分ではないという可能性がありますので。そこを特に外枠を埋めるような形で立法を考えてみるというご趣旨も踏まえているのではないのかなと思ったんです。その点は別途議論をする必要があるのかなと。

○道垣内主査 その点、よろしゅうございますか。
 どうぞ。

○奥邨委員 ちょっと伺いたいのは、ファイル交換だけに関して考えるのかどうか、話が広がるのかどうかによっても変わってくると思うんですね。例えば、ファイル交換とは関係なく、裁判でこれは著作権侵害ですよと認定された本があったとして、その本を買っていた個人のユーザーに関してですね、先程の論理がすべてに普遍化されると、以降は、買った本だけれども、家で自分で使うだけでもコピーはできない、私的複製ではないという捉え方になるかもしれないという広がりがあると思うんです。
 一般論としてすべてどうというのでなくて、どのへんの枠かという議論はかなり細かくしないといけないように思うのです。だけど、松田委員からございましたように、システムとしてということである程度押さえていかないと、議論が際限なく広がるのではないかという気もしたんですけれども、いかがでございましょうか。

○道垣内主査 前田委員、どうぞ。

○前田委員 今、奥邨委員からご指摘のとおり、仮にある範囲は違法とすべきだと考えたとして、どの範囲までというのはこれから慎重な議論が必要だと私も思います。ただ、さっき「少なくとも」と申し上げましたのは、送信の場合には、送信する人と送信を受ける人の一対一関係が、一対一というのは、送信する人がいて、その送信を受ける人がいて、送信する方が違法であるとすれば、その反面の行為としての送信を受ける側のダウンロード者が送信行為が違法に行われたものであるということを認識しながら行うダウンロードについては違法とすべきではないかというふうに私たちは思います。
 それから、さっき平嶋委員から現行法でも違法とする余地があるのではないかというご指摘がありました。条文解釈として私は細かく考えたことはないんですが、私的複製の範疇には入るけれども、こういうものまでを許してしまうのは、スリーステップテストに照らすと問題になるのではないかという範疇のものはあると思いますけれども、ダウンロード行為、特にファイル交換において違法な送信行為であることを認識しながら行うダウンロード行為について、それも合法だということになると、その点はスリーステップテストに照らしても問題があるのではないかなと思います。

○道垣内主査 どうぞ。

○橋本委員 厳密に見ていくといろいろ議論になると思うんですけれども、この部分について、明らかに抑止力を定義している明確な条文を導入したらいいかなと思うんですね。つまり、どこまでよくて、どこまで悪いかというのがわからないんですね。普通のユーザーにしてみればまずわからないだろうなということと、あたかも適正な形で供給しているというふうに動く事業者もあれば、peeringサイトの中にはそういうなりすまし的な形で提供している人も出てくるのではないか。つまり、ダウンロード自体を縛ることは結構大きな問題だと、そのとおりだと思うんですけれども、少なくとも違法なものをダウンロードすることはやめましょうねということでは、抑止力として作用するような明確な規定があった方がいいかなと思います。
 ファイル交換でいうと、技術はさらに進化しているというのが実態でして。そもそも何らかの形でファイル形式でアップロードできる、ハードウエアの中に入った瞬間に完全には防げないという前提で枠組みを検討していく。もう一つ先の時代の枠組みみたいなものの議論ですね、諸外国で議論されるということであればぜひ勉強したいなと思っています。
 それと技術の方向性との関係も議論できるといいなと思っています。なぜかというと、今、ここで話題になっておりますのは、数年前に中心であったもので、後追いになってしまうのはしようがないんですが、技術の最先端というのを明らかにすると、パソコンはサーバと呼んでも全然構わない世界に入っていますし、どこから発信されたというのはなかなか特定できないという現実があります。
 以上です。

○道垣内主査 久保田委員、どうぞ。

○久保田委員 そういう意味では、secureなP2P、山地さんはこの辺をよくおわかりだと思うんですけれども、我々からいうと、今、secureなP2Pの技術という、ここでいえば少なくとも今の著作権法に照らし合わせて合法的なファイル交換技術だと言われるようなものはどのようなものですか。それは非常に参考になるのではないかと思うんですね。抽象的にまたさらにそれを技術でめくっていくことができるとは思うんですけれども、これだったら少なくともsecureなP2Pの技術と言えるだろうとか、secureなファイル交換だろうという技術がイメージとしてあったり、もしくはもうこういう形で実践技術として進んでいるというものがあれば、参考になると思いますので、教えていただければありがたいんですが。

○道垣内主査 どうですか。

○山地委員  secureというは合法的な使い方ということですか。

○久保田委員 そうですね。

○山地委員 一番有名なP2Pの応用例はIP電話だと理解しています。インターネットプロトコルをつかった無線の電話は世界中で使われることになっていますけれども、これは完全なP2P技術です。通話の相手を探すときは、今、説明のあったインデックス・サーバを使うんです。それで相手先が決まったらファイル交換をするんですね、エンドユーザーをダイレクトに結んで。それで通話がおこなわれます。これがP2P技術の応用。
 もう1つ有名なのは、グループウェアがあります。会議をやったり、複数人で情報をシェアしたときに、例えば誰々のスケジュールを知りたいというときに、スケジュール表をピア・ツー・ピアで送る。最近脚光を浴び始めているのがグリッド・コンピューティングで、これもピア・ツー・ピアの技術の応用です。

○道垣内主査 ダウンロードばかりに拘って申しわけないんですが、私的複製自体が例外なんだから、その中の違法になるところについては威嚇効果があるぐらいのことをすべきだいうお立場と、発信はしないでダウンロードするだけであれば私的複製として問題ないとのお立場とあるようです。ユーザーの立場からは、一般の生活の被告になれば勝てるかもしれないけれども、そういうリスクがある行為を常にしているなんて言われては安心して生活できないので、絶対大丈夫というところは明確にしておいてもらいたいと思います。だから、悪い方を明確にするのか、いい方を明確にするのか。結局は同じことなんですけれども、実際の生活においては大分違ってくるかもしれないと思います。
 国によっては、裁判でやっていけばいいじゃないかというアメリカみたいな考え方はありますが、日本の社会はそうではなくて、裁判になる前にはっきりわかっている方がよいというのが一般的な考え方だと思います。
 もう時間がなくなりましたが、いかがでしょうか。既に送信可能化権等によって日本ではきちんとやっているということなのかもしれませんし、間に入る人たちについても不法行為の一般的な理論で違法にできるのであればいいというか、その限度で著作権だから特に変えるということはないのであれば、特別のことは要らないのかもしれません。
 その点はよろしいですか。
  6の「国境を越えた」という点ですが、サイトの例を提示していただきましたけれども、外国のものが多いようです。ユーザーは日本の人たちでしょう。送っている人たちも日本の人たちかもしれないというのは相当あるわけですね。これについて何かお考えございますでしょうか。何年か前にも、文化審議会の前の形だったかもしれませんが、議論したことがございます。この点については、一国だけで何かできるということではない可能性が高く、条約その他、もちろん条約がなくてもハーモナイズさせればいいのかもしれませんけれども、国際的な場で議論していかないと押さえられないのではないかと思うんですね。
 JASRACでお調べになって苦々しく思っているサイトはあるのではないかと思うんですが、具体的な措置をとった例とか、苦労とか何かございますか。

○菅原委員 正直なところ国内のものでは対応できるのですが、その中で、この資料もございますように、今多くなってきているのは、外国の違法なコンテンツに直接リンクを張って、あたかも自分のホームページかのようにみせる。そのうしろ側の利用者は誰かということが判然としないところがあります。組織的にやっているかもしれません。そういう意味では、先ほどの間接侵害での一つの考え方として、あり得るかどうかということも議論の対象になるかと思っています。
 国境を越えた部分については、現状、著作権管理団体の国際連合のCISACでも当事者間の一応の合意としますと、発信をするところで一括して許諾するルールとしているわけでございます。法的にそれが裏付けされているということにはいたっておりませんが、実務的なルールとして実行しています。そういう観点で、違法と思われるサイトがわかりますと、それぞれの国、中国であればMCSCという団体ですが、あるいは、タイ、韓国その他でも、各国の団体に対してこちらから情報を出して、これはどうなっているのかと。こんなものがあんたの国から出ているというところを通知して、そちらの団体の対応を後押しするということになっています。それがなかなか難しいところがあり、通知を出して、何も出てこないということで苦労しております。

○道垣内主査 わかりました。
 出るところに出ればひどい目に遭わせることもできるぞというのがあってはじめて話ができると思うんですが、かかって来いと言われるとなかなかかかっていけないとすると、話し合いも進まないのかもしれません。中には有名なメーカーの宣伝が入ったりしていますが、広告主というのは全く責任はないんですか。違法であることを知って資金を提供しているということも言えそうですが。そこに警告を出せば資金源を絶つことができそうな気はしますけれども、アメリカでもさっきの被告になりそうな人の中に入ってなかったように思うんですが。

○菅原委員 放送の広告と違いまして、ネットの場合には、意識してそこに出しているものと、単に窓が開いていて、どこの窓にその広告が出るかわからないものがあるんですね。結果として、表示されたこと、あるいは、それに一般の人がクリックすることによって、広告の評価をするという格好になるんです。そうすると、直接そのサイトと、窓の中がかかわっていないケースもあります。一概に言えないですが、関係を追求するのは困難だと思います。

○道垣内主査 ああ、そうですか。わかりました。
 もうほとんど時間がございませんが、きょうのところはこれでよろしゅうございますか。次回また技術的な保護手段の議論がございますので、それとの関係でまたご議論いただきたいと思います。
 これで本日、第2回目の委員会を終了させていただきますが、最後に事務局から事務連絡がございますので、よろしくお願いします。

○事務局 資料5をごらんください。第4回目に議論いただく小委員会の報告書(案)の項目を示しております。
 内容につきましては、昨年来議論いただきました課題をすべて取りまとめた上でご提示したいと考えております。
 スケジュールにつきましては、別紙にお示ししております。
 委員の皆様には取りまとめに向けてご協力いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、次回の国際小委員会は7月の開催を予定しております。日程、場所につきましては、後日ご案内申し上げます。
 本日はありがとうございました。
 昼食を用意しておりますので、お時間の許す方はこのままお待ちください。
午後0時30分閉会


(文化庁長官官房国際課)

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