松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年7月31日)

令和8年7月31日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

令和8年熊本地震における文部科学省関係の被害状況と対応、文部科学省の幹部人事および新事務次官に期待する役割、先端研究基盤刷新事業(EPOCH)の採択結果、京都大学の国際卓越研究大学への認定、公立学校施設における空調設備の設置状況への見解および整備促進方針、iPS細胞を用いた再生医療の普及および関連技術の産業化に係る進捗評価と課題、辺野古沖での転覆事故の遺族による記者会見への受け止めおよび私立学校の管理監督体制の在り方

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年7月31日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年7月31日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年7月31日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは4件となります。まず1件目、令和8年熊本地震についてであります。まずは、今回の地震においてお亡くなりになられた方に対しまして哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様方にお見舞いを申し上げたいと存じます。文部科学省の対応状況でありますけれども、28日に災害情報連絡室を設置いたしまして、同日には非常災害対策本部へと改組をいたしまして、被害状況の把握に努めるとともに、「被災地学び支援派遣等枠組み」(D-EST)の一環といたしまして、被害状況等を把握するため2名の職員を熊本県に派遣をしているほか、被災した学校施設の使用の可否を判定するため、応急危険度判定士を熊本県に派遣をしているところであります。また、一昨日私が本部長を務めております地震調査研究推進本部の地震調査委員会の臨時会を開催いたしまして、今回の地震の評価を取りまとめたところであります。併せまして、一昨日避難所となります学校施設に関しまして熱中症対策の観点からも空調設備が設置された普通教室等を活用することについて、また被災地域の児童生徒等の安全を確保することについて教育委員会等へ通知をしているところであります。引き続き、関係機関ともよく連携をしながら情報収集に努めるとともに、児童生徒等の安全確保に全力を尽くしてまいります。総理指示に従いまして、我々といたしましてこの地震の対応、万全を尽くしてやってまいりたい、そのように考えているところでございます。
 続きまして2件目です。本日の閣議におきまして、8月6日付局長級以上の人事について内閣の承認を得ました。この度、勇退をいたします増子事務次官の後任として矢野文部科学審議官を起用いたします。矢野文部科学審議官の後任には望月初等中等教育局長を起用いたします。増子事務次官は、事務方のトップとして第221回特別国会における高等学校就学支援金法をはじめとする4法案の成立のほか、日本成長戦略会議における「人材育成システム改革ビジョン」の取りまとめなど、文部科学行政の推進に多大な御尽力をいただいたところであります。後任の矢野文部科学審議官には、これまでの実績や経験を踏まえ、文部科学行政の重要課題に着実に取り組んでいただきたいと考えております。そのほかの人事の内容につきましては、お配りをした資料のとおりであります。
 続きまして3件目となります。3月31日に公募を開始いたしました先端研究基盤刷新事業「EPOCH」についての採択大学が決定いたしましたのでお知らせをいたします。本事業は第7期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえまして、若手を踏まえた、若手を含めた全国の研究者が挑戦できる魅力的な研究環境を実現するために新たに創設をされました。全国の大学等において、地域性や組織の強み、特色等も踏まえた研究設備・機器を整備しつつ、これを国内に広く共用するとともに、技術職員などの人材を備えた「コアファシリティ」を戦略的に整備するものであります。この度、審査委員会の審議を経まして全国の180機関以上が参画する19件の提案を選定いたしました。科学の再興を目指しまして、我が国の研究基盤の一翼を担っていただくことを期待しております。
 続きまして4件目となります。大学ファンドの支援対象となります国際卓越研究大学の認定についてお知らせをいたします。本日、京都大学を国際卓越研究大学として認定いたしました。これは、有識者会議の結論を踏まえ、科学技術・学術審議会及び総合科学技術・イノベーション会議の意見聴取を行った上で、所管大臣として認定したものであります。今後、更に国際卓越研究大学法に基づく手続きを経て体制強化計画を認可し、8月中に助成を開始する予定であります。同計画を認可いたしましたら改めて公表をいたします。私からの冒頭発言は以上となります。
 
記者)
 冒頭言及がありました熊本の地震についてです。現在、各地で避難所が開設されている状況でありますけれども、そうした中で昨日、公立学校施設における冷房設備の設置状況が公表されました。避難所に指定されている小中学校の体育館や武道場の設置率は全国で33%と前年度から向上はしていますけれども、依然として低い水準となっております。昨今の猛暑を踏まえて、全国的に体育館などの冷房設備の整備が急務と考えられますけれども、各自治体の予算状況もあって設置率には都道府県によって大きく差がある状況です。来年度の予算要求も含めて、今後の整備強化に向けた方針を伺えればと思います。
 
大臣)
 避難所となります公立小中学校の体育館などにおける空調設備の設置状況につきまして、本年5月1日時点で9.4%増加して33.1%となっております。1年間で9.4%増加したということでありますけれども、33.1%にとどまっているということであります。令和17年度に設置率を100%とする目標に対しまして、整備は進んできているところと認識をしているところでありますが、一方で体育館等(注)、普通教室等に比べまして低い設置率となっているほか、今お話がありましたように地域間で設置率に大きな差が生じているという現状がございます。近年の厳しい暑さでありますとか自然災害の激甚化・頻発化、こうしたことを踏まえますと体育館等への空調整備は喫緊の課題であるというふうに認識をしているところであります。文部科学省といたしましては、これまでも補助率を2分の1へかさ上げすることでありますとか、補助単価・補助上限の引き上げを行うとともに、工夫事例の周知等、国庫補助制度の充実等を行ってきたところであります。引き続き、必要な予算の確保に取り組んでいくとともに、空調整備の重要性を働きかけることで地方自治体が計画的に整備を行えるよう支援をしてまいりたいと考えております。なお、今般の地震対応に当たりましては人命を第一といたしまして、良好な避難環境を確保するために空調設備が完備されております普通教室などの活用についても関係自治体に依頼をしているところであります。この件につきましては、これまでも我々として進めてきたところではありますけれども、改めて必要な予算額をしっかりと確保することができるように全力を尽くしてまいりたいと思いますし、またそのスピードも上げていくことができるように取組も私たちとして進めていきたい、頑張っていきたいと思っております。一方で、予算だけではなくてこれをさらに自治体の皆さんにも使っていただくためにどういう形の取組をすればいいのか、こういうことも含めてトータルとして取組を進めていくことが大切なことだと思っておりますので、我々として今回の教訓も生かしながら改めてそうした観点で着実に、そしてよりスピード感を持って進めていくことができるように検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
(注)「体育館等」は、正しくは「体育館等については」です。
 
記者)
 冒頭発言にありました今日閣議決定された幹部人事についてお伺いしたいのですけれども、この新体制の人事の狙いや期待について大臣のお考えをお願いします。
 
大臣)
 まず、改めてこれまでの間、文部科学行政をリードしていただいた増子事務次官に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。文部科学行政の事務方のトップといたしまして、いわゆる「高校無償化」でありますとか、高校教育改革に関する基本方針の策定、第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定、学校給食の抜本的な負担軽減、デジタル教科書導入のための学教法の改正、国立大学法人運営費交付金の拡充を含む「科学の再興」に向けた研究力の抜本的強化、AIフュージョンなど国家戦略を踏まえた研究開発の推進などに御尽力をいただいたところでありまして、これら重要施策に一定の成果というものを残してこられました。当然、今申し上げたような事柄というのはこれからも続いていくわけでありますし、まさにこれから文部科学行政を力強く推進をしていくことによって教育改革でありますとか、また科学の再興に向けた研究力の強化でありますとか、そうした様々な課題を我々としてしっかりと前へと進めていく結果が求められている時期だというふうに承知をしているところであります。そういう意味では、文部科学行政をより一層強力に推進をしていくために適材適所を基本といたしまして、今回の人事というものを行ったということであります。ぜひ矢野事務次官の下、新たな体制で成長戦略17分野への重点支援、高校教育と高等教育の一体的改革のさらなる推進、科学の再興を通じた新技術立国の実現、第4期スポーツ基本計画の策定、アニメ・漫画・ゲーム等の日本発コンテンツのさらなる振興、成長など、重要課題に着実に取り組んでもらって文部科学行政を一層強力に推進をし、しっかりと結果を残していく、そうした形をぜひ作っていきたい、そのように思っております。
 
記者)
 2006年8月に京大の山中教授らが科学誌にiPS細胞の製作を発表してから間もなく20年の節目を迎えます。政府はこれまで研究開発を手厚く支援してきましたが、iPS細胞を用いた再生医療の普及や関連技術の産業化に関して進捗をどう見ていますか。また、どのような課題があるとお考えでしょうか。
 
大臣)
 文部科学省といたしましては、山中教授が開発されましたiPS細胞に関する研究につきまして、その基礎研究段階から実用化の研究開発も含めて継続的に支援を行ってきたところであります。本年3月には、iPS細胞を用いた再生医療等製品が条件及び期限付きで製造販売承認をされたところでありまして、世界で初めて実用化がされることになりました。大変喜ばしく感じているところであります。今後、我が国初のiPS細胞を用いた研究成果をより多くの国民の皆さんにお届けをしていくためには、iPS細胞の高度化に関する研究開発でありますとか、その臨床応用、人材育成などにこれまで以上に取り組んでいくことが重要であると考えているところであります。そして、これらが日本成長戦略の戦略分野であります創薬・先端医療の実現に向けまして関係省庁とも連携をして取り組んでまいりたいと思っております。次世代iPSということで、今そうした研究というもの、また実用化に向けた取組というものも、研究というものも進んでいるというふうに承知をしているところでありまして、引き続きこのiPSに関する研究というものをより産業化、実用化をしていって国民の皆さんの健康等々に、医療等々にしっかりと役立てていくように我々としてこれからも支援をしてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 同志社国際高校の辺野古沖での事故の関連で一つお伺いします。昨日30日に御遺族が初めて記者会見を開きまして、内容は一部既に報道されているとおりなのですけれども、あまり報道されていない内容として私立学校の管理監督体制についての言及がありました。現状ではあまり学校、私立学校への管理監督体制が機能していないのではないかという疑問を呈された形だったのですけれども、これまでも私立学校については適切指導に対する行政の関与が入りにくいという指摘が国会でも取り上げられたこともあったかと思います。この御遺族からの疑問の受け止めと、私立学校の管理監督の在り方についての考え方を教えてください。
 
大臣)
 今お話ありました御遺族の記者会見につきましては、私も報道を通じて承知をしているところであります。改めて、今般の辺野古の転覆事故によって生徒お一人が命を落とされました。心から哀悼の意を表するとともに、御遺族や今回の事故に遭遇された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。生徒さんだけではなくてもう一方お亡くなりになられていますけれども、併せて哀悼の意を表したい、そのように思っているところであります。御遺族のそうした思いというものは、我々としても大変重く受け止めていかなければいけない、そのように思っております。文部科学省といたしましても、こうした事故を二度と起こさない、そうした決意のもと、取組を現在進めているところであります。安全確保を含めました学校の教育活動は国公私の別を問わず、また所管行政庁がどこかに関わらず学校及び学校の設置者がまずは自らその責任を果たしていくことが大事であるということで考えております。その観点から、文部科学省としてこれまでも通知などにおいて学校の設置者がその設置する学校の計画について確認するなど、重層的な体制の構築を求めてきたところであります。また、所轄庁であります各都道府県に対しましても所轄の私立学校、学校法人において適切な運営がなされるよう、必要な指導・助言を行うよう要請をしてまいりました。その上で、今後の私立学校を含めた生徒の安全確保に関する管理・監督の在り方につきましては、本日、学校法人に報告される予定と聞いております特別調査委員会の調査報告書等も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えているところであります。同様の御指摘というのは国会でも度々いただいてきたところでもありますし、そこでもお話をさせていただいているように、より実効性を高めていくのかという観点で検討を進めていくということになるかと思っております。我々としても全力を尽くしてまいりたい、そのように思っております。
 
(了)

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