令和8年3月3日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化
福島県への出張、情報モラル教育のための動画教材の作成、NASA「アルテミス計画」の変更による日本が関与するミッションへの影響とJAXAの次回の宇宙飛行士募集の検討状況、イラン及び周辺国における日本人学校関係者の安全確保、「博物館の設置及び運営上の望ましい基準」改正案における博物館資料の「廃棄」の文言に関する見解
令和8年3月3日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年3月3日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは2件となります。先日、2月28日と3月1日、福島県へとお伺いをいたしました。日本原子力研究開発機構廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)の視察、福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校卒業証書授与式への出席・教職員との意見交換、そして双葉町の復興状況の視察を行ったところであります。私自身、これまでも何度も福島には足を運んでまいりました。文部科学大臣就任後の初めての訪問と今回なったところであります。廃炉に向けました研究開発の様子、また双葉町で令和10年に開校予定である義務教育学校の建設予定地を視察するとともに、ふたば未来学園では希望に満ちた卒業生の皆さんのお顔、また先生方のお話に福島県の教育復興の歩みを感じました。また、私自身、大変印象に残っていることとして、もちろん卒業式での子供たちの様子、生徒の様子ももちろんでありますけれども、その後の教職員の皆さんといろいろと意見交換をする中で、地域と連携をした探究的学習というものに大変力を入れているところでありますけれども、そうした成果もあってこの学校を卒業した卒業生の皆さんが地元に戻ってきて就職をし、仕事を得て、そして地域の支え手となっている割合が非常に多いのではないかというようなことを先生方がお話をされていたことが大変そういう意味では印象に残ったというところであります。今回の訪問を踏まえまして、今後とも福島県の復興・創生に向けまして文部科学大臣としても精いっぱい力を尽くしてまいりたいと存じます。
2件目であります。SNS上における暴力行為等の動画の投稿・拡散を受けまして先月、全国の教育委員会等へ通知を発出し、令和7年度中に児童生徒に対して暴力行為やいじめに関する指導と合わせ、改めて情報モラル教育を実施していただくようお願いをしたところであります。その実施にあたりまして、この度、動画教材を作成しましたので、本日、教育委員会等へお知らせをすることとしております。この動画教材でありますけれども、暴力行為やいじめが暴行罪や傷害罪など犯罪にもつながるものであること、これをまずしっかりと伝えるとともに、そしてこれらが絶対にあってはならないことを前提にいたしまして学校で起きることが想定され得る犯罪行為や情報モラル教育の観点からも留意すべき事項等について解説をするものであります。文部科学省といたしましては、安全・安心な学校教育を守るべく暴力行為やいじめへの対応、情報モラル教育の推進など、引き続き関係省庁と緊密に連携をいたしまして対応を進めてまいります。私からは以上です。
記者)
宇宙関連で1点お伺いします。NASAが先日、米国主導の国際探査計画「アルテミス計画」を見直し、有人月面着陸を2028年に行うなどのミッション内容の変更が発表されました。それに関して大臣の所感を伺いたいのと、日本も日本人宇宙飛行士2人の月面着陸を行うなどの日米間での契約はありますが、日本への影響はあると考えているか教えていただきたいです。また、5年に1度のペースで月探査などを担う新人宇宙飛行士の募集をするとJAXAは掲げており、前回の募集から約4年が経過します。新たな募集に関する検討状況や新たな人材の必要性を教えてください。
大臣)
日本時間2月28日土曜に米国航空宇宙局(NASA)が国際宇宙探査計画「アルテミス計画」の変更を発表したというふうに承知をしているところであります。「アルテミス計画」をより安全で持続可能にすることを目的に、試験飛行の追加、また打上げ頻度の増加などの変更がなされたものと認識をしているところであります。現時点では、日米の有人与圧ローバ開発等の国際約束に変更はないものと理解をしております。我が国は予定どおり、2020年代後半の日本人宇宙飛行士の月面着陸を目指してまいります。また、前回、2021年の宇宙飛行士募集のときには4,000人を超える応募がございました。そして、選考の結果、諏訪飛行士と米田飛行士が選抜をされたところであります。次回の募集につきましては、「アルテミス計画」等の進展状況も踏まえましてJAXAとともに検討をしてまいりたいと存じます。以上です。
記者)
アメリカとイスラエルのイランの攻撃についてお伺いします。イランによる攻撃が湾岸諸国に広まりまして、緊張感が高まっています。アメリカの攻撃が4、5週間に及ぶ可能性も報道されていますが、現地の日本人学校への影響や文科省の対応についてお伺いします。
大臣)
イランにありますテヘラン日本人学校につきましては、今般のイラン情勢を踏まえまして外務省が本年1月にテヘランを含むイラン全土の危険レベルを「退避勧告」に引き上げたというふうに承知をしております。当該学校に派遣している教師とその同伴家族につきましては、その時点で日本に無事帰国をしているところでありまして、現在、関係者はイランに残っておりません。また、周辺国の日本人学校につきましては今般の空爆を受け、速やかに米軍基地などのある地域を含む中東にある日本人学校について安全確認、そして注意喚起を実施しているところであります。その結果、現在のところ児童生徒、保護者並びに派遣教員の方々とも連携を受けていないという報告を受けているところであります。文部科学省といたしましては、外務省などと協力をいたしまして日本人学校関係者の安全確保に万全を期してまいりたいと存じます。
記者)
博物館法についてお伺いします。先月2月24日ですが、文化庁で博物館の運営などに関する基準の改正を巡ってワーキンググループが開かれました。この中で、規定の中に「廃棄」の文言が含まれ、盛り込まれていることについて再度議論が行われまして、参加した委員の間でも賛否が分かれる事態のまま会議が終了となりました。最終決定はこの議論を踏まえて行われることになるかと思いますが、この件について大臣のお考えを聞かせてください。
大臣)
今、御指摘がありましたように、2月24日に実施されました文化審議会のワーキンググループにおきまして、博物館の望ましい基準に「廃棄」の文言が入ることにつきましては、実態として資料の廃棄をせざるを得ないケースがあることを踏まえた賛成の御意見、またハレーションが大きいという反対の御意見をいただいたと承知をしております。私といたしましては、この博物館資料でありますけれども、我が国また(注1)郷土の歴史、文化等の正しい理解に必要な貴重な財産でありまして、できる限り良好かつ安全な状態で将来の世代に継承することが重要である、そのように考えているところであります。このため、博物館資料の廃棄の検討につきましては、他の手段を検討した上で、なおやむを得ないと認められる場合において慎重に行われるべきであると考えているところであります。1点申し上げたいのは、これまでも博物館資料の廃棄というものが行われてこなかったわけではなくて、これまでは博物館資料の廃棄は各設置者また博物館の判断によって可能となっておりまして、個別の館の資料の収集管理に係る方針に基づいて現状でも実際に行われている例もあるということであります。そうしたことも踏まえまして、今回の検討というのはむしろより適正な管理というものをしっかりと行うということが(注2)趣旨として検討がされているということだと私自身は承知をしているところであります。その上で、貴重な博物館資料をどのような手続で保っていくべきかという観点から、ワーキンググループの議論も踏まえ必要な検討をしたいと考えておりますが、先ほど申し上げたような趣旨というものがしっかりと、当然、文化財を実際に収集、保管をしているそれぞれの館もそうですし、地域の皆さん、国民の皆さんにもしっかりと伝わっていくように取組を進めてまいりたいと思います。
(注1)「我が国また」は、正しくは「我が国と」です
(注2)「行うということが」は、正しくは「行うということを」です
(了)
大臣官房総務課広報室