大学及び研究開発法人等における無期転換ルールの適切な運用について(依頼)

4文科科第664号 
令和5年2月7日 

各国公立大学法人の長
大学を設置する各地方公共団体の長
各文部科学大臣所轄学校法人理事長
大学を設置する各学校設置会社の代表取締役  殿
各大学共同利用機関法人機構長
文部科学省所管各研究開発法人の長   
 
  

文部科学省 科学技術・学術政策局長   
柿田  恭良  
初等中等教育局長   
 藤原  章夫  
高等教育局長   
池田  貴城  
研究振興局長   
森   晃憲  
研究開発局長   
千原  由幸  
文化庁次長   
杉浦  久弘  

 

貴法人における無期転換ルールの適切な運用について(依頼)

 
 
 大学等及び研究開発法人の研究者、教員等に対する労働契約法の特例(以下「10年特例」という。)等に関する実態把握のための「研究者・教員等の雇用状況等に関する調査」の実施に御協力いただき、御礼申し上げます。今般、参考1のとおり結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。
 
 今般の調査では、回答機関における、平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約の令和4年度末時点における通算期間が10年となる10年特例の対象者(以下「特例対象者」という。)のうち、令和4年度末以降の雇用契約の見通しが未定の者が41.2%、令和4年度中に雇用期間の上限等に基づき雇用契約を終了し、その後雇用契約を結ぶ予定のない者が8.3%、令和5年度以降も有期労働契約を継続する又は継続の可能性がある者が44.7%、令和4年度中又は令和5年度以降に無期労働契約を締結する予定の者が3.9%という結果になりました。
 従前からお願いしておりますとおり、無期転換ルールの適用を意図的に避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めや契約期間中の解雇等を行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではないことに御留意いただき、労働者から無期転換申込があった場合の対応の準備を含め、改めて、各部局や法人内における10年特例の適切な運用に向けた対応を促していただきますようお願いいたします。
 令和5年4月以降の雇用契約の見通しについては、調査時点から状況が変化している可能性もありますが、特例対象者について本格的な無期転換申込権の発生が見込まれる重要な時期を迎えることに鑑み、組織全体として、引き続き、状況把握に努めるとともに、現在見通しが未定の特例対象者がいるような場合などには、令和5年4月以降の雇用の見通しについて、できるだけ早期に説明・相談を行っていただくようお願いいたします。
 なお、有期労働契約に関しては、契約期間が満了する場合においても、
・ 雇止め法理(労働契約法第19条)に基づき、期間の定めのない契約と実質的に変わらない状態に至っている契約である場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から雇用継続への合理的期待が認められる場合は、雇止めが認められないことがあること
・ 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に基づき、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している人については、契約を更新しない場合、使用者は30日前までに予告しなければならないこと
に留意していただくなど、労働関係法令に則った対応をよろしくお願いいたします。
 その上で、仮に契約期間の満了に伴い雇用関係を終了する場合であっても、必要に応じ、説明・相談に努めていただくとともに、下記のキャリアサポートに係る取組例(参考2)も参考にしていただきつつ、必要な対応をお願いいたします。
 
 また、今般の調査においては、特例対象者が在籍する機関のうち、労働契約締結時に労働者に対し特例対象者となるか伝えていない機関や、10年特例に関し、特例対象者に対し制度の概要や無期転換申込手順を伝えていない機関がありましたが、従前通知しているとおり、特例対象者と有期労働契約を締結する場合には、相手方が特例対象者となる旨等を書面により明示し、その制度の概要や内容を説明するなど、適切な対応をよろしくお願いいたします。
 
 以上、各機関におかれましては、無期転換ルールの適切な運用に努めていただくようお願いいたします。当省としましても、令和5年4月以降の各機関の対応状況について調査を行わせていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

 
(参考1)「研究者・教員等の雇用状況等に関する調査結果」調査結果(主要項目)
 
 
(参考2)特例対象者に対するキャリアサポートに係る取組例
 ※「研究者・教員等の雇用状況等に関する調査」回答より
・全有期労働契約者の無期転換権の発生日、発生状況及び無期転換権の申し込み状況を一元的に管理
・雇用契約を終了する場合、今後のキャリアについて面談を実施
・適性適職診断の実施
・機関内のホームページにおいて他機関の公募情報を掲載
・転出支援セミナーや個別転職相談会の開催
 
(参考3)無期転換ルールの適切な運用に関する通知等
「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律の公布について」の一部改正について(平成31年3月29日付30文科科第755号科学技術・学術政策局長等通知)
・貴法人における無期転換ルールの円滑な運用について(依頼)(令和4年11月7日付4文科科第556号科学技術・学術政策局長等通知)
・厚生労働省「適切な労務管理のポイント」(※PDF)
  
 
(参考4)無期転換ルールに関する問い合わせ先
・10年特例について:文部科学省下記連絡先
・無期転換ルール一般について:厚生労働省「無期転換ルール特別相談窓口」
  

お問合せ先

 TEL:代表03-5253-4111
 ※ 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第15条の2に関すること
   科学技術・学術政策局人材政策課(内線4198)
   E-mail:kiban@mext.go.jp
 ※ 大学の教員等の任期に関する法律第7条に関すること
   高等教育局大学教育・入試課(内線2493)
   E-mail:daigakuc@mext.go.jp

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