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1 国立新美術館の開館

 「国立新美術館」が,平成19年1月21日に東京・六本木に開館しました。
 国立新美術館は,国立美術館を構成する5番目の国立美術館として設置されましたが,新しい国立美術館の開館は,大阪の国立国際美術館に次いでおよそ30年ぶり,首都圏では上野の国立西洋美術館以来,約半世紀ぶりとなります。
 施設は,延べ1万4,000平方メートルに及ぶ展示スペースのほか,アートライブラリー(美術図書室),講堂,研修室を有するほか,レストラン,カフェ,ミュージアムショップなどの附属施設の充実も図り,親しみやすく開かれた美術館を目指しています。
 建物外観は,前面を覆うガラスカーテンウォールが波のようにうねる美しい曲線を描き,このガラスカーテンウォール越しに,青山公園など周辺の緑地に溶け込むように植栽された庭園の眺めを楽しむことができます。このほか,免震装置の設置,雨水の再利用や車椅子仕様のエレベータによるバリアフリーへの対応,さらには,地下鉄千代田線乃木坂駅に直結した連絡通路など,様々な機能性を追求した施設づくりとなっています。
 国立新美術館ではコレクションを持たず,美術団体等への発表の場の提供や,新しい美術の動向に焦点を当てた自主企画展等を開催していきますが,多い時には10を超える展覧会が同時並行で開催されます。また,展覧会カタログを中心とした美術に関する情報や資料の収集・公開・提供,子どもから大人までを対象とした教育普及活動を展開し,アートセンターとしての役割を果たしていきます。
 内外から人やモノ,情報が集積する国際都市・東京に立地する美術館として,「美術」を介して様々な価値に触れる機会を提供し,相互理解と共生の視点に立った新しい文化芸術の創造に寄与していくこととしています。

▲国立新美術館 正面外観

▲エントランスロビーよりレストラン(手前の逆円錐形のコーン),カフェ(奥のコーン)を望む

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