二 新制中学校の教育課程

 新制中学校の教科は、昭和二十二年「学校教育法施行規則」によって必修教科と選択教科とに分けられ、前者は国語・社会・数学・理科・音楽・図画工作・体育および職業を基準とし、後者は外国語・習字・職業および自由研究を基準とすることと定められ、さらに教科課程・教科内容およびその取り扱いについては、学習指導要領の基準によることと定められた。文部省はその基準となるべき学習指導要領一般編を同年三月に発表し、引き続き各教科編を発表した

表33 新制中学校の教科と時間数

表33 新制中学校の教科と時間数

 このようにして新制中学校の実際の教育が始められたが、実施の結果にかんがみ、これを改善することとなり、二十四年に至って、体育は保健衛生をも合わせて指導することとし、これを保健体育と改め、職業科は農業・商業・水産・工業・家庭の五のうち一ないし二以上を学習すると定められていたのを、栽培・食品加工・手技工作・経営記帳・調理等の十二項目に分け、いっそう実生活に役だちうるように改め、その名称も職業・家庭と改めた。自由研究も新たに生徒の自発的活動を中心とする教科以外の活動を組織した特別教育活動の時間を設けたことによって廃止された。二十六年の改訂では、道徳教育の振興の観点から、学校教育のあらゆる機会をとらえ、周到な計画のもとに、児童・生徒の道徳的発達を助け、判断力と実践力に富んだ自主的、自律的人間の形成を目ざすこととした。

 また、生徒指導(ガイダンス)および職業指導は学校教育における重要な任務として取り上げられ、中学校・高等学校の中には、そのために専任の教師(カウンセラー)を置くものがしだいに増加してきた。二十七年度では全中学校、高等学校の約二〇%がこのカウンセラーを置いている。

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