松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和7年12月19日)

令和7年12月19日(金曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

石川県輪島市・能登町への視察,国際卓越研究大学の第2期公募における審査状況,「中央アジア+日本」対話・首脳会合,牛乳でスマイル・プロジェクト,東京科学大学、京都大学、東京大学への国際卓越大学としての期待,東京大学の継続審査期間におけるガバナンス強化への期待,中国政府による中国人の日本への留学中止や延期の実態把握,国際卓越研究大学への支援開始に向けたスケジュール,中教審における教職課程の見直しの目的と今後の教師像,児童生徒が「性的ディープフェイク」の加害者・被害者とならないための対応方針,学校給食の牛乳を冬季でも無理なく飲んでもらうための工夫

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和7年12月19日(金曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年12月19日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和7年12月19日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは4件、報告、発言をさせていただきます。一昨日、臨時国会が閉会をいたしました。大臣に就任してこの臨時国会、対応してきたわけでありますけれども、国会が閉会をしたということで、初めての地方出張に今回行ってきたわけでありますけれども、今回の初めての地方出張は地震、そして豪雨災害で被害がありました能登へお伺いをしてきたところであります。具体的には、輪島市立河井小学校、金沢大学環日本海域環境研究センター臨海実験施設、能登町営まちなか鳳雛塾、石川県立能登高等学校等を訪問させていただきました。各訪問先におきましては、河井小学校では仮設校舎で元気に学ぶ子供たちの姿、金沢大学では「オール金沢大学」の体制で能登の創造的復興に貢献をしております状況、まちなか鳳雛塾におきましては、地域の実情や生徒のニーズに合わせた丁寧な学習支援、能登高校では生徒の皆さんから直接熱意を持って取り組んでいることや将来の目標、地元能登への思いについてお話等を伺ってきたところであります。関係者の皆様方には改めて感謝と敬意を表したいと存じます。今回の視察を経まして、改めて被災地の皆様が一日でも早く元の生活を取り戻し、活力ある地域に戻るよう、復旧、復興に向けた決意を新たにしたところであります。引き続き、現地の皆様と連携を密にしつつ、被災地に寄り添い、しっかりと支援をしてまいりたいと存じます。もう少しだけちょっと私、詳しくお話をさせていただきたいと思いますけれども、被災地において本当に様々なお話を聞かせていただきました。とりわけ、先ほどもお話がありましたように輪島市立河井小学校は現在、仮設校舎で未だ授業を行っているような状況でありますし、また現在、子供たちの数が減っている状況の中で新たな町としての教育の環境整備というものも視野に入れながら、今、教育の場における復旧、復興活動というものに全力を尽くしていただいているところであります。現地からは、国のそうした制度や予算というものをより柔軟に使えるようにしていただきたいというようなお話をいただいたようなところがございましたし、また私自身大変印象に残っているところでは、発災直後に生徒の安否確認であったり教職員の皆さんの安否確認、また学校がいつ再開をしていくのかとか、どういう形で再開をしていくのかというような情報伝達に大変苦労したというようなお話も聞かせていただいたところであります。こうした課題というものを、受け止めをしつつ、復旧、復興を今一度、文科省として強力に各省庁と連携をしながら後押しをしていくのと同時に、これは能登の地震を一つの教訓といたしまして、そうした学校の災害対応みたいなものも今一度しっかりと見直しをしていくべきではないかということを私自身大変感じたところであります。文部科学省の中でもぜひいろいろと協議をしながらこうした体制というものを整えていきたいと思っております。また、同時にまちなか鳳雛塾というところを拝見させていただきました。これは、公営の学習塾になるわけでありますけれども、能登のように非常に人口が少ない地域においては町の中に民間の学習塾というものが存在をしない中で、これは震災だからという話ではないわけでありますけれども、そもそも受験などを控えている学生さんたちはこれをきっかけに町から外に出てしまうということがありましたし、そういうことが町の調査の中で明らかになっている中で、いわば公営形式でこの塾というものを作ったということであります。これによって学力の向上が図られただけではなくて、放課後の高校生たちの居場所づくりにもつながっているというお話もありましたし、また同時にこれによって町の外に高校生が転出をしていくということの歯止めにもつながりまして、町の試算によってはこれに投じられている予算よりもかなり大きい額の経済効果というものがあったということも、また町のほうから説明があったところであります。こうした様々な学びというものもありました。また、県立能登高校の生徒さんたちと直接お話をさせていただきましたけれども、大変印象に残っているのはそれぞれの生徒さんたちが自分たちの将来像というものを非常に明確に持ちながら学びをしているということ、もう一つは例えばどこどこの大学に行きたいとか、私は水産の世界に入って頑張っていきたいとか、そういうことをものすごく具体的にお話をされている姿と、やはり大好きな能登を何とか自分たちの力でもっともっと元気にしていきたいということを高校生の皆さんが自分で考えて、自分たちの言葉で伝えてくれた姿というのが大変印象的だったところでもあります。馳知事をはじめとして、地域からもこれからの奥能登地域の高校教育の在り方について、ぜひ学校単位の教育の質を高めるのではなくて奥能登には5校、公立高校があると聞いておりますけれども、これらが連携して面的にそうした教育環境を整えていくように、これもまた政府の制度や予算というものをぜひ柔軟にそういうものにも使わせてほしいというようなお話というものもいただいているところであります。補正予算で3,000億円の予算もつけていただいたわけでありますけれども、こういうものもそうした地域の声というものもしっかりと受け止めをしながら、また同時にこれからガイドライン(注)の作成作業を最終的に国として進めていくわけでありますけれども、これらに基づいた各都道府県での計画というものを一緒になって考えながらこうした様々な取組を後押ししていきたいと思っております。すみません。一つ目の冒頭発言が長くなりまして恐縮でございますけれども、ぜひ皆さんにご説明したいと思ってちょっとお時間を頂戴しました。
 2件目です。大学ファンドの支援対象となる国際卓越研究大学の第2期公募における審査状況についてお知らせをいたします。8大学からの申請につきまして、この6月から有識者会議におきまして大学側との丁寧な対話や研究現場の視察を通じて審査を実施してきたところであります。まず、これまで学内で真摯に提案の検討を行ってくださった各大学や各大学の計画を審査いただいた有識者会議に感謝をいたしたいと存じます。有識者会議では、東京科学大学は国際卓越研究大学として令和8年4月から体制強化計画を開始、京都大学は認定候補として最長で1年間、体制強化計画案の磨き上げを実施した上で計画を開始することが適当との判断に至ったと報告を受けております。加えて、東京大学は最長で1年間審査を継続することが適当と判断をされました。文部科学省としては、国際卓越研究大学への支援を通じまして世界最高水準の研究大学の形成を着実に進めるとともに、地域の中核大学や特定分野に強みを持つ大学の研究力向上のための支援などを通じまして、我が国全体の研究力の強化を図ってまいります。
 続きまして、3件目です。明日、「中央アジア+日本」対話(CA+JAD)・首脳会談が開催をされます。同会合の重点的協力分野の一つが「人づくり」であります。文部科学省においては、本会合を機にいたしましてウズベキスタンと高等教育分野における協力に関する取り決め、またカザフスタンとは科学及び高等教育分野における協力覚書に署名をいたします。このうち、ウズベキスタンにつきましては明日、ミルジヨーエフ大統領の御臨席のもと、日本とウズベキスタン両国の大学等関係者が参加する署名式が挙行され、私はシャリポフ高等教育・科学・イノベーション大臣とともに両国政府間の取り決め署名を行うところであります。ウズベキスタン、カザフスタン両国との取り決めなどに基づき、学生交流や科学技術協力など、両国とのさらなる連携の強化を図ってまいりたいと存じます。
 最後、4件目、私から1点お願いであります。普段は会見中にあまり水分を補給するということはしておりませんけれども、今日は地元東京都の牛乳を用意いたしました。牛乳は成長期の子供たちにとって不可欠な栄養素が豊富に含まれており、学校給食でも毎日取り入れられているところであります。例年、寒さが増すこの時期は家庭での牛乳消費が落ち込む傾向にございます。特に学校給食がない冬休み期間にも、未来を担う子供たちの健康な体づくりを支えるため、御家庭におかれましても牛乳を積極的に取り入れていただいてはいかがでしょうか。お願いを申し上げたいと思います。その際、子供たちの体質や体調に応じて無理なく栄養を摂取できるように御配慮をいただきますよう、併せてお願いをいたしたいと存じます。冒頭、私からは以上です。
(注)「ガイドライン」は、正しくは「グランドデザイン」です。

記者)
 まず、冒頭発言でありました卓越大についてお伺いします。昨年10月に統合した科学大、そして京都大でも条件付きの認定の見通しとなりました。世界に伍する研究大学に向けた期待を改めて教えてください。また一方で、東京大学は継続審査となっております。研究力とか規模といった意味でも極めて重要な大学だと思いますけれども、卓越大を目指す東大への期待や要望などがあれば教えてください。

大臣)
 まず、東京科学大学についてでありますけれども、分野横断型の研究教育組織への転換など、自らの意欲的な計画を、緊張感をもって実施していただきたいと存じます。次に、京都大学につきましては新たな研究組織体制への全学的な移行など、学内合意を得た的な構想を掲げており、有識者会議からの指摘事項に速やかに対応していただきたいと思います。それぞれの取組を通じて両大学には世界最高水準の研究大学を実現いただきたいというふうに期待をしているところであります。最後に、東京大学につきましては真摯に指摘事項に取り組み、継続される審査に臨んでいただきたいと考えております。以上です。

記者)
 東京大学の審査結果が継続審査になったことについて、背景には相次ぐ不祥事や逮捕事案が少なからず影響したと認識しています。文科省として、東大の特にガバナンス改革について今後1年以内にどんな対策をお考えか教えてください。

大臣)
 国際卓越研究大学の審査の観点といたしまして、その中の一つに自律と責任のあるガバナンス体制というのを求めているところであります。審査の個別の内容についてのお答えは控えさせていただきますが、有識者の会議におきましては東京大学に対しましてコンプライアンス上の問題に対する法人組織としての対応は国際卓越研究大学に求められている自立と責任あるガバナンスの構成要素として重要であるという意見をいただいていると承知をしております。東京大学の指摘事項につきましては、体制強化計画の実行可能性の担保の前提でありますため、有識者会議において最長で1年間審査を継続し、執行部が部局と一体として行う一体としての判断・責任を負う、法人としてのガバナンス体制への移行、全学の新たな資源配分基準の明確化・学内合意などについての対応状況を確認してまいりたいと存じます。まずは、東京大学自身が指摘に対してどのような取組が必要かご検討をいただいた上で、有識者会議と東京大学の間で対話を進めていただきたいと存じます。

記者)
 中国人の日本への国費留学や大学間交換留学などについて、自分の意思に反して中止や延期となるケースが相次いでいることが取材で分かりました。こうした件について、文部科学省として把握されているのか、また今後日本の各大学への聞き取り調査などを実施する予定はありますでしょうか。最後に、大臣自身がこのような中国人の学生が出ていることについてどのように感じられているか聞かせください。

大臣)
 御指摘の点につきましては、報道などの情報は承知をしているところでありますけれども、その詳細を把握してはおりませんのでコメントは差し控えたいと存じます。一般論になりますけれども、文部科学省としては中国を含め多様な国及び地域からの優秀な外国人留学生を受け入れることは、大学等における教育研究活動の質や国際競争力の向上に資するものと考えているところであります。また、若年層の相互理解を促進し、中長期的に日中関係の安定化に資する人材を育成していく上で青少年交流は重要であると考えておりまして、状況を注視してまいりたいと存じます。

記者)
 先ほどの卓越大に関して1点聞かせてください。先ほどの冒頭では東京科学大学の強化計画開始が来年4月からと発表されていましたけれども、これは言い換えると来年度分から助成が始まるというふうに理解しています。ここに至るまでの正式な大臣からの認定も含めたスケジュール感があれば教えてください。

大臣)
 今後、東京科学大学につきましては、科学技術・学術審議会及び総合科学技術・イノベーション会議の意見聴取を行った後、所管大臣として東京科学大学の国際卓越研究大学としての認定と体制強化計画の認可可否を判断する、そうした予定となっているところであります。また、認定・認可を行った場合には令和7年度中に東京科学大学への助成を開始する、そういう予定になっております。以上です。

記者)
 教員養成の関係で伺います。昨日の中教審のワーキンググループで今後の教育課程について中間まとめ案が出されました。教員養成、教員の免許取得の科目や単位の見直し案が示されて、改めて示されました。改めて、今回の教職課程の見直しの目的と、どのような教員を今後、養成していきたいのかということについて大臣のお考えを伺います。

大臣)
 現在、教師人材の質の向上と入職経路の拡幅を図ることを目的に中央教育審議会において、大学における教職課程や教員採用を含めた新たな時代の制度の在り方につきまして、制度の根本に立ち返った御議論をいただいているところであります。これまでの議論を踏まえますと、今後の教師像として社会の変化に伴った学びの在り方の変化に対応するために養成段階での学びに限らず、教職生涯にわたって学び続けることや多様な課題に直面する学校現場において、教師それぞれが自らの強みや専門性を伸ばしていき、互いに協力してチームとなって質の高い学校教育を提供することが求められていくのではないかといった御議論をいただいたものと承知をしているところであります。そうした教師像を実現していくために、昨日のワーキンググループにおける中間まとめ案におきましては、養成段階では専門的な学習に基づく強み、専門性も身につけることとし、合わせて共通で学ぶべき内容を厳選し、単位数を削減しつつ再構造化して充実させること、養成段階以降も継続的に資質、能力を引き上げるために研修を通じて強み、専門性をさらに伸ばしつつ、保有する免許状の修士レベル化を目指すことなどによりまして、全体として質の向上を図るべきとの方向性が示されたところであります。現時点で何かが決定されている段階ではございませんが、引き続き中央教育審議会での議論も踏まえながら、質の高い教師人材の確保のために必要な改革を進めてまいりたいと存じます。教職を取る課程の最初の段階で全てを100点満点の教師を育てるというよりも、やはりもちろんそうした基礎的なものというものはしっかりと守りつつ、ただ専門性であったりとかというものをより深く学んでいただいて、それらの専門性を持った教師の皆さんが学校の中でチームを作ることによって全体の教育の質を高めていくということも大変大事なことだと思っておりますし、また同時に実際にいろいろなアンケートなんかをとってみると、実際に教師になりたいけれどもなかなか単位数を考えるとその時点で諦めてしまうというような方もいらっしゃるというふうに承知をしています。また同時に、昨今の教育現場も皆さんもよくよくご承知だと思いますけれども、やはり新たなことを子供たちに教えていかなければいけないというような状況も増えている中で、やはりむしろ実際に教職についてからしっかりと学びを進めて質を高めていくというところを強化していくということも大変大事なことなのではないかというふうに思っておりまして、そういう観点で中教審ではいろいろと議論をしてくださっているのだというふうに承知をしているところであります。いずれにいたしましても、専門家、有識者の皆さんが今一生懸命議論をしてくださっているところでありますので、その議論というものを我々としてしっかりと見守ってまいりたいと存じます。

記者)
 性的ディープフェイクをめぐる件です。子供が被害を受けた事案のうち半数で被害者が同級生だったことが警察庁の集計で明らかになりました。大臣を含め、現在の大人の世代が子供の頃には想像しにくかった被害かと思いますが、学校現場でも対応が難しい面があるかと思います。ネットリテラシーの教育の充実なども含めて文部科学省として今後どのように取り組んでいかれるお考えかをお聞かせください。

大臣)
 いわゆる「性的ディープフェイク」によって児童生徒が被害を受けたり加害者になっている、こういう状況について大変深刻に受け止めているところであります。学校におきましては、被害を受けた児童生徒に対する心のケアが重要であることはもちろんでありますけれども、このような事案の未然防止に関する取組も大変重要であると考えております。そのため、文部科学省におきましては、例えば生成AIの不適切な使用やSNSなどでの拡散によるトラブルを防ぐための情報モラル教育の充実、そして子供たちを性犯罪・性暴力の加害者にも被害者にも傍観者にもさせないための「生命(いのち)の安全教育」等に取り組んでいるところであります。今般、このような被害が発生している状況を踏まえまして、警察庁を中心といたしまして文部科学省をはじめとする関係省庁が連携し、広報啓発の強化に取り組むこととしております。文部科学省におきましても、広報啓発のためのチラシをホームページへ掲載し、各教育委員会などに対して周知をすることによりまして、学校現場における「性的ディープフェイク」に関する理解促進に努め、児童生徒が安心して過ごせる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

記者)
 冒頭の牛乳の件で1問お伺いいたします。大臣、先ほどの発言で冬場、冬休みに御家庭でというような話でしたけれども、学校給食にも給食が出てきまして、冬季はやはり学校給食の中の牛乳というのも残ってしまう割合が高いのかなと思います。なので、こうした給食の牛乳を冬場でも無理なく美味しく子供たちに飲んでもらうための工夫と言いますか、そういったものについてもぜひ大臣のお考えを伺えればと思いまして質問させていただきます。

大臣)
 学校給食は栄養バランスの取れた食事の提供により子供たちの健康の保持増進などに資するものでありまして、牛乳から摂取されるカルシウムなどの栄養素は長期の子供たちにとって不可欠なものと考えております。子供たちが冬季でも牛乳を無理なく飲むことができるようにするためには、例えば牛乳と相性の良い献立を検討いただくことなども一つの方策になり得ると考えております。なお、重ねてになりますけれども、子供たちの体調や体質は様々でありますので、学校給食において、また御家庭においてもそうでありますけれども、牛乳を提供する際には子供たちが無理なく摂取できる量を提供するなど、適切に対応していただくことが重要と考えているところでありまして、その点は強調をしておきたいと思います。その上で私自身が個人的なことをお話させていただくのであれば、例えばホットミルクなんていうのも子供の頃から大好きでありましたし、またいちごなんかと一緒に食べたりというようなことも私自身は子供の頃から大好きでしていたところでもあります。私自身のそうした好みを紹介したわけでありますけれども、いろいろとそうした工夫もそれぞれ行っていただくといいのではないのかなとは思います。

(了)

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