松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年4月3日)

令和8年4月3日(金曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

高校就学支援金法および義務標準法の改正法の成立、第6次国立大学法人等施設整備5か年計画の策定、第11回日仏科学技術協力合同委員会への出席、「AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針」の策定と公募事業の開始、高校就学支援金法の附帯決議における今後の検証・検討に関する方針、有人月周回飛行を目指すロケット「オリオン」の打上げへの期待と月周回有人拠点「ゲートウェイ」の計画一時休止による我が国の宇宙飛行士の滞在予定への影響、武雄アジア大学における令和8年度入学予定者の未充足状況、沖縄・辺野古沖での船の転覆・死亡事故に関する京都府への調査要請の内容および目的や訪問先の「適切性」の調査・照会の状況、平和教育に関する文部科学省の指導監督の状況および「偏った取扱い」への該当性

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年4月3日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年4月3日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年4月3日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは4件であります。まず1件目、今回、今国会に提出をしておりました「高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案」、そして「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案」、この二つの法案が先月31日の参議院本会議において可決をされまして成立をいたしました。改正就学支援金法につきましては、関係政令等の改正を併せて行い、高等学校等就学支援金制度について所得制限の撤廃や国籍・在留資格等の要件の導入といった受給資格の見直し、支給上限額の引き上げなどを行うものであります。また、改正義務標準法は約40年ぶりに中学校の学級編制の引き下げや養護教諭、事務職員の教職員定数の標準を改正するなどの措置を講ずるものであります。法律の成立を受けまして、教育委員会などに対しまして法律の施行に関する留意事項などについて通知を発出しております。法律の円滑な施行に向けまして、国会審議などを通じていただいた御指摘も踏まえつつ、法律の趣旨や内容をしっかり周知をしてまいりたい、そのように考えております。
 続きまして、2件目となります、3月27日に閣議決定をされました「第7期科学技術・イノベーション基本計画」を受けまして、令和8年度からスタートする「第6次国立大学法人等施設整備5か年計画」を3月31日に策定をいたしましたのでお知らせをいたします。本計画では、目指す方向性といたしまして産官学の競争拠点、いわゆる「イノベーション・コモンズ」の実装化と地域の防災拠点の実現を掲げているところであります。具体的な整備内容といたしましては、最重要課題である老朽施設の戦略的リノベーションなどに取り組むこととしておりまして、5年間の整備目標は820万㎡、所要額約1兆4,500億円としているところであります。本計画に基づきまして、国立大学法人等のキャンパスの質と魅力の向上に取り組んでまいります。
 続きまして、3件目であります。3月31日、第11回日仏科学技術協力合同委員会が開催をされました。このハイレベルセッションにフランスのマクロン大統領と共に来日をされましたバティスト高等教育・研究・宇宙大臣、小野田科学技術政策担当大臣と共に私も出席をいたしたところであります。今般の合同委員会におきましては、日仏両国の関係府省・機関から多くの関係者が出席をいたしまして、AI、量子、宇宙、原子力、フュージョンなど、日仏両国において関心の高い分野における今後の協力や研究者交流、共同研究の活性化に向けた議論などが行われたところであります。文部科学省としては、今回の議論を踏まえ、フランスとの科学技術協力を引き続き推進をしてまいります。
 最後、4件目となります。3月31日付で「AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針」を策定いたしましたので御報告いたします。AIと科学の融合によります研究開発手法の転換が進んでおります。これを受けまして、本戦略方針では今後5年間を集中改革期間とし、戦略的な国際連携などによる世界を先導する研究開発、新たなチャレンジとAI for Science の波及・進行、そしてこれらを支える次世代情報基盤の構築、AIを高度に利活用できる研究人材の育成などを関係省庁などと連携をして推進をし、我が国の研究開発現場を大きく変革してまいります。また、本戦略方針の具体的な取組として2つの公募事業を開始いたします。まず、あらゆる分野でAIを活用した研究を加速するため、全国で1,000のAI for Science プロジェクトにチャレンジをいたします「AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業」、SPReAD1,000と申しますけれども、の第一回公募を4月17日に開始する予定であります。また、「AI for Science革新的研究推進事業(ARiSE)」につきましては、準備が整い次第、速やかに公募を開始する予定であります。今後も国際潮流なども踏まえつつ、AI for Scienceの推進に向け産学官で連携し全力で進めてまいりたい、そのように考えております。私からは以上となります。
 
記者)
 高校就学支援金法について1問お伺いします。今回、附帯決議で速やかに検証委員会等の運用を策定し、制度の影響について3年以内に検証を検討して必要な措置を設けるよう求められています。検証のスケジュールについての現時点のお考えと、あと文科省としてどのように取り組んでいくのか、大臣としてのお考えをお願いします。
 
大臣)
 今、御指摘をいただいたとおり、新たな高等学校等就学支援金制度につきましてでありますが、法律の附則第5条において法律の施行後三年以内に検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということにさせていただいております。また、附帯決議の中でもこうした検証委員会等の枠組みということで御指摘をいただいている御決議をいただいたところでもありますし、また国会での審議の中でも大変多くの御指摘をいただいたところであります。まずは我々としてしっかりとそうしたことを重く受け止めてまいりたい、そのように考えております。文部科学省といたしましては、まずは法律の内容に関する周知でありますとか制度の適切な運用に万全を期していきたいと思います。そのためにも、保護者や生徒に対しての情報提供、これにも努めてまいりたい、そのように思います。その上で、検証の枠組みやスケジュールも含めて具体的には今後検討してまいりたい、今の段階ではそうした状況でありますが、ただ「検証の場」を設置してできる限り早く検証作業というものを進められるように、また検証をするにあたりましては現場の実施状況なども含めた様々なデータの収集というものも当然必要になっていくと思います。そうしたことも含めまして早く、できる限り早く進められるように取組を進めてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 アルテミス計画でお伺いします。日本時間の昨日、NASAが宇宙船「オリオン」を打ち上げ、アルテミス計画の一環である有人月周回に向けて出発しました。半世ぶりの挑戦となりますが、大臣の御所感をお聞かせください。また、計画に関連して先月、NASAは宇宙基地「ゲートウェイ」の建設について一時停止することも表明しています。「ゲートウェイ」には日本人宇宙飛行士の滞在も予定されていましたが、日本への影響についてはどのようにお考えでしょうか。
 
大臣)
 我が国も参画をいたします国際宇宙探査計画「アルテミス計画」の「アルテミスⅡ」ミッションとして米国国際宇宙局(NASA)が日本時間4月2日7時35分、有人月周回飛行を目指すロケットを打ち上げた、そのように承知をしているところであります。人類の月への有人ミッションは半世紀ぶりとなります。今回は、宇宙飛行士4名が約10日間をかけまして月を周回して帰還する予定と聞いているところであります。今後の月面着陸につながる重要な取組であるというふうに承知をしておりまして、まずは成功を心から期待しているところであります。また、先月下旬、NASAが月面基地の構築に注力する方針を示されました。その中で月周回有人拠点「ゲートウェイ計画」の一時休止を発表したというふうに認識をしているところであります。現時点では、本計画にかかる日米間の国際約束の変更はないものと承知をしておりますが、引き続き関係各極とも緊密に連携をいたしまして情報収集を進めてまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 今年4月に新たに開学する大学についてお伺いします。佐賀県にこの4月から新たに設置される武雄アジア大学について、第1期生の定員が140人のところ、実際に入学が見込まれているが学生は40人に満たないということが分かっていて、入学者数が定員の3割を下回ることが分かっています。大学の設置認可を出した文部科学省として受け止めをお願いします。そして、また今回、大学側の学生確保の見通しが甘かったという御認識があるのかなど、大臣の所感をお聞かせください。
 
大臣)
 武雄アジア大学におきまして、初年度入学予定者が未充足状況であることは報道で承知をしているところであります。まず、前提として設置認可審査の仕組みでありますけれども、大学から設置計画に基づきまして大学設置基準等への法令適合性や認可基準で求められる十分な学生確保を図ることができる見通しがあるかといった要件を満たすか否かで審査をしているところであります。大幅な定員未充足になっている現下の状況に関しては、設置計画に定めている定員を集めるという責任を大学として果たせなかったということでありまして、文部科学省としては大変遺憾に存じております。まずは、在学する学生などが安心して教育研究に取り組むことができること、これが前提となると考えております。その上で、設置計画の履行状況について我々としても調査を行った上で、必要に応じ入学者数の実績に応じた定員規模にするよう厳しく指導し、必要に応じて計画の見直しを求めてまいりたい、そのように考えております。また、仮に武雄アジア大学の収容定員未充足などにより収入が当初の設置計画を下回ったことを原因として経営悪化傾向となり、経営改善が必要な状態に陥った場合は、経営指導の対象法人として集中的にきめ細かな指導を実施してまいりたい、そのように考えております。
 
記者)
 沖縄県辺野古沖の同志社高校のボートが沈没した件で2点伺いたいのですけれども、1点目は大臣の率直な感想をお伺いしたくて、過去に同志社高校が修学旅行を実施した際のしおりにいわゆる基地に反対する団体からの文章を載せて子供に座り込みに参加してくださいと呼びかけるような内容を見せていたという問題があります。それについては大臣のほうで文科省として京都府を通じて調査に乗り出していると思うのですが、大臣としてまずこういうことが書かれているということに対して率直にどうお思いになるか、感想を伺いたいというのが1点目です。2点目が、いわゆる平和教育、辺野古に訪問するような平和教育というのは同志社国際高校だけではなくて他の私立高校でもいろいろ行われているようなのですけれども、大臣御自身として子供にとって適切な平和教育というのはどのように実施していったらいいというふうにお考えになるかお聞かせください。
 
大臣)
 今現在、所轄庁を通じて調査をしていただいているところでもありますので、個別のことに関しまして現時点において私から申し上げるのは、コメントは控えさせていただきたい、そのように考えております。その上で、当然、教育基本法というものがありまして、この規定の中に特定の見方や考え方に偏った取り扱いにより、生徒が主体的に考えたり判断することを妨げることのないよう留意することが必要である、教育基本法の規定に基づいてそうしたことをする旨、あらゆる機会を通じて周知徹底を図ってきたところであります。そういう意味では、こうした観点に基づいて現在調査を、所轄庁を通じて行っているところでありますので、まずはこの結果というものを我々としてはしっかりと見てまいりたい、そのように思っているところであります。また、平和学習ということに関しましては当然、我が国はこれまで平和国家としての歩みを進めてまいりましたし、憲法並びに教育基本法、そうしたところでもこうしたことがあるわけでありますから、そうしたものに基づいて子供たちにはしっかりと教育が行われること、それが望ましいというふうに私自身は思います。
 
記者)
 関連して、同じく辺野古沖の船の事故についてお尋ねします。ちょっと事実確認からお尋ねしたいのですけれども、報道で先日、同志社国際高校の研修旅行のチラシに辺野古移設反対団体からのお願いとして、抗議活動としての座り込みへの参加に協力するよう呼びかける文章が掲載されていたと、そのことを受けて文部科学省さんとしては京都府に対して調査を要請したというふうに報道がありました。これは、事実関係としてお間違いがないのでしょうか。要請されていたのでは、具体的にどんな内容を要請されたのか、その目的、意図と合わせて教えてください。まずこれが1点目です。2点目ですが、これまで文部科学省さんは平和学習について、各学校現場や教育委員会に任せ、国としては個別案件での指導監督を行ってこなかったという認識で、理解でよろしいでしょうか。また、大臣は今後、平和学習の在り方や指導監督の在り方を見直すお考えをお持ちでしょうか。もう1点、最後、先日3月24日の会見で大臣は先ほどもおっしゃったとおり、平和教育を含め、特定の見方や考え方に偏った取り扱いをして生徒が主体的に考え判断することを妨げることがないよう留意することが必要とおっしゃっておられました。京都府への調査で安全管理面を除いて、同志社国際高校の平和学習の目的や訪問先の適切性についても調査あるいは照会がされているのでしょうか。仮に不適切であると確認された場合、文科省さんとしては取り得る必要な措置、対応としては具体的にどのようなものがあるとお考えでしょうか。
 
大臣)
 これまでも申し上げてまいりましたけれども、文部科学省では事故発生以来、所轄庁である京都府と連携をしながら事案の確認、これを進めてきているところであります。具体的には、今般の研修旅行の実施内容や安全管理、適切な教育活動であったか否かなどについて確認を進めているということであります。次に、先ほども申し上げましたけれども、教育基本法等の規定に基づきまして特定の見方や考え方に偏った取り扱いにより生徒が主体的に考えたり判断することを妨げることがないよう留意することが必要である旨、あらゆる機会を通じて周知徹底を図ってきたところであります。その上で、御指摘の平和学習も含めまして個別の学校の指導内容に対しまして国として直接指導監督する仕組みにはなっておりません。法令や学習指導要領などを踏まえまして、学校設置者による適切な管理を行った上で、問題があればその都度設置者や所轄庁を通じて指導助言を行う、こうしたことになっているところであります。ですので、これを基本といたしまして現在、所轄庁の京都府を通じて事実関係の確認を行っているということであります。そして、不適切であった場合という話でありますけれども、現在、これも京都府を通じて確認中であります。そういう意味では、仮定の質問に対してのコメントはこの場では差し控えさせていただきたい、そのように考えております。
 
記者)
 今の関連なのですけれども、辺野古に限らず平和教育の関係で、要するに偏った取り扱いというのがすごく幅のある表現かなと思っています。今のお話だと、京都府からの報告を待っているということですけれども、ということは各設置者によって基準が違っても大丈夫ということなのか、あるいは文科省を、国として線引きがどこかにあって、これ以上は偏ったものになる、ならないというものがあるのか、あるとしたらどういうものがあるのかというのを教えてください。
 
大臣)
 先ほども申し上げましたとおり、文部科学省といたしましては教育基本法などに基づいたそうした教育というものを行って、そういう要するに特定の見方、考え方に偏った取り扱いがされない、そして生徒が主体的に考えたり判断することを妨げることがないように留意をすることが必要である旨、周知徹底を行ってきているところであります。ちょっと個別の内容に関しましては、コメントは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、政党の政策や主張に言及をする際には一つの政党についてのみ教えたり、またある政党の政策を支持ないし反対するよう教育を行ったりする場合や、活動の目的が政治的意義を持ち、その効果が政治に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉になるような行為である場合には、教育基本法第14条第2項の政治的活動に該当し得るものというふうに考えているところであります。こうした考えにつきましては、過去も通知等によってお示しをさせていただいていると承知をしております。今回の事案がこうしたことに該当するか否かも含めまして、どのような経緯や目的で今回の船に、乗船することになったかについては、現在、所轄庁である京都府を通じて確認中となっているところでありまして、お答えは控えさせていただきたいと思いますが、一般論として御紹介をさせていただければと思います。
 
(了)

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