松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年9月17日)

令和8年9月17日(木曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

大臣在任中の成果、次期学習指導要領の内容実現に向けた現在の学校現場への対応に関する評価、週刊誌の報道も含めた一連の問題に対する見解及び大臣に求められる資質について、今後も取り組むべき課題及び次期大臣への期待、教員のなり手不足解消に向けた見解、平和学習の政治的中立性違反に関する今後の調査結果公表及び是正に向けた期待、デジタル教科書や生成AIを含むデジタルツールの活用における次期大臣への引継ぎ、在任中印象に残った出張先、大臣退任後の科学技術政策への関わりについて

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年9月17日(木曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年9月17日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年9月17日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件となります。先ほどの閣議におきまして、総理に辞表を提出いたしました。新しい大臣が任命されるまでの間は大臣としての職務を継続することとなりますが、令和7年10月に文部科学大臣に就任して以来、今日こうしていらっしゃる記者の皆様も含めまして大変多くの皆様方にお世話になりました。このことに御礼を申し上げたいと存じます。本当にありがとうございました。私からの冒頭発言は以上となります。
 
記者)
 先ほど辞表を提出されたということで、およそ1年の任期だったかと思いますけれども、大変お疲れ様でした。
 
大臣)
 ありがとうございました。
 
記者)
 去年10月の就任会見では大臣、現場の声をしっかりと聞いて受け止めながら文部科学行政をしっかりと前に進められるように全力を尽くしたいというふうにおっしゃっていました。これまでおよそ1年間、様々な文部科学関連の政策においてとりわけ注力をされた政策、そしてそれに対する自己評価について教えていただけますか。
 
大臣)
 今お話をいただきましたように、令和7年10月21日に文部科学大臣に着任をいたしまして、本日が332日ということになりました。この間、私といたしましては現場主義の徹底ということで、私だけではなくて文部科学省の皆さんと一緒にこうした現場の声をしっかりと聞き、そしてそれに基づいた政策を立脚し、そして現場の皆さんに届くような、そういう政策を実行していこうということを申し上げながら大臣としての務めを果たしてきたつもりであります。特に先の特別国会におきましては、与野党の委員の皆様との活発な議論があったわけでありますけれども、いわゆる高校無償化の実現、中学校35人学級の実現、デジタルな形態を含む教科書の導入、アーティスト等に係る「レコード演奏・伝達権」の創設といった重要な政策を実現するための改正法案、これを成立にこぎ着けたということは大臣としての役目を一定程度果たせたのではないかというふうに思っております。
 また、印象深いことは多々ありました。そもそも私自身が文部科学大臣として仕事をするにあたって問題意識を持っていたのは、今こうした教育も含めた文部科学行政は大きな改革のときにあるということであります。その大きな理由は、社会が大きく変化をしている中でそれに対応をした教育、そして文部科学行政をどう作り上げていくのかという、そういう問題意識を私自身は持っていたところであります。そういう意味におきまして、例えば日本成長戦略会議人材育成分科会の「人材育成システム改革ビジョン」、これを私の下で取りまとめることができたということ、そして戦略17分野における課題でありますとか、AX時代における人材需要の構造的変化、これらを踏まえまして産業界と協働をし、イノベーションを起こすことのできる人材や現場を支える人材を高校から大学・大学院を通じて戦略的に育成していく羅針盤、これをお示しすることができたことも今後につながる成果であったというふうに考えているところであります。
 このほか、高校教育改革に関する基本方針の策定、学校給食費の抜本的な負担軽減、第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定、国立大学法人運営費交付金の拡充を含む「科学の再興」に向けた研究力の抜本的強化、この研究力の抜本的強化に関しましてもこれまでなかなか予算を増やすことができなかった基盤的経費でありますけれども、昨年の補正、そして今年度の当初予算におきましてこれらをしっかりと確保をいたしまして、科学技術分野でありますとか研究力の強化に向けた、いわば我が国反転攻勢の一歩を踏み出すことができたのではないかというふうに思っておりますし、また概算要求におきましても大幅な予算の拡充ということで要求をさせていただいているところであります。文部科学行政についてやるべきことは大変多くありますし、また今後も様々な課題に直面をすることになりますけれども、先ほど申し上げましたように社会が大きく変化をする中におきまして我が国の良さとしてしっかりと改革を進めようとするからこそ守るべきところは守っていかなければいけないと思いますし、また変化する時代・社会を見つめて見据えながら攻めるべき点はしっかりと見極めながら歩みを進めることが大変重要だと思います。文科省の皆さんには新たな大臣の下、引き続き現場主義を徹底するとともに自らの仕事に誇りを持ちながら一つ一つの課題にしっかりと取り組んでいくことをお願いしたいと思いますし、私自身、立場を離れることにはなりますけれども、どのような立場にあっても我が国の「礎」であります文部科学行政をより良いものとしていくために頑張ってまいりたい、バックアップしてまいりたいと思います。
 評価に関しましては、これは私自身が下すものではなくて国民の皆さんによって下していただく、判断いただくものだと思っておりますので、その声に私自身、真摯に耳を傾けていきたいと思います。長くなってすみません。
 
記者)
 先ほど現場主義の徹底という言葉が出ましたけれども、直近では現場の教員の方々の指針となる次期学習指導要領の予算が示されまして、調整授業時数制度の導入ですとか、学校現場に余白を生み出すための大きな方向性が打ち出されたかと思います。一方で、現場の教員不足だったり長時間労働というのは依然として深刻な状況で課題も山積していると思います。大臣自身、この1年を振り返って取組を通じて現場の教員の方々が新しい指導要領を、余白を持って実行できる、そういった環境というのはどこまで整理されたというふうに思われますか。
 
大臣)
 まずもって、私も現場を回っていく中で児童生徒に真正面から向き合って、その指導に当たられておられます教職員の皆様方の姿を拝見してまいりましたし、またそのお話も多くいただいてきたところであります。改めて、教師という大変尊い仕事に就かれている皆さんに心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。その上で、今年3月に公表した調査におきましては国が定める上限時間の原則であります「月45時間」以上(注1)の教師の割合が前年度よりも改善をしている一方で、どの学校種におきましても「月45時間」を超える教師が一定数存在をしている状況であるなど、引き続き学校における働き方改革を進めていく必要がある、そのように認識をしております。こうした認識のもとで、改正給特法(注2)を踏まえまして「学校と教師の業務の3分類」を文部科学大臣が定める指針に位置付けるとともに、先の特別国会におきましては義務標準法を改正いたしまして約40年ぶりに中学校の学級編成の標準の引き下げを行うなど、総合的に取組を進めてきたところであります。また、教育課程の観点からも負担への指摘に真摯に向き合いまして、次期学習指導要領に向けた検討を進め、教師と子供の余白を創出し教育の質向上につなげられるよう、「調整授業時数制度」の創設などの方策の具体化を進めてきたところであります。引き続き教師の「働きやすさ」と「働きがい」を両立し、全ての子供たちへより良い教育の実現に向けて教育課程の改善と学校における働き方改革を一体的に進めていく必要がある、そのように考えているところでもありますし、また働き方改革と同時にやはり教師というものがそれだけ大変尊い素晴らしい仕事なのだということをぜひ国民の皆さんにも理解をしていただくとともに、教師の皆さんにもそうしたことを実感していただくことができるように我々としてはこれから取組をぜひ進めていただきたい、そのように考えているところであります。
(注1)「『月45時間以上』」は、正しくは「『月45時間』以下」です。
(注2)「改正給特法」は、正しくは「改正給特法等」です。
 
記者)
 1年間お疲れ様でした。
 
大臣)
 ありがとうございました。
 
記者)
 振り返るということで、大臣の過去の不倫報道を巡る一連の経緯について伺います。今年3月に一部週刊誌で大臣の不倫問題が報道されますと世の中の注目も大きく集めて、一部では教育のトップをつかさどる文部科学大臣としての資質を問う声も上がりました。一連の問題は国会にも影響して、中学の35人学級や高校無償化の関連法案の審議が山場を迎える中で委員会の審議日程が延期になるなど混乱ももたらしました。振り返ってみて、改めて一連の問題をどう捉えていらっしゃいますか。
 あと、また1 年間大臣を務めてこられて改めて感じる文部科学大臣に必要な資質というのは何だとお考えでしょうか。
 
大臣)
 文部科学省の提出法案、これを御審議いただいている最中、また今お話がありましたように大変予算関連法案ということで、大変そうした国会日程的にも厳しい状況の中におきまして私に関する件で多くの関係者の方々に御迷惑をおかけすることになりました。大変申し訳なく思っているところであります。おかげさまで多くの皆様方にも御理解、御協力をいただいてこの2本の予算関連法案、何とか年度内に成立をさせることができまして、4月1日からそれぞれ制度を無事にスタートすることができたということは本当に皆様方の御理解、御協力によるものだと心からこの場をお借りいたしましても感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、また文部科学大臣に求められる資質ということでありますけれども、なかなか一言で申し上げるのは難しい部分がありますが、教育、科学技術・学術、スポーツ、そして文化という幅広く、また大変重要なそうした行政分野を所掌しているのがこの文部科学省だというふうに承知をしているところであります。文部科学大臣はその責任者として職務の一つ一つを誠実に遂行いたしまして与えられた職責を全力で全うすること、これが重要だと考えているところであります。
 
記者)
 学習指導要領の改定などが進む中での退任ということになりましたけれども、任期中にもし積み残した課題があるとすると何でしょうか。
 また、そうした課題について次期大臣に対してどのように取り組んでもらいたいか、期待があればお願いいたします。
 
大臣)
 これからも継続的に対応が必要なことという観点から申し上げますと、例えば私の下で先ほどお話をしたように「人材育成システム改革ビジョン」、これをとりまとめたところでありますが、本ビジョンに基づく高校教育と高等教育の一体的改革、これは未だ道半ばであります。今後、関係施策の実現に必要な予算を確保し、さらに加速をする必要があると考えております。また、ノーベル賞を受賞された坂口先生、北川先生からも基礎研究支援や若手研究者の育成について直接御意見をいただいていたところでありますが、我が国の「科学の再興」に向けました研究力の抜本的強化も急務と考えているところであります。先ほどお話をしたように、昨年の補正、そして今年度の当初で反転攻勢となる一歩を踏み出すことはできたと思ってはいますけれども、今回、概算要求でもこれらの予算を大幅に拡充して要求をしたところでありますが、この予算に象徴されるようにこの分野におきましてもこれから更なる取組を進めていくことが大変重要だと思っています。この他の分野でもやるべきことは多くあると認識をしておりますので、今後とも文部科学省一丸となって議論を深め、それぞれの政策を前に進めていただきたいというふうに考えておりますし、私としても文部科学行政を前に進めていくために今後もどのような立場であっても貢献をしていきたい、そのように考えているところであります。
 その上で、次の大臣になられる方につきましてはぜひその御見識を生かして存分に御活躍をいただきたい、そのように思っております。
 
記者)
 1年間、どうもありがとうございました。
 
大臣)
 ありがとうございました。
 
記者)
 教員のなり手確保や質の向上に関する施策についてお伺いします。教職については先ほど尊い仕事というふうにおっしゃっていましたが、学校現場ではなり手の不足であるとか、あとは人手不足のほか、忙しさがあったりとか、採用倍率の低下などが喫緊の課題となっていると思います。来年度予算では、教職の魅力向上について新規予算を要求していますが、教職の魅力を高めることについて松本大臣の率直な思いと、後任の文部科学大臣にどのように引き継ぎをされるのか、どのようなことを求めるかをお伺いします。
 
大臣)
 文部科学大臣に就任をしてから、先ほどお話をしているように多くの学校を視察いたしまして、現場を拝見し、そして教職員の皆さんとの意見交換もさせていただきました。改めて、教師という職業の尊さ、かけがえなさというものを実感しているところであります。教師のなり手不足解消、そのために教師という職業や働く場としての学校をより一層魅力化していくことが大変重要なことだと思っております。そうした思いもありまして、これまで文部科学省といたしましては教師が働きがいと働きやすさをともに実感できる環境整備を進めてきたところであります。また、中教審におきましては教師を生涯にわたって学び続けられる魅力あふれる仕事にできるようにするための方策を御議論いただいているところでありまして、教師になった者への学部段階の奨学金返還支援等の仕組みの構築についても御意見をこの場でいただいているところでもあります。さらに、令和9年度概算要求におきましても教職の魅力向上に向けた意欲的な目標と、その実行計画を定めた自治体を支援する新規事業を盛り込むとともに、法改正も視野に入れつつ教師になった者にかかる奨学金等、経済的負担の更なる軽減等についても事項要求を行ったところであります。先ほども教職の重要さ、尊さというお話をさせていただきましたが、やはり全ての国の施策、経済、社会、そうした活動というものは全て人が行うものであります。そういう意味では、全ての活動、全ての施策、全てのありとあらゆる事象のやはり一番の基本にあるのはやはり人だと思います。そして、その人を育てるのが教育だと思います。そして、そうした教育を実際に現場で行っていただいているのが教職員の皆様方であります。そういう意味におきましては、こうした教職員の皆様方の魅力向上を図り、より多くの人たちにこうした仕事に憧れを持って入ってきていただく、使命感を持っていただく環境を作るということは、これは社会全体、国全体に裨益をする、そういう事柄だと私自身は思っているところであります。そういう意味からも、ぜひこうした様々な取組というものを通じて今申し上げたような思いが教職員の皆さん、そして国民の皆さん一人一人に届けばいいなというのを私自身思っております。
 後任の大臣におかれましても、ぜひこれらの方向性、また中教審をはじめとする様々な皆さんの議論というものも踏まえながらぜひ取組を進めていただければと思います。大臣、次の大臣の方の御奮闘を心からお祈りを申し上げたいと思いますし、私もバックアップをしてまいりたい、そのように思います。
 
記者)
 1年間どうもお疲れ様でした。
 
大臣)
 ありがとうございました。
 
記者)
 松本大臣の在任期間中、やはり非常に大きな出来事として平和学習に対する教育基本法違反、政治的中立性に違反しているという見解の公表がありました。これは戦後初の判断ということで、極めて難しい判断だったと思うのですけれども、そういった難しさも含めてこの見解の公表をどう振り返るのかということ、あとその後の文科省の追加調査の中で一部にいわゆる変更したような平和教育、政治的中立性が担保されていないような平和教育というものの見直しが徐々に進んできているという実態も明らかになってきているようです。そこら辺、次の大臣への期待も含めて是正が進んでいると現状どうお考えになっていますでしょうか。
 
大臣)
 改めて、辺野古の件につきましてお亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、お怪我をされた皆様に心からお見舞いを申し上げたい、そのように思います。令和8年3月に同志社国際高校における校外学習中に生徒に死傷者が出た重大な事故が発生したことについて、改めて極めて遺憾であるということ、そして今後二度と繰り返さないこと、これが重要だと考えているところであります。御指摘のフォローアップにつきましては、現在集計を進めているところでありまして、作業が完了次第速やかに公表したい、そのように考えているところであります。いずれにいたしましても、全国の学校においては教育基本法などに基づきまして特定の見方・考え方に偏った取り扱いとならない形で平和学習を実施していただくことが必要でありまして、そうした方向で取組を進めることが重要である、そのように考えているところであります。
 
記者)
 この度はお疲れ様でございました。
 
大臣)
 ありがとうございました。
 
記者)
 まだ途中の、導入に向けて議論が進んでいるデジタル教科書などについてお伺いできればと思います。大臣はこれまで小学校の低学年と国語・社会・道徳においては完全デジタルの教科書を認めるべきではないかとの方針を示していらっしゃいました。後任の方にもその認識は引き継いでいくお考えでしょうか。
 また、今後、学習指導要領やデジタル教科書の議論が大詰めを迎えるようなことになりますが、急速に浸透している生成AIやデジタルツールについて後任の方に共有しておきたい考えなどはありますでしょうか。もしあればお伺いしたいです。よろしくお願いいたします。
 
大臣)
 御指摘の「全てがデジタルな教科書」の扱いについての答弁は、法案審議の際にもこれまで中教審でありますとか有識者会議での議論、また現行の教科書代替教材のデジタル教科書についての取組状況なども踏まえまして、その時点の考えとして私としてお答えをしたものであります。新たな教科書の在り方につきましては、今後、後任の大臣の下で秋頃に策定される指針の中で示していく予定になっておりまして、現在、有識者会議で御議論をいただいているところであります。
 また、生成AI等のデジタル技術でありますけれども、児童生徒一人一人のニーズでありますとか特性に合った学びを支援することに資する一方で、活用の仕方によっては必要な学習過程が省略されてしまうというようなリスクもあり得るということであります。適切な利活用のためには、メディアリテラシーや情報モラルを含めました情報活用能力の育成を図るとともに、安全かつ主体的にAIを活用できる学習環境を構築することが必要だと考えております。これらはいずれも我が国の未来を担う子供たちを育むための新たな学びを具体化していく上で重要な課題であると考えております。後任の大臣には、先ほど申し上げておりますとおり、現在、これは中教審でありますとか、また有識者の皆さんにも御議論をいただいているところであります。これらの議論というものを踏まえるとともに、デジタルの力でリアルな学びを支えるとの基本認識に立ちまして、円滑な導入・環境整備のための丁寧な検討対応を進めていただきたい、そのように考えておりますし、私自身何度も申し上げているとおり、デジタル化を進めることが目的ではなくて、やはり子供たちの学びの質を高め、そしてそれを深め、そして自ら探求していく、そうした主体的な心を育む一つの道具としての位置づけだというふうに承知をしているところでもありますし、またそうした観点に立って中教審でありますとか、有識者会議では議論いただいているというふうに承知をしております。ぜひそうした有識者、また中教審での議論というものをしっかりと行っていただきたい、そのように思っております。
 
記者)
 お疲れ様でした。
 
大臣)
 ありがとうございます。
 
記者)
 在任期間中、大学や研究機関など国内外問わず多く出張をされていたと認識しています。特に印象に残った出張先は何かということと、こうした視察の知見がどういった文部科学行政に生かされたかということを教えてください。
 
大臣)
 大臣就任以来、現場の声を聞き文部科学行政に生かすという観点から学校、文化・スポーツ施設、研究機関など、様々な場所を訪問いたしました。国内は出張視察で30回、海外は2回、3カ国ということでお伺いをしたところであります。それぞれの訪問先で大変勉強をさせていただいたところでありますけれども、全てが印象に残っているわけではありますが、特に印象に残ったものとして例えばつくば市立みどりの学園義務教育学校をはじめといたしました多くの学校現場では、ICT教育を実施している現場の声を伺ったり、また児童生徒が非常に主体的に勉強している様子を見ることができたりしました。これらの私自身が実際に現場で見聞きしたことということが、先ほどもお話がありましたけれども、デジタル教科書の導入に際しては様々参考にさせていただいたところでもあります。また、先般は令和8年熊本地震の被災地を訪問いたしまして、その被害の大きさを目の当たりにするとともに、子供たちの学習環境の確保でありますとか、学びの継続性の重要性を実感したところであります。現場の声を踏まえまして、スクールカウンセラーの追加配置を全額国費で実施することをはじめといたしまして、国として引き続き被災地とともに歩み、支援に全力で取り組む考えをお伝えしたところであります。私自身、これらの視察に関して一貫して続けてきたことは、見るだけではなくて実際に交流をする、話をするということを私は徹底をしてきたつもりであります。とりわけ学校現場などにおきましては、教職員の皆さんとの意見交換だけではなくて行く先々で実際にそこで通っていらっしゃる子供たちとの意見交換というものもいろいろとさせていただきました。そうすると、本当に子供たちがキラキラ目を輝かせながら学校で一生懸命頑張っている姿、またいろいろな苦労があった、そうした生徒、児童生徒の苦労話をお聞きすることもたくさんありましたし、また将来こんなことをやりたいという、そういう思いを持っている子供たちのそうした声も聞きました。また、そうした様々な状況に置かれている児童生徒と正面から向き合って一生懸命頑張っていらっしゃる教職員の皆さんの姿も拝見をし、いろいろなお話を聞くことができました。本当にこれまでの間、そうした現場でいろいろと御対応いただいた皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、我が国の研究力の向上施策のため多くの大学や研究機関との意見交換も行ってきたところであります。京都大学の視察におきましては、国際卓越研究大学としての認定を進めていくことを公表したことに関連をいたしまして意見交換を行うとともに、物質―細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)を視察いたしまして、世界最先端の研究開発の現場にも触れてきたところであります。また、海外におきましてはエジプト・ベトナム・カンボジアという3カ国を訪問いたしましたけれども、改めて日本の教育に対する高い評価というもの、そしてそれぞれの国がこの日本の教育というものをぜひ自分たちの国にも導入をしたいという、そういう意見を直接お伺いしたところでありまして、そういう意味ではやはり我が国の教育の良き部分というものを改めて再認識をするとともに、それらをしっかりと伸ばしていく、そして改革を進めていく部分は変えていく、それだけではなくてこうした分野においても私たちの国が世界にいろいろと貢献できる分野があるということも改めて痛感をしたところであります。スポーツ文化分野におきまして、ハイパフォーマンススポーツセンター等の最先端施設や国立劇場、文化財修復現場の視察、またトップアスリートへの科学的支援や部活動の地域移行、伝統芸能の継承や文化財を守るサプライチェーンの維持といった今後の予算確保でありますとか、具体的なガイドライン策定を含む各施策の基盤強化につなげてきたところであります。本当にこうして数多く現場にできる限り、時間の許す限り運んでいろいろなことを学ばせていただくことができましたし、それを文部科学行政に生かすために全力を尽くしてきたつもりであります。全てはやはり現場の皆さんの力があってこその文部科学行政であります。お世話になった皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 
記者)
 大臣、1年間ありがとうございました。
 
大臣)
 ありがとうございました。
 
記者)
 今回、文部科学大臣の立場を離れてしまうと思いますが、今後、科学技術政策に対してどのように貢献していきたいと考えているのでしょうか。お考えをお願いします。
 
大臣)
 この1年間、文部科学大臣として科学技術政策、これを進めてきたところであります。繰り返しになる部分もありますが、昨年、坂口先生、北川先生、お二人のノーベル賞、お二人がノーベル賞を受賞されたわけでありますけれども、お二人からは基礎研究への支援拡充の必要性でありますとか若手研究者が自由な発想で様々な研究に取り組めるような環境の必要性についてお話をいただいたところでありまして、それが大変印象に残っているところでもあります。国力の基盤となるのは「人材力」であり、そして成長を牽引するのは「科学技術」の力である、そのように強く感じているところであります。第7期科学技術・イノベーション基本計画の柱の一つであります我が国の「科学の再興」に向けて、令和7年度補正予算及び令和8年度当初予算におきまして国立大学法人運営費交付金でありますとか、科研費の大幅な増額をはじめとする研究力の抜本的強化に必要な予算を確保することができた、そして事業を進めることができたということは大きな一歩だったと思っておりますし、反転攻勢につながるそうした一歩をおかげさまで踏み出すことができたのではないかと思っております。ぜひこれをさらに進めていくために、令和9年度の概算要求におきましてはこれらの大幅な増額というものも予算要求をしているところであります。基本計画に基づく取組はまだ始まったばかりでありますけれども、文部科学省を離れどういう立場になったとしても、文部科学大臣としてこれまで進めてまいりましたこれらの取組を引き続き形にしていくことができるように私自身、全力を尽くして応援をしてまいりたい、そのように思っております。
 最後になりますけれども、改めまして本当に1年弱の間でありますけれども、記者の皆様方にも大変お世話になりまして本当にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
 
(了)

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