松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年2月3日)

令和8年2月3日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

JAMSTECによる南鳥島沖でのレアアース泥の揚泥成功と掘削技術の進歩に関する所感及び今後の研究開発の推進、いわゆる高校無償化や給食無償化の令和8年度からの開始に向けた見解、東京大学大学院医学系研究科に所属していた教員の収賄容疑での逮捕及び国際卓越研究大学の認定審査への影響、SNS上での暴力行為等の動画拡散に関する通知のねらい及び暴力行為やいじめの防止に関する意識の教育現場への更なる浸透

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和8年2月3日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和8年2月3日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和8年2月3日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私から、冒頭発言1件であります。2月1日日曜日未明になりますけれども、海洋研究開発機構、JAMSTECが所有をいたしております地球深部探査船「ちきゅう」を用いまして、南鳥島周辺海域におきまして最初のレアアース泥が船上に揚泥されたことを確認したと同機構から昨日発表がございました。本試験は、これまで内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)におきまして実施されている事業であります。引き揚げた試料に実際どの程度のレアアースが含有されているかなど、詳細については今後確認すると聞いておりますが、まずは約6,000メートルもの深海よりレアアース泥を上げることに成功したことを嬉しく思っているところであります。文部科学省としては、引き続き海洋分野の研究開発を通じて我が国の発展に貢献をしてまいりたいと存じます。私からは以上です。

記者)
 今回の衆院選では、高校授業料と給食の無償化についても議論のテーマになるかなと思うのですが、これらの施策の4月からの開始について、先日官房長官が言及されたように暫定予算に組み入れることで4月から予定通りスタートが可能なのかどうかという点を確認させていただきたいのと、加えて4月からの開始に不安を感じておられる関係者の方もいらっしゃるかと思いますのでもし大臣からメッセージ等があれば教えてください。

大臣)
 先日の会見で総理からもお話がございましたいわゆる高校無償化、学校給食費の抜本的な負担軽減につきましては、関連法案の年度内の成立や暫定予算の計上など、あらゆる努力をして実現してまいりたいというふうに考えているところであります。文部科学省といたしましては、財政当局ともよく連携しながら事業の実施時期や必要性も踏まえつつ、影響が生じないように適切に対応し、4月から新たな制度を着実に実施できるようにしっかりと準備を進めてまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、選挙が終わってどういう政治体制になるのかというものはまだ不透明なわけでありますけれども、その後の状況などもあります。いずれにいたしましても、我々としてはそうした様々な手段というものも駆使をしながら4月からの事業実施に向けて財政当局とも相談をしつつ、しっかりと準備を進めてまいりたいと思います。

記者)
 レアアースの関連で伺います。冒頭発言でもございましたが、今回、海底から泥の回収をするにあたって様々な技術が使われたと伺っております。技術の進歩について、大臣はどう評価しているかお伺いします。もう一つ、今後、レアアース成分分析であるとか採掘量について課題になってくると思います。その課題をクリアするために、文科省としてはどのように研究や技術開発を推進していくのか、今後の展望をお願いします。

大臣)
 まず、地球深部探査船「ちきゅう」でありますけれども、これは世界最高の科学掘削能力を備えました掘削船であります。これまで巨大地震発生の仕組みでありますとか、あと海底下での微生物生態系の解明等に貢献をしてまいりました。今回、大変6,000メートルという深海から泥を揚泥することに成功したわけでありますけれども、元々、2024年には海洋科学掘削の世界最新記録を更新するなど、本当に世界トップクラスのそうした成果というものを挙げてきたところでありまして、そういう意味では内閣府のSIP事業に我々のこうした技術というものが役立てることができた、そして日本の将来にとっても大きな一歩を記すことができたということは本当に嬉しく思っているところであります。また、試掘に先立ちまして深海に存在する資源を様々な研究船や探査機を用いて把握することなども重要でありまして、今回の試験は我が国の優れた海洋技術を結集した成果でもあるのではないかと思っております。文部科学省としては、引き続き海洋科学掘削を含む深海探査技術などの研究開発に取り組んでまいります。また、レアアース泥の採掘に関する産業化に向けましては、今後、内閣府のSIP事業において現在行っている試験の結果も踏まえまして、レアアース泥の採鉱から分離・精製までの一連のプロセスの実証と経済性の検証などを進める予定と承知をしているところであります。文部科学省としても、内閣府と連携をして引き続き本事業の推進に貢献をしてまいりたいと思いますが、もう一つ個人的な思いを言わせていただくのであれば、もちろんこの探査船「ちきゅう」の技術というものも大変素晴らしくて、例えばこれだけ6,000メートルというと水圧も大変大きなものがかかりますし、また海流の影響も非常に大きいですし、そんな中で一定のところからパイプを傷つけることなく上げ続けるというのは大変な技術が必要であります。加えて、この揚泥プロジェクトを実現するためには「江戸っ子1号」という実はそういう装置も重要な役割を果たしていただいておりまして、これは町工場の皆さんたちが一生懸命知恵を絞り、そして技術を結集して作り上げてきてくださった、そうした機械が一緒にやってくださることによって今回こういうことが出来上がったということであります。そういう意味では、ちょっとこれは文部科学省の管轄とはちょっと離れてしまう話ではあろうかと思いますけれども、そういう意味ではもちろんJAMSTECが持つ「ちきゅう」というものが持つ大変最先端の技術はもちろんそうでありますけれども、でもそうではなくてやはり日本の町工場だったりが持っているそういう技術というものがこうした世界最先端、そして我が国の大きな1歩になるかもしれない、そうした大きなチャレンジに大変大きな貢献をしていただいているということが私にとってはすごく嬉しいことでありまして、ぜひこうした皆さんとも力を合わせながらこのプロジェクトが今後さらに進展をしていくということを期待していきたいと思います。

記者)
 国際卓越研究大学の関連でお伺いします。先月末に東京大学大学院の教授が収賄容疑で逮捕され、その件で東京大学が会見を開きましたが、その中でも22件の倫理規定違反があったことなどを明らかにしています。東大は国際卓越研究大学の審査が継続中で、ガバナンス体制の新たな不祥事が発覚した場合には審査が打ち切りになる可能性というのも示唆されていましたが、今後の審査について打ち切りの可能性も含めて大臣の御見解をお聞かせください。

大臣)
 まずもって、国立大学法人の教員によります社会の信頼を大きく損なうこうした事態が発生したことは言語道断で大変遺憾に思っております。まずは東京大学自身が事実関係の徹底的な調査、またこれに基づく厳正な処分と併せまして、不祥事が生じた原因、背景などの把握、再発防止策の具体策を進めることが急務であります。また、厳正な処分にとどまらず、不祥事を未然に防げなかった部局縦割りのガバナンス構造からの脱却が強く求められていると考えておりまして、東京大学には不退転の決意で取り組んでいただく必要があると考えております。その上で、今回の逮捕事案は第二回の国際卓越研究大学の審査の過程において既に明らかになっていた教授の不祥事にかかる事案でありますので、教授が逮捕されたことのみで即座に審査を打ち切ることにはならないと考えておりますが、他方で今回の事案に対する大学の対応が仮にガバナンスに欠けるものである場合は審査を打ち切る可能性もあり得るというふうに考えております。まずは、文部科学省としては今回の事案に対する大学の対応をしっかりと見極めてまいりたいと思いますが、ぜひこうした厳しい目が東京大学には向けられているということを、まずは東京大学自身がしっかりと認識をしていただいて対策というものを示していただきたいと考えております。

記者)
 SNSにアップされている中学生、高校生のいじめ動画の関係でちょっと伺います。先日、確か金曜だったと思いますけれども、改めて文部科学省のほうから通知を出されていると思いますけれども、前回の教育庁が作った緊急会議まで局長が読み上げられたものとほぼほぼ内容は一緒かなと思ったのですけれども、特にこれの中で大臣として訴えたかったことというのがもしあれば教えてください。あるいは、同じことでも何度でも発出する意味があるということであればそれも教えてください。あと、そもそもSNSにアップされる前に暴力行為というのは基本的には根絶したほうがいいことだと思っております。それがこうやって度々出てきてしまうというのは何らかの手を打つ必要があるのだと思いますけれども、そこを大臣はどうお考えになるのか教えてください。

大臣)
 今御指摘がありましたように、先週1月30日、全国の教育委員会等に対しまして通知を発出したところであります。この通知におきましては、「緊急都道府県・指定都市教育委員会教育長会議」や「いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議」の結果も踏まえまして、国立、私立の学校を含めまして、各学校において令和7年度中に見過ごされている暴力行為やいじめがないか確認を行うこと、児童生徒に対し暴力行為やいじめは決して許されるものではなくて事案による暴行罪や傷害罪等の犯罪行為にも該当し得ることを指導すること、SNSなどにおける誹謗中傷などにおける人権侵害の恐れなども含めた情報モラル教育を実施すること等を要請するとともに、新たに関係省庁が整備する相談窓口一覧や情報モラル教育関連の資料等を通知したところであります。文部科学大臣として改めて強く申し上げますけれども、児童生徒の暴力行為、いじめは決して許されるものではありません。通知でも改めて強調をさせていただきました。私自身の思いとして、まさに今お話があったとおりでありますけれども、動画の拡散というものも確かにいろいろとありますけれども、ただそれ以前にやはりこうした事案が発生することということがどれだけ大きな問題なのかということを、改めてやはり子供たちにはしっかりと理解をしてもらいたいということであります。暴力行為でありますとか、そうしたいじめというような行為というものは決して許されるものではありません。ぜひやはりここの一番最初の1歩目と言いますか、最初のところをきちんと伝えるべきではないかということを私自身も強く役所の仲間の皆さんにはお話をしてきたところでありまして、我々といたしましてはこうした点を強く念頭に置きながら、これまでもこうした通知というものを発してきたというふうに考えているところであります。ぜひこういう趣旨というものをそれぞれの教育関係者、また学校現場の皆さんには御理解をいただいて、子供たちに対してそうした指導というものをしていただきたいというふうに思っているところであります。また、全ての児童生徒が安心して学校生活を送るためには児童生徒が声を上げられる環境の整備とともに、事案が発生した場合には第一に被害児童生徒を徹底して守り通すこと、また加害児童生徒に対しては毅然とした対応をとることが必要と考えているところでもあります。文部科学省といたしましても、SNSなどにおいて暴力行為やいじめの動画が投稿、拡散された事案について、教育委員会などに個別の事実関係の報告を求めまして必要な指導助言を行っていくこととしております。引き続き、安全・安心な学校環境を守るべく、対応の徹底を図ってまいりたいと存じます。以上です。

(了)

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