松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年9月15日)

令和8年9月15日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

高校教育改革促進基金における追加公募第1回申請の採択結果、高校教育改革促進基金の採択校数の地域差に関する見解と事例の横展開に向けた課題認識、現地の声を踏まえた被災地の子供への学習・体験活動に関する課題認識と期待される活動、沖縄・辺野古沖で発生した転覆事故に関するこれまでの対応の総括と進捗および学校現場に与えた影響、東大における一連の倫理規定違反に係る調査の終了と関連法人への対応等を踏まえたガバナンス対応への評価および国際卓越研究大学制度の審査への影響、広島県での教員の処分事案を踏まえた部活動等における生徒の移動に係る考え方

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年9月15日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年9月15日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年9月15日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件であります。高校教育改革促進基金の追加公募でありますけれども、第1回申請に対する採択結果につきまして御報告をいたします。高校教育改革促進基金におきましては、本年8月10日を追加公募の第1回申請期限としておりましたが、28都道府県から合計72校の申請がございました。外部有識者による審査を経まして、各都道府県の高校改革を先導する60校を採択することといたしました。これらは、令和9年度概算要求で盛り込みました「高等学校教育改革交付金(仮称)」等の創設も見据えまして、全国の高校を進化させるパイロットケースとなるものであります。これからの未来を担う高校生の皆さんが夢や希望を持って学ぶことができるよう、文部科学省としても様々な関係者と連携をしながら一層の改革に取り組んでまいります。私からの冒頭発言は以上となります。
 
記者)
 御案内がありました高校教育改革促進事業についてですけれども、今回新たに60校が先導校として採択されましたけれども、これまで合計135の先導校があるうち、既に複数校が採択されている地域もあればまだ1校も採択されていない地域があると思います。大臣として現時点での地域による偏りについてどうお考えになっているかということと、併せて今後この拠点校の取組を地域全体に広げていくにあたっての課題についてもお聞かせ願えますか。
 
大臣)
 高校教育改革基金事業でありますけれども、御指摘のとおり、初回の公募では採択に至らなかった学校もありますが、それ以降、リエゾンによる支援も含めまして丁寧に伴走をしてきたところであります。具体的には、文部科学省の職員を各都道府県にそれぞれ担当を割り振りまして、そして各都道府県の皆さんと一緒に悩みながら、また汗をかきながら計画の磨き上げというものをやってきたところであります。そうした結果といたしまして、本日公表いたしました追加公募第1回目におきましては72校のうち60校を採択することということになったところであります。これらに関しましては、そうした地元の皆さんの御努力、そして磨き上げの結果、改革先導校としてふさわしい水準の計画になりまして、多数提案されたものというふうに承知をしているところであります。また、9月11日を追加公募の第2回申請期限としておりましたが、12都道府県から31校の申請があったところであります。これによりまして、8月の第1回申請期限と合わせて対象となる全ての都道府県から申請を受け付けまして、現在第2回目の審査を行っているところであります。なお、本事業においては拠点校が多くの協力校と連携・協働して教育改革に取り組むほか、取組・成果の普及を事業計画に含めるなど、拠点校の先導的な取組が着実に地域へと展開される、そのように考えているところであります。文部科学省としては、引き続き都道府県の策定する実行計画に対してしっかりと伴走支援をするほか、概算要求している交付金等の財政支援の実現に取り組んでまいりたいと考えているところであります。そういう意味では、ぜひ各都道府県、追加の第1回目は今回こういう形で公表したところでありますけれども、今、第2回目というところは審査が進んでいるところでもあります。受付が終わって、そういう意味でもぜひ皆さんが磨き上げてこられた計画というものを我々としてもしっかりと受け止めて、ぜひ審査をしっかりと有識者の皆さんにはしていただきたい。そして国と、そしてそれぞれの各都道府県一体となってより良いものが出来上がるように我々としても努めてまいりたいと思います。
 
記者)
 9月11日に令和8年度熊本地震「被災地の子供への学習・体験活動の提供支援」事業の公募要領が公表されました。特に今回の熊本地震は夏休みの始めに起きたために本来は夏休み中にできるはずだった子供たちの様々な体験の機会が奪われてしまいました。大臣の視察や現地の声などを通じて、熊本の子供たちの学習・体験活動に関する課題や今回の公募でどのような活動を期待するかを教えてください。
 
大臣)
 私自身、熊本県に訪問をいたしましていろいろとお話をお聞かせいただきました。また、担当課における熊本県教育委員会への状況確認等を通じまして、子供たちの学びを止めないことでありますとか、子供たちが安心して過ごせる環境を整えていくことが必要であると認識をしておりますが、子供たちの学びでありますとか体験機会を継続的に提供することに課題が生じているというふうに認識をしているところであります。これまでも文部科学省として国立青少年教育振興機構、こうしたところが保有する施設などを通じて夏休み中にもこうした体験活動等をやっていただくことができるようにという支援を行ってきたところでありますが、具体的に子供たちに学習・体験活動を提供するということにあたって、引き続き様々な取組が必要だという声もいただいているところでもありますし、またボランティア等の人材確保について課題があるというふうにお聞きをしているところであります。こうした状況を踏まえまして、今月11日に新たに「被災地の子供への学習・体験活動提供支援」事業の公募を開始したところであります。本事業を通じまして、人材の確保も含め、子供たちに必要な学習、また体験活動の機会を確保いたしまして、平時とは異なる学習・生活環境にある被災地の児童生徒などの学習の遅れに対する不安解消に努めるとともに、子供たちが平時と同じように多様な体験が得られるよう、適切な支援を行ってまいりたいと思います。ぜひこうした事業というものを御活用いただいて、体験活動でありますとか学習支援、こうしたものを我々としてもしっかりと被災地の皆さんのそうした取組を後押ししてまいりたい、そのように思っております。
 
記者)
 16日で発生から半年を迎える同志社国際高校の辺野古の事故について2点お伺いしたくて、1点目がこれまでの取組、政治的中立性を含めて文科省のこれまでの取組をどう評価するかということ、一方で一部の学校現場では平和学習に対する萎縮が現れているというふうに指摘もありますけれども、学校現場に与えた影響も含めてこれまでの取組をどう評価するのかというのを教えてくださいというのが1点目です。2点目は今後についてで、4月に政治的中立性とか安全対策について通知を文科省として通知を出して以降、それのフォローアップ調査を今続けている段階かと思うのですけれども、それの進捗状況を含めて今後何か対応を考えていることがあれば教えてください。
 
大臣)
 16日で半年が経過をするということであります。改めて亡くなられた方に対しまして哀悼の意を表するとともに、お怪我をされた皆様に対して心からお見舞いを申し上げたい、そのように思っております。文部科学省といたしましては、本年5月22日に「これまでの把握事項と文部科学省の見解」において(注1)を公表いたしました。当時把握をしておりました事実関係でありますとか、事故原因に関する見解をこの中でお示しをしたところであります。今後、このような事故が二度と生じないように再発防止策を徹底していくことが必要であると考えているところであります。現在、学校法人同志社におきまして特別調査委員会の調査報告書を踏まえた安全管理面での再発防止策に加えまして、教育の中立性に関する検証の取りまとめに向けまして今後迅速に検討が進められていくものと承知をしておりまして、文部科学省としてもその状況を注視してまいりたい、そのように考えております。平和に関する学習につきましては、各学校におきまして関係法令でありますとか通知などを踏まえながら創意工夫をいたしまして、多様な見方や考え方を提示するなどして政治的中立性を確保した上で政治的教養の教育や平和に関する学習に取り組んでいただいているというふうに考えているところであります。これも度々申し上げておりますが、今回の事案は抗議船として日常的に使用される船に、生徒を乗船させる極めて異例の事案であると捉えているところであります。多様な見方でありますとか考え方を提示して適切に平和に関する学習を行っている教育現場においては、心配いただく必要は全くないというふうに考えているところでありますが、文部科学省として今後とも教育基本法や関係通知の趣旨などについて説明に努めてまいりたい、そのように考えております。
 なお、全国における再発防止に関しましては4月7日に文部科学省から通知を発出いたしまして、安全確保でありますとか適切な教育活動の実施に向けまして各学校や設置者における必要な点検・確認などの対応を要請いたしまして、その実施状況についてフォローアップを行っているところであります。現在、取りまとめの集計等(注2)の作業を進めているところであります。作業が完了次第、速やかに結果の公表を行いたいと考えているところであります。以上です。
(注1)「『これまでの把握事項と文部科学省の見解』において」は、正しくは「『これまでの把握事項と文部科学省の見解』」です。
(注2)「取りまとめの集計等」は、正しくは「取りまとめや集計等」です。
 
記者)
 東京大学の関連でお伺いします。東大は先週、利害関係者から接待を受けた特任教授を懲戒処分しまして、元教授による贈収賄事件に端を発した一連の調査が終了したと発表しました。計26件の倫理規定違反が判明したことになりますけれども、一連の事案と東大側の対応への評価をお願いします。また、約9,000万円の不正利用が判明した関連法人の「総合研究奨励会」についても検証結果と年度内の解散方針が発表されました。この両事案を踏まえて、現時点での東大のガバナンスに対する評価と東大が目指す国際卓越研究大認定への影響も併せて伺います。
 
大臣)
 東京大学におきまして、今回の件も含めた一連の不祥事に関しまして組織の危機意識の欠如と組織の縦割り・閉鎖的風土などの課題に対しまして、現在ガバナンス改革に取り組んでいるというふうに承知をしているところであります。また、同大学におきましては関連法人でもある総合研究奨励会の事案を踏まえまして、他の法人に対しても運営状況の一斉点検、これを進めているというふうに聞いているところであります。文部科学省といたしましては、東京大学において実効性のある再発防止策の具体化を進めることが社会からの信頼回復を図る上で重要である、そのように考えているところであります。あわせて、部局縦割り構造の改革、これは不祥事の防止だけではなくて若手を中心とした分野を超えた知的価値の創出の観点からも重要であるというふうに考えているところでもありまして、引き続き改革の進捗状況を注視いたしまして必要な指導・助言を行ってまいりたいと思います。
 なお、国際卓越研究大学の審査につきましてでありますが、審査中でありますことからコメントは差し控えますが、引き続き同大学の法人としてのガバナンス体制が実効性あるもので十分徹底されているのかどうか、有識者会議において議論されるものというふうに承知をしているところであります。
 
記者)
 部活動の移動手段のことに関してお伺いします。広島県の教育委員会が許可なく生徒を自家用車に乗せたとして県立高校の先生2人が戒告の懲戒処分を決定されました。そのように発表されました。部活動の練習試合で他に移動手段がなかったということで、試合会場までの約11㎞を往復して計22人の生徒を運んだということでした。この処分に関して教員に同情する声があるほか、部活動の遠征や交通費の負担の在り方について再び議論が起こっています。大臣の受け止めと対応策についてのお考えを改めてお伺いします。
 
大臣)
 広島県教育委員会におきまして、御指摘の懲戒処分が行われたということは承知をしているところであります。広島県教育委員会におきましては、教職員が自家用車に生徒を同乗させることを一律に禁止しているものではなくて、生徒を同乗させる場合には所属長による承認、これが必要とされているところでもありまして、本件においては必要な承認を受けていなかったことが処分の理由となったということでお伺いをしているところであります。部活動等における生徒の移動につきましては、地域の実情等に応じまして様々な移動手段が利用されていることから本年6月、国土交通省と連携をして取りまとめました対策におきましては引率に自家用車を使用する場合を含め、必要な対応などについてお示しをしているところであります。なお、令和9年度概算要求におきましては運動部活動の遠征等における安全の確保をするため周知啓発資料などを作成し、その周知を行うとともに、各地方公共団体が実施する講習会の開催などを支援するための経費についても計上をしているところであります。文部科学省としては、引き続き部活動等における移動の安全確保、これを図るとともに、生徒がスポーツ・文化芸術活動に取り組む機会の確保を図ってまいります。以上です。
 
(了)

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大臣官房総務課広報室