令和8年2月13日(金曜日)
教育、科学技術・学術
高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)の公表と高校教育改革促進基金の公募開始、グランドデザインによる交付金等の創設に関する検討の見込み、公立高校入試へのいわゆる「デジタル併願制」の導入に関する検討、私立大学における人文・社会科学系と自然科学系の授業料格差の是正、第7期科学技術・イノベーション基本計画の素案における野心的な数値目標の設定、児童ポルノ禁止法違反容疑で日大三高の生徒2名が書類送検となった事案の受け止めと今後の取組
令和8年2月13日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和8年2月13日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは1件となります。高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)についてであります。このグランドデザインは、三党の合意におきまして今年度中に提示することとされており、昨年11月28日に骨子を公表いたしたところであります。その後、私が主査を務めますタスクフォース等におきまして産業界、自治体、教育関係団体の皆様と意見交換を実施するとともに、パブリック・コメントを通じて、広く国民の皆様からも御意見をいただいてきたところであります。いただいた様々な御意見も踏まえながらさらに検討を進めるとともに、私といたしましても社会へ羽ばたく高校生の皆さんの背中を力強く押すことができるよう熟慮を重ねてまいりました。その結果、本日、グランドデザインを決定いたしましたので公表をさせていただきます。また、本日、約3,000億円を計上しております「高校教育改革促進基金」の公募も開始する予定としております。本事業は、今回の高校改革の実現に向けパイロットケースとして、例えば地元の企業や首長部局と連携・共同した実践的な学びを行う「改革先導拠点」を各都道府県に創設をするものであり、この基金も十二分に活用をして今回の改革を加速してまいりたいと存じます。これからの未来を担う高校生の皆さんが夢や希望を持って学ぶことができますように、文部科学省としても様々な関係者と連携しながらスピード感を持って改革に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、グランドデザインのポイントについて少し私のほうから御説明を申し上げたいと思います。今般のグランドデザインでは、新たに高校教育改革を通じまして実現を目指す新しい学校のイメージ、取組例などにつきまして専門高校の機能強化・高度化、普通科改革を通じた高校の特色化・魅力化、地理的アクセス・多様な学びの確保の観点を示しているところであります。また、今後の財政面の支援といたしまして交付金などの新たな財政支援の仕組みを構築することや都道府県に基金を造成いたしまして高校教育改革を先導する公立高校を支援することについて改めてお示しをいたしました。特に交付金につきましては、令和9年度予算編成過程で検討することとされているところでありまして、今後、その実現に向けて尽力をしてまいりたいと存じます。さらに、今般の改革を通じて2040年までに達成を目指す目標を盛り込みました。職業教育の高度化、普通科の在り方の転換、多様な学びの確保の観点から設定をしており、例えば個々の生徒の進路選択の結果、普通科高校の生徒のうち、いわゆる文系の生徒と理系の生徒の割合が同程度となるよう、特色・魅力ある普通科高校改革を進めるといった目標を定めているところであります。昨日、総理のところにも私行ってまいりましてこの高校改革についてご説明を申し上げましたけれども、総理からもしっかりと進めるようにという指示をいただいたところでもあります。文部科学省としても、社会全体で高校改革を進めるためにしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。私からの冒頭発言は以上となります。
記者)
先ほどのグランドデザインについてお聞きしたいのですが、都道府県向けの交付金、令和9年度の予算編成過程で検討するということですけれども、どの程度の予算規模を想定されているのか現時点での見通しを教えていただきたいのと、交付金の使う対象ですけれども、改革先導校を対象としたものか、それとも広く公立高校全体に使えるものという理解でいいのか、確認させてください。
大臣)
グランドデザインでは、都道府県において本グランドデザインを踏まえた「高等学校教育改革実行計画」というものを策定いただくこととしております。そして、国としては安定財源を確保した上で交付金などの新たな財政支援の仕組みを構築することというふうに記載をされているところであります。この交付金等は、各都道府県がそれぞれ実行計画に基づきまして改革先導拠点のみならず地域全体として進める高校改革を支援することを想定しておりますが、具体的な予算規模や内容等につきましては令和9年度予算編成過程で検討することとしており、今後はその実現に向けて尽力してまいりたいと存じます。そういう意味で、現時点で予算規模の想定等々がなされているものではありませんけれども、まずはこのグランドデザインを踏まえまして都道府県で実行計画を作っていただくことになります。これは決して都道府県任せにするのではなくて、我々文部科学省もしっかりとそこに入って行って共にどういう形でこの都道府県の実行計画というものを策定し、そしてそれを実現していくための国の支援の在り方等々に関してもよくよく御相談をさせていただきながら、令和9年度予算編成に向けて議論を加速化してまいりたいと思いますし、その形をより明確にしていきたいというふうに思っておりますので、これからが本当に勝負だということだと思っております。
記者)
石破前首相が昨年のデジタル財政改革会議で一人一校しか公立校を受けられない「単願制」の見直しを指示しました。全国で公立高校の一般入試が今後ピークを迎えますが、アルゴリズムで合格者を決める「デジタル併願制」など、文科省の検討状況について教えてください。
大臣)
高校の入学者選抜の実施方法等につきましては、実施者でもあります各都道府県教育委員会等が決定するものであります。デジタル技術を活用した併願制についてはメリットも考えられますが、一方で生徒の多様な個性・能力が十分に評価をされるのか、学校の特色や魅力というものが損なわれることがないのか、また地域人材を育成する専門高校に影響がないかなどの課題も想定されているところであります。文部科学省といたしましては、こうした課題について引き続き全国の教育委員会の高校入試担当者や有識者との意見交換を行っているところであります。実際に併願制、デジタルという話ではないですけれども、既に4府県において実際に実施をしているということで承知をしているところでもありまして、そういう意味ではこうした実際に既に行っている自治体などの事例なども参考にしつつ、本当に高校生が、高校に進学をする生徒たちが最もいい形をどのようにして取ることができるのかということは我々としてもしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。併願制の話と、あとデジタル併願制の話と、それぞれしっかりとメリット、デメリット、また実情というものも我々としても把握をしながら検討を進めて、関係省庁とも連携をしつつ検討を進めてまいりたいと思います。
記者)
先ほどのグランドデザインのお話もありますけれども、理系に進む学生を増やそうというような進め方で大学、特に私立大学の人文社会科学系の学部と自然科学系の学部で授業料に大きな格差があることが多いと思います。それが理系進学を阻む要因の一つになっているかと思うのですけれども、その中で理系進学を増やすために例えば授業料の格差を是正するための方針や手だて、そういったことは検討されていることがあれば教えてください。
大臣)
将来の社会、また産業構造の変化というものを見据えたときに、私立大学における理工農系人材の育成が強化されることは大変重要なことであると考えているところであります。このため、私立理工農系がデジタルなど成長分野の振興に資する一方、今御指摘がありましたように授業料などの負担が人文社会科学系よりも比較的重いという観点を踏まえまして、高等教育の修学支援新制度の中では令和6年度からこれらの学部へ通う中間層の学生への支援拡大を図ったところであります。また、私立大学の基盤的経費への支援を行う私学助成におきましても、理工農系学部の単価を別に設けるとともに、さらにその拡充を含めた経費を令和8年度予算案にも計上をさせていただきました。文部科学省としては、理工農系人材の拡大に向けまして、学生の経済的負担の軽減、また教育環境の充実に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。問題意識はそういう共有をしているというふうに承知をしております。
記者)
現在、パブリックコメントが行われている第7期の科学技術・イノベーション基本計画の予算について伺います。素案にはかなり各地の数値目標も含まれていまして、トップ10%論文で2035年には3位ですとか、現状からするとかなり野心的な数値が盛り込まれているのですけれども、こうしたまず数値目標についてどのように受け止めていらっしゃるのか御意見を伺いたいのと、あと目標達成に向けてどのように望まれるかについて伺いますでしょうか。
大臣)
先週5日木曜日にパブリックコメントが始まりました第7期科学技術・イノベーション基本計画の答申素案におきまして、御指摘のとおり、「我が国は10年以内にトップ10%補正論文数において世界第3位に復権することを目指す」とすることをはじめといたしまして、目標が設定をされました。大変野心的な目標であるというのは私もそのとおりだと思っておりますが、研究力強化に向けましてこうした高い野心的な目標を掲げて、それに向けて国を挙げて取組を進めていくということは大変重要なことだと思っておりますので、こうした高い目標というものが設定されたこと自体は、私は評価をしたいと思っております。ただ、大切なのはこれらの目標を達成するためにどうするのかということでありますが、これらの目標の達成に向けまして我が国全体の研究活動の行動変革をもたらす研究システムの刷新、研究大学の経営・マネジメント強化による組織の機能強化、基盤的経費や基礎研究への投資の大幅な拡充などを進めていくことが重要だと考えているところであります。このようなことも踏まえまして、令和8年度の予算案におきましては国立大学法人運営費交付金や科研費をはじめといたしまして、我が国の研究力の抜本的強化による「科学の再興」に向けた所要の予算を計上させていただいたところであります。文部科学省としては、「新技術立国」の実現に資する我が国の科学の再興をするため、来年度から始まる第7期基本計画も踏まえまして研究力の抜本的強化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、大変高い目標ではありますけれども、文部科学省としてもその目標達成というものに資することができるように全力を尽くしてまいりたいと思います。
記者)
日大三高の野球部の件について伺います。もう報道されていますけれども、部員2人が女子高生のわいせつな画像等を送った、拡散したということで書類送検されました。この事件に関して、大臣としてのまず受け止めをお願いします。あと、広陵高校のときもそうだったと思いますけれども、基本的には私立の高校の、一義的には設置者である都道府県の教育委員会が対応するということだと思いますけれども、文科省として何か手を差し伸べて目指すことができるのかということを伺いたいです。大臣も子供を加害者にも被害者にもさせないというようなことをおっしゃってきたと思うのですけれども、御自身もお子さんがいらっしゃるお父さんとして、家庭の中で例えばこういうことをしているのだみたいなことがあれば教えてください。
大臣)
御指摘の事案につきまして東京都から報告は受けておりますが、現在捜査中であるということであります。現時点で本事案にかかる個別の見解を申し上げることは差し控えたいと存じますが、いずれにしても性犯罪・性暴力は被害者の心身に長期にわたり有害な影響を及ぼす極めて悪質な行為であります。断じて許されるものではありませんということはまず申し上げたいと思います。その上で、文部科学省としては引き続き子供たちが性犯罪・性暴力の加害者・被害者・傍観者にならないように、SNSなどを通じた事案にかかる教育・啓発も含めまして、「生命(いのち)の安全教育」や情報モラル教育の推進に取り組むとともに、児童ポルノ関連の事案が発生した場合は直ちに警察への通報・相談を行いまして、警察などの関係機関と連携して対応することを学校及びその設置者に対して求めるなど、性犯罪・性暴力の抑止に向けた取組を徹底してまいりたいと思います。いずれにいたしましても、何度も申し上げますけれども、こうした行為は決して許されるものではありません。ぜひ、どういう経緯でこうした事案になったのかということは今後しっかりと見守ってまいりたいと思いますけれども、非常に被害者に対してもそうですし、本当に加害者にとっても重大な結果をもたらすという、今一度そうしたことだということを改めて理解をしていただいて、こうしたことがまさに加害者にも被害者にも傍観者にもならない、やはりそれぞれの児童生徒のそうした意識というものをさらに強く持っていただくということが大変大事なことだと思っていますので、文部科学省として各地方自治体、教育委員会とも連携をしながらそうした取組というものを進めてまいりたいと思いますし、また先ほども申し上げましたけれども、警察など関係機関としっかりと連携をした上でこうした問題に関してはしっかりと対応をしていくということだと思っているところであります。また、我が家についてということでお尋ねもありましたけれども、私の家におきましてもこうしたわいせつ事案にとどまらず、一般論といたしましてやはり嘘はついてはいけないでありますとか、また同時にやはり相手のことを傷つけたり、それは肉体的なだけではなくて当然精神的なものも含めて、やはりそういう行為は絶対にしてはいけないとか、私自身はそういうことをしっかりと子供たちには伝えているつもりであります。
(了)
大臣官房総務課広報室