松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年7月7日)

令和8年7月7日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

令和8年版科学技術・イノベーション白書の閣議決定およびテレビアニメ「攻殻機動隊」とのタイアップ、京都府への視察、「学校における校外活動の安全確保の徹底等について」の取組状況に関するフォローアップ調査の開始と教育活動の委縮への懸念、基礎研究と社会実装双方への支援の方向性と科学技術に関する指標の低迷に対する文科省としての今後の対応方針

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年7月7日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年7月7日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年7月7日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは2件となります。本日、「令和7年度科学技術・イノベーション創出の振興に関する年次報告」、いわゆる令和8年版科学技術・イノベーション白書が閣議決定をされました。今回の特集テーマは、「科学とイノベーションが切り開く我が国の未来」であります。本年度は第7期科学技術・イノベーション基本計画の初年度であることを踏まえ、2025年ノーベル賞受賞者へのインタビューなどを交えながら、基礎研究の成果とイノベーション創出の実例を紹介しつつ、基本計画が目指す政策の方向性を解説いたしております。また、広報の取組といたしまして科学技術が高度に発展した近未来を描きましたテレビアニメ「攻殻機動隊」とタイアップしたポスターを作成いたしまして全国の学校などに配布をいたします。ポスターはそちらにもありますし、こちらにも出ていると思います。本白書が国民の皆様にとって科学技術・イノベーションの理解を深める一助になることを期待しております。
 続きまして、2件目であります。7月3日及び4日の京都府への訪問につきまして御報告をいたします。京都大学では、視察に先立ちまして湊総長と意見交換を行いまして、国際卓越研究大学に認定された後の期待をお伝えするとともに、京都大学の計画についてお伺いをしたところであります。アイセムスにおきましては、細胞生物学と科学の融合に関する研究現場を拝見いたしまして、iPS細胞研究所では最先端の次世代iPS細胞の研究現場を拝見いたしました。文化庁京都庁舎におきましては、移転後3年が経過をいたしました京都庁舎の職務環境を確認するとともに、文化庁職員への激励・挨拶及び長官などとの意見交換を行ったところであります。京都国際マンガミュージアムにおきましては、マンガ資料の収集・保管・公開などの取組を拝見するとともに、マンガ文化に関わる研究に取り組む京都精華大学の学生さんとも意見交換を行いました。京都国立博物館では、展示施設や文化財の修復を行う現場を拝見をいたしまして、我が国が誇る文化財の保存・活用には人材、用具、原材料の確保が一体として重要であることを改めてお聞きをし、認識をしたところであります。仁和寺におきましては、次世代に継承するための文化財の利活用の先進的な取組についてお話をお伺いをいたしました。今回の視察を通じまして、京都大学が行う世界トップレベルの研究の卓越性、京都移転の成果をもとに地方創生に資する文化行政を展開することの重要性などを改めて認識したところであります。今後の施策検討にしっかり生かしてまいりたい、そのように考えております。私からは以上となります。
 
記者)
 沖縄県名護市辺野古沖で同志社国際高校の女子生徒が死亡した転覆事故に関連して伺います。文部科学省は、全国の学校や教育委員会に対して校外活動の安全性や政治的中立性に関するフォローアップ調査を始めました。今後のスケジュール感を含めた調査の詳細と、改めて調査の意義を教えてください。また、この調査を行うこと自体が学校の現場への萎縮につながるとの指摘もありますが、対応方針を伺えればと思います。
 
大臣)
 3月に発生をいたしました辺野古沖転覆事故を踏まえまして、4月7日に文部科学省から発出をいたしました通知であります「学校における校外活動の安全確保の徹底などについて」に関する各学校や設置者における取組状況のフォローアップを6月26日、各都道府県など国公私立大学(注)の担当部局宛に発出をさせていただいているところであります。具体的な内容といたしまして、4月7日に発出いたしました通知を踏まえまして校外活動時の安全確保、旅行・集団宿泊的行事における留意点、適切な教育活動の実施に関しまして、各学校・設置者における取組状況のフォローアップを行っておりまして、回答期限は7月末としているところであります。なお、本フォローアップにつきましては4月7日付の通知におきまして既に各学校や設置者に対して要請をしている事項への取組状況などをフォローアップするものであります。御指摘のような学校現場への萎縮につながるものではないと考えているところであります。文部科学省としては、引き続き、教育基本法や関係通知の趣旨などの周知に努めるとともに、平和に関する学習を積極的に推進してまいります。私からは以上です。
(注)「国公私立大学」は、正しくは「国公私立学校」です
 
記者)
 冒頭にありました科学技術・イノベーション白書の関連でお伺いします。白書の特集ではノーベル賞受賞者の無用の用という言葉を紹介するなど、独創的な基礎研究の重要性が強調されると同時に、技術領域の戦略的重点化についても記載されていました。多様性ある基礎研究と産業競争力に直結する分野の研究開発を同時並行で進めていくことが可能なのか、政策の方向性について大臣のお考えをお伺いします。
 
大臣)
 今回の白書の特集におきましては、「科学とビジネスの近接化」という流れを踏まえまして、2025年のノーベル賞受賞者の先生方から、基礎研究から社会実装にかけて多様な人材や組織が連携をしていくことや、時間軸を意識した基礎研究や社会実装への支援の重要性などについて御指摘をいただいているところであります。文部科学省といたしましては、高市政権が掲げる「強い経済」の実現に向けまして、イノベーションの源泉となります基礎研究と社会実装を見据えた研究開発の両者を進めることが重要と考えておりますし、この二つは両立をし得る、そして我々としては両輪として進めていかなければいけない、そのように考えているところであります。具体的には、第7期科学技術・イノベーション基本計画を踏まえまして世界をリードする研究大学群の実現に向けた変革などの「科学の再興」に向けた取組、産学官を結節するイノベーション・エコシステムの高度化、所管の国立研究法人(注)の取組などによる重要技術の戦略的推進などに取り組んでまいりたい、そのように考えているところであります。先般、京都大学にもお伺いをしてきたところでありますけれども、実際に北川先生が発見をされたというか、ノーベル賞を取られた研究成果というものが今、多くのその技術を基にした企業というものがスタートアップで、実際に企業としてその技術を使ったサービス・製品を提供している、そういったお話というものも聞かせていただいたところでもあります。ぜひ基礎研究から実用化、社会実装までをしっかりと後押しをしていくことができるように、関係省庁とも連携をしながら文科省としても取組を進めてまいりたいと思います。
(注)「国立研究法人」は、正しくは「国立研究開発法人」です
 
記者)
 私もイノベーション白書に関連してお伺いをいたします。今年の白書では、注目度の高い論文数の国際順位につきまして、かつての世界4位から現在は13位に低下していることなども含めて、日本の科学力について厳しい現状認識が示されているものと理解しています。ただ、こうした課題は近年、白書に繰り返し登場しておりますが、改善はされていないような状態です。今年は特に科学の再興というものを謳っているかと思いますけれども、白書が示している機関にどう対応していくのか、その本気度について大臣のお考えをお聞かせください。
 
大臣)
 今、御指摘をいただきましたとおり、研究力を示す一つの指標でありますトップ10%補正論文数の減少、また相対的な地位の低下などを始めといたしまして、我が国の研究力に関しまして様々な課題があることは承知をしているところであります。こうした現状を踏まえまして、第7期科学技術・イノベーション基本計画の柱の一つとして「知」の基盤としての「科学の再興」が位置づけられているところでありまして、我が国全体の研究活動の行動変革をもたらす研究システムの刷新、研究大学の経営・マネジメント強化による組織の強化、基盤的経費や基礎研究への投資の大幅な拡充などを進めていくことが重要であると考えております。文部科学省としては、第7期基本計画を踏まえまして我が国の「科学の再興」に向けて、研究力の抜本的強化に全力で取り組んでまいりたいと思います。具体的な我々の取組方針というものも、これまで基本計画等々でお示しをさせていただいておりますとおり、これらを着実に進めていくとともに、やはり科学技術の力こそが我が国の豊かな成長に向けた1番の基本である、そういう思いの中で断固たる決意を持って我々として取組を進めてまいりたい、そのように考えております。
 
(了)

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