令和8年5月29日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ
児童生徒向けのクマ対策動画の公開、AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD1000)の第2回公募の開始と今後の進め方およびARiSEとの間を埋める方策、総合型および学校推薦型の年内入試における面接義務化の意義、いわゆる「はどめ規定」に関するアンケート結果の受け止めと学習指導要領改訂における議論の方向性、スポーツ界における相次ぐ薬物使用の発覚や広陵高校の暴力事案に係る第三者委員会の調査報告書に関する見解、学校法人塚本幼稚園における事例の政治的中立性に関する見解や「政治的中立性」の基準を設ける意向および過去の事例に対する遡及調査の意向、「政治的活動」に該当した具体的な事項および「総合的に判断」するための時間的範囲、東北大学宮田教授によるPAI-1阻害剤を使用した臨床試験結果の受け止めおよび老化研究への期待
令和8年5月29日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年5月29日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは2件となります。まず1件目です。今月19日のクマ被害対策閣僚会議において発言をしました児童生徒等への注意喚起といたしまして、環境省と文部科学省が協力をいたしまして、クマ対策についての動画を政府広報として作成しましたので御報告をいたします。本日、政府広報オンラインと文部科学省ホームページにてそれぞれ公開をいたしまして、併せて全国の教育委員会等へ周知をしてまいります。動画の内容といたしましては、クマの出没情報の確認、通学時の注意点(大きな声で話しながら歩く)といったことになります。また、クマと会ってしまったときの対処法(ゆっくりと後ずさりをして逃げる)などを分かりやすく1分程度のアニメーションにまとめたものとなっております。本動画を活用いたしまして、一人一台端末も活用して視聴していただくなど、児童生徒等に対しまして、クマへの対処方法がしっかりと届くよう周知に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、2件目であります。あらゆる分野でAIを利活用して科学研究を加速することができるよう、全国で1,000件のAI for Scienceへのチャレンジを支援いたします、「AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD1000)」の第二回公募を来週6月2日から開始をいたします。本事業では、AI for Scienceの裾野拡大を図るものであり、4月に開始した第一回公募におきましては、学生や民間企業の研究者を含めまして15,000件を超える多数の応募をいただきました。なお、本事業の審査過程においては、無作為抽出やAIを活用することとしているところであります。この結果は、研究開発現場におけるAI利活用への高い関心と意欲を示すものと受け止めております。第2回公募におきましても、新たなアイデアへの挑戦がさらに多く寄せられることを期待しております。今月公募を開始いたしましたAI for Scienceのトップ研究を引き上げる「ARiSE」と今回の「SPReAD1000」、これを両輪として進めることで、我が国のAI for Science先進国の地位を築くことを目指してまいります。私からは以上となります。
記者)
2027年、春入試の大学入試について伺います。総合型や学校推薦型の選抜で面接を義務化するという通知を27日に発出していますが、改めて狙いを教えてください。また、年内入試については、大学側は受験者数の確保をしたいなども思惑があると思いますが、面接のために人手や時間を要するなど懸念が考えられます。こうした点について教えてください。
大臣)
令和9年度大学入試の基本的事項を定めます実施要項につきまして、高校・大学関係団体の代表者などで構成をされる大学入学者選抜協議会における合意を踏まえまして、今週27日水曜日に大学等に通知をしたところであります。昨年度実施された入試に関しましては、年内に行われる総合型選抜等について、一部の大学で学力検査の成績が過度に重視をされており、高校教育への悪影響が大きいとの指摘があったところであります。これを受けまして、大学入学者選抜協議会におきましては、このような一部大学の入試は、実質的な「一般選抜の前倒し」であり、許されるものではない。志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価するという総合型選抜等の本来趣旨に立ち返るべきとして、総合型選抜等においては原則面接を必須とすることなどを柱とする新たなルールがまとめられたところであります。なお、令和7年度入試の実態調査によりますと、四年制大学の実施する総合型選抜の93%、学校推薦型選抜の77%で、既に面接が実施をされているところであります。そもそも総合型選抜等は、2月1日以降に行われる学力検査が中心の一般選抜とは異なりまして、志願者の意欲や適性等を、「丁寧に時間をかけて」評価するために、2月1日より前に実施することが認められているものであります。各大学においても、この趣旨を十分に理解していただけるものと考えておりまして、適切な選抜を実施していただきたい、そのように考えております。
記者)
性教育の関係でお伺いします。今回、朝日新聞が全国の保護者に対してアンケートを実施いたしました。これまで文科省は、児童の発達の段階や保護者の意向などを踏まえて性教育を進めるべきとの見解を示されてきましたが、今回のアンケートの結果では約2,400件の回答があったのですけれども、学校での性教育を充実させてほしいという声が9割近くに上り、はどめ規定に関してこれは不要とする声は7割に上りました。保護者の意向を踏まえるという観点からも、こういった声が多数上がっていることについて、文科大臣としてどのように受け止め、今後に生かすのか教えてください。また、現在の進められている学習指導要領の改訂の議論の中で、はどめ規定については一切まだ議論に上がっておりません。ですが、今回のアンケートでは、このはどめ規定について議論すべきだという声が9割に上っています。このワーキンググループの委員の方に取材したところ、全員回答いただけなかったのですけれども、中には専門外であるとか、はどめ規定について理解できていないという声もありました。昨今、こういう規定の撤廃を求める署名とかが提出されたりですとか、長年こういった指摘が性教育の支障になっているという指摘がある中で、そもそもこういった学習指導要領を担当する委員の方たちの認知や理解というのがまだされていないまま議論が進められているようにも問題があるように思うのですけれども、この点についてどう思われるのかも教えてください。最後に、改めて学習指導要領改訂において、はどめ規定について議論すべきかどうか、大臣としての御見解をお聞かせください。
大臣)
御指摘の報道については承知をしております。子供たちが性に関して正しく理解をいたしまして、適切な行動が取れるようにすること、これは大変重要でありまして、各学校におきましては、学習指導要領に基づきまして、生殖機能や受精・妊娠等の身体的な面に加えまして、性的欲求への対処や性情報の適切な対処に関することなど、様々な面から学習することとなっております。いわゆる「はどめ規定」についてでありますが、性に関しては、児童生徒の発達の差異が大きいこと、保護者の理解を得ながら指導する必要があることなどを踏まえる必要があることから、「性交」に関しては、個々の児童生徒の状況等に応じた個別指導により対応することとなっておりまして、文部科学省としてもこの趣旨の周知に努めているところであります。学習指導要領の改訂につきましては、現在、中教審の担当ワーキンググループにおきまして、体育・健康・安全等の幅広いテーマについて、それぞれの立場の専門性を有する委員にご参画をいただきまして、性暴力・性犯罪に関する課題も踏まえた御議論をいただいているところであります。この議論におきましては、性に関する指導も含めた保健の学習全般に関しまして、例えば子供たち一人一人の発達の状況を踏まえた指導が必要であること等の御意見をいただいているものと承知をしているところであります。現在、まさに諮問に基づく議論を進めていただいている状況でありまして、その進め方等について、私の立場から具体的に言及することは控えたいと思いますけれども、引き続きこの議論も踏まえながら、子供たちが性に関して正しく理解をし、適切な行動が取れるように取り組んでまいりたい、そのように考えております。
記者)
今回のアンケートについての受け止めをお願いします。
大臣)
御意見として、御意見というか、アンケートの結果としてお受け止めをさせていただきたいと思いますが、一方で、今まさに中教審におきまして議論をしていただいているところでありまして、この議論につきましては、私のほうからコメントをすることは差し控えたいと思いますし、また、この議論というものを我々としてもしっかりと見守ってまいりたいと考えております。
記者)
この規定は98年度に盛り込まれていて、他の教科のはどめ規定とかは撤廃がされている一方で、この性教育に関するはどめ規定だけずっと残り続けているのです。これはつまり、文科省としてはやはり最終決定権者は文科大臣だと思いますので、これは撤廃すべきではないということをずっと御主張されてきたと思いますけれども、これまでにも過去に要するに撤廃すべきでないというふうなお考えであるからこそ、ずっとこの規定だけが残り続けてきたと思うのですけれども、今もその認識は変わらない、つまり撤廃すべきではないという理解でよろしいのでしょうか。
大臣)
様々な意見というものがあるというふうに承知をしているところであります。それらの意見を踏まえて、今議論をまさに専門家の皆さんによって進めていただいているということに尽きると思います。
記者)
撤廃すべきかすべきではないかというのはコメントできないという。
大臣)
私自身が発言をすることによって、この議論に影響を与えるということは、私は決して望ましいことではないと思っておりますので、私からはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
記者)
スポーツの関係でちょっとお伺いしたいのですけれども、昨日、バレーボールの日本代表の選手が大麻所持の疑いで警視庁に逮捕されました。さらにちょっと遡ると、広島カープの羽月選手、元選手ですけれども、ゾンビたばこで有罪判決を受けています。こうした相次ぐスポーツの現場での薬物の問題について、大臣のお考えと、このバレーボールに関しては、ナショナルトレーニングセンターに大麻を持ち込んでいるという疑惑も上がっているのですけれども、そういったところで何かペナルティ的なものが考えられるのかどうかというのをお伺いしたいというのが1点と、もう1点が昨日公表されたのですけれども、甲子園の強豪校、広陵高校の暴力問題で、第三者委員会がいじめであったと昨日結論を出しました。こうしたスポーツの強豪校の現場でも、いろいろそうした暴力行為というのがよく出てくるのですけれども、その点も大臣の考えをお聞かせください。
大臣)
今回発生をいたしましたバレーボール男子代表選手の違法薬物所持及びプロ野球選手による指定薬物の違法な使用については、断じて許されるものではありません。スポーツ界においてこのような事案が生じていることについて、大変遺憾に存じております。文部科学省といたしましては、「スポーツ団体ガバナンスコード」の周知等を通じまして、スポーツ界におけるコンプライアンスの徹底を図るとともに、引き続き関係団体と連携をして適切に対応をしてまいります。また、広陵高校におきまして、令和7年1月に発生をいたしましたいじめ事案につきまして、第三者委員会による調査報告書が公表されたことは承知をしているところであります。詳細については、学校を所轄しております広島県に確認をしているところでありまして、現時点で具体の見解を述べることは差し控えたいと思います。文部科学省といたしましては、引き続きいじめの重大事態調査や部活動改革に関するガイドラインの周知徹底などを通じまして、部活動中も含めまして、いじめや暴力行為の防止などに取り組んでまいります。また、ナショナルトレーニングセンターの話もありましたけれども、こちらのほうに関しましては、逮捕され、今捜査が進んでいるということでありますので、私どもとして事実関係を把握しているわけではありませんので、その結果というものも見定めてまいりたい、そのように考えているところであります。
記者)
同志社国際高校への文科省からの指導について伺いたいと思います。3点あります。大臣、火曜日の会見の際に、大阪府の塚本幼稚園、つまり森友系列の幼稚園で2017年にあった安倍首相頑張れだとか、教育勅語を学ばせていた、その幼稚園に対してなぜ何ら対応がないのかというふうに聞かれた際の答えとして、所管庁が大阪府であるからというふうに答えていましたけれども、教育基本法の有権解釈権は文科省にあります。その文科省が教育基本法については考えて、いろいろな形で解釈をして対応するわけで、その際に所管庁が大阪府であるからというのは全く理由にならないと思うのですけれども、この場合、幼稚園も高校も同じ法律に定まる学校なわけです。ですから、ここでは同志社国際高校も塚本幼稚園も同じなわけです。塚本幼稚園の場合には、安倍首相自らが適切ではなかったと国会で言っているわけです。ではなぜこの塚本幼稚園に対しては教育基本法上の指導がなされずに、そして今回、同志社国際高校に対してだけ指導がされたのでしょうか。法律上、差別的な取り扱いはやってはいけないはずで、これは非常に差別的で恣意的だと思うのですけれども、これは対応するお考えはないんでしょうか。これがまず1点目です。14条2項のその他政治的活動、これは非常に短い、1947年の施行以来ある文書ですけれども、もちろん2006年に教育基本法が改正されたのは存じ上げていますが、この政治的活動が文科省によって定義されたことは今までないわけです。それが突然今回、この短い文言でその他政治的活動というだけで、それを使って指導するというのは極めて異例のことだと思うのですけれども、これは全国の教育関係者からすれば何ら透明性がなくて、この政治的活動が何を意味するのか分からない、文科省からの恣意的な運用にしか見えないわけです。これについて、こういう批判に対してどう答え、文科省としてきちんと基準を示さない限り、本来この運用はなされるべきではないと思いますけれども、そこをもっと明確にするお考えはないでしょうか。最後に1点、これは大臣の資質にも関わるところですけれども、今回の教育基本法上の指導、異例の形で行われています。大臣の説明は存じ上げていますけれども、極めて不適切だったと、実地検査も調査も聞き取りもやったということは伺っていますけれども、大臣自身、今年週刊誌でも報道された不適切な関係の話があり、その関係自体については家族間で解決済みということでしたけれども、これ民法上の不法行為ではあるわけです。そういう民法上の不法行為を行っている人物が、こういった教育で、非常に根幹に関わる部分について、そして教育基本法で1947年以来使われてこなかった部分について踏み込んで、これを指導するということは、私は不適切だと考えるのですけれども、全国の多くの教育関係者から見ても疑問の声は、私は当然あると思うのですけれども、そういった指摘に対して、自らにこういった重大な指摘を行う資質があるかどうかについてお答えください。
大臣)
3問いただきました。まず、最初の大阪森友の件の話であります。本件に関しましては、先日も記者会見で申し上げましたように、所轄庁はあくまでも大阪府ということでありまして、大阪府において、その段階で当然様々な検討というものが行われた結果といたしまして、大阪府によってその処分というものがなされたというふうに、適切に処分がなされたというふうに承知をしているところであります。教育基本法に基づく政治的中立性に疑義のある活動が行われていた森友学園に関しては、教育基本法に基づく政治的中立性に疑義のある活動が行われている中にあって、文部科学省から所轄庁である大阪府に確認を求め、大阪府が適切な対応を行ったというふうに我々としては承知をしているところであります。2点目の問いでありますけれども、私どものほうからも、先日記者会見でも申し上げたような、様々な観点も含めて総合的に判断をさせていただいて、今回こうした見解をまとめさせていただいたということであります。また、平和学習等につきましては、当然我々としてはしっかりと進めていただきたい。学習指導要領等々にものっとって進めているところでもありまして、ぜひ進めていただきたいということを度々申し上げているとおりでありまして、ぜひ萎縮をすることなく、その点進めていただければと思っております。また、私の資質についても御指摘がありました。そうした御批判というものがあることは、私自身真摯にお受け止めをしていかなければいけない、そのように考えているところであります。一方で、記者会見の場でも申し上げましたように、私の今回の問題に対する政治的な考えや立場等々について、私から様々な、省内における打ち合わせ等々の場において、一言たりとも言及をしたことはございません。そうした意味において、今回の判断というものと、私自身の資質というものは、基本的には無関係のものであると考えているところであります。改めて、本当にそうした形で、私の資質に対して御疑問を持たれていることに対し、申し訳なく思っているところであります。
記者)
今二つ答えていないのですけれども、最初のところで大阪府が調査したということでしたけれども、塚本幼稚園について、これは教育基本法上の判断をするのはあくまで文科省なわけですから、なぜ文科省として大阪府と別にこの件については解釈しないのでしょうか。大阪府には教育基本法上の解釈ができないわけですから。
大臣)
その点につきましては、その当時に文部科学省としてもその事案というものを大阪府、所轄庁である大阪府からいろいろなおそらく情報を得て、把握をしていたと思いますけれども、そうした状況を把握した上で、文科省として判断をされたということだと私自身は考えております。
記者)
終わったことだからということにならないと思うのですけれども、8年前のことだから、9年前のことだから、今回は戦後初めての判断がなされたわけです。この場合は公平性を保つために過去に残って、もう1回検証するべきだと思うのですけれども、それはしないのでしょうか。
大臣)
現時点においてそれは考えておりません。
記者)
もう1点答えていなかった点で、政治的活動についてきちんと文科省として解釈を明確に示すべきではないかということを伺いましたけれども、その点はいかがでしょうか。
大臣)
文部科学省としてこれまで教育基本法や学習指導要領に基づいて、特定の見方や考え方に偏った取り扱いにより、生徒の主体的な考えや判断を妨げないように留意をすることが必要である旨、通知で丁寧に示すとともに、具体的な実践事例を含めた教師向けの指導資料等を提供してきたところであります。そういう形で、これまでも度々通知等々でお示しをしてきているというふうに承知をしているところでもありまして、これに基づいてぜひこれらを踏まえまして、ぜひそれぞれ学校設置者ならびに教育委員会、所轄庁、そうしたところで、また学校現場でもそうですけれども、御判断をいただきたい、そのように考えているところであります。
記者)
これまで通知等で教育基本法14条2項のその他政治的活動について明らかにしたことはないと思いますけれども、学習指導要領よりも上位にあるのが教育基本法です。そしてこれは教育の不当な支配にならないようにという配慮も教育基本法上あるわけです。だからこそ、この教育基本法上の2項の政治的活動、これはこの短い文章でこれまで使われてこなかったからそこは問題になってこなかったわけですけれども、今回ここを発動したわけですから、これは明確に文科省として明らかにしない限り、今回失われた法的安定性というのは回復できないですし、透明性も回復できないと思うのですけれども、そこをきちんと示すお考えはないのでしょうか。非常に不透明で恣意的だと思うのですけれども、そして教育への不当な支配につながっていると思うのですが。
大臣)
我々といたしましては、それぞれ当然個別個別の事象によって判断されるということになっていこうかと思います。当然それぞれの件というものが、発生した経緯であったりとか、その内容であったりとか、当然異なるわけでありますから、その都度その都度、やはり総合的に判断をしていかざるを得ないということだと思っているところであります。そうした中で、今回判断に至るに至った我々としての見解というものはお示しをさせていただいているということでありまして、そういう意味でぜひ御理解をいただきたいと思っているところであります。また、同時に我々といたしましては、当然、この教育基本法というものに基づいて、学校として教育が行われているのかということに関して、我々として見解をまとめていくということに関しまして、何ら違法性というか、そういうものはないというふうに承知をしているところであります。
記者)
1点、最後にします。総合的に判断していると、個別の事案に応じて総合的に判断とおっしゃいましたが、だからこそ基準が必要なのではないのでしょうか。このままだと総合的というふうに言って、結局ブラックボックスでどういう判断をしているか分からないということになると思うのですけれども、だからこそ、その他政治的活動について明らかにすべきだと思うのですけれども、そうは考えないでしょうか。そうしない限りは、教育に携わる人からすれば、文科省がブラックボックスで判断しているとしか言いようがないのですけれども、これで最後にします。
大臣)
決して我々といたしまして、そうしてブラックボックスということではないと思っております。だからこそ、我々といたしましては、今回見解を我々が述べるにあたりまして、その具体的な根拠というものも示しつつ、総合的な判断ということでお示しをさせていただいている、そのように承知をしているところであります。
記者)
関連質問で、文科省の見解について整理させていただきたいのですけれども、この報告書をまとめた報告書の7ページでも、総合的に勘案すれば、現時点で把握した情報からは、明確に違反、14条第2項に反するものであったと考えられる、措置を講じる必要があるというふうに記述があるのですけれども、これはあくまで文科省の独自の見解を示したということであって、違反認定がされたものではないっていうことなのでしょうか。その辺の整理をお願いしたくて。先週からも沖縄県の玉城知事、記者会見などで行政権力による不当な介入があってはならないなど意見を述べられていて、今日の記者会見でもそういうふうに述べていて、文科省の判断がどのようなものであったか、丁寧に説明をするために検証すべきだというふうに言っています。こうしたことについての受け止めをお願いします。
大臣)
あくまでも我々といたしましては、見解という形でお示しをさせていただいているということであります。加えて、検証が行われるべきということでありますけれども、すでにメディアの皆さんによっても様々な形で報道をしていただいておりますし、また国会の中でも御質問をいただきながら、そうした国民の声を代表する皆さんによっていろいろと御指摘等々もいただいているところでもあります。こうしたものも踏まえながら、検証というものは行われていくのではないか、そのように考えているところであります。
記者)
辺野古の関係で、関連で2点お尋ねしたいのですけれども、教育基本法に反するという判断について、昨日の委員会の答弁で、政治的活動を助長促進したとの発言がありましたけれども、具体的にどのような部分が政治教育というよりは政治的活動に当たって、それを助長促進したのかというところをお聞かせください。また、萎縮の影響についてですけれども、我々の取材の中で、こうした議論のあるテーマを避けたいという声も聞かれているということもあるのですけれども、改めてどういうお考えなのかというところと、その懸念を払拭するための対策など、お考えがあればお聞かせください。
大臣)
今回の辺野古の移設工事に関する学習におきまして、生徒を抗議船に乗せたことでありますとか、開会礼拝のメッセージにおける抗議活動の説明、座り込みをお願いする文書の掲載など、これら全体として、少なくとも基地移設の反対という政治的活動を助長促進するものに当たるというふうに考えているところであります。また、その萎縮ということに関しましては、これまでも度々申し上げているところでありますけれども、学習指導要領上にも、先の第二次世界大戦の参加でありますとか、そこで起きた様々な出来事について教えるということは、ぜひ平和教育の一環として進めていただきたいということで、我々としては明記をさせていただいているところでありますので、そうした観点でぜひそれぞれの現場で積極的に進めていただければ、そのように考えているところであります。
記者)
全く違う話なのですけれども、東北大学の宮田教授のグループが高齢者に4カ月間PAI-1阻害剤を経口投与することで、生物学的年齢が2、3歳若返ったとする臨床試験の結果を公表しました。大臣、これについての受け止めと、今後の研究への期待について教えてください。
大臣)
お尋ねの東北大学の宮田教授の研究成果につきましては、文部科学省の次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラムにおいて支援を行った基礎研究の成果をさらに発展をさせたものであるというふうに認識をしております。また、老化研究は加齢性疾患にかかる新たなメカニズムの解明等にも通じるものでありまして、健康寿命の延伸の実現に資するものでありまして、重要な研究分野の一つであるというふうに考えているところであります。文部科学省としては、老化研究を含めまして、アカデミア発の新たな創薬シーズの創出に向けた基礎研究を振興するとともに、実用化に向けた切れ目のない支援に取り組むことで、我が国の成長分野である創薬・先端医療に貢献をしてまいりたい、そのように考えております。
記者)
AI for Scienceについて伺います。出願者の今年度の公募は4月、6月の2回に分けて行っていますが、関心が高い状況です。今後この事業をどのように進めていきたいか、大臣のお考えをお伺いします。また、SPReADとARiSEによる両輪でAI for Scienceが推進されている一方、SPReADとARiSEの間のギャップが大きいとの懸念の声も上がっています。SPReADで芽が出た研究をARiSEにつなげるための中間に位置するような制度や支援策の検討状況を教えてください。
大臣)
SPReAD1000は、AI for Scienceの裾野拡大を図るものでありまして、本年4月に開始をいたしました第1回公募におきましては、先ほど申し上げたとおり、15,000件を超える多数の応募をいただいたところであります。この結果は、研究開発現場におきましてAIの利活用というものを進めていきたいという高い関心と意欲を示すものと受け止めているところであります。一方で、応募件数が採択件数を大幅に上回りまして、有望な提案であっても採択に至らない状況は、本事業の狙いとするAI for Scienceの波及・振興が必ずしも十分に達成されない懸念があるものというふうに認識をしているところであります。また、支援規模の差によりまして、SPReAD1000での有望事例がARiSEの取組に適切につながらないという課題についても認識をしているところであります。こうした状況を踏まえまして、本事業の採択規模の拡充でありますとか、継続的かつ切れ目のない段階的な支援の実現も含めまして、AI for Scienceの推進方策について検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
記者)
先ほどのNHKさんの質問の関連なのですけれども、何が政治的活動に当たるのかという判断について、今回のこの辺野古の見学だけを取ればそういう指摘も文科省はしているわけですけれども、ただ教育はいろいろな過程を経て行われるわけで、そもそもなぜ辺野古に行くかといえば普天間返還の話があり、そこから辺野古が代替地、移転という話になるわけです。そうすると、そういう教育も全て受けた上で生徒たちはその場に行っているわけで、これは期間をどれぐらい取っているのかという質問です。この見学だけ見ればそれは今回の文科省はそういう指摘をしたわけですけれども、その前に学校で歴史を学び、沖縄戦の歴史を学び、そして普天間基地の返還の話を学んでいるはずです。そうやって長く捉えれば、これは、全体は総合的に見て中立していることが、私は言えるのではないかと思うのですけれども、このスパンをどういうふうに取っているのでしょうか。ここが多くの教育関係者も関心を持っているところだと思うので、そこは明確にお答えいただきたいのですけれども。
大臣)
先日も同様の御質問をいただきましてお答えをさせていただきましたが、我々は同志社のほうに立ち入りをしていろいろと聞き取りも行いました。また、その後もいろいろとやりとりをさせていただく中で、そうした多面的な教育と言いますか、そういうものをどのように行っているのかということについて、度々、同志社のほうにお尋ねをさせていただいたところでありますけれども、出てきた資料は沖縄県のホームページだけであったというようなこともあったということで、そうしたところも含めて判断をさせていただいたということであります。
記者)
そこはこの前の会見で伺いましたが、期間としては事象だけではなくて、例えばその前後、6カ月とか1年とか、そういうふうに見てはいるということなのですか。同志社国際高校側がそう答えれば、それも考慮に入れたということなのでしょうか。
大臣)
我々といたしましては、当然、今回の修学旅行だけで捉えたということではなくて、当然その前後も含めた教育全体の中でそうした判断をさせていただいたということだと承知をしています。
(了)
大臣官房総務課広報室