松本洋平文部科学大臣記者会見録-予算-(令和7年12月24日)

令和7年12月24日(水曜日)
教育、文化

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令和8年度予算案についての財務大臣との折衝、国立大学法人運営費交付金の増額、対象分野拡大に伴う重要無形文化財保存特別助成金の拡充

松本洋平文部科学大臣臨時記者会見映像版

令和7年12月24日(水曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年12月24日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和7年12月24日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 たった今でありますけれども、令和8年度の予算案につきまして、財務大臣との折衝を行ってまいりました。折衝事項につきましては、配布資料を御覧いただきたいと存じます。まず1点目でありますけれども、国立大学の基盤を支えます国立大学法人運営費交付金についてでありますけれども、物価上昇などが継続する中におきましても基礎研究の充実、文理融合、学長による経営改革支援、自己収入確保策の強化を図るため、前年度から188億円を増額することを了承いただきました。これは、平成26年度当初予算における東日本大震災による国家公務員の給与減額支給措置の終了に伴う増額を除きますと過去最大の増額となるところであります。ノーベル賞を受賞された先生方からも直接御訪問をいただき、御要望をいただいたところでもありますけれども、基礎研究の充実や若手研究者が研究にしっかりと取り組むことができる環境整備をしてほしいとのお言葉を先生方からもいただいたところでありますし、また高市総理からも来年度から始まる第7期科学技術・イノベーション基本計画の取りまとめに向けまして、我が国の「科学」を再興すべく、運営費交付金などの基盤的経費や基礎研究への投資の大幅な拡充について検討するよう指示があったところであります。私といたしましても、国立大学法人運営費交付金は各大学の安定的・継続的な教育研究活動を支える非常に重要な基盤的経費であるとの認識のもと、運営費交付金421億円を含む合計486億円を計上した令和7年度補正予算と合わせまして、必要な予算の確保を最重要課題として取り組んできたところであります。今回の増額は極めて大きな意味を持つものと考えております。なお、合わせて今後見込まれる大学進学者数の減少に対応をいたしまして、高等教育機関全体の規模の適正化を図るため、国立大学の定員見直しや私立大学の再編統合などに向けた取組を進めることについても確認をしてきたところであります。
 続いて2点目でありますけれども、いわゆる「人間国宝」の方々への助成金であります重要無形文化財保存特別助成金の交付につきまして、「生活文化」の分野に拡大し令和8年度交付分として10名分を追加で措置することを了承いただきました。まず、これまで重要無形文化財として「芸能」及び「工芸技術」の2分野で指定を行ってきたところでありますが、新たに食文化を含む「生活文化」分野を指定対象とすることといたしました。重要無形文化財の対象分野の拡大は、昭和29年の制度創設以来、初めてのこととなります。重要無形文化財の指定と合わせて高度な「わざ」を体現・体得しております保持者をいわゆる「人間国宝」として認定する点が我が国の文化の特徴の一つであります。本日の合意によりまして、新たに食文化を含む「生活文化」の分野における重要無形文化財の各個認定保持者、いわゆる「人間国宝」認定の道が開けたことになります。以上2点について御了承いただいた片山財務大臣に感謝を申し上げたいと存じます。私からは以上です。

記者)
 国立大学の運営費交付金の関係で伺います。188億円の増幅を目的として4つ、基礎研究の充実云々と学長の経営改革、自己収入確保策の強化 いうことかと解釈したのですが、もう少しこの件について詳しく教えていただきたいと思います。また、この取組を推進するためにどのように大学に実効性を確保、大学の実効性を確保するのかという点についても伺います。

大臣)
 近年の物価上昇が続いている中で、運営費交付金がずっと横ばい状態が続いている中で実質目減り状態が続いていたというようなことはこれまでも様々な場面で御指摘をいただいてきたところでもあります。これによって、学校経営もそうでありますし、教員の皆さんの処遇であったりとか、また基礎研究力が低下をしているのではないかとか、様々な指摘があったというふうに理解をしているところでもあります。実際、学校現場の皆さんからもそういうお声というものもいただきましたし、ノーベル賞を今回受賞されたお二方の先生方からもそうしたことがございました。そういう中で、そういう声を受け止める形で文部科学省といたしましてもこれから大学というものが果たしていただかなければならない役割というものがますます重要になっていく観点の中で、この運営費交付金を十分な増額措置をしていくということは極めて重要だというような観点でこれまで予算折衝を続けてきて、今日こういう結果になったということであります。ぜひこうした予算というもの、来年度からということでお認めをいただいたわけでありますけれども、先日、国大協の役員の皆さんにも大臣室にお越しをいただいていろいろとお話をお聞かせいただいたところでありますけれども、ぜひ我々といたしましては今回の予算というもののそうした、今申し上げたような四つの観点というものをよく理解をしていただいた上で、まずは学校独自にしっかりとそれらに資する取組というものを進めてもらうことを期待していきたいと思いますし、またそうした国立大学の取組状況というものを我々文部科学省といたしましてもしっかりと拝見をしながら、そして一緒に取組を進めながら真に大学教育の質を高めていくような、そういう措置につながっていけばというふうに思います。

記者)
 国立大の運営費交付金についてお伺いします。長年にわたって運営費交付金というのが削減されて、据え置きとか削減されてきたところで、先日の財政審でも結構意見の対立と言いますか、大臣自ら発言するようなこともあったと思いますけれども、今回増額に至った背景として何が一番大きかったのか。そして、11月の段階ではまだ対立する部分もあったと思うのですけれども、その後の財務省とのいろいろなやり取りの中でどのあたりが大きく加味して今回のこういった結論に至ったのか、大臣としての御意見をお伺いしたいのと、もう1点は今後、大きな意味を持つというふうに先ほどおっしゃいましたけれども、この増額というのは今後どういうふうにつながっていくのかと言いますか、そのあたりお聞かせください。

大臣)
 おっしゃるとおりで、当初、財政審からは大変厳しい指摘があったところでありまして、私もこの記者会見の場でそれに対する文部科学大臣としての見解というものも述べさせていただいたところであります。まずは、こうした我々の主張や思いというものがしっかりと財務省に届いた、財政当局に理解をしていただいたということかと思います。そのきっかけとして大変大きかったのは、もちろん我々文科省といたしましても粘り強くそのことを理解してもらうように財政当局への働きかけもしてきたところでもありますが、やはり高市総理から第7期科学技術・イノベーション基本計画の取りまとめに向けて実際に会議の場で運営費交付金などの基盤的経費や基礎研究への投資の大幅な拡充について検討するようにということで、総理御自身の御判断、意思として示していただいたということも大変大きかったのではないかというふうに思っているところであります。ぜひそうしたことを大学当局にもしっかりと伝えていきたいと思いますし、そうした我々の思いに応えてこれらの予算というものを有効に使ってもらいたい、そのように思っております。加えて、今回の188億の意味合いでありますけれども、もちろん補正と合わせた金額の規模というものもあるのですけれども、私としてはやはり当初予算で増額に転じたというところが非常に大きいと思っております。ご承知のとおり、補正予算というのはやはり緊急に必要になったりだとか、新たに社会情勢が変化をしたりというような様々なことがあって毎年度、ある意味予測、予想することができる、そうした予算としてどこまで大学当局が受け止められるのかということがあるのに対しまして、やはり当初予算で増額に転じることができたということはある意味においてこれからの未来を考える上においても、また大学の皆さんがそれぞれのこれらの予算を使用しての大学運営を考える上においても、将来に向けての見通しを持って、強い見通しを持ってそうした運営をしていただく、また改革を進めていただく礎になっていくという意味においては、今回、当初予算において188億の増額ということで、先ほどもありましたように東日本大震災の後、そのときを除けば過去最大の増額という形でこの運営費交付金の増額、並びにこれまでずっと横ばいが続いていて財政審からも厳しい指摘があった運営費交付金を当初予算の中で増額に転じることができたということの意味合いというのは非常に大きいというふうに理解をしています。

記者)
 私からいわゆる「人間国宝」の指定枠について伺います。生活文化には伝統的酒作りや料理など様々な分野が含まれていまして、技の伝承者も多数いるとみられます。今回、全省で十分な予算が確保できたと考えますでしょうか。手応えを教えてくださいというのと、「人間国宝」の指定枠の拡大が生活文化の振興にどう資すると考えているかというのを教えてください。

大臣)
 今回の10名分の確保ということにつきましては、我々としては概算要求において要求をしていたことの満額の回答を財務省からいただいたということでありますので、そういう意味ではおかげさまで今回我々として思っている十分な御解答、予算を付けていただくことになったというふうに承知をしているところであります。今後、この予算を使って実際の「人間国宝」への指定(注)というものに関しましては、これからこれを受けて具体的にいろいろとまた議論をしていくことになりますので、この場でなかなか申し上げられることはないわけでありますが、ただ一方で今までこうして生活文化という分野において「人間国宝」というものがなかったのが今回から新しくできるという状況の中で、こうした技術を持っている方たちのモチベーションを上げていくことにもつながっていただきたいと思いますし、また同時にそうした皆さんが大切な、「人間国宝」に指定(注)されるほどの大切なその技術というものを広く世間に知らしめ、加えてやはり後継者の育成も含めた人間が持っている生活文化の技術というものを後世に伝えていくという意味においても大きな意味を持つものというふうに考えておりまして、そういうところを大臣としては大変期待をしております。
(注)「指定」は、正しくは「認定」です。

(了)

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