松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年5月19日)

令和8年5月19日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

リジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF)2026における日本代表の最高賞受賞及び今後の科学技術人材育成の取組、北越高校の部活動遠征中に発生したバス事故を踏まえた今後の対応、放映権を巡る国際オリンピック委員会(IOC)及びWBCからの回答並びにスポーツ放映に関する検討会の開催予定、部活動の地域展開における保護者負担等に関する民間調査の結果の受け止め及び今後の対応、東京大学学園祭「五月祭」での爆破予告に対する見解、水俣病に関する教科書での記述の在り方、部活動での移動手段に関するJNN調査の受け止めと国交省との局長級連絡会議の開催の見通し及びスケジュール展望

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年5月19日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年5月19日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年5月19日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは3件であります。まず1件目でありますけれども、世界各国の高校生らが研究成果を競います「リジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF)2026」におきまして、栗林輝さんが、日本が初参加した1958年以降で日本代表として初めて最高賞であります「ジョージ・ヤンコポーロス革新賞」を受賞されました。栗林さんをはじめ日本代表の皆さんは今大会において大変優秀な成績を収められたと聞いておりまして、心からお祝いを申し上げたいと思います。また、今回の代表全員に文部科学大臣表彰などを授与することとしているところであります。特に栗林さんは、文部科学省が支援をいたします「スーパーサイエンスハイスクール」指定校であります市立札幌開成中等教育学校に所属をするとともに、「STELLAプログラム」を通じて大学での指導を受け、自らの研究を深められたと聞いております。このような素晴らしい成果を収められたこと、大変喜ばしく思っているところであります。文部科学省としては、こうした次世代の科学技術人材の育成や活躍促進などに向けまして、さらなる支援や具体的取組を積極的に進めてまいります。
 続きまして、2件目となります。本日、部活動の遠征等における安全確保につきまして、全国の教育委員会や私学担当部局などに対しまして通知の発出を行います。今月発生をいたしました北越高等学校における部活動の遠征中の重大な事故につきましては、関係機関による調査等も行われている中、事案の全体像の詳細な確認には一定の時間を要するものと考えております。一方で、全国の学校では本日も部活動が実施をされている中、今回の通知は部活動の遠征などについて、子供たちの安全確保を徹底するための一般的な留意点などを通知するものであります。なお、本通知は国土交通省とも連携をいたしまして発出をいたすものであります。通知の主な内容といたしましては、部活動の移動を含め郊外で活動を行う際には事故防止や事故発生時の対応などについて関係者間で共有するなど、安全確保に万全を期すこと、事業者に貸切バスなどによる運送を依頼する場合には事業者と適切な契約を締結すること、長距離・長時間の移動が必要な遠征などについては実施の必要性について検討し、無理のない移動を計画すること、また公共交通機関の利用も含めて移動手段の検討を行うこと、部活動中の安全確保について、事故発生に備えて事前に必要な措置を講じるとともに、事故等が発生した際は生徒の安全確保と生命維持を最優先に迅速に対応することなどになります。また、新たに国土交通省と文部科学省との間で局長級の連絡会議を立ち上げることといたしました。本会議におきましては、部活動に限らず学校教育などに関する移動の安全確保に向けまして情報共有や意見交換をし、対策の実効性を向上させるための検討を行ってまいります。文部科学省としては、こうした取組を通じまして部活動に係る移動も含め、学校外における児童生徒の移動の安全確保に取り組んでまいります。
 続きまして、3件目であります。国民のスポーツを観る機会について心配の声をいただいたことを踏まえまして、先月、冬季オリンピック競技大会及びWBCの主催者に対しまして、我が国の国民がスポーツを見る機会を確保するよう配慮を求める書簡を文部科学大臣名で発出したところであります。今回、両者から返信が参りました。国際オリンピック委員会(IOC)からは、広範な視聴者に届けることがIOCの責務であるとして強く賛同する内容でありました。WBCに関しましては、問題意識を共有いたしまして今後の大会運営において日本の考えを念頭に置きたいという内容でありました。今回の書簡を通じまして、両機関に見る機会の確保の重要性が理解されたものと認識をしております。今後も国内のスポーツ団体等と連携をいたしまして、国際競技団体等とのコミュニケーションを継続してまいります。加えて、既に発表しておりますとおり、明日20日、スポーツ庁と総務省が共同をいたしまして、「スポーツを観る機会の確保及びスポーツ放映に関する検討会」の初会合を開催いたします。今回の国際競技団体等からの返信を含めまして、スポーツ放送に関する現状や海外情勢、関連制度、法令などにつきまして有識者に御議論をいただき、論点を整理していくこととしているところであります。こうした検討も通じまして、文部科学省としては引き続きスポーツの振興に取り組んでまいります。私からは以上となります。
 
記者)
 2026年度から部活動の改革実行期間に入って、文科省としても活動費の補助や生活困窮世帯への支援に取り組んでいますが、先日記者会見をしたNPO法人キッズドアの調べでは、部活動が地域展開したことで負担が増えたと感じる保護者が8割の割合でいるということが指摘されました。活動費だけでなくて送迎に関してもすごく負担があって、送迎を前提としない制度を求めるという声もありました。文科省による現在の支援策が十分かどうか、移動の安全面を含めて地域展開に課題があるとすればどのように対応していくかお考えを教えてください。
 
大臣)
 部活動の地域展開等についてでありますが、令和7年度補正予算及び令和8年度の当初予算におきまして、対前年度比で2倍以上となります合計139億円を計上していところであります。この予算の中で新たな補助金を創設し、指導者への謝金をはじめとする地域クラブ活動の活動費等の支援、経済的困窮世帯の生徒への参加費等の支援などを実施しているところであります。また、保護者による経済的負担が過度なものとならないようにすることが重要と考えておりまして、地域クラブの参加費のイメージを示すとともに、地域クラブ活動に関する認定要件の一つといたしまして可能な限り低廉な参加費等を設定するように定めているところであります。今後とも必要な予算をしっかりと確保をいたしまして、部活動の地域展開について継続的な支援などを行ってまいりたいと考えておりますし、また移動のお話等もいただいたところでありますけれども、こうした制度というものが本格展開をされる中でそれぞれの課題というものも我々としてもしっかりと連携をし、把握をしながらより子供たちのスポーツ、文化活動、部活動、こうしたものに触れる機会をしっかりと確保していくことができるように取組を進めてまいりたい、そのように思っております。
 
記者)
 5月16日に東京大学の学園祭5月祭で参政党の神谷代表の講演を巡り爆破予告があり、全ての企画が中止になりました。学生にとって貴重な機会が奪われたことにもなり、また言論の自由を脅かす事案とも受け止められています。この事案についての大臣の受け止め、見解を教えてください。
 
大臣)
 まず、いかなる理由があろうとも爆破予告などの脅迫行為によりまして大学における学生の自由な活動や安全が脅かされること、これは決してあってはならないことであると考えております。今回、学生にとって貴重な機会であります学園祭という場が脅迫行為によって16日午後の全企画が中止せざるを得ない事態となってしまい、楽しみにしていた学生や来場を予定していた皆さんのお気持ちを思うと私といたしましても大変残念に感じていたところであります。なお、大学の学園祭などにおける個別の催しの実施でありますとか安全対策につきましては、各大学において適切に判断すべき事柄であります。各大学において警察などの関係機関とも連携をしつつ、十分な安全管理に努めていただきたいと思っておりますし、文部科学省としても必要な助言を行ってまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 公式確認から70年となった水俣病についての教科書の記述の関係でお伺いしたいと思います。中学校の社会科の教科書では、この水俣病に関して公害を乗り越えたとか公害問題を克服したといった表現がされています。患者団体、被害者の団体からはまるで問題が終わったことのようで被害が矮小化されているという指摘がなされています。過去には安倍晋三元首相も水俣病の被害について克服したという発言をされ、国会でも指摘がされてきたところです。教科書という全国の子供たちが目にするものについて、当事者からこういった指摘がなされていることについて教科書の最終決定権者である文科大臣としての所感をお聞かせください。また、この事案については去年、患者団体のほうから文科省に既に要望がなされていることと思います。ただ、文科省としては、これらは欠陥ではないということで教科書会社に対して指導はできないというお立場を示されているようですけれども、教科書会社は国の資料に基づいてこういった記述をしたことが取材で分かっています。国はこの水俣病の被害を拡大させてきた加害者側でもあると思いますし、国の資料にこうやって大きく記述して教科書を作ること自体が加害者側に加担しているのではないかと有識者は指摘をしています。まだ被害を訴えている方が多くいらっしゃる中で、この問題を教科書でどう伝えていくべきなのか、そしてそのためにはどんな工夫をしなければならないと考えるのか、大臣としてのお考えをお聞かせください。
 
大臣)
 子供たちが水俣病などの公害について正しく理解をできるようにしていくということは大変重要であると考えております。現行の学習指導要領の小中学校の社会科におきましては、公害から国土の環境や国民の生活、国民の健康な生活を守ることの大切さでありますとか、公害の防止など環境の保全についての意義などについて理解をすることとされているところであります。教科書については、学習指導要領を踏まえ、どのように記述するかは民間の発行者の判断に委ねられております。これを前提といたしまして、教科書検定は検定基準に基づき、その時点における客観的な学問的成果や適切な資料などに照らして実施をされておりまして、水俣病につきましてはほぼ全ての社会の教科書において記載をされておりますが、御指摘の記述については欠陥とまでは判断されなかったということであります。他方で、記述として例えば現在も解決に至っておらず問題が残っていることが記載をされているもの、亡くなられた方を含む認定患者数を掲載しているもの、水俣病にかかるこれまでの経緯や環境改善に向けた取組を題材として取り上げているものなどもあるところであります。文部科学省としては、水俣病を含む公害につきまして正しい知識を伝えていくことは重要というふうに認識をしております。教科書に加えまして様々な教材も活用しながら、被害の実態も含めまして水俣病の現状について適切な指導がなされるよう取り組んでまいります。現在、環境省におきましてもこの水俣病の理解に関して、正しい理解に向けた新たな教材の作成もされているというふうに承知をしているところでもありまして、こうした教材などもしっかりと活用をしながら適切な指導というものが行われるようにしてまいりたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 ただ、当事者からそういう一部の教科書についてやはりそういった配慮がない表現がされていると指摘されたことについては、大臣としてはどう思われますか。
 
大臣)
 教科書検定に関しましては、専門家、有識者の方たちが客観的な学問的成果や適切な資料などに照らして実施をしていただいているということで考えているところであります。また、同時にその根拠となるもの、いわゆる客観的な、学問的な成果や適切な資料というものは一体何なのかということに関しましては、関係省庁をはじめとした、そうしたところで様々な整理がなされたものを使っているというふうに承知をしているところであります。そういう意味におきましては、そうした様々な客観的な事実というものにしっかりと基づいて我々としては教科書検定を行っていかなければいけないと考えているところでもありますし、またそうした事実につきましてはしっかりとそれぞれの担当省庁等において議論がなされていく、検討がなされていくことが望ましい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 冒頭発言にあったリジェネロン国際学生科学技術フェアに関連してお伺いします。改めまして、今回、68回目にして初めて日本人が最高賞を取ったことへの所感と、次世代の科学技術人材の育成や確保に向けた今後の取組について、具体策も含めてお伺いできたらと思います。
 
大臣)
 今回のISEFでは、日本から29名・19件の研究が出場をいたしました。最高賞を受賞いたしました栗林さんの他にも9名、7件の研究が優秀賞に選ばれたということでありまして、日本の高校生らの研究内容のレベルの高さでありますとか発想の豊かさ、改めて国際的に認められたものと考えているところであります。文部科学省では、「スーパーサイエンスハイスクール支援事業」に加えまして、これまでも理数系に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を対象にいたしました「STELLAプログラム」やISEFも含めた科学コンテストに関する支援を積極的に行っているところであります。我が国の科学技術・イノベーションを支える中核的基盤は優れた「科学技術人材」でありまして、現在、今後の方向性に関する議論を進めているところであります。来月取りまとめ予定の審議会報告等を踏まえまして、引き続き次世代の科学技術人材の育成に向けた幅広い取組を積極的に推進してまいりたい、そのように考えているところであります。いずれにいたしましても、我が国の学生、生徒がこうした世界で最高峰の賞を受賞され、そしてその他の皆さんにおかれましても大変素晴らしい成績を残されたということは大変喜ばしいことであるのと同時に、これを一つのきっかけにいたしましてさらにこれら若い才能をしっかりと伸ばしてことができるようにしていくために我が国としてどういう支援をしていくことができるのかということはこれからも不断の見直しをしながら進めてまいりたいと思っておりますし、また同時に多くのそうした子供たちがそうした成果というものを共有することによって全体的な底上げもしっかりと図っていくようにしていくということが大変大切なことだと思っておりますので、そうした取組というものもぜひ進めていくことが大事ではないかと私としては大変強く感じているところであります。
 
記者)
 磐越道のバス事故について伺います。TBSを含めたJNNの調査で47都道府県のうち10都府県が部活動での移動手段に関して個別のルールを設けていないということが判明しました。設けているところについても内容はバラバラで、一定の統一的なものが必要ではないかという有識者の声がありました。冒頭発言で通知を出されるということでしたけれども、この問題意識の背景にはやはりこういう一定の本質的なルールが必要だという思いがあったのかということを確認させてください。あと、通知を発出されるということですけれども、いつ発出されるのかということも合わせて教えてください。あと、国交省と連携されるということですけれども、具体的に局長級会議というのはどれぐらいの頻度でいつから始まるものなのかということと、あと実態把握と再発防止に向けてというのが二つの大きな柱となると思うのですけれども、役割分担がそれぞれの省であれば教えてください。
 
大臣)
 部活動における生徒の移動にあたりましては、安全の確保が最優先であることは言うまでもありません。その上で、各地域の公共交通の状況などの多様な実態に応じまして独自のルールを定めている都道府県教育委員会があるというふうに承知をしているところであります。他方、都道府県教育委員会において個別にルールを設けているかどうかによらず、部活動を含む移動の事故防止などに万全の措置を期すことが必要であります。その徹底を測るためにも、冒頭発言でも申し上げたとおり、本日、一般的な留意点を示す、そうした通知を発出するということであります。そういう意味では、ぜひこの通知というものを各都道府県教委、また私学の設置者、そして所轄の庁の皆さん、そうした方たちにもこの通知というものをしっかりと見ていただき、重く見ていただいてそれに沿った対応というものをぜひお願いをしたいというふうに考えているところであります。また、新たに国土交通省と文部科学省との間で局長級の連絡会議を立ち上げることとしたところでありますが、本会議におきましては部活動に限らず、学校教育などに関する移動の安全確保に向けまして情報共有や意見交換をいたしまして、相互に学校関係者、バス事業者、レンタカー事業者などの視点を踏まえました対策の実効性向上のための検討を行っていくということにしているところであります。文部科学省としては、こうした取組を通じまして部活動に係る移動も含めまして学校外における児童生徒の移動の安全確保に取り組んでまいります。また、連絡会議についてでありますけれども、第1回目は5月21日の開催を予定しております。また、議論の結果を踏まえまして6月末ごろを目途にいたしまして安全対策の取りまとめを行うことを予定をしておりまして、国交省とも一体となってこうした学校教育における移動の安全確保の対策を検討してまいりたい、そのように考えております。
 
(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室