松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年7月24日)

令和8年7月24日(金曜日)
教育、文化

キーワード

骨太の方針および成長戦略の閣議決定および文科省に関連する事項への意気込み、文部科学白書の公表および教員の働き方改革に対する見解、「地域構想推進プラットフォーム」構築等推進事業の採択結果、佐渡金山での展示内容に関するユネスコ世界遺産委員会からの改善決議を踏まえた現状の認識と今後の対応、「学校教員統計調査」の精神疾患を理由に離職した教員数が過去最多となったことに関する受け止めおよび今後の対応

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年7月24日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年7月24日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年7月24日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは3件となります。今週火曜日に骨太の方針2026、日本成長戦略が閣議決定をされました。内容といたしましては、私の下で取りまとめました「人材育成システム改革ビジョン」の内容も含めまして文部科学省として重要な施策がしっかり盛り込まれたものとなっているところであります。また、先日の経済財政諮問会議におきまして、骨太の方針に盛り込まれた施策につきまして、「文理分断からの脱却を図ることが目的と認識しているが、文系より理系が重要と考えていると誤解されることのないよう積極的に発信すべき」との趣旨の御発言が出席委員からもあったところであります。もとより文部科学省として人文社会科学の重要性を認識した上で、この100年にわたる文系・理系という構造を乗り越えることが必要と考えているところであります。だからこそ、現在の高校の早い段階で理数の学びから離れる文理分断でありますとか、大学の理工系で学ぶ学生の割合が低いといった課題を解決すべく、高校から大学を通じ文理を超えた学びに転換し、歴史や哲学に思いを致す技術者やAI・情報科学を理解するビジネスパーソンなど、文系理系にとらわれない幅広い知識と視野を持つ人材を育成していくことが必要であると考えております。文部科学省としては、これらの点も踏まえまして骨太や成長戦略に盛り込まれました各種施策、これを着実に実現すべく、概算要求などに向けて全力で取り組んでまいります。
 続きまして2件目です。本日の閣議におきまして、令和7年度文部科学白書を配布いたしました。今回の白書では二つの特集を組んでおります。1つ目は、「教師が子供一人一人と向き合える学校へ~『働きやすさ』と『働きがい』の実現に向けて~」を副題として「給特法等改正法」と「義務標準法改正法」の成立に至るまでの経緯や関連施策の展開を紹介をしております。2つ目は、「我が国で開催される国際競技大会」といたしまして、国際競技大会の開催意義でありますとか、令和7年度に我が国で開催されました世界陸上、夏季デフリンピックの軌跡、本年秋に開催を予定しておりますアジア・アジアパラ競技大会に向けた取組を紹介しているところであります。文部科学省といたしましては、引き続き国民に活用される白書、これを目指すとともに、教育、科学技術・学術、スポーツ、そして文化芸術分野の各施策のさらなる充実を図ってまいります。
 続きまして3件目です。3件目は地域構想推進プラットフォーム構築等推進事業の採択結果について御報告をいたします。本事業につきましては、合計37件の申請がありました。外部有識者による審査を経て、そのうち20件を採択することとなったところであります。今回採択されました案件につきましては、学長や知事、地域の産業界などとの連携体制、高校教育改革と連動した大学改革の推進といった点が評価されたと報告を受けております。今後、実効性のある取組が推進されることを期待しております。文部科学省としても、各地域の持続発展に向けて引き続き取り組んでまいります。私からは以上となります。
 
記者)
 ユネスコの世界遺産委員会は、23日に「佐渡島の金山」に関して採掘が行われていた全ての時期を通じた歴史の説明を強化するよう求める決議を採択しました。大臣の受け止めを伺います。また、この決議では歴史説明のどの部分が不足しているのかは具体的に明示されていませんが、どこに課題や取組の余地があると捉えているでしょうか。最後に、現地での説明強化などを含めた今後の対応の方向性もお願いします。
 
大臣)
 昨日23日になりますけれども、第48回世界遺産委員会におきまして、「佐渡島の金山」の保全状況報告書の審議が行われまして、コンセンサスで決議が採択されたというふうに承知をしております。お尋ねの件につきましては、昨日、官房長官会見におきまして官房長官から今般の決議においては、世界遺産登録時に勧告された事項について進捗があることが歓迎されており、また、歴史全体に係る展示戦略の取組について進捗を評価する旨の記載もあるなど、これまでの我が国の取組が評価されたものと受け止めている、今後とも我が国として関連の取組を引き続き推進していくことを含め、適切に対応していくと説明されていると承知をしておりまして、これが政府としての見解であるというふうに承知をしております。我々といたしましても、これに沿って対応してまいりたいと思います。
 
記者)
 冒頭で御発言ありました骨太の方針や日本成長戦略の関係についてお伺いします。文部科学省の関連の事案について、特に大臣がポイントと考えている点を改めてお伺いしたいです。また、大臣の御所感と評価をお聞かせください。
 
大臣)
 全てがポイント、大事だというのは私の率直な感想にはなってしまうわけでありますが、21日の閣議決定された骨太の方針2026日本成長戦略におきましては、高校教育改革や高等教育改革、リ・スキリング、実践的な職業人材育成、また新たな研究大学群の形成や17の戦略分野に対応した国立研究開発法人の機能強化、これらを支える学校等施設の計画的整備、文化財の保存・修理・高付加価値化、コンテンツの振興を担う人材の育成、スポーツの成長産業や運動・スポーツを活用した健康インフラの構築など、文部科学省として重要な施策が盛り込まれたというふうに承知をしております。日本の未来を切り開くのはいつの時代も「人」と「知」の力であります。教育、科学技術、スポーツ、文化、文部科学省が所管しているこの四つの分野になりますが、強い日本・豊かな未来への「礎」、そして発展の原動力であります。今回、骨太でありますとか、成長戦略にこうした各施策が盛り込まれたわけでありますけれども、これを着実に実現していくことが極めて重要であります。そういう意味におきまして、今後、概算要求、そして予算編成、様々なこれからフェーズに入っていくわけでありますけれども、今回この骨太でありますとか、また成長戦略においてこのような形で我々の施策が盛り込まれた事項につきまして、さらにその取組をしっかりとブラッシュアップをしていって、肉付けをしていってしっかりとしたこうした要求につなげていくことができるように、そして財政当局をはじめ皆さんに理解をしていただくことができるように、我々としてもこれから全力をまた尽くしていきたい、そのように考えております。
 
記者)
 7月22日に公表されました学校教員統計(注)の中間報告で、精神疾患による教員の離職が過去最多となりました。この間、学校の働き方改革が進み、教員のメンタルヘルス対策も重要な課題というふうなことで取組が進んでいると思います。それでもこれだけ増加してしまっている、この背景ですとか、要因というのをどのように考えていらっしゃるのか。また、この教員の精神疾患について、今回出てきた調査はあくまで離職者という数字ですけれども、他にもトータルで調査、検討をしたりですとか、新たな対策を考えるといったようなことはありますでしょうか。
(注)「学校教員統計」は、正しくは「学校教員統計調査」です。
 
大臣)
 まず、こうして精神疾患を理由に離職した公立小中高生の教員が過去最多となったということを深刻に、そして重く受け止めていきたいと思います。教員の精神疾患につきましては、児童・生徒に対する指導に関する職場の対人関係でありますとか、調査対応等の事務的な業務に関することなど、多様な要因が複合的に影響しているというふうに考えられますので、離職者数が増加した原因について一概に言えるものではないと承知をしておりますが、現在進めております学校における働き方改革、これを加速するとともに、教員のメンタルヘルス対策の充実・推進を併せて図ることが大事であると考えているところであります。このため、文部科学省といたしましてはまずは学校における働き方改革によりまして、教員が教育にかける思いでありますとか、能力を十分に発揮できる環境が実現できますように、昨年成立をいたしました改正給特法において策定が義務付けられました業務量管理と健康福祉の確保の計画に基づく取組の推進、また、学校と教師の業務の3分類に基づいた業務の精選や校務DXの加速化、教職員定数の改善や支援スタッフ配置等の指導・運営体制の充実などに取り組んでいるところであります。また、こうした職場環境の充実と併せまして、教員が精神疾患にならないようメンタルヘルス対策も重要であります。このため、適切な方法によるセルフケアの促進や管理職によるケアなどの予防的取組、復職支援等の取組の推進、ストレスチェックの実施など労働安全衛生管理の充実、メンタルヘルス不調などに関する相談体制の充実などについて取組を実施しているところであります。こうした取組により、教員が心身ともに健康な状態で児童生徒と向き合える環境づくり、これを進めてまいりたいと考えております。
 
記者)
 冒頭発言でありました文部科学白書についてお伺いしたいのですけれども、特集のうちの一つに教員の働き方改革というのが手厚く書いてあったのですけれども、その中の記述に教員を取り巻く環境の整備は文部科学行政の最重要課題というふうな言いぶりでも記されていたのですけれども、大臣から先ほどもお話ありましたけれども、この教員の働き方改革に取り組むことの重要性ですとか、大臣が抱いている思いを知りたいです。
 
大臣)
 いくつかポイントがあると思います。全てを網羅的に私がここでお話しするのはちょっと難しいかもしれませんけれども、一つはやはり教員の皆様方と私も現場で視察をしたりして様々なお話をしてまいりました。その中で一つ私が印象に残っているのは、多分、福島に行ったときに先生から聞いたお話なのですけれども、教員の働き方改革を進めてどういうことができれば一番嬉しいですかという話をしたときに、その教員の先生が私に対してもっともっと生徒と真正面から向き合える時間をぜひ作ってほしいという言葉を言っていただいた、それが一番の働き方改革になると思いますというお話を実際にその教員の方、あれは筑波かな、そういうお話があったことが大変印象に残っているところでもあります。これは、逆を言えばやはり教員の皆様方の仕事の中でそうではないところに割かれる時間であるとか、体力が非常に大きいということの証左だろうとも思っているところでもあります。そういう意味では、働き方改革を進めて処遇の改善を進めてゆくとともに、やはりそうした時間の確保、そして教員の皆さんが教員の皆さんでしかできない仕事にやはり集中をしていただくことができるような環境というものを作っていくということが1点、当然、2点目として改正給特法等の取組もあります。処遇の改善などを図っていくということも併せてやっていくということが大変大事だと思います。現在、教職に就いていらっしゃる先生方もそうでありますし、また、こうした改革を続けていくことによって国会答弁でも私度々申し上げておりますが、若い子供たちに将来どの職業に就きたいのかというアンケートを取ると先生、学校の先生になりたいですということを答えられる方が大勢いらっしゃいます。また、実際に大学等で教職課程を専攻している、そういう学生さんたちの数に比して実際にやはり教員に実際の職業として選択される、そういう方の数が少ないとか、いろいろなことを考えたときに今いる学校の先生、そしてこれから教職、教員を目指そうとしていただく、そうした未来の先生、そうした皆さんのためにも今申し上げたような改革というものを進めていく、教職、教員の仕事の魅力を高めていくのと同時に、それが広く国民の皆さんにも大変素晴らしい尊い仕事なのだということがより共通認識として広がっていくような取組を我々として進めていくことが大事なのではないかというふうに考えております。
 
記者)
 先ほどの佐渡金山の関係で、追加で伺いたいのですけれども、先ほどおっしゃっていた中で官房長官会見の中身を紹介する形でユネスコ側から進捗を評価する旨の記載があったというお話がございましたけれども、佐渡金山に関しては日韓協議の中で、特に朝鮮人徴用工問題に関しては追加で検証するというようなことになりました。大臣としてユネスコ側からどのあたりを評価されたというふうにお考えでしょうか。
 
大臣)
 今回の決議におきましては、進捗があること、世界遺産登録時に勧告された事項について進捗があるということが歓迎されたということ、さらに歴史全体に係る展示戦略に関する日本の取組、これについても進捗を評価する旨の記載もあるというふうに承知をしているところであります。こうした点がユネスコのほうから前向きには評価された点ということでこの決議の中で記載をされて明記をされたというふうに承知をしております。
 
記者)
 大臣としてはどのあたりが評価されたというふうにお考えでしょうか。
 
大臣)
 まさに今申し上げたような点であります。
 
記者)
 登録時の勧告内容がしっかり取り組むことができたという。
 
大臣)
 はい。日本の国としてそれに対して対応をしているということが、具体的に今申し上げたようなことから評価をされたということだと承知をしております。
 
(了)

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