松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年3月6日)

令和8年3月6日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

再使用型ロケットの開発及びJAXAによる小型実験機「RV―X」の飛行試験,旧統一教会に対する解散命令請求までの対応時期,旧統一教会の名称変更に係る手続の経緯の検証,旧統一教会に関係する施設への訪問の実態と被害者の懸念払しょくに向けたメッセージ,いわゆるエプスタイン文書に千葉工業大学学長の伊藤穰一氏に関する多数の記載があることに対する受け止め,国立文化施設三独法の中期目標における数値目標の設定の意図、「再編」の意味および外国人への「二重価格」の導入の検討

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年3月6日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年3月6日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年3月6日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

記者)
 宇宙関連で質問させてください。JAXAが開発中の再使用ロケット小型実証機「RV-X」の打ち上げ試験が近日行われる予定です。打上げに向けた期待を伺いたいのと、日本のロケット開発における再使用ロケットの位置づけや必要性を教えてください。
 
大臣)
 まず、再使用型ロケットの意義でありますけれども、この技術が確立されますと打上げ高頻度化や打上げ価格の低減等に寄与することが期待されているところであります。今回、JAXAが実施予定の「RV-X」の飛行試験は再使用型ロケットのコア技術の獲得等を目指す研究開発プロジェクトの一環で行われるものであります。今回得られる試験データが今後の官民、民間の開発も含めてロケット開発に生かされることを期待しております。再使用型ロケットの開発は海外の事例を踏まえても技術難易度が非常に高く、またデータ蓄積と技術成熟度の向上が必要な、そうした分野でもあります。引き続きJAXAにおける研究開発を通じて我が国の輸送能力の強化につなげていきたいと思います。
 
記者)
 4日に東京高裁で旧統一教会に対する解散命令が出されました。結果的に安倍元首相の事件が起きて文科省としては質問権の行使、そして解散命令請求というふうに至ったわけですけれども、この事件が起きるまで文化庁が動かなかったことについて、長年やはり取り組んできた弁護士とかからは遅きに失したのではないかという声が上がっています。問題の把握とか質問権の行使、解散命令の請求を含めて、これまで事件が起きるまで動かなかったことについて大臣としてどのように考えるか、妥当というふうに考えるのか、教えてください。また、旧統一教会の名称変更の件がありますけれども、これはやはり被害拡大の一つの要因として長年国会でも指摘がされてきたと思います。名称変更について検討文書を開示するように大学教授が開示を求めた訴訟の判決では、大阪地裁が不開示とする国の決定を違法として取り消しています。文科省として、この名称変更の経緯について自ら検証、そして弁明するつもりというか、解明するつもりはないのか、教えてください。
 
大臣)
 旧統一教会の不法行為につきましては、多数の被害が生じた事実について深刻に受け止めているところであります。旧統一教会に対しましては、文部科学省といたしまして平成8年以降、同法人を当事者とする裁判の結果や訴訟外の紛争の事実などを踏まえ、適正な管理運営や個別事案の誠実な対応、これを強く求めてきたところであります。他方、解散命令は法律上厳格な要件が規定をされているところでもありまして、その判断に当たって必要となる法人活動実態の十分な把握、また証拠の積み上げに相当な努力が必要であったところであります。このため、7回の報告聴取・質問権の行使や170名以上の被害者等へのヒアリング等を通じまして、法人の活動実態等を十分に把握し、証拠を積み上げるとともに憲法上の信教の自由に配慮し、判断に慎重を期するため、宗教法人審議会から「相当」との意見をいただいた上で解散命令請求に至ったということであります。文部科学省としては、旧統一教会への対応については引き続き万全を期してまいりたいと存じます。また、旧統一教会の名称変更についてでありますけれども、これは宗教法人法の規定上、形式の要件を備えた申請は所轄庁により受理される必要があり、そして認証の要件を備えていると認めたときは認証する旨の決定を行う必要があります。本件は、法的に検討を重ねた結果、認証すべき案件であると事務的に判断をしたものでありまして、改めてそういう意味では、これも今までずっと国会で答弁をしてきているのが今お話をしたとおりでありまして、この見解は文部科学省として現在でも変わるものではありません。
 
記者)
 ちょっと確認なのですけれども、最初の質問でこれまでやはり事件が起きるまで対応が取れなかったことについてはどのように、それについては妥当だというふうに考えられているのでしょうか。
 
大臣)
 先ほども申し上げましたように、解散命令について、また同時にそれの前段階であります質問権の行使、これらに関しましては厳格な要件というものが定められているという状況の中で、これまででき得ることとしては文部科学省としては法律の範囲内でやってきたということであると承知をしているところであります。ただ、制度そのものに関しては、また今回の件を踏まえてどうするべきなのかということは検討を必要とする部分もあるかもしれませんけれども、少なくとも今の我が国の法律の範囲内の中で文部科学省としては最善を尽くしてきたというふうに承知をしております。
 
記者)
 旧統一教会の関係で続けて質問させていただきます。昨日の衆議院の予算委員会で、大臣が答弁の中で教団の施設に行かれたことがあるというのをおっしゃっていました。これはいつ頃で、どの施設にどういう要件で行かれたのかということをまず教えていただきたいのと、あとその後、関係は断たれたということですし、今の手続き上、清算人は裁判所のもとで動いているということは理解した上なのですけれども、宗教を管轄する所管の大臣として過去にそういう接点があったというのは被害者からすると少し不安ですとか疑念の気持ちが湧くのかなと思っていて、その払拭のために何かコメントはありますでしょうか。
 
大臣)
 御指摘の点につきましてですけれども、まず当該団体の関係施設であったということであります。ちょっと時期で言いますと、当然、安倍総理の事件前でありまして、そういう意味ではかなり時間がたっているということもありますし、またうちの事務所にもそのときの記録というものは率直に言って残っていないという状況の中で、記憶に基づいてお話をしておりますけれども、そうしたことでありました。知り合いの方から紹介、そして行ってほしいという要望がありまして、それで御挨拶にお伺いをさせていただいたというものであります。要件に関しては、そういう意味では挨拶に伺ったということであります。安倍元総理の痛ましい事件により、このような大きな問題になる以前のことでありますけれども、改めまして私自身の認識に不足があったことだというふうに考えておりまして、率直に反省をしているところであります。現在においては当然一切の関わりを絶っておりますし、今後とも一切関わりを持つことがないようにしっかりと私自身努力をしてまいりたいと思います。今般、東京高裁の決定を受けまして裁判所の監督のもと、新たに選任された清算人により清算手続きが開始されることになります。文部科学省として、この清算が円滑かつ確実に進められ、被害者の救済がなされることを期待するとともに、清算人の求めに応じて関係府省庁と協力し可能な限り支援をしてまいりたいと思います。また、一言付け加えさせていただくのであれば、今御指摘がありましたけれども、私自身、これまで当該団体との関わりの中で自分自身の考えや政策に何らかの影響を及ぼされたということは一切ございませんし、同時に私自身がどこかに働きかけを何かしらしたとか、そういう事実というものは一切ございません。これは文部科学大臣になってからのことではなくて、文部科学大臣になる前から一度たりともそういうことはしたことがないということは付言をさせていただきたいと思います。これからもしっかりと信頼を得ることができるように全力を尽くして頑張ってまいりたいと思います。
 
記者)
 1点だけ、全体の質問なのですけれども、いつどこの場所というのは、記憶の範囲でいいのですけれども、教えていただけますか。
 
大臣)
 いつというところに関しては、本当にすみません。ちょっと申し上げられないというか、覚えて、記録がないので確かなことは言えませんけれども、安倍総理の銃撃の当然前でありますから恐らく5年とか6年とか、そういう時間になるのではないかと思っております。加えて、場所に関しましては地元にある教団の施設のほうにお伺いをしたということであります。
 
記者)
 米国の故ジェフリー・エプスタイン氏に関して米国司法省が公表したいわゆるエプスタイン文書の中に伊藤穰一千葉工業大学学長との間で両者の間に多数のやりとりがあったことが判明しています。文部科学省としてこの文書の調査や事実関係を確認されるお考えはありますでしょうか。また、千葉工業大学や伊藤氏自身がそれぞれ直近で文書への見解を表示されていますけれども、こうした対応や説明が十分であるとお考えでしょうか。お考えを聞かせてください。
 
大臣)
 お尋ねの事案につきまして、千葉工業大学の発表では寄附集めを含むマサチューセッツ工科大学における当時の伊藤氏の活動は独断ではなく、マサチューセッツ工科大学の許可・監督のもとで行われていたこと、本人が違法・不正行為は一切関与していないことを確認し、大学として引き続き学長職を務めてもらいたい旨を表明しているものと承知をしております。千葉工業大学の発表後、事務方におきまして発表内容などについて学校法人から報告を受けております。その際、文部科学省といたしましては学生や保護者、社会に対する丁寧な説明を求めたところであります。学長の選任などについては、学校法人の意思決定機関である理事会が定めた方法に基づき、任命権者としてその権限と責任に基づき決定を行うこととなっております。学校法人としては必要な説明を行っていただくことは重要でありまして、文部科学省としては引き続き同大学の対応を注視してまいりたいと存じます。
 
記者)
 国立博物館、美術館の運営についてお尋ねします。文化庁は先月27日に、独立行政法人国立文化財機構に対して達成すべき業務運営に関する第6期の中期目標を公表されました。運営である2029年度に各館の展示事業に関わる自己収入額が4割を下回る館については再編対処と明記され、一部報道では未達成の場合、閉館も含めた再編と報じられて文化庁に対しSNSなどで疑問の声が上がっています。質問は3点ありまして、再編とありますがそれは閉館を含めるものと理解してよろしいでしょうか。2点目は、入館者数や入場料を指標に国立博物館や国立美術館ごとの自己収入を民間企業のように強いることはナショナルセンターとして国立博物館に期待されている国民財産である文化財の監修の機会を減らすことにつながる恐れはないのでしょうか。3点目、外国人観光客に二重価格を導入することを実施すると書かれていますが、外国人観光客の入場者が減ってしまい日本の歴史文化の発信力が低下する恐れはないのでしょうか。3点お願いいたします。
 
大臣)
 国立美術館、国立博物館は大きく作品などの収集・保管、教育普及、調査研究、展示の4分野の業務を行っているところであります。このうち、展示事業以外は運営費交付金等を充てることは今後も変わりません。一方、展示事業は受益者負担の観点等もありまして、また創意工夫の余地が多い分野であるからこそ、機動的で良質なサービスを提供する好循環につながるため、自己収入比率の数値目標を設定したところであります。「再編」については、各館の展示収入が4割未満となることだけを持ってすぐにその対象となるのではありません。当然、「社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館」につきましては各館の役割分担等を見直すことで法人全体の機能強化を求めるものであり、閉館を想定しているものではないということは改めてお伝えをしたいと思います。そういう意味では、大変閉館という言葉が一人歩きし、また数値目標というものも非常に、そういう意味ではこれも一人歩きをすることによって機械的にそういうことをやられるのかというような印象があろうかと思いますけれども、決してそうではないということはここで強調をさせていただきたいと思っております。「二重価格」の導入につきましては、導入に際して課題を整理し、各法人との意見交換を行いながら導入に向けた検討を進めていくことになります。海外から国立美術館、国立博物館を訪れる方により良い鑑賞環境や魅力的な展示を提供することによって日本の文化を深く理解いただく機会となるように検討をしてまいりたいと存じます。実際、海外でもこうした「二重価格」の導入というものが行われているところというものもあるわけでありまして、そうしたところも参考にしながら、我々としてはそれぞれの法人が検討を進めていただくようにやっていきたいと思っております。改めて申し上げたいと思いますが、決して機械的に数字を持って、そして閉館を促進していくということではなくて、当然、それぞれの館の特色によってそれぞれの特徴というものもあるのも、これも事実であります。いずれにいたしましても、保管収集でありますとか、また同時に教育普及、調査研究、こうした機能というものはこれからも運営費交付金で措置をするということにしているわけでありますし、これらはしっかりと守っていかなければなりませんし、これらを国民の皆さんに知っていただく機会というものをしっかりと国として提供をしていくという基本的な考え方に変わりはありませんので、そこのところはぜひ皆さんに御理解をいただきたいというふうに思っています。
 
記者)
 関連して文化施設等の行政法人の中期目標についてお伺いします。先ほどの質問にもありましたけれども、現状の博物館、美術館を鑑みると野心的で厳しい目標を掲げられたと思いますけれども、その目標を設定された意図、それから今後の博物館情勢についてのお考えをお聞かせください。
 
大臣)
 今申し上げたことに尽きるところではありますけれども、先ほど申し上げたように四つの分野の業務というものをそれぞれの館で行っていただいているわけでありますけれども、その中で今回、展示事業に関しましては受益者負担の観点から創意工夫の余地が大きい分野であること等から、機動的で良質なサービスを提供する好循環につなげるため、自己収入比率の数値目標というものを設定させていただいたということであります。そういう意味では、今回のこの目標設定によりまして展示部門につきまして、ぜひ各館においてより様々な魅力を高めるためのそうした取組というものを進めていただきたいということが今回の意図だということであります。博物館行政につきましては、先ほど私のほうから申し上げましたとおり、これらの機能というものはこれからも維持をしていかなければいけない、作品の収集保管、教育普及、調査研究等々、維持をしていかなければならないわけでありますし、当然、国民の皆さんにそれらを見ていただくような場というものも適切にしっかりと提供をしていかなければいけないということであります。いずれにいたしましても、この目標というものをぜひ各館においては、何か後ろ向きに捉えるのではなくて前向きに捉えていただいて、どうやったらもっともっと人に興味を持って、国民の皆さんに興味を持って来館をしてもらえるのかというような観点でいろいろな創意工夫というものを促していきたいと思っておりますし、また国民の皆様方にも御理解をいただきたいのはそうした意図と、決して今回のものが閉館を想定しているというものではないということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
 
(了)

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