令和8年8月4日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ
令和8年熊本地震における文部科学省関係の被害状況と対応、全国高等学校総合体育大会総合開会式への出席および陸上競技の視察、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果報告およびSNS等の利用時間増加や学習時間の低下に関する見解と今後の対応、学校安全の推進に関する有識者会議の設置、辺野古沖での転覆事故に関する特別調査委員会報告書の所見および校外活動における安全対策強化の方針、基金事業におけるいわゆる「3年ルール」の見直しを踏まえた科学技術関係施策の推進方策、「日本型教育」の海外展開方策および国内における特別活動の在り方に関する見解
令和8年8月4日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年8月4日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは4件となります。1件目は、熊本地震に関する文部科学省関係の状況についてであります。改めてとなりますけれども、今般の地震で被災された方々に対しまして心からお見舞いを申し上げたいと存じます。今回の地震による文部科学省関係の被害につきましては、8月3日月曜11時時点で学校管理下における児童生徒等の人的被害としては児童生徒等で25名、教職員等で10名が負傷したとの報告があり、物的被害としては学校施設で524件、社会教育施設等で130件、文化財等で53件の被害が報告をされているところであります。主な被害といたしましては、柱、梁の損傷やひび割れなどの被害があったとの報告を受けているところであります。文部科学省といたしましては、「被災地学び支援派遣等枠組み」(D-EST)の一環といたしまして被害状況等を把握するため、局長級の職員を含む3名の職員を熊本県に派遣をしているほか、被災した学校施設の使用の可否を判定するため、応急危険度判定士を熊本県に派遣するとともに、避難所となる学校施設に関して熱中症対策の観点からも空調設備が設置された普通教室等の活用をすることや、被災地域の児童生徒等の安全を確保することについて教育委員会などへ通知を発出するなど、必要な支援に取り組んでいるところであります。また、文化財の被害状況の確認と復旧方針の協議のため、現地への文化財専門職員の派遣を開始しておりまして、8月3日には熊本市に4名の職員を派遣したところであります。引き続き、関係機関ともよく連携しながら情報収集に努めるとともに、児童生徒等の安全確保に全力を尽くしてまいります。
続きまして2件目となります。昨日の全国高等学校総合体育大会の開会式に出席をいたしまして、祝辞を申し上げるとともに陸上競技の視察をしてまいりました。開会式では、秋篠宮皇嗣同妃両殿下御臨席のもと、全国から集まった選手の明るく希望に満ちた姿でありますとかたくましい選手宣誓、そして大会を支える地元高校生のおもてなしでありますとか、息の合った公開演技など、日本の高校生の無限の可能性を感じる、そんな開会式にお邪魔をしたところであります。また、陸上競技は熱中症対策の観点から、今大会から17時以降の夜間に開催している現状を見させていただきました。日が沈み気温が落ち着いた中で選手たちが全力を発揮する姿を拝見をし、選手たちからも夜間開催を歓迎する声が大きいということを伺っているところでもありまして、取組の意義を感じたところであります。主催者であります日本陸上競技連盟には、今回の夜間開催の良かった点、そして課題を振り返りまして今後につなげていただくようにお願いをしてきたところであります。選手の皆さんには、今大会において日頃の練習の成果を大いに発揮され、それぞれが満足いく最高のパフォーマンスを発揮されることを期待しておりますし、また被災地であります熊本の選手も参加をしているところも拝見をさせていただいたところであります。文部科学省としても、引き続き高校生のスポーツ活動の振興、これに取り組んでまいります。
続きまして3件目となります。昨日、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果を公表いたしました。調査に御協力をいただいた各教育委員会でありますとか、学校関係者の皆様に改めて感謝を申し上げたいと存じます。教科に関する調査におきましては、3年ぶりに中学校で英語を実施いたしました。日常的な話題について必要な情報を聞き取ったり読み取ったりすることに成果があった一方で、自分の考えを書いたり話したりする際にその理由を示すことに課題が見られたところであります。また、質問調査からは主体的・対話的で深い学びに取り組んでいる児童生徒ほど各教科の正答率・スコアが高い傾向が明らかになりました。一方、SNSや動画視聴等の利用時間が長い児童生徒ほど各教科の正答率・スコアが低い傾向が引き続き見られたところであります。文部科学省といたしましては、主体的・対話的で深い学びを通じて誰一人取り残さず必要な資質能力を育成できますように、今回の結果を学習指導要領の改訂をはじめとする各種教育施策の改善に生かしてまいります。
そして最後、4件目であります。学校安全の推進に関する取組について2点御報告をいたします。まず、8月6日に学校安全の推進に関する有識者会議を開催いたします。これまでの一連の事故事案を受けまして、文部科学省としては安全確保の徹底に向けた取組を行ってきたところでありますが、さらに児童生徒の安全確保の実効性を高める観点から、各学校の「危機管理マニュアル」等がより適切なものとなるよう、本有識者会議においてガイドラインなどの改訂に向けた検討を行ってまいります。さらに、8月に開催を予定しております中央教育審議会におきましては、国が定める次期「第4次学校安全の推進に関する計画」の策定に向けて諮問を行いまして、中期的な観点からの総合的な取組についても検討を進めていく予定であります。文部科学省としては、学校管理下のあらゆる場面で児童生徒等の安全を確保する体制の確立に向けて対策を講じてまいります。私からは以上となります。
記者)
今年3月に沖縄県名護市辺野古沖で同志社国際高校の生徒たちを乗せたボートの転覆事故により、学校法人同志社が設置した名護市による特別調査委員会が先週、調査報告書を提出いたしました。報告書では、安全管理体制の不備や学校側の意識の欠如などを事故の原因として挙げています。文部科学省が行ったヒアリング調査と重複する点もあったかと思いますが、大臣として調査報告書の内容についての受け止めをお願いいたします。また、先ほど学校安全の推進に関する有識者会議を設置されるとのことでしたが、今後、各学校で校外活動の安全管理対策が強化されるよう、文部科学省としてどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。
大臣)
まず、今回の特別調査委員会の調査報告書についてでありますけれども、その内容そのものにつきましては文部科学省としてコメントする立場にないことからコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。他方で、事故に関する原因究明及び再発防止策に向けた検証のために様々な関係者へのヒアリングでありますとか、アンケート調査等を通じまして事故原因について詳細かつ丁寧な分析・検証が行われたものと受け止めているところであります。学校法人同志社においては、報告書の中で指摘された事項について真摯に受け止めていただいて、提言されている事項を踏まえた学校法人としての再発防止策の検討を速やかに行っていただきたい、そのように考えております。また、文部科学省といたしましては同志社国際高校の再発防止策の検討・策定に向けた状況、これを注視しつつ、私立学校を含めた全ての生徒の安全確保のため、「学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン」などの改訂の検討を今後行ってまいりたい、そのように考えております。以上です。
記者)
冒頭、御発言のあった全国学力学習状況調査の関連でお尋ねします。SNS利用の関係の調査のほか、授業外での学習時間が令和3年度以降、減少が続いていることも明らかになっています。大臣としてこれらの結果をどのように受け止め、どのように分析されているのかをお伺いできますでしょうか。また、今後の対応や対策についてのお考えもありましたらお願いします。
大臣)
冒頭でも少し触れたところでありますが、今回の調査結果からSNSや動画視聴等の利用時間が長い児童生徒ほど各教科の正答率、そしてスコアが低い傾向が見られた一方で、ICT活用に自信がある、そういう児童生徒ほど各教科の正答率・スコアが高い傾向が見られたところであります。こうした結果も踏まえつつ、文部科学省としては次期学習指導要領において情報活用能力の抜本的向上を重要な検討事項の一つとして議論を進めるとともに、関係省庁と連携を図りながら情報モラルに関する動画教材の提供、また利用時間に関するルール作りの推奨、青少年のインターネット利用に関する保護者向けの啓発シンポジウムの開催など、インターネットの適切な利用に関する教育・啓発活動等を推進してまいりたい、そのように考えているところであります。学校内でのICT機器の活用のみならず、やはり家庭の中でこれらをどう活用をしていくのか、もしくはルールを決めていくのかということが大変大事なことなのだろうというふうに承知をしているところでもあります。そういう意味では、この問題に対応していくためには文部科学省だけで解決し得る問題ではないものと承知をしているところでありまして、こうした今回の調査結果というものを文部科学省内にとどめるのではなくて、各省庁にもしっかりと説明、理解をしてもらいながら全体としてどういう政策を講じていくことが必要なのかということを考えていくことが極めて大事なことではないか、そのように考えております。
記者)
先日の行政改革推進会議で基金の「3年ルール」が撤廃されました。これによって3年以上の中長期的な運用も可能になったわけですけれども、基金による科学技術関係の新規施策とか既存施策について、今後どのように進めていくのか、大臣のお考えを教えてください。
大臣)
「3年ルール」につきまして、いわゆる「3年ルール」につきまして適用しないことということが示されたということは承知をしているところであります。先端的な研究開発を進めるに当たりましては、研究の進捗でありますとか成果、また状況の変化に応じた計画の見直しでありますとか、きめ細かな資金配分を行う必要というものがあるところであります。このため、基金を活用した柔軟な資金管理でありますとか、予見性を高めるための複数年度にわたる予算措置、これは極めて有効であるというふうに考えているところであります。文部科学省、基礎基盤的な研究開発の推進を担っているところでありますけれども、今回の見直しの趣旨というものを我々としてもしっかりと踏まえた上で内閣府をはじめ、関係府省と連携をいたしまして所要の概算要求をしっかり行うとともに、適切な予算の確保・執行に努めてまいりたい、そのように考えております。いずれにいたしましても、こうした我が国の基礎研究をはじめとしたこうした取組がきちんと進んでいくように、今回の趣旨も踏まえて我々として対応してまいりたい、そのように考えております。
記者)
先ほど大臣、エジプトの教育大臣の表敬訪問を受けられたと承知しておりますが、こちらでエジプトが取り組んでいる特別活動などをはじめとした日本型教育が話題になったかと思います。中東の他の国々にも非常にこのエジプトの取組には関心を持っていると聞いておりますけれども、まずこの日本型教育の海外展開、今後どのように進めていかれるお考えかというのをお聞きしたいと思います。それからまた、この特別活動、学級会とか生徒会をはじめとしたこういったものが日本の学校で今後どのように取り組むべきかという考えを改めて伺えればと思います。
大臣)
今、御紹介をいただきましたように、ついこの会見の直前までエジプトのラティーフ教育・技術教育大臣が来省をされたところであります。ちょっとこの会談が予定の15分をちょっと超過したためにこの記者会見も遅れたということでございまして、お詫びを申し上げたいと思います。短い時間の会談ではありましたけれども、「特別活動」を導入しておりますEJSが現在69校までに拡大をし、これを随時広げていくというようなお話をいただいたところであります。日本型教育がエジプトにおいて大変高い評価をされまして着実に根付いていることについて認識を共有したところであります。また、エルシーシ大統領と今年の1月に拝謁をし、直接お話をした際にも、「スーパーバイザー」を派遣してほしいというお話をいただきました。今までも派遣していますけれども、さらに増やしてほしいという話があったところでありますが、本年9月に39名の「スーパーバイザー」を日本から派遣をするということでありまして、文部科学省としても今後も継続をしていく、協力をしていくということをお話をさせていただいたところであります。また、今後の海外展開ということでありますが、加えてユネスコと日本が連携をいたしましてアフリカなどに日本型教育を広げていきたいとの提案、これをユネスコからいただいていることに関しまして、私から本日、大臣にもお話をさせていただきました。ぜひ協力をして進めていきましょうということで、かなり前向きな御回答がいただけたものと承知をしているところであります。御指摘のありました「特別活動」の在り方についてでありますけれども、学習指導要領の改訂について現在、専門家が検討中でありますので、私から具体的なことを申し上げるのは控えたいと思いますけれども、ただ海外からも大変高い評価をいただいているところでもあります。そうした評価される日本の教育の良さというものを我々としてもしっかりと踏まえた上で、特別活動のさらなる改善が図られる、そうしたことを期待してまいりたい、そのように考えております。
(了)
大臣官房総務課広報室