令和8年6月19日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化
著作権法の一部を改正する法律案の成立、テレビドラマ「GTO」とのタイアップの実施と意義、スクールロイヤー配置拡大が教師と保護者の信頼関係構築に与える影響への受け止め、日本維新の会による提言および財務省による推計を踏まえた私立大学の規模の適正化の目安を示す意向、石垣市の中学校での自衛隊による「南極の氷」を活用した授業への見解と自衛隊に関する大臣の認識、名古屋大学の学園祭における自衛隊出展中止に対する受け止め、大学病院での医療用RI廃棄物の保管への対応
令和8年6月19日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年6月19日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは2件となります。「著作権法の一部を改正する法律案」が6月17日の参議院本会議において可決され、成立をいたしました。本法律は、音楽CDや配信音源などの商業用レコードがレストランのBGMなど、公の場で利用された場合にアーティストなどの実演家やレコード製作者が対価を求めることができる権利である、いわゆる「レコード演奏・伝達権」を創設するものであります。今回の権利の導入によりまして、アーティストなどへの望ましい対価還元を図りまして、我が国の音楽やアーティストの海外展開の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。法律の円滑な施行に向けまして、国会審議などを通じていただきました御指摘も踏まえ、適切に対応をするとともに、法律の趣旨や内容をしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
続きまして、2件目であります。7月20日から開始をされます生徒や学校の問題に体当たりでぶつかっていく教師を描いたテレビドラマ「GTO」とタイアップを行うことといたしました。劇中描かれます一人一人の生徒に向き合う教師像を踏まえ、いつの時代も変わらない教職の魅力を伝え、教職への関心を喚起する機会になる、そのように考えているところでもあります。タイアップの一環といたしまして、まずはポスターを作成し、「あなたに出会うのを、待っている生徒がいる。」というキャッチコピーを加えました。教師を志す方の背中を押したいという思いも込めまして、全国の高校・大学等に配布をする予定としております。本タイアップの中では、ポスター配布以外にも高校生・大学生やその保護者をはじめ、幅広い層に教職の魅力を伝えるため、関係各所と調整の上、今後も様々な発信を行ってまいります。報道関係者の皆様も積極的に取り上げていただければ幸いであります。私からは以上となります。
記者)
学校現場に助言する弁護士、スクールロイヤーについて伺います。教育現場の様々な問題に助言するスクールロイヤーの自治体導入が進んで、今年中にも全ての都道府県に広がる見通しとなりました。保護者からのクレーム対応などで疲弊する教員の負担軽減が期待される一方で、法律の専門家が現場に介入することで学校が保護者等の信頼関係が築きにくくなるのではとの声もあります。ちょっとスクールロイヤーとグレートティーチャー鬼塚、GTO、ちょっと若干方向性が違うのかなとも感じたりもしますが、スクールロイヤー導入についての大臣のお考えと文科省としての今後の御対応をお聞かせください。
大臣)
子供たちの学びを支えていく上で、学校が保護者と連携・協力をしていくということは大変重要なことであります。近年、子供や学校が直面する課題が多様化をしたり、複雑化をしている中、保護者が関与する問題の対応によっては教職員の負担の軽減のためだけではなくて保護者とのより良い関係を構築する観点からも、必要に応じてスクールロイヤーがかかわることにより適切な問題解決が図られるというふうに考えているところであります。文部科学省が作成をいたしました「教育行政に係る法務相談体制構築に向けた手引き」におきましては、短期的な視点ではなくて子供の将来的なより良い成長のために、学校が保護者との信頼関係を損ねることなく対応する必要がある旨を周知してきたところであります。文部科学省といたしましては、今後とも全国の教育委員会におけるスクールロイヤーの配置状況を継続的に把握するとともに、教育委員会に対する手引きの周知を通じまして教育行政に係る法務相談体制の構築を促してまいりたい、そのように考えております。
記者)
大学改革について伺います。昨日、日本維新の会から大臣に提言が渡されままして、その中で2040年までに約300校の統廃合を一つの目安とするということが盛り込まれていたと思います。これについての受け止めを教えてください。また、以前、財務省のほうからは少なくとも約250校程度縮減が必要という推計も出ていますけれども、文科省として学校数で規模適正化の目安などを示すおつもりはあるのでしょうか。
大臣)
18歳人口の急減期を見据えた大学の規模の適正化は極めて重要な課題であると認識をしているところであります。その際、分野でありますとか、また地域のリバランスを図りながら学生を伸ばすことができる質の高い大学教育を実現することが重要でありまして、本年度から5年間を第一期といたします「大学の量的規模適正化総合施策」、これを講じているところであります。なお、大学の規模は多様でありまして、学生数と大学数は一概にリンクをしないというふうに考えておりまして、機械的に大学数の数値目標を設定することは難しい面もあると考えておりますが、大学の規模適正化とともに教育の質向上や地域を支える人材と高等教育のアクセス確保などを確実に進める必要があると考えているところであります。具体的には、大学・高等専門学校における理工・デジタル系分野の人材育成の強化、人口減少下でも地域に不可欠となる人材を育成する方策を地域で協議・実行する仕組みの推進、経営が厳しい大学については金融機関の専門家などと連携した経営体力がある段階での円滑な撤退の促進などの施策を総合的に進めていくこととしているところであります。文部科学省としては、これらの施策を、危機感を持って迅速に取り組みたい、そのように考えているところであります。
記者)
沖縄県の石垣市で海上自衛隊が採取した南極の氷を授業で使ったところ、それに対して地元の共産党の市会議員が反発をする、公的意識に対して問題ではないかということを指摘するという事案がありました。これに対して地元の教育委員会は特に問題ないということを判断して示していますけれども、文科省としてもこの地元の判断について、文科省として地元の判断についてどう思うかというところを伺いたいのと、あとちょっと引いて自衛隊のいわゆる広報全般について大臣にお考えを伺いたくて、というのは先日も、例えば防衛白書、学校に防衛省が配布したところ、一部の教職員組合がそれについて反発をするというような問題もありました。そういったことも踏まえて、自衛隊ないしは防衛省の学校における広報全般についての大臣の考えをお聞かせください。
大臣)
まず、お尋ねの件についてでありますけれども、石垣市の中学校において自然科学への興味、関心を育むために海上自衛隊の隊員による「南極の氷」、これを教材にいたしました理科の授業が行われたものというふうに聞いております。詳しいことは承知をしておりませんけれども、地域や学校、児童生徒の実態などに応じて外部人材と連携し、教材を活用したり授業を実施したりすることは広く行われていることでありまして、また、自衛隊は「しらせ」の運航を始め、南極観測事業におきまして大きな役割を果たしている組織でもあります。私としては特段問題があるというふうには考えていないというところであります。また、自衛隊への理解というもの、学校におけるということでありますけれども、学習指導要領などを我々としては定めているわけでありますけれども、この学習指導要領などでは、例えば小中学校の社会科でありますとか高等学校の公民科、公共などにおきまして、自衛隊の役割について指導することとしているところであります。具体的には、例えば小学校社会科では自然災害から人々を守る活動について学習する際、自衛隊などとの関わりを取り上げることでありますとか、日本国憲法の平和主義について、自衛隊が我が国の平和と安全を守っていることに触れること、中学校社会科では自衛隊の役割などに触れながら我が国の安全と防衛、国際貢献を含む国際社会における我が国の役割について考察すること、高等学校公民科、公共におきましては、変化する国際情勢の中で我が国の安全が世界の平和の維持といかに不可分に関連しているかについて理解を深めること、その際、自衛隊が果たしている役割など、我が国の防衛や国際社会の平和と安全に関する基本事項について広い視野に立って理解をすることなどを盛り込んでいるところでありまして、こうした学習指導要領等に従ってぜひ御指導をいただきたい、そのように考えております。
記者)
名古屋大学の学園祭の関連で伺います。先週、学園祭で予定していた自衛隊の出展が職員組合の反対声明によって中止になりました。防衛省が公式Xで遺憾の意を表明しまして、名古屋大のほうは中止の経緯はガバナンス上の課題だったということで検証することを表明しています。それに対する大臣の受け止めと、あと今後の対応策についてお伺いします。
大臣)
今回の件は、名古屋大学の職員組合による自衛隊ブース出店中止声明の報道などを受けて、「名大祭」の安全な実施を危惧した名古屋大学の関係部局から名大祭実行委員会へ中止の検討要請があり、同実行委員会が中止を決定したものと聞いているところであります。なお、名古屋大学からは今回の決定は大学全体として学生の意思を尊重しつつ、安全性を確保できるか十分な検証を行わずに関係部局のみの判断で中止を要請したものであり、大学としてもその経緯にガバナンス上の課題があったと受け止め、今後、検証、改善していく旨の報告を受けているところであります。安全な実施を妨害する行為やその懸念のために大学における学生の自由な活動が脅かされることはあってはなりません。私としては、学生による主体的な企画がこのような経緯で中止されたことは誠に残念なことだと考えております。文部科学省といたしましては、今後の名古屋大学における検証などを踏まえまして必要な助言を行ってまいりたい、そのように考えております。
記者)
RI医薬品の研究開発とか利活用が世界的に活発化しています。ただ、医療現場では一部の検査薬を除いて使用した医薬品や廃棄物を1年ほど保管し続けなければならなくて、先端医療とか研究開発が活発な大学病院であればあるほど、保管庫が溢れ返っているという現状があります。こうした問題の解決に向けて大臣、どのように取り組むお考えなのか教えてください。
大臣)
大学病院等を含めた医療機関におきましては、医療体制の充実などに向けまして医療用ラジオアイソトープ(いわゆる医療用RI)が広く使用されているというふうに承知をしております。また、原子力委員会のアクションプラン等を踏まえまして関係省庁におきましても、医療現場でのラジオアイソトープ利用促進に向けた制度・体制の整備などに向けた取組が行われているというふうに承知をしているところであります。なお、現時点で国立大学病院においてRI廃棄物の保管スペースが不足しているという状況は聞いておりませんが、各大学病院からの施設整備に係る要望を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。文部科学省といたしましては、関係省庁の取組でありますとか大学病院の状況を注視しつつ、大学病院における医療体制の充実などに努めてまいりたい、そのように考えております。
記者)
冒頭にあったGTOとのコラボについてお伺いします。GTOに出てくる鬼塚先生は破天荒なイメージが強いと思うのですが、今回、GTOとコラボした意義、そして松本大臣が鬼塚先生の魅力をどのようなところに感じているかを教えてください。
大臣)
先ほど、冒頭の私からの発言でもお話をさせていただきましたけれども、そもそもの最初のGTO、大変視聴率も高かったというふうに承知をしているところでありまして、そういう意味では、残念ながらちょっと当時私は見ていなかった人間ではあるのでこれから改めてもう一回見ようかなと思っているところではあるのですけれども、今度のこれが始まる前にぜひ見ようと思っているところではありますが、そういう意味では大変多くの共感を得たからこそそうした高い視聴率というものも記録をしたのではないかというふうに思っているところでもありますし、また私もそういう意味ではざっくりとしたことしか存じ上げていないところではあるのですけれども、やはり教師が生徒たちに体当たりでぶつかっていって、その情熱などの強い先生というものがそういう意味では非常に多くの若い人たちから共感を得たからこそ高い視聴率を記録したということだと思っております。そういう意味では、今回、GTOとタイアップをさせていただくことの大きな一つの意義はやはり我々としては一人一人の生徒に向き合う教師像というものを踏まえまして、教職の魅力を伝え、また教職への関心を喚起する機会になればというふうに思っているところでもありまして、そういう意味から我々といたしましてキャッチコピーとして「あなたに出会うのを待っている生徒がいる」というような形のキャッチコピーを付けさせていただいたということでありますし、またそうした思いも込めて全国の高校でありますとか大学などに配布をさせていただいているところであります。本当に私も現場もいろいろと視察をさせていただいて、先生方が生徒と向き合って授業をしている場面なんかも拝見をさせていただいておりますけれども、本当に教師の皆様方の仕事というのはとてもとても尊い仕事でありますし、情熱を持って生徒に向き合っていただいて、そしていろいろと創意工夫をしながら授業を組み立てていただいてという、そういう場面というものを拝見させていただいているところでもあります。そういう意味では、本当にドラマの鬼塚先生だけがグレートティーチャーではなくて、本当に今働いていただいている教職員の皆さん一人一人が私はグレートティーチャーなのだと思っています。そういう意味では、新しく教職に入ろうという人たちにも後押しをするだけではなくて、今現場で一生懸命頑張っていただいております教職員の皆さんの後押しにもつながっていただければと思っておりますし、またこうしたドラマなんかを通じてそうした教職員の皆様方がどれだけ一生懸命頑張っているのかということも含めて、国民の皆さんに広く広がっていくということがあると私は大変ありがたいというふうに思っているところでもありまして、そういう意味では我々としてもぜひタイアップを通じてそんな教職の魅力というものを少しでも広がっていけば、伝わっていけば、そのように思っております。
(了)
大臣官房総務課広報室