盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年4月2日)

令和6年4月2日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化

キーワード

福岡県(九州大学、九州国立博物館)、佐賀県(吉野ケ里遺跡、SAGAアリーナ、伊万里市民図書館、佐賀県立九州陶磁文化館)の視察について,東京女子医科大学及び同窓会組織に対する警察による捜査,「地域科学技術指標2021」の発表と地方における科学技術イノベーションの活性化に向けた取組,九州大学とTSMCの包括的な覚書について,スクールロイヤーの活用に向けた通知について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年4月2日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年4月2日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年4月2日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭から、今日は1件ございます。3月30、31の週末に、福岡県と佐賀県に出張しまして、大学や文化・スポーツ施設を視察してまいりました。福岡県では、九州大学におきまして、脱炭素社会の実現に向けて水素エネルギー研究に取り組むセンターなどを視察するとともに、総長や様々な分野の博士課程学生と意見交換を行いました。また、九州国立博物館では、日本とアジア諸地域との文化交流の拠点として充実した展示を拝見したほか、子供向けの体験プログラムなどの取組状況について伺うことができました。
 次に佐賀県では、吉野ヶ里遺跡におきまして、弥生時代の有力者の墓として話題になりました石棺墓、これは石の棺桶の墓ということです、の発掘調査現場を拝見したほか、遺跡の活用やPR手法について意見交換を行うことができました。また、SAGAアリーナにおきましては、知事等との意見交換と試合観戦を行い、アリーナを核に地域の多くの皆様がスポーツを通じて盛り上がっている様子に触れることができました。その後、伊万里市民図書館では、市長やボランティアの方々と意見交換をさせていただきまして、図書館と市民の協働による特色ある読書活動について伺うことができました。
 最後は、佐賀県立九州陶磁文化館では、リニューアルした常設展を視察して、有田焼の名品とデジタルコンテンツを組み合わせた展示を拝見しました。今回の視察や意見交換等を踏まえて、関係施策の充実に取り組んでまいります。以上です。
 
記者)
 先週の金曜日の29日に、東京女子医科大の本部などに警視庁が一般社団法人法の特別背任容疑で捜索に入りました。これを受けて、文科省として大学側に対応を求めることや指導することなどがありましたら教えてください。
 
大臣)
 東京女子医科大学及びその同窓会組織に対して警察による捜査が行われていることは承知しております。また、文部科学省として、昨日1日ですが、学校法人に来省を求め、事情を聴取しております。現時点では、学校法人において事実関係を確認中とのことでありますが、文部科学省からは捜査に全面協力しつつ、徹底した調査を行うよう指導したところであります。文部科学省としては、引き続き、学校法人から状況を確認しつつ、必要な指導を行ってまいりたいと考えています。
 
記者)
 科学技術・学術政策研究所が地域科学指標を公表しました。研究資金とか人材とかが首都圏とか大都市圏に集中している状態の中で、地域の研究開発を活性化するためにどのような取組をされていくのか教えてください。
 
大臣)
 今御指摘がありましたとおり、先週29日に科学技術・学術政策研究所が「地域科学技術指標2021」これを発表しました。47都道府県における科学技術の状況、特徴を分析したものであります。今回の調査では、前回の調査の結果と同様、人口や企業が集積している大都市圏において、研究開発費や研究者数などの指標が、他の地域と比べて、より高い状況が引き続き示されたというふうに理解しております。それで地方ということでございますけれども、我が国全体の研究力の底上げをしていくためには、大都市圏だけではなくて、地方においてもやはり科学技術・イノベーションの活性化が大事だと考えております。このため、政府では、意欲のある多様な大学が、それぞれの強みや特色を十分に発揮して、地域の経済社会の発展や課題の解決等を図っていくことができるよう、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」これを策定して、取組を進めております。我々、文部科学省としては、同パッケージの中核となる「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の推進などを行っておりますので、引き続き、地方における科学技術・イノベーションの活性化のために、関係府省や産業界と連携しながら、大学等への支援をより一層強力に進めていきたいと考えております。以上です。
 
記者)
 半導体関連の人材育成ですとか共同研究を目的として、九州大学、TSMCが4月中に包括連携の声がけを締結する方向とのことなのですけれども、半導体人材の確保は喫緊の課題ではありますけれども、大臣は今回の九大とTSMCの動きについてどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 
大臣)
 昨日1日に、九州大学とTSMCが、半導体関連の共同研究及び人材育成を目的とした包括的連携の覚書を締結したというふうに承知しております。大学による半導体に関する研究開発や人材育成の取組が強化されることは重要だと思います。先般半導体の製造技術を有するTSMCとの連携によりまして、九州大学の研究環境が充実し、実践的な知識や技能を持つ学生が育成されること、こういったことを期待しているというところであります。
 
記者)
 スクールロイヤーの活用の件でお尋ねします。文科省は先月28日にスクールロイヤーによる学校や教育委員会のアドバイザー業務等、代理人業務の双方を含む相談体制の整備などについて検討を求める通知を全国の教育委員会に出しましたが、改めて今回の通知の趣旨や狙いについて、大臣のお考えをお聞かせください。
 
大臣)
 もうご案内のとおり、スクールロイヤーというのは、学校において保護者他からの過剰な苦情や不当な要求への対応等が発生した場合に、学校や教育委員会に対して助言、アドバイザー業務を行うということで設置されているものであります。スクールロイヤーがうまく機能している事例が多いのではないかと思いますが、他方、保護者等が限度を超えた要求を繰り返される、あるいは学校や教育委員会に対して危害を加えることを告知される、こういうようなケースも散見されるところでありますので、そういう場合には、スクールロイヤーが学校、教育委員会等に対する助言者ということだけではなく、実際に学校、教育委員会側の代理人として直接保護者などとのやり取りをすることが適切であると考えられる事案もございますので、そういうようなことをお願いしているところもあるわけでございますが、まだ代理人業務をお願いをするという自治体は少数にとどまっております。
 そして3月の下旬には、日本弁護士連合会、日弁連さんのほうから、各教育委員会において、助言業務と代理人業務の双方によって、事案において適切に対応できる法務相談体制を構築すべきなどが含まれた意見書を受け取っております。こういう状況を踏まえまして、各教育委員会の実態に応じて双方の業務を行う、相談ということだけではなく代理人の、そのような法務相談体制の構築は、教師と保護者の間での信頼に基づく対等な関係の構築や教師の負担軽減につながると考えておりますので、先月の28日付けで、各教育委員会に対して、助言業務と代理人業務の双方の重要性に鑑み、事案に応じて適切に対応できる体制の整備などについて検討を依頼する旨の通知を発出したところであります。
 今後、助言業務と代理人業務の双方を担う法務相談体制の整備方法や具体的な運用方法について整理を行うこととしておりますので、各教育委員会における一層の体制整備の支援をしていきたいと考えています。以上です。
 
(了)

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