松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和7年12月23日)

令和7年12月23日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

H3ロケット8号機による「みちびき5号機」の打上げ失敗、教員性暴力等防止法に基づくデータベースの活用状況等調査の結果、人事行政状況調査結果における教育職員の精神疾患による病気休職者数、豪SNS規制法の施行の受け止め及びSNS等が及ぼす子供への影響と対応

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和7年12月23日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年12月23日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和7年12月23日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件であります。昨日、H3ロケット8号機により「みちびき5号機」の打上げが失敗をいたしました。誠に残念であるとともに、国民の皆さま、関係者の皆さまの多大なる御期待や御支援に応えることができず、大変申し訳なく思っているところであります。昨日、小林副大臣を本部長とする対策本部を設置いたしまして、早急な原因究明と対策検討に全力で取り組んでいるところであります。これを踏まえまして、本日、有識者会合による調査、検討を開始することになっております。そのことを御報告申し上げたいと存じます。文部科学省といたしましては、H3ロケットの安定的・継続的な運用に向けて原因を確実に究明し、早急に対策を立て国内外のH3ロケットに対する信頼を取り戻せるよう、関係機関と連携しつつ全力で対応してまいります。私からは以上となります。

記者)
 教員による性暴力防止法に基づくデータベースの活用状況調査について伺います。昨日、結果が公表されましたが、教育委員会や学校法人など、活用が法律で義務付けられていても約7割が適切に活用しておらず、約4割は登録もしていないことが分かりました。この結果の受け止めをお聞かせください。また、多くは法律やデータベースの使い方などの理解の不足が要因で周知不足とも取れますけれども、所管庁としての責任をどのように感じるのか、御見解をお聞かせください。

大臣)
 まずは、活用が義務付けられているにも関わらずそうでないということが大変多く判明をしたということについては大変遺憾に思っております。子供を守り育てる立場にある教員が児童生徒性暴力を行うことなどということは断じてあってはならないことであります。児童生徒性暴力の未然防止に向けた重要な取組の一つとして、教員性暴力等防止法に基づくデータベースの活用が位置づけられているところであります。文部科学省におきましては、これまでも本法に定める義務の履行について通知や様々な会議等において繰り返し周知を図ってきたところでありますけれども、本調査により約7割の教員採用権者がデータベースを正しく活用できていなかったという事実が判明をしたところであります。改めて大変遺憾に思っているところであります。多くの教員採用権者が法律で義務付けられた手続きを実行できていなかったという事実を重く受け止めておりまして、本日、全ての教員採用権者に対しましてデータベースの活用徹底について再度周知を行いました。また、今般の調査結果を踏まえればこれらの方法のみでは必ずしも適切な活用には至らないと判断をいたしまして、全ての教員採用権者にデータベースを確実に活用させるための実効的な対策の検討について事務方に指示をしたところであります。現在、具体的な方策を検討しているところであり、順次実行に移してまいりたいと存じます。本当に私自身も大変、先ほども申し上げたとおり、遺憾に思っているところであります。これまでももちろん周知徹底には努めてきたところでありますけれども、ただ単にお願いをする、あとは皆さんよろしくお願いしますではこうした結果になってしまったということを重く受け止めているところでありまして、そういう意味で必ず活用をしてもらうためにどうすればいいのかという、もう一歩踏み込んだ対策を我々としてもやっていかなければいけないと私自身考えておりまして、そうした実効ある対策を何とか検討するようにということは既に指示を出しているところであります。今はまだ検討をしている最中ではありますけれども、これらの検討がまとまり次第、順次実行に移すことによって子供たちへの性暴力の根絶を果たしてまいりたいと思いますし、またこども家庭庁とも連携をしてまいりたいと思います。

記者)
 H3ロケットの関連でお伺いします。H3ロケットの関連では、今後、今年度中のみちびき7機体制や30形態試験機打上げ、MMX計画、他にもラムセス計画など、国際的な信頼性が重要となる計画も来年度以降多く控えております。こういった計画に対する影響についての御所感をお願いします。また、原因究明が続く間、日本の基幹ロケットをしばらく打ち上げができない状況が続くことになりますが、どのように国際市場で存在感だったり、そういったところをこう示し続けていくか、お考えをお聞かせください。

大臣)
 改めまして、H3ロケット8号機の打上げ失敗について本当に残念でありますし、また国民の皆様、関係者の皆様の多大なる御期待、御支援に応えられなかったことをまずおわびを申し上げたいと存じます。今後のプロジェクトへの影響につきましては、まずは現在、JAXAで原因について鋭意調査中であります。そして、それについては現時点で予断を持って申し上げられる状況にはございません。当然、原因の究明が行われ、そしてそれに対する対応というものが行われてということがこれからの手順になっていくわけでありますけれども、まずは原因究明の段階のところで今まだ調査中であるということから、今後についても何か今のところ明確に申し上げられる状況にはないということであります。その上で、今後のH3ロケットの安定的・継続的な運用に向けましてしっかりとそうした原因究明や対策検討に取り組むとともに、これらを通じて国内外の信頼を取り戻すことができるように文部科学省としても全力を尽くしてまいりたいと存じます。以上です。

記者)
 昨日公表されました令和6年度の人事行政状況調査、精神疾患によって休職した教員が7,087人でした。これまで数年増えていたものの、今回増えが止まったとは言え高止まりという状況ですけれども、これに対する受け止めを教えていただければと思います。

大臣)
 令和6年度の調査結果におきまして、教育職員の精神疾患による病気休職者数は7,087名となりまして、前回調査から32人減少をしたものの、教育職員の占める割合は横ばいとなっておりまして、引き続きメンタルヘルス対策は喫緊の課題であるというふうに考えているところであります。今回の調査では、前回と同様、精神疾患による病気休職の要因に関する教育委員会の認識について調査をいたしました。主な要因といたしましては、児童生徒に対する指導そのものに関すること、上司・同僚・部下等の職場の対人関係、校務分掌や調査対応等、事務的な業務に関することが挙げられたところであります。また、実際この結果を見てみますとそういう理由面もそうなのですけれども、年代で見てみると例えば30代、50代といった新たな責任ある役職に就くタイミングが多いというようなお話でありますとか、また採用1年未満とか勤務校に来て2年未満とか、実はそういうそれぞれの要因だけではなくてそれぞれの時期によってもいろいろと傾向が見られるということが分かったのではないかというふうに思っているところでありまして、そういう意味では文部科学省として今回の調査結果も踏まえまして、一層学校における働き方改革の推進、メンタルヘルス対策の充実、教職員定数の改善等、教師を取り巻く環境の整備を進めてまいりたいと思いますが、今申し上げたような様々な観点から今回の調査結果というものを改めてしっかりと文科省としても分析をした上で、より効果的にそうした対策を講じることができるように行ってまいりたいと存じます。

記者)
 H3ロケットは予定の軌道より低い軌道に入り、第2段ロケットから衛星が分離されたかどうか分からない状態であると昨日の記者会見で聞いたのですけれども、現段階で大臣は第2段ロケットがどの位置にあるのか、衛星が分離されているのかとか、最新状況をどの程度把握されているのでしょうか。

大臣)
 現在、そういうことも含めて様々な状況を精査しているというふうに承知をしているところであります。それらの状況というものがしっかりと判明を次第、皆さんにも改めてお伝えをしてまいりたいと思います。

記者)
 それに関連してなのですけれども、日本だけではなくてアメリカとかヨーロッパとか、普段友好関係がある他国の宇宙機関にも調査とかどの点を、第2段ロケットが飛んでいるかとか、そういうふうに協力とかしてもらっているのでしょうか。

大臣)
 現在の調査の状況については、改めてしっかりと精査をし、皆様方にお伝えをできる状況になったところでお伝えをしていくことになろうかと思っているところでありまして、現時点においてまだそうしたことがしっかりと固まっていない状況でのコメントは大変恐縮ですけれども、差し控えさせていただきたいと存じます。

記者)
 子供とデジタルデバイス、SNSとの関係について伺います。諸外国では一部で年齢制限を区切ってSNS等に接しないような動きも出てきていますけれども、これに関して大臣として受け止めを伺いたいです。それに加えて、文科省で行われている調査でもスクリーンタイムですとか、いろいろデジタルデバイスに関す質問も一部設けているところですけれども、これはそれなりの先を見越して、何かしらの実施も見越してのことなのかというのをちょっと伺いたいです。日本でもそういう規制が取り入れられる可能性があるのかも含めて教えてください。

大臣)
 オーストラリアにおきまして、16歳未満のSNSを禁止する法律が施行されたことは承知をしております。御指摘のSNSなどが及ぼす子供への影響について、一概に申し上げることは困難ではありますが、例えば「全国学力・学習状況等調査」におきましては授業が「よく分かる」と回答している児童生徒のほうが、勉強時間が長く、テレビゲームやSNS・動画等の視聴時間が短いという結果、また「全国体力・運動習慣等調査」(注)におきましては、学習以外のスクリーンタイムが長い児童生徒は体力合計点が全国平均を下回るという結果もあるところであります。学力調査の結果などにおいては、統計的にテレビゲームだったりとか、SNS動画等の視聴の時間と学習時間、そしてその結果というものに有意な結果が出ているというふうに報告を受けているところであります。こうしたことも踏まえまして、文部科学省として情報モラル教育に関する学習支援コンテンツの提供や青少年のインターネット利用に関する保護者向けの啓発シンポジウムの開催など、SNSも含めて青少年のインターネットの適切な利用に関する教育啓発活動を推進しているところであります。まずは、こうした様々な調査から見えてきた結果というものをしっかりと広く国民の皆さんに知っていただいて、そして各家庭での子供たちの環境をどういうふうに作っていくのかということに関しまして、ぜひそれぞれの家庭の取組の参考にしていただくような情報提供というものを我々としては進めてまいりたいと考えているところであります。なお、御指摘のオーストラリアの事例も含めまして、インターネットの利用をめぐる青少年の保護の在り方については、こども家庭庁が設置する有識者ワーキンググループにおいて課題や論点の整理を取りまとめ、現在、これを受けて関係府省庁連絡会議おいてさらに議論を進めているところであります。我々といたしましても、こうしたこども家庭庁の取組というものを文部科学省としても協力をしながら、引き続きこども家庭庁を中心にインターネット利用を子供たちが安心して安全に使える、そうした環境整備に努めてまいりたいと存じます。ですから、今のところ何か我々としてそういうことを念頭に置いているということはございません。
(注)「全国体力・運動習慣等調査」は、正しくは「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」です。

記者)
 H3のことなのですけれども、H3ロケットの失敗は初号機に続いて2回目ということで、考えてみますとこちらのロケットですが、イプシロンSも地上燃焼試験に2回失敗しているということがありまして、ちょっとそのあたり今までと違う様相を呈していると思うのですけれども、そういった原因究明の在り方について2回同じようなことが起きてしまうということに関しての大臣のお考えというか、御所感をお伺いしたいです。

大臣)
 2回というのは、初号機の失敗と今回という、そういう2回という理解でいいのですかね。そういう意味では、やはりロケットの打上げの成功率というのは信頼性に直結をするものでありますから、そういう意味ではやはりこうした事態に陥ったということは我々として重く受け止めていかなければいけない点だと思っております。もちろん、まだ今回の失敗に関しましては原因究明中でありますから、それがどういうものによるかが分からない状況でなかなかコメントをすることは難しいわけでありますし、また初号機の失敗との関係というものも我々として今の段階で何か言えるような材料を持っているわけではありません。ただ、一方で、より一層信頼性を高めていくために今回の失敗というものをどういうふうな教訓として今後につなげていくのかという観点において、それは原因究明だけではなくてそうしたことが起きないようにするための例えばプロセスも含めてどう考えるのかというようなことも含めて、恐らくJAXAでありますとか、また原因究明のチームのほうでいろいろと議論をしていただいているものと承知をしておりますので、承知をしておりますというか私自身がそういうのも期待していきたいと思いますので、そういうことも含めて信頼性を高めていくような、そうした対策というものをしっかりと立てていただきたいと思います。

(了)

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