令和5年度全国学力・学習状況調査（中学校）の解答用紙等の紛失について

1．事案の概要
※　別添の株式会社内田洋行発表資料を参照。
○　中学校の全国学力・学習状況調査については、その業務の一部を、文部科学省から株式会社内田洋行に委託して実施している。
○　4月18日に実施された中学校調査の解答用紙等については、実施翌日の4月19日に、株式会社内田洋行から再委託を受けたヤマト運輸株式会社が各学校まで回収に行き、その場で「送り状（伝票）」を貼付した上で、解答用紙等を入れた段ボールを受け取る段取りとなっていた。
○　しかし、宮城県名取市立閖上（ゆりあげ）小中学校において、ヤマト運輸株式会社が同校9年生28名分の解答用紙等が入った段ボールを回収に来た際、「送り状」をその場で貼付せず、他の荷物を回収する過程で、廃棄物処理業者に配送する予定の荷物に貼付するはずだった別の「送り状」を、誤って解答用紙等が入った段ボールに貼付した。このことが原因で、当該段ボールが廃棄物処理業者に誤配送された可能性が高いことが発覚した。
○　事案発覚後、ヤマト運輸株式会社の社員が、当該廃棄物処理業者や、当該業者の紙資材の廃棄を請け負う他の業者の工場に立ち入り、廃棄物として収集された紙資材を全て確認するなど、解答用紙等の捜索を行ったものの、発見には至らなかった。
○　なお、この解答用紙等には、生徒の氏名等の個人情報は記載されていない。

 
 
2．本事案への対応
○　閖上小中学校（9年生の保護者を含む。）及び当該学校を所管する名取市教育委員会に対し、文部科学省から事実関係を説明した上で謝罪した。
○　閖上小中学校9年生の生徒のうち、希望者に対して、再度調査を実施した上で、生徒に個人票を返却するとともに、学校に結果帳票を提供する。なお、宮城県及び名取市に提供する結果帳票には、閖上小中学校9年生の生徒の調査結果を含めないが、この結果帳票とは別に、閖上小中学校9年生の結果を含めた結果帳票を作成し、宮城県及び名取市に参考提供する。
 
 
3．再発防止策
○　本調査の解答用紙等の回収のプロセスを改めて見直すとともに、今後、当該業務を受託する事業者に対して、学校で解答用紙等を受け取る際に「送り状」の貼付を学校担当者と確認しながら行うこと、及び解答用紙等が正しい回収先に到着したことを速やかに確認することについて、指示を徹底する。
○　来年度以降、解答用紙等の発送の際に「送り状」が確実に貼付されていることを学校及び事業者の双方で確認することについて、調査マニュアルに明記する。