松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年4月10日)

令和8年4月10日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

理化学研究所への視察,テレビドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」とのタイアップ,東京大学の「ガバナンス改革」に関する所感と国際卓越研究大学制度の審査過程における「ガバナンス改革」の実効性の評価,スポーツ実施による心身の健康改善に関する経済効果の試算結果への所感と文科省としての運動・スポーツ実施を推進する企業への支援の意義,デュアルユース研究に対する文科省のスタンスと大学や研究機関でのデュアルユース研究促進の意向,研究者が防衛省の研究に参加する上での心理的障壁の払拭や理解増進に向けた文科省の役割およびアカデミアと防衛研究が近接化しているとの指摘に対する見解,倒木事故を受けた学校内の樹木の点検等に関する一斉注意喚起実施の意向,H3ロケットの打上げ失敗に伴う原因究明の状況および打上げ再開の見通し

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年4月10日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年4月10日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年4月10日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは2件であります。まず1件目、4月8日水曜日、一昨日になりますけれども、理化学研究所和光地区を訪問いたしました。量子コンピューターの研究開発・利活用促進に向けた取組でありますとか、独創的な研究現場の取組、こうしたものを視察してきたところであります。今回の視察を通じまして、理化学研究所では世界最先端の研究をつなぎ合わせ、1+1が5にも10にもなるような、そうした相乗効果を生み出しているということを実感してまいったところであります。また、AI for Science時代に必要なデータの在り方や研究セキュリティ確保に関する取組などについてもお話をお伺いいたしまして、大変有意義な示唆を得ることができたところであります。今回の視察を通じて得られました知見を踏まえまして、文部科学省といたしましては引き続き我が国の強い経済の実現につながる科学技術の振興、研究支援に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
 続きまして、2件目になります。4月13日から専門高校を舞台にいたしました教師と高校生が大きな夢に挑戦する姿を描いたテレビドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」の放送が開始されることを受けまして、この度、テレビドラマとタイアップをいたしましたポスターを作成いたしました。それはこちらのほうにあるとおりであります。このポスターは、登場人物たちが宇宙規模の夢に一丸となって挑むストーリーに合わせまして、一番下に書いてありますけれども、「『夢』が『夢』で終わらない場所。それが専門高校」というキャッチコピーを加えたものであります。高校改革におきまして、今回の舞台となる水産高校をはじめとする専門高校の役割はますます重要となっているところであります。このテレビドラマを通じて専門高校における学びの魅力を感じてほしい、そうした思いを込めさせていただきました。このポスターを全国の中学校や義務教育学校に配布をいたしまして、進路選択期にあります中学生やその保護者をはじめ、幅広い層に対しても専門高校の魅力を伝えてまいりたい、そのように考えているところであります。マスコミの皆様方におかれましても、積極的に取り上げていただければと思いますのでよろしくお願いをいたします。私からの冒頭発言は以上となります。
 
記者)
 不祥事が相次いだ東京大学についてお伺いします。東京大学が8日に公表したガバナンス改革案について、まず大臣の受け止めを伺います。また、改革案は実効性が伴うかどうかというところが課題になっています。国際卓越研究大学の審査に向けて、文科省としてはどのように実効性を判断するのか、大臣のお考えをお伺いします。
 
大臣)
 東京大学における一連の不祥事に関しまして、総長による記者会見が行われました。その中で、組織の危機意識の欠如と組織の縦割り、閉鎖的風土などの課題に対しまして、リスク管理体制の強化、三線防衛の導入及び医学部附属病院の抜本的改革などのガバナンス改革を進めていくことの説明がなされたと承知をしているところであります。文部科学省といたしましては、東京大学におきまして単に大学病院に限らずに、やはり全学的に実効性のある再発防止策、これの具体化を進めることが信頼回復を図る上で大変重要であると考えているところであります。また、部局縦割り構造の改革は不祥事の防止だけではなくて若手を中心とした分野を超えた知的価値の創出の上でも重要であると考えておりまして、引き続き改革の進捗状況を注視いたしまして必要な指導・助言を行ってまいりたい、そのように考えております。なお、国際卓越研究大学の認定等に係る有識者会議におきましては、東京大学は継続審査とされておりまして、法人としてのガバナンスなどが確認事項として挙げられていると承知をしております。このため、今回の発表内容に加えましてガバナンス改革の進捗につきましても有識者会議におきまして継続的に説明を聴取いただきまして、そして御議論をいただきたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 昨日行われた日本成長戦略会議人材育成分科会の中で、政府のスポーツ庁のほうからお話があり、その中で運動やスポーツを実施した場合に心や体の健康改善が生み出す経済効果の数字として12兆円を超える1年当たりの経済効果があるということが示されました。その上で、説明の中で今後の成長戦略に向けて求められる国の施策として従業員の運動やスポーツを促進する企業を支援することを検討していますというお話がありました。これについての大臣が受け止めと、こうした支援をしていくことを検討しているということについての意義についてお考えを教えてください。
 
大臣)
 昨日の会議におけるスポーツ分野の検討状況の報告、この中でスポーツの実施による心身の健康改善の経済効果が年間約12.6兆円ということが筑波大学の久野教授による試算結果としてお示しをしたところであります。少子高齢化が進展する中で、我が国の経済成長に向けて全ての人が元気で働ける状態を維持していくためにも運動、スポーツを活用して心身の健康の保持・増進の基盤の構築を図ることは非常に重要であると考えているところであります。そのため、文部科学省といたしましては企業による運動・スポーツの取組の支援も含めまして、スポーツを通じて心身の健康増進を図るための基盤構築を官民一体となって進めることについて、引き続き人材育成分科会において検討を進めてまいりたいと思っておりますが、やはりこうした問題意識を政府だけではなくてやはり民間の皆さん、そして広く国民の皆さんに理解をしてもらうということ、そしてそれに対する取組というものをやはり一体となって進めていただくということが極めて重要なことだと思っておりますので、そうした観点というものもしっかりと踏まえながら企業の皆さん、民間の皆さん、そして国民の皆さんにも御協力をいただいてこうした取組というものを進めていくことができればと思っております。
 
記者)
 この12兆円という数字を見て、大臣は率直な感想はいかがですか。
 
大臣)
 大変大きな数字だと思っております。逆に言えば、やはりそうしたスポーツを通じて健康を維持するということがそれだけ我が国の経済にとっても大きなインパクトがあるだけではなくて、逆に言えばそれだけ一人一人の個人の可能性であったり機会であったり、様々なものが失われているということの数字でもあるのかなというふうに思いながらこの12兆円という数字というものを拝見させていただいたところであります。そういう意味では、単なる経済効果だけの話ではなくてやはり一人一人の国民の皆さんが健康を維持することによってそれだけの果実を受け取ることができるということでもあろうかと思いますので、そうした観点でやはり国民の皆さんにも理解をしていただくということが大事ではないか、そんなことを大変強く数字を見て思いました。
 
記者)
 第7期科学技術・イノベーション基本計画で初明記されましたデュアルユース研究や安全保障研究について伺います。政府の役割として、デュアルユースを含む先端技術を戦略的に推進し、産官学連携を進化させるとあります。文部科学省としても、デュアルユース研究を促進する立場という理解で良いでしょうか。所管する大学や研究機関についても研究を促していくのか教えてください。また、基本計画では防衛省の基礎研究等に研究者が躊躇なく参画できるよう、関係府省庁が協力して周知、理解増進に取り組むとあります。この周知、理解増進についても文科省の役割を教えてください。こうした政府の動きに対して、3月には研究者らの団体が会見を開くなど、学術や大学と防衛研究の近接化を懸念する声も改めて上がっています。こうした懸念について、文科省としてもどのように答えるのかということについても教えてください。
 
大臣)
 大学における研究の在り方につきましては、各大学の責任において自主的・自律的に判断されるべきものというふうに認識をしております。また、先端科学技術には用途の多様性ないし両義性の問題が常に内在をしているところでもありまして、日本学術会議におきましてもいわゆるデュアルユース技術とそうでないもの、これに単純に二分化することは困難であるというふうな見解が示されているというふうに承知をしているところであります。文部科学省としては、広く大学や研究機関の理解と参画を得た上で先端科学技術に関する研究開発を進めるとともに、国民の安全、安心の確保を含め、様々な分野で成果が活用されるよう努めてまいりたい、そのように考えているところであります。
 
記者)
 学校の安全管理に関して1点伺います。ここ1~2週間の間に桜をはじめとした木が倒木するというのが相次いでいて、各学校にも敷地内に桜等を植えられていると思います。4年ぐらい前に一部が折れて校長先生が亡くなるという案件があったと聞いていますけれども、子供の安全配慮の観点から起きてしまったら遅いと思うので、文科省として今考えていることがあれば教えてください。
 
大臣)
 おっしゃるとおりで、老齢化等によりまして事故発生リスクの高い学校敷地内の樹木につきまして、まずは学校設置者等においても点検すべき対象の把握でありますとか適切な安全点検を行うことが大変重要と考えております。文部科学省として、今、御指摘ありましたけれども、令和4年に実際にそうした事故で人がお亡くなりになるという、そういう痛ましいことがあったわけでありますけれども、過去に発生した倒木による事故を受けまして全国の学校設置者に対しまして安全点検や対策の留意事項についての周知をこれまでも行っているところであります。また、毎年になりますけれども、文部科学省が開催をいたします学校施設担当者を対象といたしました講習などを通じまして、倒木事故も含めた注意喚起を行うとともに、適切な安全点検を求めているところであります。こうした毎年行っております講習会等を通じていろいろと周知を図っているところでもありまして、これらに応じてまずはしっかりと学校設置者におきまして、ぜひ樹木の管理、そしてその状況の把握というものを進めていただきたい、そのように考えております。
 
記者)
 H3ロケットの関係でお伺いします。現在、打上げ失敗によって原因究明が続いておりますが、6月にも30形態試験機を打上げる旨、一部報道が出ています。打上げの再開計画について目途などを教えてください。
 
大臣)
 H3ロケットの30形態試験機の打ち上げについてでありますけれども、6月に実施するということが決まった事実というものはございません。一方で、30形態試験機につきましては先月実施をいたしました第1段エンジンの燃焼試験では良好な結果が得られたとの報告を受けているところであります。引き続き早急な原因究明と対策検討に努めてまいりたいと思いますし、また同時に早期の打上げ再開に向けまして今、関係者に全力を尽くしてやっていただいておりますので、我々といたしましても打上げ再開、一日も早くできるようにしっかりと進めてまいりたい、そのように考えております。
 
(了)

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