松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年7月17日)

令和8年7月17日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

学校教育に係る保護者の負担軽減のための省内プロジェクトチームの設置、利根川進氏の逝去への受け止め、佐渡金山での展示内容に関するユネスコ世界遺産委員会からの改善勧告案を踏まえた今後の対応、高等学校の定時制教育および通信教育振興法改正の背景と意義および今後の基本指針策定に向けた方針、JAEAにおける次世代中核機能拠点などの施設整備計画に係る今後の文科省の対応

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年7月17日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年7月17日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年7月17日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件となります。文部科学省におきましては、これまで学校における指導・運営体制の充実や学校の働き方改革に取り組むとともに、就学支援金法や義務教育段階における就学援助制度などを通じて教育費の負担軽減にも取り組んできたところであります。こうした取組に加えまして、この度、保護者等の負担軽減策をさらに進めるために自治体や学校において工夫して取り組まれております好事例の発信などを担う「学校教育に係る保護者の負担軽減プロジェクトチーム」を初等中等教育局に設置をいたしました。チームで局横断的な検討を行いまして、自治体において取り組まれております教材等の学校備品化、学校指定品の見直し、制服や教材などの再利用などの好事例を取りまとめましたので、本日、全国の各自治体に周知をいたします。さらに、各学校での検討を加速いただくため、PTAの関係団体に対しても学校における取組の推進に積極的に御参画いただくよう依頼をすることとしております。学校からは、保護者の負担軽減を進めることで学校における徴収金の管理が軽減されるなど、働き方改革が進んだという声も聞いているところであります。文部科学省としては、保護者の皆様の負担軽減に取り組むとともに、引き続き、事務職員や教員業務支援員の体制充実にも努めてまいります。PTAをはじめ、地域の方々を含む学校関係者におかれましてはぜひ積極的な取組・御協力をお願いいたします。一応、ここにこういう形でちょっとまとめさせていただいております。私からは以上です。
 
記者)
 1987年に日本人初のノーベル生理学医学賞を受賞した利根川進さんが亡くなられました。長年、第一線の研究者として活躍されてきただけでなく、国内では理化学研究所の脳科学総合研究センターのセンター長を務めるなど、日本国内の後身育成にも尽力されてきました。訃報に接しての大臣の受け止めをお願いいたします。
 
大臣)
 まず、我が国として初めてノーベル生理学・医学賞を受賞されました利根川進博士が2026年7月11日にお亡くなりになられました。心より哀悼の誠を捧げたいと存じます。利根川博士は、免疫細胞が遺伝子を組み替えることで限られた遺伝子から膨大な種類の抗体を作り出す仕組みを解明いたしまして、現代免疫学の礎を築かれた方であります。また、理化学研究所脳科学総合研究センター長を務めまして、脳の記憶のメカニズムを解明されるなど、脳科学の発展にも大きく貢献をされました。利根川博士のような世界を牽引する卓越した研究リーダー、そして次代を担う若手研究者が夢と希望を持って研究に邁進をすることができるように、文部科学省といたしましても、引き続き、教育・研究環境のさらなる充実に努めてまいりたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 佐渡金山について、世界遺産の佐渡金山について伺いたいのですけれども、ユネスコが佐渡金山の展示内容について、主に恐らく第2次大戦中のことを指していると思うのですが、展示している期間に不備があると、全期間にわたって展示をした上で、かつその展示の内容にも不備があるので改善をしてくださいということを勧告しました。これは、かなり韓国政府の主張に沿ったような内容にも読めるのですけれども、この勧告について日本政府、文科省としての受け止め、反論があれば伺いたいのと、あと、この勧告を受けて何か対応を考えていらっしゃることはありますか。
 
大臣)
 7月19日から韓国において開催される世界遺産委員会におきまして、「佐渡島の金山」の保全状況報告書の審議が予定をされているところでありますが、それに先立って15日に本件に関する世界遺産委員会決議案、これがユネスコHPに掲載をされたというふうに承知をしております。お尋ねの件につきましては、昨日、木原官房長官も会見で質問を受けてお答えになられていると承知をしておりまして、官房長官からは決議案については「全体の歴史」に関する説明・展示を含む世界遺産登録時に勧告された事項の進捗について一定程度評価はされており、また、今後の取組についても言及があるものと承知をしている、まずは世界遺産委員会における審議を注視する必要があると考えている、政府としては今後とも日本側の立場に関する関係者への丁寧な説明を含めて適切に対応していきたいというふうに説明をされていると承知をしておりまして、これが政府としての見解、立場だというふうに承知をしております。
 
記者)
 1点追加で伺いたいのですけれども、ちょっと追加で伺いたいのですけれども、これは登録の段階でも、登録の当時、韓国政府とも緊密にやり取りを重ねて、特にそのやり取りを重ねた上で展示内容については徴用の実態をかなり客観的な資料とか、提起的な資料に基づいて徴用の実態を展示するということは研究者からもそれなりに評価を得ている展示内容だと理解はしているのですけれども、そういう展示をした上での今回の勧告、こういう勧告が出たということを受けて、そういうプロセスを経てもこういう勧告が出てしまったということですから、例えばそれこそ登録自体の末梢なんかも甘んじて受け入れるみたいな、そこら辺のお考えはどうですか。
 
大臣)
 まず、今回、この保全状況報告書の審議が予定をされる中で決議案が先立って15日にユネスコのHPに掲載をされたということでありまして、実際の世界遺産委員会における審議というのはこれから行われるということでもありまので、我々としてはその審議というものをしっかりと見守っていきたいと思っておりますし、その中でどういうことが議論をされ、指摘をされるのかということも含めて、しっかり政府としては見ていくということになるのだろうというふうに思っているところであります。その上で、我々としては、これは私というよりも外務省とかの皆さんにお力も借りしながら政府としてやっていくということになろうかと思いますけれども、その上で当然、様々なやり取り、また我々として関係者の皆さんに理解をいただくような取組をしていくのだと思っておりますが、我々としてはそうした内容というものを十分に精査した上で必要な対応というものは我々として講じていくということになろうかと思います。ただ、何度も申し上げますけれども、まだ実際の世界遺産委員会はこれから審議がされるということでありますので、まずはこれをしっかりと見守っていくということかと思っております。
 
記者)
 高校定時制・通信教育振興法の関係でお伺いします。15日に議員立法として改正法が成立をしました。この法改正に対する受け止めと、あと、特に通信制高校について何を課題と捉えているのか、大臣のお考えを教えてください。また、改正法では文部科学大臣が通信教育の適正な実施について基本指針を策定するということが盛り込まれています。この法改正に伴う内容について見通しを教えてください。
 
大臣)
 まず、現行法でありますけれども、勤労青年の教育機会確保のため、昭和28年に制定をされたものであります。制定から70年以上が経った今日では、定時制高校及び通信制高校は就業者の割合が減少する一方で、不登校経験を有する生徒など多様な背景を有する生徒の受け皿となっているところでもあります。他方、生徒が増加を続ける通信制高校におきましては、一部、学習指導要領等を踏まえない不適切な教育なども見受けられているところであります。本法律は、こうした現状の課題に対応いたしまして、定時制教育及び通信教育の質の確保また向上を図りまして、多様な生徒の自立に資するよう改正されたものであると承知をしているところであります。改正法第9条におきまして、通信教育の適正な実施及び運営の確保のために文部科学大臣が基本的な指針を策定することとされているところであります。具体的には、通信制高校の適正な管理運営に関する事項、必要な監督指導助言などに関する事項、広域通信制高校に関し、関係地方公共団体相互間の連携協力に関する事項などについて定めることとされているところであります。今後、文部科学省におきましては有識者の皆さんにも御意見を伺いながら速やかに基本方針の策定を進め、通信教育の適正な実施及び運営の確保に努めてまいりたいと存じます。今回の議員立法の趣旨というものを我々しっかりと踏まえつつ、速やかに有識者の皆さんにお諮りをしながらこの基本指針の策定、今後進めてまいりたいと思います。
 
記者)
 JAEAが先日の作業部会で次世代革新炉向けにホットラボ付の研究拠点を整備する考えを示しました。拠点整備に向けた予算措置等を講じる考えはありますでしょうか。設置の意義や設置に向けた課題も合わせてお聞かせください。
 
大臣)
 今週開催されました「原子力研究開発・基盤・人材作業部会」におきまして、原子力機構よりいわゆる次世代中核機能拠点の整備を含む同機構の機能強化の考え方について報告があったというふうに承知をしております。本拠点につきましては、今週閣議決定をされました統合イノベーション戦略2026におきまして、「原子力機構のイノベーション機能等を強化する」とされたことを踏まえまして検討が行われたものであります。本拠点によりまして、原子力機構の産学連携のハブ機能の向上でありますとか既設の多様な試験設備との融合・相乗効果による技術実証の加速が期待をされているところでありまして、文部科学省としてはこうした報告を踏まえながら概算要求に向けて具体的な検討を進めてまいります。
 
(了)

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大臣官房総務課広報室