令和8年7月3日(金曜日)
教育、科学技術・学術
長期休業期間中の学び・体験の充実に向けた要請、国際卓越研究大学制度の審査結果を踏まえた京都大学への助成開始と今後の期待、国際卓越研究大学制度の制度的課題の認識および国際卓越研究大学におけるガバナンスやコンプライアンス強化に向けた対応、「はやぶさ2」による小惑星トリフネのフライバイ探査への期待と当該技術の今後の宇宙開発における展開の期待
令和8年7月3日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年7月3日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは2件となります。まず、1件目であります。長期休業期間は日常とは異なる環境で多様な学びや体験に触れることができる貴重な機会であること、一方で近年、家庭環境が多様化していることなどを受けまして長期休業期間中の学び・体験の充実に向けた要請を行うことといたしました。本件につきましては、本日、全国の教育委員会及び生涯学習・青少年教育主管課に対して事務連絡を発出いたします。事務連絡におきましては、酷暑時においても子供が安全に過ごすことのできる場として学校施設・社会教育施設の積極的な活用、域内で実施される行事などを可能な限り集約をいたしまして子供や保護者へ情報提供をすること、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みなども含め、地域における様々な関係者との連携の推進などの対応を要請しているものであります。これらを通じて長期休業期間中の子供たちが学びや体験活動に参加できる機会の充実をより一層推進してまいりたい、そのように考えております。
続きまして、2件目であります。大学ファンドの支援対象となります国際卓越研究大学の審査の状況についてお知らせをいたします。国際卓越研究大学の審査につきましては、昨年12月に京都大学を認定候補として公表をしたところでありますが、この度、有識者会議におきまして京都大学については国際卓越研究大学として体制強化計画を開始することが適当との判断に至ったとの報告を受けたところであります。今後、制度を所管する文部科学大臣といたしまして、国際卓越研究大学の認定と体制強化計画の認可の手続を進め、今年の夏から助成を開始する予定であります。京都大学におかれては、自由の学風のもと、これまでも世界的に高い水準の教育研究を行ってきたところでありますが、大学の強みや特色を発展させ、我が国を代表する研究大学としての飛躍的な成長モデルを確立し、諸外国のトップレベル大学をもリードする研究大学となることを強く期待をしているところであります。なお、本日、京都大学を私、訪問をいたします。湊総長とも面会をいたしますので、直接この強い期待を伝えてまいりたい、そのように考えております。私からは以上です。
記者)
JAXAの探査機「はやぶさ2」による小惑星「トリフネ」のフライバイ探査について伺います。7月5日に予定されている小惑星のすぐそばを高速で通過しながら観測するフライバイ探査ですけれども、科学的意義に加えて将来的に地球を小惑星の衝突から守る「プラネタリーディフェンス」の観点でも重要とされています。JAXAを所管する大臣として、このミッションに期待する成果と、そしてこの技術を今後の宇宙開発にどうつなげていきたいか、お聞かせください。
大臣)
今、御紹介をいただきましたとおり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」でありますけれども、7月5日に小惑星「トリフネ」のフライバイ探査、これを計画しているところであります。今回の計画は、小惑星に対して探査機を高い精度で高速接近させるものでありまして、将来の小惑星の地球衝突に備える国際的なプラネタリーディフェンス活動に貢献する技術の獲得につながるものと考えております。「はやぶさ2」は、2020年に小惑星「リュウグウ」からサンプルリターンを果たすなど、既に十分な成果を挙げているところでありますが、今回のフライバイ探査を着実に実施し、地球接近小惑星の理解に向けた更なる成果を挙げることを期待しているところであります。我が国の国際的な宇宙分野におけるプレゼンスの向上にも資する、そういう取組だというふうに承知をしているところでもありまして、そういう意味では今回のこのフライバイ探査が成功することを私としても強く期待をしているところであります。
記者)
冒頭発言にありました国際卓越研究大学の関係でお伺いします。京都大学に対する今後の期待、あと卓越大としてどのような役割や成果を求めていくのかということについて改めてお伺いします。合わせて、既に東北大や東京科学大学が卓越大に認定されていますが、国内の大学同士で優秀な研究者の獲得競争が激しくなっていることであるとか、あと一般的に海外の研究者にとって魅力的な生活環境の整備と家族の支援を含めた受入体制がまだ十分ではないというところが課題として指摘されています。こうした状況など、卓越大制度の今後の課題についてどのように認識されているのかお伺いします。また、今後それに対してどのように対応していくのか、御意思をお聞かせください。
大臣)
京都大学でありますけれども、我が国を代表する研究大学であります。ぜひ諸外国のトップレベル大学をもリードする研究大学となることをまずは強く期待したいと思います。そのためには、諸外国の研究大学や研究環境の変化も常に意識をいたしましてスピード感を持って改革を進めるとともに、我が国の研究を先導し、全国の大学との連携強化を通じた学術研究ネットワークを牽引していくことが求められるというふうに考えているところであります。ポイントは、一つはスピード感ということと、もう一つは京都大学だけが研究レベルを向上させるのではなくて、京都大学が引っ張る形で日本全体の各大学の研究力の向上に資するような、そういう取組をぜひしていただきたい、そういうふうに思っております。既に国際学研究大学として取組を開始いたしました東北大学におきましては、専門職スタッフの拡充による研究支援の充実が進んでいるところであります。東京科学大学でも4月から新しく分野横断の研究組織が立ち上がるなど、両大学におきまして研究力強化に向けた取組が着実に進展をしているというふうに承知をしているところであります。こうした各大学の取組、まだ始まったばかりでありますけれども、国際卓越研究大学制度はこれまでに類例のない支援であります。この支援を効果的に研究力強化につなげていくことが今後の課題と認識をしているところでありまして、各大学の取組を把握しながらより効果的な制度となるための分析も進めてまいります。また、今、御指摘をいただいたように、国内の大学間での人材の取り合いというようなお話でありますとか、魅力的な生活環境の整備や支援といった、そうした課題というものも指摘をされているというふうに承知をしているところであります。いずれにいたしましても、繰り返しになりますけれども、まだこの制度は始まって間もない、そうしたところでもありまして、始めてみてやはりいろいろな課題というものが見えてきているというところもあります。今後、各大学の取組というものを我々としてもしっかりと把握をしてまいりたいと思いますが、より効果的な制度となるように我々としてしっかりと分析も進めてまいりたい、そのように考えております。
記者)
私も卓越大に関連して、コンプライアンスの在り方についてお伺いをいたします。京都大が正式に認定されれば巨額の財政支援を受ける形になります。トップ研究校においての研究不正というものはこれまでも問題になっておりまして、継続審査になっている東大に関しては医学部の教授らによる収賄事容疑が問題になりましたし、京都大のほうでも今年、学内調査委員会が研究不正を認定して公表しております。巨額の財政支援がなされる以上、国民から今まで以上に厳しい目線というものが注がれると思いますが、文科省としての今後の対策でありましたり、大臣のお考えを聞かせください。
大臣)
おっしゃるとおり、国際卓越研究大学でありますけれども、大変国民の皆さんの関心も強いですし、また多額の資金が投入をされるということもありまして、コンプライアンスを一層確保していくということは大変重要なことだと思っております。であるからこそ、我々といたしましては組織的なコンプライアンスの確保などの経営にかかる意思決定機能や執行に関する監督機能を強化すること、これらを求めているところであります。今回審査を行いました京都大学におきましては、全学的・横断的なリスク要因の把握、リスク・コンプライアンス事案に係る対応や調査の大学本部での一元的な実施、リスク・コンプライアンス事案ができる限り発生しないオープンな環境の構築などを含めた新たな体制に向けた改革案が示されているところであります。国際卓越研究大学におきましては、他の大学のモデルになることが期待をされているところでもありまして、文部科学省としては有識者会議における助言や財政的な支援なども通じて各大学の取組を促進してまいりたい、そのように考えております。こうした取組というものを進めていくことによって、国民の皆さんにもコンプライアンス面も含めて納得、御理解をいただけるように我々としても努めていきたいと思いますし、まずは学校側がそうした大変厳しい目が一方で向けられているということをしっかりと自覚をした上で自らしっかりと取り組んでいただきたい、そのように考えております。
(了)
大臣官房総務課広報室