松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和7年11月4日)

令和7年11月4日(火曜日)
教育、文化

キーワード

ユネスコ創造都市ネットワークへの福井県越前市の新規加盟の認定,日本成長戦略本部への出席、与党政策責任者会議での高校教育等の振興に関する合意、大臣タスクフォースの設置,高校無償化、給食無償化、高校教育改革を実現するための財源の確保,「高校教育改革に関するグランドデザイン」の今後の検討スケジュール,公立中学校における35人学級制の導入に伴う教室不足の調査

松本洋平文部科学大臣記者会見映像版

令和7年11月4日(火曜日)に行われた、松本洋平文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和7年11月4日松本洋平文部科学大臣記者会見

令和7年11月4日松本洋平文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松本洋平文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは2件ございます。まず1点目、先週31日金曜日、ユネスコ創造都市ネットワークへの新規加盟都市がユネスコから発表されました。我が国からは、クラフト&フォークアート分野で福井県越前市の加盟が認定をされました。これにより、日本における加盟都市は計12都市となったところであります。折りしも、今月はユネスコ憲章採択から80周年、また来年は日本のユネスコ加盟から75周年という節目を迎えます。こうした記念すべき時期に我が国の都市の加盟が認められたことは誠に喜ばしいことであり、地元関係者の皆様方の御努力に心から敬意を表するとともに祝意を表したいと存じます。今後、越前市が創造性、クリエイティビリティーを核といたしまして世界の都市と国際的な連携を進められることを期待をするとともに、文部科学省としても情報発信の強化などを通じ地元自治体の取組に協力をしてまいりたいと存じます。
 続いて2件目であります。先ほど、日本成長戦略本部が官邸で開催をされまして、今後の成長戦略の検討課題といたしまして危機管理投資、成長投資による強い経済の実現、分野横断的課題への対応が提示されたところであります。提示された検討課題のうち、未来成長分野に挑戦する人材育成のための大学改革、高専などの職業教育の充実につきましては、私が取りまとめ担当大臣として解決策を策定をするよう総理から御指示を受けたところであります。また、先週金曜日10月31日にはいわゆる高校無償化について、与党政策責任者会議におきまして令和8年度以降の高校教育等の振興に関して合意がなされ、高等学校等就学支援金制度の見直しと合わせて高校教育改革を推し進める旨、確認をされたところであります。こうした状況を踏まえまして、高校から大学、大学院に係る一気通貫での人材育成の検討課題を議論、検討する場として私の下にタスクフォースを設置をいたしまして、関係省庁とも連携をしつつ、また与党の御意見も聞きながら強い経済の実現の基盤となる人材育成方策について取りまとめていくことといたしました。私からは以上となります。
 
記者)
 冒頭に出ましたいわゆる教育無償化について伺います。こちらは、合意、議論されている三つの政策、いわゆる高校無償化、そして高校改革を含む高校の質の向上、そして給食無償化、これらにそれぞれ係る財源というものを現状、文科省としてどのくらいの額で試算されているのかを教えてください。また、こちらの合計額が膨らむ場合には国民負担についての懸念の声が上がることも想定されますが、この点について大臣はどうお考えなのかも合わせて教えてください。
 
大臣)
 10月29日の三党の検討チームにおきまして、令和8年度以降の高校教育等の振興に関する合意がまとめられ、また実務者による記者ブリーフィングにおきましても数字が出されて御発言があったというふうに承知をしているところであります。また、当該合意におきましては財源につきまして、税制による対応も含め恒久財源を確保することが不可欠であり、三党で責任を持って対応するということが三党検討チームの合意文書の中に記載をされているというふうに承知をしているところであります。さらに、いわゆる給食無償化につきましては具体的な検討がこれから進められていくというふうに承知をしております。いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては三党の議論の状況を踏まえつつ、4月からの実施に向けて準備を進めてまいりたいと思いますが、その規模につきましては三党協議の場ではそういう数字が出されたように聞いておりますけれども、ただ我々といたしましてはこれら決められた施策を推進するに当たって必要な予算というものをこれからなお一層、精査をした上で積み上げをしてこれから財政当局のほうにそうした交渉と言いますか、財源確保することができるように取組を進めてまいりたいと思います。
 
記者)
 高校無償化と高校改革の関係でお伺いします。冒頭の発言にも高校、大学、大学院まで続く一気通貫のタスクフォースを設けるというお話でした。高校のグランドデザインについては今年度中に、高校改革のグランドデザインについては今年度中に策定するというふうになっていたかと思います。その計画の策定に当たって、無償化の内容を大臣はどのように捉えていらっしゃるでしょうか、その御意見をお伺いします。また、人材育成を目指した改革をどのように進めていくのか、スケジュール観も含めてお伺いできたらと思います。
 
大臣)
 いわゆる高校無償化については、与党政策責任者会議において令和8年度以降の高校教育等の振興に関しての合意がなされ、高等学校等就学支援金制度の見直しと合わせて高校教育改革を推し進める旨、確認をされたところであります。文科省といたしましては、この合意を踏まえまして準備を、来年4月から実施をするための準備を進めてまいりたいと存じますが、同時にこの合意の中では兼ねてから申し上げておりますとおり、公立高校や専門高校などへの支援の拡充、こうしたものも合わせて行っていく、また奨学給付金もそうでありますけれども、こうした制度も合わせて実施をしていくということが書かれているところでもあります。合意の中におきまして、国においては高校教育改革に関するグランドデザイン2040(仮称)でありますけれども、これを今年度中に提示をするとしているところでありまして、このグランドデザインにつきましては高校教育改革、また教育の質、高校教育の質の向上につながるように、冒頭で申し上げましたように今回タスクフォースを立ち上げさせていただきます。この中でも議論をするとともに、様々な関係者の意見もお伺いをしながら遅くとも今年度中に策定をすることができるように検討を進めてまいりたいと存じます。
 
記者)
 無償化によって、例えば中山間地域の子供であるとか、あとは例えば県庁所在地とか、そういった懸念があるかと思うのですけれども、無償化の課題について大臣はどのようにお考えでしょうか。
 
大臣)
 そこのところに関しましては、これまでも私も三党協議の実務者の一人として議論に加わってまいりましたけれども、相当大きな議論がありましたし、また有識者の皆さんからもそうした懸念が示されたということもあろうかと思います。だからこそタスクフォースでも議論をしてまいりますし、また公立高校や専門学校(注)等への支援の拡充、こうしたことを通じてそうした公立学校であったりとか、また中山間地域をはじめとした、そういうところでもしっかりとした教育の質を確保していくことができるような施策と合わせて行っていくということが極めて大事なことだというふうに考えておりますし、だからこそそうした思いを共有をした上で三党合意でも現場の皆さんで合意がなされたというふうに承知をしておりますので、それらをしっかりと我々としてお受け止めをしながら高校のいわゆる無償化に合わせてそうした質の改善、高めていくような、そうした取組などを、我々は国として方針を作っていくわけでありますけれども、同時にそれを受けて今度、各都道府県においてもしっかりとそうした地域の実情というものも踏まえた上でそれぞれ計画を作っていただくという流れに今後はなっていこうかと思いますので、そこは各都道府県また自治体ともいろいろと相談をしながら、今おっしゃられたような課題に対応していくことができるようなきめ細かいそうした政策の実現に取り組んでいきたいと思います。
(注)「専門学校」は、正しくは「専門高校」です。
 
 
記者)
 来年度から中学校で35人学校がスタートしたときに、教師不足というのもあると思うのですけれども、教室の不足というのも一つ課題になるかと思いまして、今現状、全国でどれぐらいの教室不足が起きるというふうに文科省のほうで想定あるいは把握をされているのかというところを教えてください。不足が起きる可能性があるという自治体に対しての対応といったところも併せて教えていただければと思います。
 
大臣)
 これは法案が通ればということが当然前提になるわけではありますけれども、各学校設置者が公立中学校35人学級実現のために施設整備を行うに当たりまして、その経費を補助するために必要な予算につきましては令和8年度概算要求に計上をしているところでありまして、文部科学省としては必要な予算をしっかりと確保してまいりたいと存じます。また、来年、これも法案が通ればですけれども、4月から1年生から35人学級が実現をし、そして順次それが拡大をしていくという形になっていこうかと思いますけれども、そうした今後につきましては、公立中学校の35人学級の実施に伴う教室確保の状況について、現在、調査を実施をしているところであります。ですので、調査結果も踏まえまして必要な対応を検討をしてまいりたいと存じます。来年の4月からにつきましては、各都道府県を通じて教育委員会に既にお話を聞いていて、そこに必要とされるような予算は概算要求で計上されているということでありますけれども、当然それが再来年、その先というような形で続いていくわけでありますので、そうしたところに向けての調査というものも今現在、合わせて行っているということであります。
 
記者)
 確認で、現在行っている調査というのはいつ頃までに明らかになるのかということと、来年度、1年生の段階で不足するのが予算のほうで計上されていると、予算案の中に出ているということなので、それは何教室分ぐらいみたいな数字は分かると思うのですけれども、それも分かれば教えていただけますでしょうか。
 
大臣)
 まず最初のほうでありますけれども、調査に関しましては、これは各都道府県の教育委員会施設主管課に対しまして提出期限10月10日で調査の依頼をしているところであります。実際にこの期日は過ぎているわけでありますけれども、そこでいただいた調査結果というものを今精査をしているところでありまして、これらにつきましてはまたしっかりと判明を次第、御報告できるのかな。
 
事務方)
 これをもって新たな政策を立案するものではないので、特に公表を予定しているものではございませんでしたけれども、もし必要に応じてお問い合わせいただければ数値等はお示しすることはできるかと思います。
 
大臣)
 その上で、先ほどの現状においてどれぐらいのものが来年の4月から予想されていて、どういう形で予算計上されているのかということに関しましては、手元に私、資料を持ち合わせておりませんので担当のほうにお問い合わせをいただければと思います。
 
(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室