中華人民共和国教育法

 
〔仮   訳〕
中華人民共和国教育法
(1995年3月18日 第8期全国人民代表大会第3回会議で可決)
第1章   総則
 
第1条    教育事業を発展させ,全民族の資質を向上させ,社会主義物質文明及び精神文明の建設を促進するため,憲法に基づき,本法を制定する。
第2条    中華人民共和国内における各段階各種の教育について,本法を適用する。
第3条    国家はマルクス・レーニン主義,毛沢東思想及び中国的特色を持つ社会主義建設理論の指導を堅持し,憲法が定める基本原則を遵守し,社会主義教育事業を発展させなければならない。
第4条    教育は社会主義現代化建設の基礎であり,国家は教育事業の優先的発展を保障する。
     全社会は教育事業の発展に関心を持ち,これを支持しなければならない。
     全社会は教員を尊敬しなければならない。
第5条    教育は社会主義現代化建設に貢献し,生産労働と結び付き,徳・知・体の全面に発達した社会主義事業の建設者及び後継者を育成しなければならない。
第6条    国家は教育を受ける者に対し愛国主義,集団主義,社会主義の教育を実施し,理想,道徳,規律,法律,国防及び民族団結の教育を実施しなければならない。
第7条    教育は中華民族の優秀な歴史的文化的伝統を継承,発展させ,人類文明が生んだすべての優れた成果を吸収しなければならない。
第8条    教育活動は国家及び社会の公共の利益に添うものでなければならない。
     国家は教育と宗教の分離を実行する。いかなる組織及び個人も宗教を利用して国家の教育制度における活動を妨害してはならない。
第9条    中華人民共和国公民は教育を受ける権利及び義務を有する。
     公民は,民族,種族,性別,年齢,職業,財産及び宗教にかかわらず,法により等しく教育を受ける機会を有する。
第10条    国家は少数民族の特質と必要に応じ,少数民族の教育事業の発展を援助する。
     国家は貧困地区の教育事業の発展を支援する。
     国家は障害者教育事業を支援し,これを発展させる。
第11条    国家は社会主義市場経済の発展及び社会の全面的進歩の必要に対応し,教育改革を推進し,各段階各種の教育の均衡のとれた発展を促進し,教育改革を促進し,生涯教育体系を整備,確立する。
     国家は教育の科学的研究を支持,奨励し,またその実施を組織し,教育の科学的研究の成果を普及させ,教育の質を向上させる。
第12条    中国語を学校その他の教育機関の授業言語とする。少数民族の児童生徒を主とする学校その他の教育機関は,当該民族の言語又は当該民族に通用する言語により授業を行うことができる。
     学校その他の教育機関における授業では,全国共通の標準語及び標準文字を使用し,普及させなければならない。
第13条    教育の発展に顕著な成績を収めた機関及び個人に対し,奨励を与える。
第14条    国務院及び地方各レベル人民政府は各レベル政府の責任を分担して管理し,責任を負う原則に基づき,教育の指導及び管理を行う。
     中等以下の教育は,国務院の指導のもと,地方人民政府が管理する。
     高等教育は国務院及び省・自治区・直轄市人民政府が管理する。
第15条    国務院教育行政部門は全国の教育を主管し,全国の教育事業について計画を策定し,管理調整する。
     県以上の地方各レベル人民政府教育行政部門は法律その他の規定に従い,当該行政区域内の教育を主管する。
     県以上の各レベル人民政府のその他の行政部門は,その職責の範囲内で関連する教育に責任を負う。
第16条    国務院及び県以上の地方各レベル人民政府は,当該レベルの人民代表大会又はその常務委員会に対し教育政策及び教育予算,決算の状況を報告し,監督を受けなければならない。
  第2章   教育基本制度
 
第17条    国家は就学前教育,初等教育,中等教育,高等教育の学校教育制度を実施する。
     国家は科学的な学校体系を確立する。学校体系内の学校及びその他の教育機関の設置,教育形態,修業年限,入学資格,教育目標は,国務院又は国務院が権限を授与する教育行政部門が定める。
第18条    国家は9年制義務教育制度を実施する。
     各レベル人民政府は各種の措置を採用し,学齢にある児童・少年の就学を保障する。
     学齢にある児童・少年の父母その他の保護者及び関係する社会組織,個人は学齢にある児童・少年に規定の年限の義務教育を受けさせる義務を有する。
第19条    国家は職業教育制度及び成人教育制度を実施する。
     各レベル人民政府,関係行政部門及び企業,非営利事業体は多様な措置を採用し,就職前の公民が職業学校教育又は各種の形態の労働就職訓練を大いに発展させ,これを保障しなければならない。
     国家は多様な形態の成人教育の発展を奨励し,成人労働者が適切な形態の政治,文化,科学,技術,職務に関する教育及び生涯教育を受けるようにする。
第20条    国家は国家教育試験制度を実施する。
     国家教育試験は国務院教育行政部門が種類を確定し,国家が教育試験の実施を承認した機関がこれを実施する。
第21条    国家は学業証書制度を実施する。
     国家が設置認可する又は承認する学校及びその他の教育機関は国家の関係規定に従って卒業証書又はその他の学業証書を交付する。
第22条    国家は学位制度を実施する。
     学位授与機関は法により一定の学術水準又は専門水準に達した者に対し,相応の学位を授与し,学位証書を交付する。
第23条    各レベル人民政府,末端の大衆的自治組織及び企業,非営利事業体は,各種の措置を採用し,識字教育を展開しなければならない。
     国家の規定に従い,識字教育を受ける能力を持つ公民は識字教育を受けなければならない。
第24条    国家は視学制度及び学校その他の教育機関の評価制度を実施する。
  第3章   学校及びその他の教育機関
 
第25条    国家は教育発展計画を策定し,学校及びその他の機関を設置する。国家は企業,非営利事業体,社会団体及び公民個人が法により学校及びその他の教育機関を設置することを奨励する。
     いかなる機関及び個人も営利を目的として学校及びその他の教育機関を設置してはならない。
第26条    学校及びその他の教育機関の設置は,以下の基本条件を備えなければならない。
  (1) 運営組織及び管理規程をもつ。
  (2) 資格を持つ教員がいる。
  (3) 規程の基準を満たす教育施設,設備がある。
  (4) 必要な運営資金及び安定した財源を持つ。
第27条    学校及びその他の教育機関の設置,変更及び廃止は,国家の関係規定に従い,審査,承認,登録又は報告の手続きを経なければならない。
第28条    学校及びその他の教育機関は以下の権利を有する。
  (1) 管理規程に従って自主的に管理する。
  (2) 教育・学習活動を組織,実施する。
  (3) 学生生徒及びその他の教育を受ける者を入学させる。
  (4) 教育を受ける者について学籍を管理し,奨励又は処分を行う。
  (5) 教育受ける者に対し相応の学業証書を交付する。
  (6) 教員及びその他の職員を任期付の契約により任用し,奨励又は処分を行う。
  (7) 当該機関の施設及び経費を管理,使用する。
  (8) あらゆる組織及び個人の教育・学習活動に対する非合法な干渉を拒絶する。
  (9) 法律その他の法規に定める権利を行使する。
第29条    学校及びその他の教育機関は以下の義務を履行しなければならない。
  (1) 法律その他の法規を遵守する。
  (2) 国家の教育方針を実行し,国家の教育・学習の基準を実施し,教育・学習の質を保障する。
  (3) 適切な方法を教育を受ける者及びその保護者に教育を受ける者の学業成績及びその他の状況を説明し,成長を助ける。
  (4) 国家の関係規程に従い,費用を徴収し,また徴収費目を公開する。
  (5) 法により監督を受ける。
  (6) 法律その他の法規に定める義務を履行する。
第30条    学校及びその他の教育機関の設置者は国家の関係規定に従い,設置する学校及びその他の教育機関の管理運営体制を定めることができる。
     学校及びその他の教育機関の校長又は主たる管理責任者は中華人民共和国の国籍を持ち,中国国内に居住し,国家が規定する職務要件を持つ者が担当しなければならなず,その任免は国家の関係規定に従って行う。学校の学習及びその他の管理は校長が責任を負う。
     学校及びその他の教育機関は国家の関係規定に従い,教員を主とする教職員代表大会及びその他の形式により,職員が民主的な管理及び監督に参加することを保障する。
第31条    学校及びその他の教育機関で法人の条件を備えるものは,設置認可又は登録の日から法人資格を得る。
     学校及びその他の教育機関は民事の活動において民事の権利を持ち,民事の責任を負う。
     学校及びその他の教育機関の国有財産は国家の所有に属する。
     学校及びその他の教育機関が経営する産業は独自の民事責任を負う。
  第4章   教員及びその他の教育従事者
 
第32条    教員は法律に定める権利を有し,同時に法律に定める義務を履行し,人民の教育事業に忠誠でなければならない。
第33条    国家は教員の合法的な権益を保護し,教員の勤務条件及び生活条件を改善し,社会的地位を引き上げる。
     教員の給与その他の報酬,福利厚生は,教師法及びその他の関係法律,法規の規定に従う。
第34条    国家は教員の資格,職務,契約任期制度を実施し,審査,奨励,養成及び研修を通じて教員の資質を向上さ,教員の陣容を強化する。
第35条    学校及びその他の教育機関の管理業務の従事者については,教育職員制度を実施する。
     学校及びその他の教育機関の教育補助及びその他の専門技術職員は,専門技術職の契約任期制度を実施する。
  第5章   教育を受ける者
 
第36条    教育を受ける者は入学,進学,就職に当たり,法により平等の権利を有する。
     学校及び関係の行政部門は国家の関係規定に従い,女子の入学,進学,就職,学位授与,留学派遣において男子と平等の権利を保障しなければならない。
第37条    国家,社会は入学条件を満たし,家庭の経済が困難な児童,少年,青年に対し,各種形態の援助を提供する。
第38条    国家,社会,学校及びその他の教育機関は障害者に対し,その心身の特性に基づいて教育を実施し,またそのために援助及び便宜を提供しなければならない。
第39条    国家,社会,家庭,学校及びその他の教育機関は違法犯罪行為のある未成年が教育を受けるための条件を整備しなければならない。
第40条    就業者は法により職業訓練及び継続教育を受ける権利と義務を有する。
     国家機関,企業,非営利事業体及びその他の社会組織は,当該機関の職員・労働者の学習・訓練のために条件及び便宜を提供しなければならない。
第41条    国家は,学校及びその他の教育機関,社会組織が措置を講じ,公民に生涯教育を受ける条件を整備することを奨励する。
第42条    教育を受ける者は以下の権利を有する。
  (1) 教育課程に基づく各種の活動に参加し,教育施設,設備及び図書資料を使用する。
  (2) 国家の関係規定に従って各種の給与奨学金,貸与奨学金を受ける。
  (3) 学業成績及び品行について公正な評価を受け,規定の学業を修めた後は相応の学業証書,学位証書を取得する。
  (4) 学校が下した処分に不服の場合申し立てを行い,学校や教員が人身や財産などの合法的な権益を侵犯した場合申し立て又は法により訴訟を行う。
  (5) 法律その他の法規が定めるその他の権利を有する。
第43条    教育を受ける者は以下の義務を履行する。
  (1) 法律その他の法規を遵守する。
  (2) 学生生徒の行為規範を遵守し,教員や年長者を尊敬し,良好な思想・品性徳性及び行為習慣を身に付ける。
  (3) 努力して学習し,定められた教育課程をすべて履修する。
  (4) 在籍する学校及びその他の教育機関の管理制度を遵守する。
第44条    教育,体育,衛生の行政部門,学校及びその他の教育機関は体育,衛生保健施設を整備し,学生生徒の心身の健康を守らなければならない。
  第6章   教育と社会
 
第45条    国家機関,軍隊,企業,非営利事業体,社会団体及びその他の社会組織,個人は法により児童,少年,青年の心身の健全な成長のために良好な社会環境をつくならなければならない。
第46条    国家は企業,非営利事業体,社会団体及びその他の社会組織が高等教育機関,中等職業学校と教育,研究,技術開発・普及の面で多様な形態の協力を推進するよう奨励する。
     企業,非営利事業体,社会団体,末端の大衆的自治組織及びその他の社会組織,個人は適切な方法を通じ,学校の整備を支持し,学校の管理に参加することができる。
第47条    国家機関,軍隊,企業,非営利事業体及びその他の社会組織は学校が組織する学生生徒の実習,社会実践活動を援助し,これに便宜を与えなければならない。
第48条    学校及びその他の教育機関は,正常な教育活動に影響を与えないという前提の下で,当該地域の社会主義物質文明及び精神文明の建設に貢献しなければならない。
第49条    未成年者の父母又は保護者は未成年の子女又は保護する者が教育を受けるために必要な条件を提供しなければならない。
     未成年者の父母又は保護者は学校及びその他の教育機関と連絡を持ち,これに協力して,未成年の子女又は保護する者を教育しなければならない。
     学校,教員は学生生徒の父母に対し家庭教育の指導を行うことができる。
第50条    図書館,博物館,科学技術館,文化館,美術館,体育館(場)等の社会公共の文化体育施設,及び歴史文化遺跡,革命記念館(地)は,教員,学生生徒を優待し,教育を受ける者の教育のために便宜を与えなければならない。
     ラジオ及びテレビ局は教育番組を開設し,教育を受ける者の思想,品性徳性,文化及び科学技術の資質を高めなければならない。
第51条    国家,社会は未成年者のために校外教育施設を設置し,発展させなければならない。
     学校及びその他の教育機関は,末端の大衆的自治組織,企業,非営利事業体,社会団体及びその他の社会組織と相互に協力し,未成年者に対する校外教育を強化する。
第52条    国家は,社会団体,社会文化機関及びその他の社会組織,個人が教育を受ける者の心身の健康に有益な社会,文化,生活教育活動を展開することを奨励する。
  第7章   教育投資及び条件保障
 
第53条    国家は,公財政支出を主とし,その他の多様な財源による教育費で補う体制を確立し,しだいに教育に対する支出を増加させ,国家が設置する学校の経費の安定した財源を保障する。
     企業,非営利事業体,社会団体及びその他の社会組織,個人が法により設置した学校及びその他の教育機関の運営経費は,設置者が負担し,各レベル人民政府は適切な支援を与えることができる。
第54条    公財政支出教育費が国民総生産に占める比率を国民経済の発展及び財政収入の増加に伴って次第に高めていかなければならない。具体的な比率及び実施計画は国務院が規定する。
     全国各レベル政府の財政支出総額に教育費が占める比率を国民経済の発展に伴ってしだいに高めていかなければならない。
第55条    各レベル人民政府の教育費の支出は事業権限と財政権限を一致させる原則に基づき,財政予算において単独の項目とする。
     各レベル人民政府の教育支出の伸びが財政の経常収入の伸びを上回るようにするとともに,学生生徒1人当たり教育費をしだいに増加させ,教員給与及び学生生徒1人当たり事務費がしだいに増加することを保障しなければならない。
第56条    国務院及び県以上の地方各レベル人民政府は教育専門の基金を創設し,僻地,貧困地区及び少数民族地区における義務教育の実施を重点的に支援しなければならない。
第57条    税務機関は法により規定通り教育税を徴収し,これを教育行政部門が管理し,主として義務教育の実施に使用する。
     省・自治区・直轄市の人民政府は国務院の関係規定に基づき,地方独自の教育税を徴収し,特定の費目に使用できる。
     農村の「郷」(訳注:村に当たる)で徴収する教育税は,郷人民政府が徴収を組織し,県人民政府教育行政部門がその管理を代行するか又は郷人民政府が管理し,当該郷内の郷及び下部区画である「村」レベルが所管する教育事業に使用する。農村の教育税の徴収税率及び具体的な管理方法は,省・自治区・直轄市人民政府が定める。
第58条    国家は優遇措置を講じ,正常な教育・学習に影響を与えないという前提の下に,学校が「勤工倹学」(訳注:学校の付設工場や農場又は付近の工場・農場で学生生徒を生産活動に従事させ,労働教育を実施するとともに,その収益を学校経費に当てる活動)や社会サービスを展開し,企業を経営することを奨励し,支援する。
第59条    県レベル人民政府の承認を経て,郷,民族郷,鎮(訳注:町に当たる)の人民政府は自発的で能力に応じた負担という原則に基づいて,当該行政区域内で寄付金を割り当て,主として義務教育段階の学校の危険校舎改築・修繕,校舎新築に使用することができる。これを他に流用してはならない。
第60条    国家は国内外の社会組織及び個人が学校に寄付金を提供し,支援することを奨励する。
第61条    公財政支出教育費及び社会組織や個人の寄付金は教育に使用し,流用したり,横領したりしてはならない。
第62条    国家は金融手段を運用して教育事業の発展を支援することを奨励する。
第63条    各レベル人民政府及び関係する行政部門は学校及びその他の教育機関の教育費の監督管理を強化し,教育投資の効果を高めなければならない。
第64条    地方各レベル人民政府及びその関係行政部門は学校の施設設備の整備を都市又は農村建設計画に組み入れ,学校の施設設備のための用地及び必要な物資を計画的に調達し,また国家の関係規定に従い,優先,優遇政策をとらなければならない。
第65条    各レベル人民政府は教科書及び教育用図書資料の出版発行,教育機器・設備の生産供給及び学校教育,科学研究に用いる図書資料,教育機器・設備の輸入について,国家の関係規定に従い,優先,優遇政策を実施する。
第66条    県レベル以上の人民政府は衛星テレビ教育及びその他の現代化された教育手段を発展させなければならず,関係行政部門はその発展に優先的な措置を講じ,援助を与えなければならない。
     国家は学校及びその他の教育機関が現代化された教育手段を普及させ,運用することを奨励する。
  第8章   教育の対外交流及び協力
 
第67条    国家は教育の対外交流及び協力の展開を奨励する。
     教育の対外交流及び協力は,独立自主,平等互恵,相互尊重の原則を堅持し,中国法律の基本原則に違反せず,国家の主権,安全及び社会公共の利益に損害を与えてはならない。
第68条    中国国内の公民が留学,研究,学術交流又は教員となるため出国する場合,国家の関係規定に従って処理する。
第69条    中国国外の個人は国家が規定する条件を満たし,関係の手続きをとった後,中国国内の学校及びその他の教育機関において学習,研究,学術交流を行い,又は教員となることができ,その合法的権益については国家の保護を受ける。
第70条    国外の教育機関が発行した学位証書,学歴証書及びその他の学業証書の中国における承認については,中華人民共和国が締結した又は参加する国際条約に従って処理するか,又は国家の関係規定に従って処理する。
  第9章   法律責任
 
第71条    国家の関係規定に違反し,予算通りに教育費を支出しない場合は,同レベルの人民政府が期限を定め支出する。事情が甚だしい場合は,直接の管理責任者及びその他の直接責任を負う者に対し,法により行政処分を与える。
     国家の財政制度,財務制度に違反し,教育費を流用,横領した場合は,上級機関が期限を定めて流用,横領した経費の返還を命じ,直接の管理責任者及びその他の直接の責任者に対し,法により行政処分を与える。犯罪を構成する者については,法により刑事責任を追求する。
第72条    徒党を組んで暴力を振るい,騒動を起こして学校及びその他の教育機関の教育秩序を攪乱し,又は校舎,敷地その他の財産を破壊した場合は,公安機関が治安管理に関する処罰を与える。犯罪を構成する者については,法により刑事責任を追及する。学校及びその他の教育機関の校舎,敷地及びその他の財産を侵犯する者は法により民事責任を負う。
第73条    校舎又は教育施設の危険性を知りながら,措置を講じず,人身事故又は重大な財産の損失を招いた場合は,直接の管理責任者及びその他の直接責任を負う者に対し,法により刑事責任を追及する。
第74条    国家の関係規定に違反し,学校又はその他の教育機関から費用を徴収した場合,政府が徴収した費用の返還を命じ,直接の管理責任者及び直接責任を負う者に対し法により行政処分を与える。
第75条    国家の関係規定に違反し,学校又はその他の教育機関を設置した場合,教育行政機関がこれを取り消す。違法な所得がある場合は,これを没収する。直接の管理責任者及びその他の直接責任を負う者に対しては,法により行政処分を与える。
第76条    国家の関係規定に違反し,学生生徒を入学させた場合,教育行政部門は入学を取り消し,徴収した納入金を返還するよう命じる。直接の管理責任者及びその他の直接責任を負う者に対しては,法により行政処分を与える。
第77条    入学者選抜において不正があった場合は,教育行政部門が入学の取り消しを命じる。直接の管理責任者及びその他の直接の責任を負う者に対しては,法により行政処分を与える。犯罪を構成する者は,法により刑事責任を追及する。
第78条    学校及びその他の教育機関が国家の関係規定に違反し,教育を受ける者から費用を徴収した場合,教育行政部門が徴収した費用の返還を命じる。直接の管理責任者及びその他の直接責任を負う者に対しては,法により行政処分を与える。
第79条    国家教育試験において不正があった場合は,教育行政部門が無効を宣告し,直接の管理責任者及び直接責任を負う者に対し,法により行政処分を与える。
     非合法に国家教育試験を実施した場合,教育行政部門が無効を宣言する。違法な所得がある場合は,これを没収する。直接の管理責任者及び直接責任を負う者に対しては,法により行政処分を与える。
第80条    本法の規定に違反し,学位証書,学歴証書又はその他の学業証書を発行した場合は,教育行政部門が証書の無効を宣告し,回収又は没収を命じる。違法な所得がある場合は,これを没収する。事情が甚だしい場合は,証書を取得する資格を取り消す。
第81条    本法の規定に違反し,教員,教育を受ける者,学校又はその他の教育機関の合法的な権益を侵犯し,損失,損害を与えた者は,法により民事責任を負わなければならない。
  第10章   附則
 
第82条

   軍事学校の教育は,中央軍事委員会が本法の原則に基づき規定する。

     宗教学校の教育は,国務院が別に規定する。
第83条    国外の組織及び個人が中国国内で学校を設置,又は中国と共同で設置する方法については,国務院が規定する。
第84条    本法は1995年9月1日から施行する。