令和8年3月17日(火曜日)
教育
「図書館が拓く未来の学びと地域社会(報告書)」の公表、令和8年度「子供の読書活動優秀実践校・園・図書館・団体(個人)文部科学大臣表彰」の表彰者決定、大学における学部ごとの「新たな評価」制度の構築に向けた検討、沖縄・辺野古沖における同志社国際高校の生徒が乗船していた船の転覆・死亡事故、各地の学校及び教育委員会においていじめの早期発見・早期対応が徹底されない原因の分析と今後の対応、教職課程を有する大学における児童生徒性暴力等の防止等に関する内容の取扱状況
令和8年3月17日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年3月17日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは2件であります。本日、令和6年より開催してまいりました「図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議」の報告書「図書館が拓く未来の学びと地域社会」、これを公表いたします。本報告書は、公共図書館と学校図書館の今後の在り方について取りまとめたものであります。公共図書館は、立ち寄りやすく居心地の良い、「読む・集う・学ぶ」で地域創生を担う地域の「ハブ」へ、学校図書館は学びの深化を担い、一人一人の「好き」を育み、「得意」を伸ばす学校の「中心」へ、読書バリアフリーの推進、デジタル化による全ての人に開かれた図書館サービスの構築のほか、地域の書店や読書推進人材との連携・協働、司書などの人材の充実が提言されております。文部科学省といたしましては、本報告書を踏まえまして、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」や「学校図書館ガイドライン」の改定など、必要な取組を進めてまいります。
2件目になります。「子供の読書活動優秀実践校・園・図書館・団体(個人)文部科学大臣表彰」について、令和8年度の被表彰者を決定いたしました。本表彰は、国民の間に広く子供の読書活動についての関心や理解を深めるとともに、子供の読書活動を推進するため、特色ある優れた実践を行っている学校等に対して行っているものであります。令和8年度は合計249件の被表彰者が決定し、来月23日の「子ども読書の日」に開催される子どもの読書活動推進フォーラムにおいて表彰をいたします。文部科学省といたしましては、全国の学校・園・図書館・団体等とともに、子供の読書活動の一層の推進に努めてまいります。私からは以上です。
記者)
一部報道で、国公私立大学の学部ごとの教育の質について評価する制度を作る、評価に応じて助成金の増額や減額などを検討しているという報道が出ていますが、評価の狙いや検討状況についてお願いします。
大臣)
少子化が進行する中、高等教育機関には学生一人一人を成長させ、その資質や能力を最大限高めることが求められているところであります。しかしながら、各機関の教育の質とは必ずしも直接的に関わりのない価値判断で社会的な評価や進路選択が行われている現状があるのではないか、そのように認識をしているところであります。そのため、各機関の教育の質が社会から適切に評価される仕組みを実現し、地域や規模にかかわらず教育活動に精力的に取り組んでいる高等教育機関が高く評価されることに期待をしているところであります。あまり有名ではないところでもしっかりとした教育というものをしていただいて、子供たちに深い学びでありますとか、高い実際には教育を提供しているにもかかわらず、それが評価されていない、対外的、また同時に知られていないがために選択から外れてしまっているというようなケースというものもあるのではないかと思っております。こうした背景のもと、現在、中教審にワーキンググループを設置いたしまして認証評価制度を見直す議論を進めているところであります。基本的には、学生は学部単位で進学先を選んでいるため、学部ごとの「教育の質」に特化した評価を行うこと、評価結果は学部ごとに段階別に示すこと、高校生や企業等に分かりやすい形で公表することなど、具体的な検討が進められているところと承知をしております。文部科学省としては、ワーキンググループの議論を踏まえながら教育の質保障・質向上に資する「新たな評価」制度の構築に向けて検討を進めてまいりたいと存じます。以上です。
記者)
昨日、京都にある同志社国際高校の生徒たちが乗っていた船2隻が研修旅行先の沖縄県名護市辺野古沖の海上で転覆して、生徒1人と船長の合わせて2人が死亡した事故がありました。この事故について、大臣の受け止めと、あと事故について文科省として何か取り組まれていることとかあれば教えてください。
大臣)
まずは、お亡くなりになられたお二人に対しまして哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々もいらっしゃるというふうに聞いているところでもあります。一刻も早い回復をお祈りしたいと存じます。本件の詳細につきまして、現時点で我々といたしましても確認中の段階でありますので、引き続き京都府とも連携をしながら事案の確認を進めつつ、その上で学校外における活動の安全確保に向けた配慮について周知に努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、現時点で確認中ということでありますので、今回の事故原因等々も踏まえつつ、子供たち、生徒たちの学校外における活動で事故があるということはあってはならないことでありますので、このための対策、対応につきまして文部科学省としても確認取れ次第、その対策をどうすべきか至急検討してまいりたいと思います。
記者)
いじめへの対応についてお伺いいたします。福島県郡山市で中学生がいじめ被害を訴えて不登校になった問題で、市がいじめ被害に関する報道が出た後に初めて第三者委員会設置を表明しました。また、千葉県の事例ではいじめ被害の訴えを当事者から学校は聞かず保護者にも連絡していなかったことが明るみに出ました。さらに、和歌山県ではいじめ被害の訴えから5年後にようやく第三者委員会の調査が始まり、先日ようやく報告書がまとまりました。これらの事例は、いずれも学校や市教委の対応のまずさ、不適切さが指摘される事態となっておりまして、文科省、これまで早期発見、早期対応、被害者への寄り添いなどを現場に要請してきたのですけれども、なぜこのように徹底されないのでしょうか。国としていじめ対策、今以上にどのような対応が求められていくか、お考えをお聞かせください。
大臣)
御指摘の各事案につきましては、各都道府県教育委員会を通じて報告を受けております。現在調査中の案件もございますため、各事案の詳細について個別の見解を述べることは差し控えたいと思います。いずれにいたしましても、このような重大事態についてはまず学校・設置者において調査・検証がしっかりと行われることが必要であると考えております。その上で申し上げるとすれば、いじめの対応にあたっては被害児童生徒に寄り添った対応を行うことが基本であります。かついじめの早期発見・早期対応・組織的対応が極めて重要であります。また、いじめによる重大な被害が生じた疑いや相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある、こうしたときには速やかに重大事態調査を実施することが重要であると考えております。文部科学省としては、この旨、「いじめの防止等のための基本的な方針」において従前より示してまいりました。また、令和6年8月に改訂をいたしました「重大事態の調査に関するガイドライン」におきましても、早期発見・早期対応の中核となる学校いじめ対策組織について、平時から実効的な体制を整えるよう周知をしているところでもあります。各教育委員会においても、こうした点をしっかりとご認識いただくことが重要と考えております。いじめへの適切な対応の徹底について、各教育委員会等に対して促してまいりたいと考えておりますし、また不断の見直しの中でこうしたなかなか徹底できていないというようなことがあるのであれば、それに対してどのように対策をとっていくことがこの問題の解決につながっていくのか、そうしたことに対しては不断の見直しの中で我々としても対応してまいりたい、そのように考えております。
記者)
教員による児童生徒への性暴力防止法に関して伺います。施行から3年が経ちましていろいろな調査結果が出てきたと思いますけれども、その中で教職課程がある大学で法律の趣旨をより深く理解するための施策を取りなさいというところはあると思いますけれども、およそ14%がそういうことをしていなかったという回答があったと聞いています。まず、それに対しての受け止めをお願いしたいのと、あと14%以外に関しても文科省側からこういうことを教えなさいということを必ずしも提示しているわけでは多分なくて、それぞれの学校がそれなりの、それぞれでやっていることだと思うのですけれども、それによって抑止効果はどこまで期待できるのかというのを改めて大臣から伺いたいです。
大臣)
今御案内をいただいたとおり、今回実施した調査におきましては全体の約14%に当たる111大学の教職課程を有する大学が、学生が児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を含めるための措置等を講じていない、こういうことが分かったところであります。これらの大学において、法律で義務付けられた措置、これを実行していなかったことは誠に遺憾であります。文部科学省といたしまして、今後、教職課程の認定を受けるための基準、これを示しました教職課程認定基準、これを改正いたしまして、学生が児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための措置等を講ずる計画がなければ教職課程の認定を受けられないこととすることを今検討しているところであります。また、今回の調査につきましては大学における実態や理解度を把握するため、措置の実施の有無について回答させる形式といたしましたけれども、今後は教職課程を有する全ての大学における具体的な措置の状況についての報告を求めることも検討をしているところであります。児童生徒性暴力等の根絶に向けまして、教職課程を履修する学生が児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めることができるよう、文部科学省としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。
(了)
大臣官房総務課広報室