第4節 子どもの体力の向上

2.子どもの体力向上のための具体的な取組

 前項で示したような子どもの体力の現状を踏まえて,平成13年4月11日に中央教育審議会への諮問がなされました。この諮問を受け,中央教育審議会スポーツ・青少年分科会において,体力の低下の原因はもとより,体を動かす動機付けや,運動・スポーツに親しむための方策,体力向上のための望ましい生活習慣を形成するための方策などについて審議がなされ,14年9月30日に中央教育審議会答申として「子どもの体力向上のための総合的な方策について」が取りまとめられました。
 答申では,体力は人間の活動の源であり,健康の維持・増進のほか意欲や気力といった精神面の充実にも大きくかかわっており,子どもの体力低下の問題が子ども自身のみならず,将来の社会全体へ影響を及ぼすことについて指摘しています。また,子どもがより一層体を動かすとともに,適切な生活習慣を身に付けていくために,行政や学校,家庭,地域社会が取り組むべき具体的な方策についても提言しています。
 文部科学省では,この答申を受け,子どもの体力向上に向けて,平成15年度から以下のような施策を展開しています(参照:子どもの体力向上ホームページhttp://www.recreation.or.jp/kodomo/(※子どもの体力向上」ホームページへリンク))。

(1)子どもの体力向上キャンペーン

 子どもの体力を向上させるための全国的なキャンペーン事業を実施しています。具体的には,体力の重要性などをアピールするためのキャンペーンポスターを広く子どもから募集するとともに,親子で運動・スポーツに積極的に親しむ機運を醸成するための各種イベントの開催(平成18年度から,新たに「元気アップ親子セミナー」を開催)などを行っています。

▲子どもの体力向上キャンペーンポスター
平成18年度文部科学大臣賞受賞作品

(2)スポーツ選手ふれあい指導事業

 全国の自治体などが行う子どもを対象としたスポーツ教室にオリンピックなどで活躍したトップレベルの選手を派遣し,子どもと直接ふれあい,スポーツの楽しさを体験してもらう事業を展開しています。

▲元気アップ親子セミナー
(岩手県北上市)

▲子どもの体力向上キャンペーン中央イベント
  • 開催日:平成18年10月9日(体育の日)
  • 場所:国立スポーツ科学センター

(3)スポーツ・健康手帳の作成・配付等

 小学校中・高学年向けに,スポーツや健康に関する情報を盛り込み,体力・生活習慣の目標を記入できる「元気アップハンドブック」,小学校低学年・幼児向けに,家族や仲間とできる外遊びなどの取組を促進する「げんきあっぷかれんだー」を作成・配付し,子どもが日常的に体を動かす習慣を身に付けるための動機付けを行っています。
 また,子どもの保護者等に対し,体力についての正しい認識や子どものころに体を動かすことの重要性を啓発するためのリーフレット「子どもの体力向上のために」も併せて作成・配付しています。

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