盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年4月26日)

令和6年4月26日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

ベトナム・タイへの出張、ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)の視察、宇宙戦略基金の基本方針及び実施方針の策定とH3ロケット3号機の打上げについて、教員採用選考試験の前倒しについて、公立小中高校におけるインターネット環境整備について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年4月26日(金曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年4月26日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年4月26日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は私から3件ございます。まず、明後日4月28日の日曜日から5月2日にかけまして、ベトナムとタイに、政府要人との会談のために訪問をいたします。今回の訪問では、昨年12月に日ASEAN友好協力50周年を記念して行われた特別首脳会議も踏まえ、成長著しいASEAN諸国との学生等の交流をはじめ、科学技術や文化など広範な分野における連携・協力に関する意見交換等を予定しております。ベトナムにおきましては、昨年9月に日・ベトナム外交関係樹立50周年を迎えたことを踏まえ、ソン外務大臣と幅広く日越両国の協力等について会談するとともに、我が国が専門家を派遣し修復に協力したタンロン遺跡の視察を行うなど、文化・スポーツ分野等における両国関係の深化を図りたいと考えております。タイでは、パームプーム教育大臣及びスパマート高等教育・科学・研究・イノベーション大臣と会談するとともに、今春、初めて卒業生を輩出したタイ高専への視察等を通じて、人的交流の強化に向けた意見交換をしたいと考えております。今回の出張を通じて、両国をはじめとするASEAN諸国と「世代を超えた心と心のパートナー」としての関係強化を図ってまいります。
 第2点目です。昨日25日、我が国のトップアスリートの活動拠点でありますハイパフォーマンススポーツセンターを訪問し、アスリートの皆さんが厳しいトレーニングを積んでおられる練習場や、高度な科学的トレーニングを行う施設などを視察いたしました。その中で、練習中のアスリートの方と直接お話をさせていただく機会もあり、私からは、パリ大会に向けた激励の気持ちを伝えたところでございます。パリ大会までもう100日を切っております。関係者の皆さんの緊張感も日に日に高まってきているものと思いますが、アスリートの皆さんが本番で満足のいくパフォーマンスを最大限発揮できるよう、引き続き、しっかり支えていきたいと考えております。
 最後、3件目であります。令和5年度補正予算にて創設された「宇宙戦略基金」に関して、本日26日ですが、事業全体の制度設計を定めた「基本方針」及び同方針に基づく支援内容を定めた「実施方針」を策定いたしました。文部科学省の「実施方針」においては、宇宙技術戦略を参照しつつ、輸送や衛星、探査といった領域の中から、早急に着手すべき13の技術開発テーマを設定し、それぞれの目標や内容、支援方法等を詳細に示しております。本日策定した両方針に基づいて、JAXAにおいて公募を進めていただき、今後、民間企業や大学等が主体となった研究開発が加速することを大いに期待しています。また、JAXAより、先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)をH3ロケット3号機により、6月30日に打上げる計画が発表されたところです。私自身、ロケットが打ち上がり衛星が活躍することを期待しており、引き続き、JAXAにおいて着実に準備作業を進めていただきたいと考えています。文部科学省としても、今後も引き続き、宇宙開発利用の推進にしっかり努めてまいります。私からは以上3点です。
 
記者)
 海外出張についてお尋ねします。ベトナムでは外務大臣と会談されるようですけれども、この会談のねらいをお聞かせください。
 
大臣)
 ソン外務大臣とは、文化・スポーツなど、文部科学省行政にかかわる幅広い話題について意見交換を行いたいと考えています。特に、昨年の日越首脳会議で発表された「包括的戦略的パートナーシップ」では、人材育成のみならず文化・芸術、科学技術及びスポーツ分野における協力を強化することが盛り込まれておりますので、両国の間では様々な点で関係の深化を図ることができると考えています。期待しているところです。以上です。
 
記者)
 来年度に実施する教員採用試験の標準日についてなのですけれども、今年度よりさらに1か月早めて5月11日に実施するということを今日、教育委員会のほうに示すということですけれども、さらなる前倒しによる効果やねらいなどについて教えていただけますか。
 
大臣)
 当省におきましては、昨年5月に、各教育委員会に対して、教員採用選考の改善の方向性を提示して、その中で、民間企業や他の職種の公務員の採用活動の状況を踏まえて、早期化に対応していく必要性を共有しているところです。その方向性の下、令和6年度実施の第一次選考について、まずは6月16日を一つの目安として、できるだけ前倒しを検討していただくよう要請したところでございます。その結果、多くの教育委員会の御理解をいただき、積極的に御対応をいただいております。特に、中学校・高等学校の採用選考における新規学卒者の受験動向も踏まえれば、さらなる前倒しが必要と考えているところでして、本日、各教育委員会に対して、令和7年度実施の第一次選考については、5月11日を一つの目安としてさらなる前倒しを検討していただくよう通知をこれから発出する予定でございます。以上です。
 
記者)
 冒頭発言されていました宇宙戦略基金についてお伺いしたいのですが、技術開発のテーマの決定の時期など、今後のスケジュールをまず教えていただきたいのと、この基金に関しては総額1兆円規模というふうに言われていますけれども、大臣はこれに関してどのようにお考えなのかというのを教えてください。
 
大臣)
 スケジュールということですが、本日策定した「基本方針」と「実施方針」を踏まえて、今後、JAXAにおいて公募に向けた準備が進められることになります。各技術開発テーマにかかる公募は、7月以降、順次開始する予定と承知をしております。それから、総額1兆円規模とされている基金についてでございますが、まずは今回策定した技術開発テーマの公募開始に向けて着実に取り組むことが重要と考えています。他方、昨年11月の総合経済対策において「10年間の宇宙戦略基金について、速やかに、総額1兆円程度の支援を行うことを目指す」という記述も踏まえまして、これについては、今後予算要求等について検討するということで、今の段階では決まっておりません。
 
記者)
 冒頭で発言のありましたH3の3号機の件なのですけれども、この次の打上げが決まったということで、大臣の期待を改めて伺えないでしょうか。あと、今回、2号機までは試験機という言葉が入っていたのですけれども、これは取れたということで、本格運用という形なのでしょうか。そのあたりを教えてください。
 
大臣)
 打上げについては大変高く期待していると言うのですかね、H3ロケットの2号機が御案内のとおり無事打ち上がったので、そこでほっとしたというのは事実ですけれども、今回はそれに引き続く3号機ということで、ちゃんと打ち上がっていただくものというふうに大いに期待をしているところでございます。あとは何でしたか。
 
記者)
 2号機までは試験機だったのですけれども、今回からは本格運用ということでしょうか。
 
大臣)
 ということではないかと思います。いいんですかね。
 
事務方)
 今回、試験機2号機、これは1号機の新しいタイプを作るために試験機を一つずつ打上げるということで、22タイプだったものを1号機で打ち上げて、それを試験機で失敗したわけで、それでまた2号機も試験機ということでしたけれども、それの成功を受けて、3号機からは試験機ではなく3号機というような名前にさせていただいているということでございます。
 
記者)
 先日公表した公立小中高校を対象にしたインターネットの通信環境速度の調査についてなのですけれども、推奨値を満たしている学校が2割程度にとどまったということで、8割の学校は不十分な状況なのかなと思うのですけれども、この状況に対する大臣の受け止めとすでに補正予算などを計上して対策を進めていると思うのですけれども、今後、概算要求とかでより追加で検討していきたい事項がありましたら教えていただけますか。
 
大臣)
 御指摘のとおり、GIGAスクール構想で使用する通信環境の「当面の推奨帯域」を満たす学校は残念ながら2割程度にとどまっているということが明らかになったところです。ただ、そうは言っても推奨帯域を下回る場合であっても、授業で端末を全く使えないということではないものですから、動画ですとか重いものの場合にはなかなか十分な機能が発揮できないということですので、とりあえず動くことは動くわけでございますが、 GIGAスクール構想で言う「個別最適な学び」、あるいは「協働的な学び」を進めるためには、1人1台端末を十分に動かすことができるような高速ネットワークが必要だと考えています。それで、今回の結果を踏まえて、各自治体に対しては、まずアセスメント、ネットワークのアセスメント、これをちゃんとやってください、それから通信契約の見直し、これについては我々も手助け、支援をいたします。それから、自治体担当者の専門性の向上、こういったことを進めて、まずはネットワーク環境の改善に取り組むというところからではないかと思います。そして、そういったことを進めた上でまた次のステップを考えていくということではないかと思います。
 
記者)
 先ほど質問のあった教員採用試験の前倒しの通知について関連して1問お伺いします。学校現場の声を聞いていますと、特に臨時的任用などの非正規の先生で担任を持っていたりするケースで、非常に5月11日とかになってくると、そこまで新年度で新しい学級作りですとか、子供たちの理解とかで結構忙しくて、とてもではないけれども教員採用試験の準備をしている余裕がないですというふうな声が聞こえてきます。こういった先生方は教員の志望度も高くて、経験もある程度ある先生だと思うのですけれども、こうした人たちが受けるのが少し抵抗があるような声を聞くのですけれども、それについて大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
 
大臣)
 今御指摘の御質問と私どもの感じていることがずれがあるのかもしれませんが、とにかく5月11日としたというのは、できるだけ多くの人に試験を受けてほしい、採用選考したいということでそこへやったわけなのですけれども、そもそもの背景として、民間企業の就職・採用、この活動がどんどん早まっているということ、そして国家公務員につきましては総合職が3月、そして一般職が6月に一次試験があります。また、都道府県等の地方公務員試験はおおむね6月中旬、こういったことを考えてですね、教師の採用というのをどうしようかということで、本年度は6月16日を目安としているわけでございますが、そこからもう1か月ほど早めた方がいいのではないかということで5月中旬、そして令和7年度、例えば5月11日を目安としてくださいというふうに言ったわけでございます。それで、採用試験について現場の先生の慣れというかですね、そういうところと含めてどうかということについては、担当のほうから補足させていただきたいと思います。
 
事務方)
 前倒しの趣旨については大臣からお話いただいたとおりでございます。御質問にありました臨時講師の方の対応については、相当程度、各自治体において教職経験者、臨時講師の方向けの第一次選考の例えば免除であるとか軽減であるとか、そういった措置が大変広がっておりまして、文科省としてもそれの拡大を合わせてこれまでも要請をずっと続けているところでありまして、そういった措置と重ね合わせることで教師人材の確保ということで臨時講師の経験がある方も含めて進めていただきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
 
(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室