松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年6月22日)

令和8年6月22日(月曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD1000)の第1回公募採択結果および制度設計に関する見解、東京都北区の小学校で発生した火災の所見と原因究明の現状および今後の対応、避難訓練や防火設備の強化といった学校における火災防災に関する見解、金利上昇に伴う奨学金返済の負担感の増大に対する受け止めと金利決定の仕組みに関する見解

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年6月22日(月曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年6月22日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年6月22日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件であります。あらゆる分野でAIを利活用して科学研究を加速をすることができるよう、全国で1,000件のAI for Scienceへのチャレンジを支援いたします「AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD1000)」につきまして、第一回公募での採択課題456件を決定したところであります。今回、人文学・社会科学から自然科学までの様々な分野の課題を採択することができました。そのうち、学生による課題も61件含まれているところであります。第二回公募は7月3日までとなっており、引き続き新たなアイデアへの挑戦が多く寄せられることを期待しております。先月公募を開始いたしましたAI for Scienceのトップ研究を引き上げます「ARiSE」と今回の「SPReAD1000」を両輪として進めることで、我が国がAI for Science 先進国の地位を築くことを目指してまいりたい、そのように考えております。私からは以上となります。
 
記者)
 東京都北区の滝野川第三小学校で発生した火災について伺います。今回の火災では、教職員の誘導により児童全員の避難が確認された一方で、児童や教職員合わせて11人が負傷しました。まず、この事案に対する大臣の受け止めをお聞かせください。また、出火原因については現在調査中ですけれども、音楽準備室という一般的には火災の発生が想定されにくい場所から出火したとされています。文部科学省として、原因究明を待たずに全国の学校に対して火災リスクや避難経路の安全性に関する点検あるいは通知の発出など、注意喚起を行う予定はありますでしょうか。
 
大臣)
 まず、今回の火災によりまして負傷された児童、そして教員の方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、早期の御回復を心からお祈りを申し上げたいと思います。私も報道の映像等で拝見をいたしましたけれども、大変厳しい状況の火災でありましたし、また庇の上に児童が避難をするなど、本当にかなり危機的な状況にあったというふうに承知をしているところであります。そうした中で、教職員の皆さんの誘導によって児童生徒全員の避難が確認をされたということでありました。学校における火災防災に係る対応といたしましては、消防法に基づく定期点検の制度におきまして全ての学校の設置者に対しまして消防設備の種類に応じて6カ月から1年以内ごとの点検などが義務付けられているとともに、文部科学省が示しております学校の危機管理マニュアル作成に関するガイドラインにおきましては、消防法の消防計画に基づきまして避難訓練の実施などを求めているほか、火災発生時の具体的な対応フローも記載を求めているところであります。火災の原因の詳細につきましては、警察及び消防による調査も踏まえる必要がありますけれども、文部科学省としても関係の教育委員会及び自治体と緊密に連携をいたしまして本件の原因を解明し、再発防止に向けた具体的な対策につなげていきたいと考えております。他方、文部科学省としては各学校において児童生徒及び教職員の安全確保が図られますように、学校の防火設備や電気機器等の安全管理の徹底、火災発生時の避難訓練の実施など、学校の安全管理体制の速やかな点検にかかる必要な取組を求めていきたいと考えております。全国の教育委員会などに対しまして、学校施設の安全管理体制の点検を速やかに求めていきたいと考えているところでありますが、お示しする方法やその内容、時期等については検討を進めているところであります。ただ、スピード感が大事だと思っております。今も学校での当然、授業など活動は続いているわけでもありますので、スピード感を持って必要な取組を進めてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 同じく北区の小学校で起きた火災について伺います。まず、現時点で文部科学省が対応していることがありましたら教えてください。また、結果的に全員の命が助かったというのは本当に良かったかと思うのですけれども、音楽室にいた児童たちは本当に怖かった思いをしたかなというふうに考えています。火災から3日たち、今後の課題となるような点がいくつか報道されておりまして、そのことについて現状把握されている事実関係と大臣のお受け止めについてお伺いします。まず1点目については、学校が音楽室付近からの出火を想定する避難訓練をしていなかったというふうに会見で言っています。2点目としては、やむなく庇に降りた理由として防火シャッターが閉まっていて、これは正常に作動したということだと思いますが、煙が他に充満していたこと、あと音楽室にあった地上に滑り降りるための非常袋の使用を教員が試みたけれども、うまく使えなかったといったことが挙げられています。また、3点目としてスプリンクラーの設置、義務ではないというふうに伺っています。あと4点目、火元から電気ストーブとサーキュレーターと焼けた衣類のようなものが見つかっていたということです。以上4点について、文部科学省が把握している事実関係と、あと大臣としてのお受け止めがありましたらお伺いします。また、改めてなのですけれども、避難訓練や避難経路、あと防火の施設設備のあり方についてどのような課題があると考えますでしょうか。大臣のお考えをお伺いします。
 
大臣)
 まず、火災発生時に私のところにも報告が適宜入ってきたところでありまして、私のほうからも指示を出させていただいたところであります。とりわけ火災発生直後に関しましては、ああした大変厳しい状況でもありましたので児童生徒でありますとか教職員の皆さんの心のケアをはじめ、もちろんそれぞれの自治体でやっていただいているところでもありますけれども、我々としてもしっかりと支援できるところは支援をしていくようにということでお話をさせていただいたところであります。今回の事案に関する事実関係につきましては、先ほどもお話をしたとおり、今、捜査等々が進んでいるところでもありますので詳細な報告をいただくのはこれからとなるわけでありますが、御指摘いただいたように北区教育委員会の会見におきましては、これまで毎月1回行っていた避難訓練では給食室や家庭科室などの火元となり得る場所を想定して実施をしていたところでありまして、本件の出火場所とされている音楽準備室を想定した避難訓練は行なっていなかったことなどについて御発言があったと承知をしているところであります。今回の学校の対応でありますとかその設備が適切であったかについては、警察及び消防の火災原因などの調査も踏まえる必要があると考えておりますが、文部科学省としても関係の教育委員会及び自治体と緊密に連携をいたしまして、本件の原因を解明し、再発防止に向けた具体的な対策につなげていきたいと考えております。他方、文部科学省としては各学校において児童・生徒及び教職員の安全確保が図られるように、学校の防火設備や電気機器等の安全管理の徹底、火災発生時の避難訓練の実施など、学校の安全管理体制の速やかな点検にかかる必要な取組を求めていきたいと考えているところであります。実際、具体的な原因が判明するのにはどれぐらい時間がかかるのかということは我々にはまだ分からないところではありますけれども、それを待つことなく我々として実際に現場と連携をする中で判明をしたそうした様々な事柄、事象というものを基にして我々としては適宜適切に、速やかに、そうした学校現場等々に対してお示しをすることができるような方法というものを検討してまいりたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 冒頭発言にありましたスSPReADについてお伺いをいたします。先日、応募が1万5,000件以上あったということで、採択率が30倍を超えたような形になると思うのですが、反響についてのまず受け止めと、採択規模の拡大について先日も触れられていましたが、採択件数を増やすなど具体的な方向性があればお聞かせください。それともう1点、今回、学生61件採択があったということなのですが、先日の基礎研究振興部会のほうでは委員の方から研究室に所属していない学生に支給をして適切に使えるのだろうかといった言葉など、委員の方々から応募のあり方についていろいろ疑義が、意見が出たと思うのですが、今後、応募条件の変更等のお考えがあるか、その2点をお聞かせください。
 
大臣)
 まず、SPReAD1000につきましては、第一回公募におきましては15,000件を超える応募があったところでありまして、今回の採択件数は456件ということでありますので倍率として約35倍となっております。大変高い倍率になっているところでもありますし、また我々としては大変多くの皆様方に応募していただいたということで大変嬉しく思っているところであります。ただ一方で、その結果といたしまして倍率が大変高くなってしまって採択できている件数が応募に比べて非常に少ないという状況になっているところであります。第一回公募におきましては、人文学・社会科学から自然科学までの様々な分野の課題を採択することができたと考えているところでありまして、本事業ではそうしたあらゆる分野の研究者等の挑戦を期待しているところであります。本事業におきましては、学生からの応募に加えまして審査過程における無作為抽出でありますとか、AI活用などの機動的かつ挑戦的な手法を導入しているところでありまして、基礎研究振興部会での指摘でありますとか、本事業における導入効果や影響を検証いたしまして今後の改善に努めてまいりたい、そのように考えているところであります。いずれにいたしましても、これは予算事業でもありますのでこれらをどのような形で拡大をしていくことができるのかということもあるわけでありますけれども、我々といたしましてはより多くの方にこの事業を使っていただくことができるように取組をこれからも進めていきたいというふうに考えているところでもあります。また、ここで皆様方に研究のためにお渡しした資金というものがより有効に活用されることができるように、我々として制度、仕組みというものをどういうふうにしていくべきなのかということも、我々、不断の見直しの中でしっかりと検証をし、そして制度を、磨き上げをしていくことが大変大事なことだと思っておりますので、そうした観点で我々としては今後進めていきたい、そのように考えております。
 
記者)
 別件で伺いたかったのですけれども、1点だけ、小学校の火災の関係で、追加で伺わせてください。スピード感を持った対応が大事だということと、捜査の結果を待つことなく今できることを現場と連携してというようなことをお話しされていましたけれども、これは具体的に例えばどういうことかというのを、もしよろしければ教えていただけますでしょうか。
 
大臣)
 捜査の状況を見てみないと具体的な出火原因でありますとか、またそれに基づく具体的な対応というものをなかなか示すことは難しいということなのだろうと思っております。ただ、一般論といたしましてより一層、例えば安全管理の徹底でありますとか、今一度、今回の事象というものを受けて各学校において点検でありますとか、それは機械の点検もそうですし、また防火設備の点検もそうでありますし、また避難にかかる様々な手順もあると思います。こうした点について、今回の火災というものを受けて改めて現時点で判明をしていること、また改めて今一度現場の皆さんに危機感を持って対応をしてもらわなければいけないこと、こうした様々な段階というものがあると思っているところでありまして、我々としてはスピーディーに出せる部分に関しましては一日も早くこれらを現場の皆さんに点検をお願いしていかなければいけないのではないかと思っておりまし、また具体的なものに関しましては実際の捜査の状況を見守りつつ、その中で明らかになった新たなそうした観点等々については、そうしたものを見ながら現場の皆さんにもお願いをしていくという流れになるのではないかと思っております。
 
記者)
 別件で話題が変わって奨学金についてちょっと伺いたいのですけれども、金利が上昇していることに伴って奨学金を借りられた方々の返済の利率も上がっています。このようにずっと低い水準で国が来たので見通しとしては低いままかなと思っていたものが今になってぐっと上がってきたことによって当初の見通しと違う、かなり負担感があるような返済をしなければいけない学生がいるということですけれども、まずこの現状について受け止め、大臣としてどうされるのかというのを教えてください。あと、今の制度だと借りたときではなくて借り終えたときの利率で返還していかなければいけないということで、一般的な大学4年間ですと4年後は予測不能なわけで、最初に借りるときにはこれぐらいかなと想定していたものがだいぶ上がってしまったということになると思うのですけれども、こういう制度が今あることについて大臣としてどういうふうにお考えか、変更する可能性があるのか教えてください。
 
大臣)
 お尋ねの有利子奨学金の返還利率についてでありますけれども、入学時に利率を決定するのではなくて従来から貸与終了時における財政融資資金の借入利率に則して決定する仕組みとなっているというのは今御紹介があったとおりであります。何でこういう仕組みにしているかと言いますと、この仕組みは借入金には一般的に返還期間が長いほど金利が高くなるのは言わば当然というか、そういうものだと思っておりますけれども、そういう性質があることを踏まえまして在学中の貸与に必要な資金を入学時に財政融資資金から一括調達することはせず、民間金融機関から短期かつ低利の借入金によりまして調達をいたしまして、財政融資資金の借入期間を短くすることで利用者の利子負担をできるだけ軽減することを狙いとしているところであります。つまり、4年制の大学で4年間奨学金を借りるという場合においては、4年間分借入期間を短くするという工夫をすることによってできるだけ借入利率というものを減少させていくことを目的としてこうした制度というものを作っているということであります。また、仮に入学時に返還利率を決定することとした場合、その利率と貸与終了時の財政融資資金の金利の差が生じる可能性ということがあるわけでありますけれども、金利が下がれば財政融資資金の償還に必要な額以上の利息を回収することとなったり、また金利が上がれば利用者からの返還金が財政融資資金の償還に必要な額を下回り、奨学事業の継続が難しくなるといったような状況が生じる可能性もあるところであります。他方、金利の上昇によって経済的な負担が増しているという声は国会でも御指摘をいただいているところでもありますし、我々としても承知をしているところであります。文部科学省といたしましても、奨学金の返還負担の軽減についてきめ細かい対応が必要だと考えているところであります。具体的には、有利子奨学金の利子負担軽減につきまして、在学中の利子でありますとか、あと返還利息が3%を超えた場合の利子を原則国が負担をする仕組みとしているところでありまして、利払いが過重なものとならないようにしているほか、企業による代理返還の促進でありますとか給付型奨学金による支援の拡充などにも取り組んできたところであります。こうしてこれまでも、我々としても奨学金にかかる負担というものをできる限り減らしていきたいということは文部科学省としても思いを持っているところでありまして、様々な取組というものを進めてきたところでありますけれども、今御指摘いただいたような様々な声というものにも耳を傾けつつ、我々としては不断の見直しを進めてまいりたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 先ほどの小学校の火災に関連してなのですけれども、先ほど質問にも出ていたと思うのですけれども、現場と連携する中で判明した事象を基にして今後できるところから対応されているということでしたけれども、既に明らかになっている事象として、先ほどもまさにおっしゃっていましたけれども、音楽準備室から、音楽室からの出荷を想定した避難訓練をしていなかったと。これは、全部屋からの出荷を想定して毎回毎回想定を変えてやれというのは難しい気はするのですけれども、一方でどういうふうな想定でやったらいいのかということの大臣自身のお考えをお伺いしたいのと、あともう一つ、スプリンクラーの設置義務、11階未満に設置義務はないというのは、これはルールで決まっていることだと思うのですけれども、全フロアに付けろとか全部屋に付けろというのは難しい話だなと思いつつ、それ自体はどうなのかというところをどのようにお考えかというのを伺いたいです。
 
大臣)
 ですので、実際に我々といたしましては現在、学校施設の安全管理の体制の点検を速やかに求めていきたいと思ってはおりますけれども、お示しする方法でありますとかその内容、時期等については検討を進めているということであります。おっしゃるとおりで、実際に現場が対応できるようなそうした対策、点検というものをまずはしっかりとやっていただくということが大変大事なことだと思っておりますので、そうした観点からも我々としては現場の状況というものもよくよくヒアリングをしながら検討を進めてまいりたい、そのように思っているところであります。スプリンクラーにつきましては、これらの防火施設の整備については、これは国交省などとも相談をしながら決めていかなければ、検討していかなければならないことだと思っているところでもありまして、まさに今回の原因、そして防火、そして避難体制、こうしたものにつきましてはその専門家でもあります消防庁をはじめとしたそうした関係者が今、捜査並びに実際の調査を進めていただいているところだというふうに承知をしておりますので、これらの皆さんの結果というものも踏まえつつ、また他省庁とも連携をしながら我々としてどうした取組を進めていくことが一番最適なのかということを我々としては検討をしてまいりたい、そのように考えております。
 
(了)

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