第5節 魅力ある高等学校づくりと中高一貫教育

2.高等学校入学者選抜等の改善

 高等学校の入学者選抜については,過度の受験競争の緩和や偏差値偏重の是正などが指摘され,「選抜方法の多様化」,「評価尺度の多元化」の観点から改善が進められてきました。各高等学校においては,生徒の多様な能力・適性や意欲,努力の成果,活動経験などについて,様々な観点から,優れた面や長所を積極的に評価することができるよう,改善が進められてきています。具体的には,推薦入学の拡大,面接,小論文・作文,実技検査などの活用,調査書の活用の工夫といった取組や,近年増加傾向にある不登校の生徒の受入れについて特別な扱いや配慮を行うなど,各都道府県教育委員会などにおいて積極的な取組が行われています。
 また,平成14年度から中学校生徒指導要録における教科の評定が目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)による評定を記載することとされ,高等学校入学者選抜の調査書についても,調査書の客観性・信頼性を高めるなど,適切に対応していくことが求められています。18年度入学者選抜においては,9割以上の都道府県で調査書の評定を目標に準拠した評価によることとされました。
 文部科学省としては,平成18年9月に全国高等学校入学者選抜改善協議会を開催するとともに,高等学校入学者選抜の改善等に関する状況を調査し,各県の状況の把握や情報の収集・提供を行うなど,各都道府県における改善の取組を支援しています。

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