二 国内活動の展開

民間活動

 日本におけるユネスコの民間活動は、昭和二十二年に仙台、京都、大阪、神戸、和歌山と相次いでユネスコ協力会が発足し、二十三年には、全国組織として「日本ユネスコ協カ会連盟」(のちに協カ会は協会となる。)が結成された。その後、各地にユネスコ協会が相次いで設立され、また三十八年ごろから、青年ユネスコグループが、この組織の中から各地に生まれ、活発な活動を展開した。現在両者あわせて約一二五のグループがある。これらのユネスコ協会の活動は、わが国のユネスコ加盟後は、日本ユネスコ国内委員会と協カしてユネスコ精神の普及、国際理解と国際協力の促進のための諸活動を展開してきている。

 ユネスコ協会とは別に、ユネスコと提携協力関係を結んでいる国際民間団体に加盟しているわが国のいくつかの民間団体でも、特に三十九年から活動のための国庫補助金を得て、ユネスコに協力する活動を活発に行なっている。四十四年に、これらの団体と日本ユネスコ協会連盟とで「民間ユネスコ活動推進連絡協議会」を結成し、相提携して民間ユネスコ活動の推進に当たっている。現在これに加盟している団体は一九にのぼっている。

国内委員会の指導・助成

 わが国の学校において、国際理解教育を積極的に進める活動は、国内委員会設立当初からかなり熱心に行なわれてきた。昭和二十八年に、わが国は、ユネスコ提唱の「国際理解教育協同学校計画」に参加し、国際理解教育の効果的な方法と内容についての数多くの実験研究を行なっている。現在この計画には二四校が参加している。

 国際理解教育の普及推進のためには、数多くの手引書が出されるとともに、関係教員の研究協議会も発足して、漸次活発な活動をしている。その研究内容も国際理解から国際協力へとあゆみを進めている。

 なお、高等学校におけるユネスコ活動も近年活発となり、ユネスコクラブを持つ高等学校数は現在二四〇に及んでいる。

 ユネスコ精神の普及とユネスコ活動の広範な展開のためには、地方におけるユネスコ活動指導者の養成が肝要であるとの観点から、ユネスコ国内委員会は、四十二年から、各都道府県教育委員会に対して、ユネスコ活動指導者養成研修会の開催を委嘱する事業を開始した。

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-- 登録:平成21年以前 --