松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年6月2日)

令和8年6月2日(火曜日)
教育

キーワード

都内高校の視察、教育の政治的中立性に係るガイドラインの必要性に関する所見、沖縄における平和学習の受入団体に対し見学先や学習内容の変更を要請する動きに対する所見、平和学習や主権者教育の回避や教育活動の委縮への対処方針、主務教諭の新規配置状況に関する所見および配置促進の方針

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年6月2日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年6月2日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年6月2日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件となります。昨日、都立立川緑高校、NHK学園高校、都立国立高校を訪問してまいりました。立川緑高校は、多摩地区初のチャレンジスクールといたしまして令和7年4月に開校をいたしました定時制高校となっております。生徒が自身のライフスタイルや学習ペース、興味・関心に応じて時間割を作成し、「自分で決める」ということを大切に学んでいる姿に感銘を受けたところであります。NHK学園高校は、日本初の広域通信制高校として、メディアを活用し無理なく学ぶことができる仕組みが整えられているところであります。普段、自宅等で学んでいる生徒たちがスクーリングで仲間とともに学んでいる様子を拝見いたしました。また、生徒さんのお話をお伺いいたしましたけれども、回数は少ないわけではありますが、しかしながらスクーリング、また部活動など、対面で学んだり、また学校生活を大変大切に思っているということを、お話をお聞かせいただきまして、改めてこうして対面での学びの大切さというものを私自身も再認識をしたところであります。国立高校でありますけれども、生徒の自主性を重視しております全日制の高校となっております。授業視察に加えまして、放課後の自主学習支援の取組についてもお伺いをいたしまして、生徒たちが自分の学びと真剣に向き合っている姿というものが印象的でありました。3校それぞれにおいて生徒の皆さんと意見交換をしてまいりましたが、それぞれの生徒さんが今頑張っていることであるとか、将来の夢などについて自分の言葉で伝えてくれたことが大変うれしく、また心強く感じたところでもありますし、また、最初の2校、立川緑高校、NHK学園高校におきましては、いわゆる中学時代に学校に足が向かない、そういう子供たちが利用をしていることが非常に多いということでもありましたし、また生徒さんからそういう御自身の体験談というものもあったわけでありますが、しかしながらこうした二つの学校に通うことによって改めて自分自身の夢や希望に向かって一生懸命頑張っている姿、そして将来自分がこういうことをやりたいという思いを大変強く持ちながら学んでいる姿というものが大変私自身嬉しく思ったところでもありますし、こういう皆さんをしっかりと国として応援をしていかなければいけないということを改めて強く痛感をしたところでもあります。いずれの高校におきましても、生徒に寄り添った学習指導が行われておりました。校長先生を始めといたします教職員の皆様でありますとか、また関係者の方々の日ごろからの御尽力に改めて敬意を表したいと存じます。こうした様々な取組を拝見いたしまして得られた知見を今後の施策検討にしっかりと生かしてまいりたい、そのように考えているところであります。私からは以上です。
 
記者)
 学校での平和教育の実施について、株式会社「笑下村塾」が昨日会見を開き、現場の教員から萎縮する声が上がっているとの報告がなされました。その会見では、教員側が萎縮しないため、超党派議員や現場の教員らの声を踏まえ、教育の政治的中立性に関するガイドラインを国が新たに策定する必要性が指摘されていました。こうしたガイドラインの必要性について大臣の見解を教えてください。
 
大臣)
 文部科学省といたしましては、これまでも教育基本法でありますとか学習指導要領に基づきまして、特定の見方でありますとか考え方に偏った取り扱いによりまして、生徒の主体的な考えや判断を妨げないように留意することが必要である旨を通知で丁寧に示すとともに、具体的な実践事例を含めた教師向け指導資料等の提供を行ってきたところであります。これまでも、現場におきましては関係法令や通知などを踏まえながら創意工夫をいたしまして、多様な見方や考え方を提示するなどして政治的中立性を確保した上で政治的教養の教育や平和に関する学習に取り組んできていただいていると考えているところであります。今回の事案についてでありますが、抗議船として日常的に使用される船に、生徒を乗船させる極めて異例の事態であると捉えております。多様な見方や考え方を提示して適切に平和に関する学習を行っている教育現場におきましては、心配いただく必要は全くないと考えておりますが、文部科学省として今後とも教育基本法でありますとか関係通知の趣旨などについて説明を努めてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 主務教諭の関係で、今年の4月から導入可能になっていると思うのですけれども、都道府県、政令市では導入が全然進んでいないということが毎日新聞の調査で分かりました。このことの評価と要因についてのお考えと、あと導入を押し進めていくということではどういう対応をされるのかというところをお伺いできますでしょうか。
 
大臣)
 報道のありました主務教諭についてでありますが、近年、学校が組織的に対応すべき横断的な課題や取組が多様化・複雑化していることを踏まえまして、教育活動に関して教職員間の総合的な調整を行う職といたしまして今年の4月から新たに創設されたものであります。主務教諭の設置に当たりましては、地域や学校の実情を踏まえまして各都道府県また政令市において検討をしていただいているところでありまして、関係条例等の整備に一定の時間を要するものと承知をしているところでありますけれども、昨年の12月時点において調査をしたところでは、23自治体は職として創設をする予定というふうに聞いているところであります。文部科学省といたしましては、組織的な学校運営体制の構築のために主務教諭等の活用につきまして各教育委員会において積極的に御検討いただくことができますように、引き続き制度の趣旨を丁寧に説明してまいりたい、そのように考えているところであります。そういう意味では、一定の準備時間を各自治体も有しているところではありますけれども、これを進めようとしている自治体も一定数もちろん存在をするわけでもありますし、また、そうした事例というものも横展開をさせていただきながらこうした主務教諭の設置によって学校の現場の負担でありますとか教育の質の向上、こうしたものに我々としては努めてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 今回の同志社国際高校の関係でお聞きしたいのですけれども、今回の判断の学校教育への影響について、沖縄の平和学習の受け入れ団体のほうで修学旅行の見学先を変更したいですとか内容を変えてほしいといった要望が寄せられているようです。こうした状況の受け止めと、あと文部科学省として平和教育ですとか主権者教育を避けるという動きにつながらないような手立てを講じる必要性をどのようにお考えでしょうか。
 
大臣)
 今回の事案でありますけれども、政治的活動を行う抗議船として日常的に使用される船に、生徒を乗船させるという極めて異例の事態であるというふうに捉えているところであります。したがいまして、従来から各学校で行われておりますように、学習指導要領等に基づきまして多様な見方や考え方を提示いたしまして適切に平和に関する学習や主権者教育を引き続き行っていただくことは重要なことと考えているところであります。その際に、沖縄を含めた現場を訪れることは避ける必要はない、そのように考えているところであります。文部科学省としては、今後とも教育基本法や関係通知の趣旨などについて周知に努めてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 今回の教育基本法14条2項(注)の解釈についてなのですけれども、文部科学省は政治的活動について特定の政党に関わらないという判断をされています。これは過去の裁判の判例とは反するものでして、一部の有識者からは拡大解釈だというような指摘もありますけれども、これについて文部科学省の考え方についてお聞かせいただけますでしょうか。
 
大臣)
 一言で申し上げるのであれば適切な判断である、そのように我々としては考えているところであります。
(注)「14条2項」は、正しくは「第14条第2項」です
 
記者)
 先ほどの最初の質問で、辺野古の関係でもガイドラインの話がありましたけれども、現時点でガイドライン等を作成することは考えていらっしゃらないということで理解してよろしいでしょうか。
 
大臣)
 我々といたしましては、先ほど来御説明を申し上げておりますとおり、通知等々を通じて現場には適切に我々として指導しているところでありますので、これに基づいてぜひ現場で適切な判断をしていただきたい、そのように考えております。
 
記者)
 辺野古の関係で確認なのですけれども、先ほどNHKさんの質問で沖縄を含めて現場に行く、訪れることを避ける必要はないとおっしゃっていたのは、辺野古に行くことを避ける必要はないという意味合いということでしょうか。
 
大臣)
 学習指導要領においても、沖縄における戦争の惨禍、こうしたものについて教えるということは学習指導要領の解説の中にも記述がされているようなところでもありまして、そうした意味において我々といたしましては、こうした平和学習をしていただくということは我々として問題があるとは全く考えていない、むしろ進めていただきたい、学習指導要領の解説にも書いてあるように進めていただきたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 今の続きですけれども、辺野古を含めてどこに行く、行かないということは別に何かを縛るわけではないけれども、その前後での学習でちゃんとバランスを取ってくださいと、そういう理解でよろしいですか。
 
大臣)
 我々が今回の事案について見解というものをまとめさせていただいて、その中で安全確保面でありますとか、また教育の内容について我々としては見解をお示しさせていただいているところでありますので、こうしたものをぜひ御覧をいただきながら適切に判断をしていただきたい、我々としてはそのように考えております。
 
(了)

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