松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年4月7日)

令和8年4月7日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

学校教育法等の一部を改正する法律案の閣議決定および紙とデジタルそれぞれの良さを活かした教科書づくり、学校における校外活動の安全確保の徹底等に関する通知の発出と発出時期の根拠、第67回科学技術週間の開始と令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者の決定、デジタル形式の教科書の活用への期待と課題および今後の有識者会議での議論の方針、NPO法人による吃音に関する教職員向けの研修教材の作成状況に関する調査への認識、東京大学によるガバナンス改革の全体像に関する記者会見への期待と信頼回復に向けた対応の重要性

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年4月7日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年4月7日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年4月7日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは3件であります。先ほどの閣議におきまして、「学校教育法等の一部を改正する法律案」が閣議決定をされました。本法律案は、児童生徒1人1人の能力を最大限に伸ばすため、教科書の内容をより分かりやすくし、学びの充実を図る観点から、紙に加えてデジタルの形態も取り入れた教科書の作成を可能とするものであります。文部科学省はこれまでGIGAスクール構想による1人1台端末の整備などを通じ、従来の紙を中心とした学習環境を基本としつつ、デジタルの特性が活きる場面での活用を進めてきたところであります。本法律案もこの考え方に基づくものでありまして、紙の教科書を一律に全てデジタルな形式の教科書に切り替えていくという考えは持っておりません。重要なのは、教科書の内容をより分かりやすくし、学習意欲を高めることであります。紙とデジタルそれぞれの良さを生かした教科書づくりができるようにしたい、このように考えております。今後、法律案は国会で御議論をいただくこととなりますが、昨年9月の中教審の審議まとめを踏まえまして、デジタルな形態を含む教科書の使用や発行などに関する国の基本的な考え方を示すため、「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議」を設置し、今週10日金曜日にも第1回の開議を開催する予定であります。秋ごろまでに取りまとめをいただき、大臣指針として策定をしていきたい、そのように考えております。今後、国会審議や検討会議における議論を通じまして、本制度改正の趣旨や必要性を丁寧に説明いたしまして、速やかな成立を目指してまいります。
 続きまして、2件目であります。本日、学校における校外活動の安全確保の徹底などにつきまして、全国の教育委員会や私学担当部局等に対しまして通知の発出を行います。今回の通知は、3月の同志社国際高等学校における研修旅行中の重大な事故の発生を受けまして、新年度に当たり、今回のような痛ましい事故が二度と発生することがないように、改めて安全の確保のために配慮すべき点や、教育活動として適切に計画・実施する際に留意いただきたい点等を通知するものであります。また、学校の設置者や私立学校の所轄庁であります都道府県に対しましても、学校へ必要な指導・助言等を行うことを求めるものであります。同志社国際高等学校の事案の詳細についての確認につきましては、所轄庁である京都府を通じまして今後とも継続して進めてまいりますが、全国の学校における校外活動の安全確保等の徹底のため、文部科学省として本日通知を発出いたします。
 続きまして、3件目になります。第67回科学技術週間を来週4月13日の月曜日から19日日曜日にかけて実施をいたします。キャッチフレーズは「科学を楽しむ7日間」となっております。文部科学省では、科学技術週間に合わせまして学習資料「一家に1枚」、これを制作いたしまして全国の小中学校、高等学校、大学、科学館、図書館等に配付をしております。22枚目となります今年のテーマは「身近な現象から知る地球 自然と生きる列島」であります。特設ウェブサイトや動画を公開しておりますので、ぜひご覧をいただきたいと思いますし、またこれはダウンロードもできるようになっていますので、御家庭なんかでもぜひ見ていただければと思っております。また、科学技術分野の文部科学大臣表彰につきましては、本年度の受賞者749名を決定いたしまして、4月15日水曜日に表彰式を行うことといたしております。全国の大学や研究機関、科学館等でも多数の科学技術週間関連イベントが開催される予定となっております。科学技術週間を通して多くの国民の皆様が科学技術に触れ、そして興味を持っていただければ、そのように期待をしたいと思います。よろしくお願いをいたします。私から、冒頭発言は以上であります。
 
記者)
 閣議決定されました学校教育法改正案の関係で伺います。まず、正式な教科書にデジタルを含めることへの期待と課題について、大臣の見解をお伺いします。また、冒頭御説明のありました検討会議についてなのですが、教科書づくりや採択の参考となる指針にするため、どのように議論を進めようとしているのかお伺いします。
 
大臣)
 本法律案を国会でお認めをいただければ、教科書にデジタルの良さを取り入れ、例えば語学学習や実験などの手順を繰り返し確認できるなど、学習効果を高めたり、また現在は教材扱いであります二次元コード先の動画等を検討対象(注)とすることで質の保証も図ることができる、そのように考えているところであります。一方、教師へのアンケート結果によりますと、効果的な活用方法についての情報の不足に課題感を持つ教師が一定数存在をいたしております。これまで、複数教科での授業実践や教師向け研修の事例を創出いたしまして、その横展開を図ってきたところであります。なお、検討会議につきましては今週10日金曜日にも第1回の会議を開催する予定でありまして、秋頃までに取りまとめをいただいた上で大臣指針として策定をしていきたいと考えております。例えば、検討会議では児童生徒の発達段階や教科特性に照らした教科書の形態の在り方でありますとか、紙またはデジタルがそれぞれ効果的な学習場面、児童生徒の視力など健康への影響などについて御議論いただくことを現在考えておりますけれども、この点に関しましてはこれから様々な国会での審議等々も通じていろいろな御意見がお寄せいただくと思いますので、そうしたことも含めてこの内容について、論点についても今後しっかり検討してまいりたい、そのように考えているところであります。
(注)「検討対象」は、正しくは「検定対象」です
 
記者)
 冒頭発言にありました校外学習に関しての通知についてお伺いしたいのですけれども、大臣のほうから、新年度ということも、新学期が始まるにあたってというお話もあったのですけれども、事故自体はおよそ3週間前、3月16日に発生しておりまして、生徒が亡くなるということはあってはならないということですぐに通知を出すことも、校外学習の安全確保という内容であればできたかなと思うのですけれども、このタイミングになったということの改めての理由と、あとはこれまでの会見でも何度か質問あり、そのときに大臣としては京都府を通じて情報を集めているということで、今も多分それに続いていると思うのですけれども、その最中の中で通知を出すということについても、理由のほうもお願いします。
 
大臣)
 文部科学省におきましては、事故発生以来、所轄庁である京都府と連携をしながら事案の確認を進めてきているところであります。現在も(注)至るまでも断続的にやり取りをいたしておりまして、詳細につきましては確認、精査中ということであります。一方で、今回の事案については、これまでの段階におきましても、例えば安全確保に向けた取組の不備でありますとか事前の下見等の欠如、保護者への説明の不足、引率体制の不備などについて把握をしてきているところであります。このため、これまで把握した状況を踏まえつつ、学校が新学期を迎えるこのタイミングで全国の学校における校外活動の安全確保等を徹底するため、本日、通知を発出することとさせていただいたということであります。
(注)「現在も」は、正しくは「現在に」です。
 
記者)
 東京大学の一連の不祥事に関する質問なのですけれども、先日、東京大学の第三者委員会、弁護士の方が、第三者委員会が会見を開きまして、その中で今回の一連の動きの中で危機意識の不足ですとか説明責任がもうちょっとできたのではないかみたいな指摘がありました。それを受けて、明日、東京大学のほうでも総長が会見することになっておりますけれども、大臣として注目される点、もしくはこれから信頼回復をする意味において大切だとお考えの点を教えてください。
 
大臣)
 今般の外部弁護士による「プロセス検証委員会」の報告におきましては、不適切な対応を招いた原因といたしまして、大学本部における危機意識の不足、部局などの組織が縦割りで部局・研究室・教員における相互に干渉しない全学的な風土があったこと、大学運営上のプロセスを軽視する姿勢などが厳しく指摘をされているというふうに承知をしております。ガバナンス改革に向けた具体的な提言がなされているということもあわせて承知をしているところであります。この報告内容を踏まえまして、東京大学におきましては、ガバナンス改革の全体像の策定を現在進めておりまして、近日中に公表をするということで聞いているところであります。文部科学省としては、東京大学において一連の不祥事に関しまして、事案が生じた原因、背景などの把握を踏まえて、単に大学病院に限ることなく、全学的に実効性のある再発防止策の具体化を進めるということ、これが信頼回復を図る上で重要であるというふうに考えているところであります。また、東京大学の部局縦割り構造の改革は単なる不祥事の防止だけではなくて、若手を中心とした分野を越えた知的価値の創出の上でも重要であるというふうに考えているところでありまして、改革策にしっかりとこうしたことが盛り込まれることを期待しております。部局立割りのガバナンス構造からの脱却など、東京大学の改革について思い切った取組が行われるよう、引き続き必要な指導・助言を行ってまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 吃音に関する教職員向けの研修について伺います。吃音を持つ当事者で作る団体は先日、教職員向けの吃音に関する研修コンテンツを独自に作成している都道府県が8県にとどまるとした調査結果を公表しました。調査では、吃音について教職員が理解する機会や内容に差があることが明らかになりました。このことについて、大臣の受け止めを教えてください。また、全教職員に向けて吃音の検証をすることの重要性について、大臣の認識を教えてください。
 
大臣)
 御指摘の調査結果につきましては、文部科学省としても承知をしているところではありますけれども、まずは本調査の結果について我々としてもしっかりと精査をさせていただきたい、そのように考えております。文部科学省におきましては、教職員の吃音に関する専門性向上に向けまして、令和3年6月に公表をいたしました「障害のある子どもの教育支援の手引き」の中におきまして、吃音の状態や特性、吃音に悩む子どもに対する指導のポイントについて取りまとめをいたしましてお示しをしているところであります。また、国立特別支援教育総合研究所におきまして、吃音の特性や吃音のある児童生徒への指導、支援等に関するオンライン学習動画を公開するとともに、言語障害教育を担当する者に対する指導者養成研修に際しましても、吃音について取り扱いを行っているところであります。文部科学省としては、これらの手引きや学習動画などを活用いただきながら研修などを通じて教職員が吃音に関する理解を深める、そして適切な指導・支援を行っていただきたい、そのように考えているところであります。引き続き教職員の吃音に関する理解促進、これに努めてまいりたい、そのように考えております。
 
(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室