令和8年3月10日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化
文化庁長官人事、ISS離脱後のHTV-X1号機への期待、旧統一教会の名称変更に向けた元環境大臣からの働きかけの有無、旧統一教会の名称変更が被害拡大の一因との指摘への見解、旧統一教会下部組織への残余財産の帰属により将来の被害が生じるとの指摘への見解、福島県郡山市立中学校における女子生徒のいじめ被害、校務における押印やFAXの使用状況と原則撤廃に向けた対応
令和8年3月10日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年3月10日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは1件であります。本日の閣議で、4月1日付けの文化庁長官人事につきまして内閣の承認を得ました。この度、都倉俊一文化庁長官が3月31日付けで任期満了により退官し、その後任といたしまして伊藤学司文化庁次長を起用いたします。都倉長官には、文化庁の京都移転、クリエイター支援基金の創設、コロナ禍後の文化芸術活動の再興支援事業など、5年という長きにわたりまして文化行政の旗振り役として尽力をいただき、深く感謝をしております。文化庁を離れた後も、引き続き大所高所からの御助言などをいただければ大変ありがたく思います。4月からは、伊藤氏に文化庁長官としてリーダーシップを発揮してもらい、令和15年度の再開場を目指す国立劇場の再整備事業、文化資源の持続可能な保存、継承体制の構築、文化庁の京都移転以降取り組んでおります自治体、産業界との連携や食文化、文化観光のさらなる推進、コンテンツ分野におけるクリエイター等の人材育成など、文化芸術関連施策の推進に尽力してもらうことを期待しております。私からは以上です。
記者)
先日、国際宇宙ステーション(ISS)を離脱したHTV-Xについてお伺いします。ISSへの補給を終え、今後、超小型衛星の放出などを行っていくとのことですが、HTV-Xへの今後の期待などがありましたらお願いします。
大臣)
日本時間3月7日、HTV-X1号機が国際宇宙ステーションを離脱いたしました。今後、およそ3か月にわたりまして超小型衛星放出等の技術実証ミッションを行いまして、その後、大気圏に再突入してミッションを終了する予定となっております。HTV-Xは、物資輸送とともに軌道上で長期間にわたる技術実証機会を提供する「二刀流」の補給船であります。このような取組を通じて、国際競争力を高める最新技術の獲得などにつながることを期待しておりますし、また同時にHTV-Xは国際社会の中でも大変期待されている技術でもありますので、高度化、また最新技術の獲得などにつなげていくことができればと思っております。以上です。
記者)
旧統一教会の関係でお伺いいたします。元環境大臣の原田議員が2015年の旧統一教会の名称変更の前に教団側の依頼で文科省に働きかけたことを証言しました。このことについて、担当課としては確認されていない、そういった事実は確認されていないというふうに言われていますが、原田議員から電話があったことについて、これらの記録自体がそもそも残っているのか、それとも記録自体ないのか、または処分したのか、いずれにあたるのかお答えください。また、名称変更は事務的な判断だというふうな先日お話でしたけれども、これは名称を変更することによって悪評を実質的に隠して被害の拡大の一因になったという指摘があります。このことについて、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。また、最後に清算をめぐっては教団の問題に取り組んできた弁護士たちから教団の事実上の下部組織にあたる天地正教への財産の継承がされることでこの資金を基に新たな被害が出るのではないかという可能性についての指摘がされていますが、このことについてのお考えや対策を教えてください。
大臣)
まず、原田氏からの働きかけの記録の有無があったのか、また廃棄をしたのかということでありますが、お尋ねのような働きかけがあったかについては、記録はないと報告を受けております。また、当時の名称変更に関する認証書の交付にあたりましては、「正体隠し」などの批判がされることがないよう、取り得る最大限の措置を講ずるよう強く求めていたところであります。一方、旧統一教会の名称変更によりまして被害が拡大をしたのか否かにつきましては、一概にその評価をすることは困難でありますけれども、被害者の方々が存在するということについて深刻に受け止めていかなければいけない、そのように考えているところであります。残余財産の帰属につきましてですが、現在の帰属先をいずれのものとしているのか文部科学省としては承知をしておりませんが、今般の解散命令決定によりまして違法な献金、勧誘等の行為があった場合には、所轄庁は解散命令請求の検討も含めた対応が求められることとなります。また、不当な寄附の勧誘があった場合には不当寄附勧誘防止法に基づく報告徴収や勧告・命令・公表といった措置の対象となる場合も考えられるところであります。文部科学省としては、今般の決定の趣旨を今後の宗務行政にいかしまして厳正かつ適切に対処してまいりたいと存じます。
記者)
福島県郡山市立中で中3の女子生徒がいじめ被害を訴えている件で、学校と教育委員会の対応について2点伺います。女子生徒は複数のいじめ被害を訴え不登校となっているにもかかわらず、学校と教育委員会はこの生徒に対するいじめをいじめ防止対策推進法による重大事態とみなしておらず、調査もしていません。学校や市教委は重大事態とみなしていない理由を生徒が不登校のため話し合いの場が持てないなどと話しています。学校や市教委が今回の事態を重大事態とみなしていないことについて、大臣の受け止めを伺います。また、いじめ被害を受けたことを女子生徒が卒業文集の作文に記載したところ、校長に一つぐらいは楽しかったことがあるはずだと書き直しを求められたと訴えています。書き直しを求めたことの是非について、大臣の見解を伺います。
大臣)
御指摘の事案についてでありますけれども、現在、当該学校等において事実関係の確認を行っているところというふうに報告を受けております。現在、文部科学省といたしましては福島県教育委員会を通じまして郡山市教育委員会に対し、法やガイドライン等に沿った丁寧な対応を要請しているところであります。また、校長が文集の書き直しを求めたことは事実と伺っております。一方で、個別具体の状況までは国として把握をしていないため断定的な評価は控えたいと考えておりますが、その上で申し上げればいじめの対応においては被害者に寄り添った対応を行うことが基本ということであります。こういった観点も踏まえまして、今回の対応の検証も行っていただきたいと考えております。
記者)
昨日公表されました校務DXチェックリストに基づく学校の自己点検の結果なのですけれども、業務で押印が必要な書類があると答えた学校が依然として9割あって、FAXを使っている学校もまだ残っているという状況です。政府としては、今年度末までに学校でFAXとか押印の原則廃止というのを目指していたかと思いますけれども、この達成がちょっと困難であるという状況についての受け止め、今後のさらなる対応策などがあれば教えてください。
大臣)
校務におきましてのFAXの活用や押印につきましては、業務の実施場所を制限し学校の働き方改革の阻害要因にもなり得ることから、原則廃止を掲げているところであります。今回の調査結果におきましては、FAXの相手の7割以上が民間事業者であります。改善に向けて各関係団体等の御協力もいただけるように丁寧に働きかけを行ってまいりたいと存じます。また、保護者からの各種申請書等でも押印が実施されております。クラウドサービスでの資料の受付など、教職員と保護者間の連絡のデジタル化の推進を通じて改善を図ってまいりたいと存じます。文部科学省として、現場の実態も踏まえながら校務DXの推進による働き方改革を進めてまいりたいと存じます。
記者)
原田議員の件に関しまして、記録はないということだったのですけれども、記録がないということであれば本当に働きかけをしていたのかどうかの確認ができていないということになるのかなと思ったのですが、これは何か当時の担当者とかにヒアリングを既にされた上で確認されていないということになるのでしょうか。
大臣)
まず、改めて申し上げますけれども、記録はないという報告を受けているということであります。その上での確認をということでありますけれども、かねてからお答えをしておりますとおり、本件は宗教法人法の規定に従って審査手続きを行い、その過程においては法的な検討を重ねた結果として、本件は認証すべき案件であると事務的に判断をしたものであります。そういう意味では、そうした職員をはじめとしてもそうですし、政治の関係者からの意図が挟み得る余地がない、そういう手続きというふうに承知をしているところでもありまして、そういう意味で当時の職員にあえて確認をする必要はないというふうに考えているところであります。
(了)
大臣官房総務課広報室