第1節 文化芸術振興の意義と文化芸術振興施策の総合的な進展

2.文化芸術振興基本法と第1次基本方針

 文化芸術の振興に対する国民の要望の高まりなどを背景に,議員立法として,「文化芸術振興基本法」が,平成13年11月30日に成立し,同年12月7日に公布・施行されました。
 この法律は,1文化の中核を成す芸術,メディア芸術,伝統芸能,生活文化,国民娯楽,出版物,レコード,文化財などの文化芸術の振興に関する基本理念を定め,2国と地方公共団体の責務を明らかにするとともに,3文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより,文化芸術活動を行う者の自主的な活動を促進し,文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を図ろうとするものです(図表1-2-2)。
 この法律に基づいて,おおむね5年間を見通した政府による文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進のために,「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が平成14年12月5日の文化審議会答申に基づき作成され,同年12月10日に閣議決定されました。その内容は,第一に,文化芸術の振興における国の役割を明らかにし,重視すべき方向として「文化芸術に関する教育」や「国語」など5事項,留意すべき事項として「芸術家等の地位向上のための条件整備」や「国民の意見等の把握,反映のための体制の整備」など4事項を定めました。第二に,第一の基本的方向を踏まえて講ずべき基本的施策を定めています。この法律と基本方針に基づいて,これまで文化芸術の振興に関する施策を総合的に推進してきました。

図表●1-2-2 文化芸術振興基本法の概要

前のページへ

次のページへ