盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年3月12日)

令和6年3月12日(火曜日)
教育、スポーツ、文化

キーワード

第96回米国アカデミー賞における日本映画の受賞について、大学スポーツにおけるコンプライアンス遵守に向けた取組について、小学校における医療的ケア児の受け入れ体制の整備、「輪島塗」の復旧・復興に向けた省庁横断プロジェクトの設置、漫画家鳥山明氏の訃報について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年3月12日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年3月12日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年3月12日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、1件ございます。皆さんも御案内のとおり、日本時間の昨日11日、第96回米国アカデミー賞において、宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞、山崎貴監督作品「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞いたしました。日本映画のアカデミー賞同時受賞は、15年ぶり2度目の快挙でございます。関係者の皆様に心からお祝いを申し上げます。文部科学省では、国際文化交流や海外への文化発信の促進、我が国の成長力の強化にも資するものとして、映画製作への支援、クリエイターの育成支援、海外映画祭への出品等支援などに取り組んでまいりました。今後とも、これらの施策の充実を図り、我が国の文化芸術の国際的なプレゼンスの向上、魅力ある日本文化の創造と国内外への発信に向け、日本のソフトパワーの源となる文化芸術活動への支援の充実に努めてまいります。以上です。
 
記者)
 スポーツに関してなのですけれども、先日、東海大学の硬式野球部において、この春入学予定の人も含む未成年の部員に対して上級生が飲酒の強要と暴行があったということです。この東海大学の硬式野球部では、過去に部員の大麻使用の事案がありましたし、また日本大学をはじめとする他の大学の部活動でも同様の事案が発生しています。大学のスポーツにおいて不祥事が多発している状況なのですけれども、大学のスポーツにおけるコンプライアンス遵守に向けて、大臣の見解と今後の発生防止に向けた取組について教えてください。
 
大臣)
 今、御指摘がありましたように、東海大学の硬式野球部に所属する学生が、20歳未満の部員に対し飲酒を強要した上、暴行したとの報道、及びそれを受けました東海大学の発表は承知しております。大学スポーツに対する社会の信頼を損なう事案の発生が残念ながら重なっております。文部科学省としても大変憂慮しているというのが現状です。このような状況に鑑みまして、昨年11月、全ての大学とスポーツ統括団体に対し、スポーツ界が総力を挙げて、インテグリティを高めていくことの重要性について、スポーツ庁長官からのメッセージを発信しております。また、大学関係者が集まる会議におきましても、大学スポーツにおけるインテグリティ確保の重要性についての説明を行ってきており、大学の自主的な取組を促しているほか、UNIVAS、一般社団法人大学スポーツ協会のことです、UNIVASなどの関係団体と協力しつつ、指導者やコーチ、大学生への研修の充実や適切な大学執行部の関与の在り方について啓発を行っております。今後とも、このような取組を通じて大学スポーツにおける不祥事の防止に取り組んでまいりたいと考えています。以上です。
 
記者)
 医療的ケア児に関する質問をさせていただきます。総務省が、先週ですけれども小学校の医療的ケア児の受け入れ体制の整備が遅れているという調査結果を公表しまして、文部科学省に教育機会の確保など状況改善をするように要請しました。医療的ケア児が今増加傾向にある中ですけれども、総務省からの要請を受けて文科省としては今後どのような対応策を検討されていますでしょうか。
 
大臣)
 先日、総務省行政評価局が実施した「医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査」の結果が公表され、その結果に基づく意見の通知がございました。具体的には、医療的ケア児の早期からの把握及び早期アプローチの促進、保護者の付添いの解消に向けた体制整備の促進や、医療的ケア看護職員等の確保のための支援方策の検討、在校時における発災に備えた対応の促進など、医療的ケア児支援法の趣旨を踏まえた学校における医療的ケア児への支援体制の整備に関する指摘をいただいたところであります。文部科学省では、これまでも学校における医療的ケアの実施体制の充実に努めているところでございます。令和6年度予算案においては、医療的ケア看護職員の配置に対する補助を拡充するとともに、保護者の負担軽減や医療的ケア看護職員の人材確保・配置方法の整理のための調査研究を新たに実施することとしています。これらの施策と併せて、教育委員会や学校等に対し、必要な周知・情報提供を行うこと等を通じて、今般の総務省からの指摘にしっかり対応していくことは勿論、引き続き、医療的ケア児支援法の趣旨を踏まえた取組が各学校等で行われるよう、支援の充実に努めてまいりたいと考えています。
 
記者)
 先日の輪島市の視察において、「輪島塗」の復旧・復興に向けて、省庁横断のプロジェクトチームを文化庁に設置する旨を御発言いただきました。このプロジェクトチームの設置目的であったりだとか今後の進め方について、改めて大臣の所見をお聞かせください。
 
大臣)
 先日9日、現地輪島でお話をさせていただいたところでございますが、「重要無形文化財「輪島塗」等支援PT」というのを文化庁に設置をして、輪島塗等の復旧・復興に向けて、石川県立輪島漆芸技術研修所の早期再開、そして原材料確保に向けたネットワークの再構築などの課題について、具体的な検討を進めたいと考えています。今のところ、文化庁の審議官級の職員をトップとして関係各課が、つまりうちの関係各課が参加するとともに、関係省庁や自治体からも順次検討に参加していただく体制を想定しております。そして今、金沢にあります政府の現地対策本部とも密接に連携する必要があることから、初回については今週中にも、現地でPTの構成員が現地対策本部に出向いた上で開催したいと考えており、可及的速やかに支援策を検討し、今後の予算措置や必要な対策につなげてまいりたいと考えています。以上です。
 
記者)
 重ねてお尋ねさせていただきたいのですが、原材料の確保及び研修所の早期再開というところの検討というところなのですけれども、検討という趣旨は理解はするのですが、具体的には検討を通じてどういった効果、県立施設でありますし、どういった成果が期待されるということになるのでしょうか。
 
大臣)
 漆芸研修所を私も拝見させていただきました。古い建物なのですけれども、建物自体は無事でありました。ただ、中の設備その他が壊れたりしている、あるいは上下水道ですね、こういったものが駄目になっている、こういったところをまず直さないとうまく再開できないということになりますので、中の設備というのは文化庁が関係するところもありますけれども、他の省庁、例えば上下水道などは明らかにそうですし、そういったところも含めての検討になります。そして、例えばそこの先生、どこに寝泊まりしてもらうかですとか、生徒さんもどこに寝泊まりするか、そんなこともあります。それから、原材料の確保ということで言うと漆がまず必要ですから、漆をどこからどうやってくる、もっと言うと漆の木をどこに植えてもらって、それを誰が漆を掻いてそれが生業としてやっていけるかという話もあれば、別に漆だけではなくて刷毛だとかいろんな材料がありますのでそういったもの、いろんな原材料、職人さんを育てるということだけではなく、そこでいろんな塗物をしていくためのシステムというのですかね、そういうようなもの全体をということになりますので、 県立の漆芸研修所でございますので、まずは県がメインかもしれませんですけれども、輪島市にも当然協力してもらわないといけないし、それから関係省庁でうちの文科省、文化庁だけではなく関係省庁にも御協力をしていただきながら具体的なところを検討しましょうということであります。よろしいでしょうか。
 
記者)
 ありがとうございます。通告等ないのですが、もう1題お尋ねさせていただきます。先日、「DRAGON BALL」、「Dr.スランプ」等の著作で知られる鳥山明先生がお亡くなりになりました。漫画という文化芸術活動の第一人者というところで、大臣、よろしければ所感をお願いいたします。
 
大臣)
 若いですよね。お亡くなりになったっていうのは私も大変残念でありまして、私が買って読んでいたというよりは、子供が買って読んでいたということでございますけれども、「Dr.スランプ」や「DRAGON BALL」なんかをずっと見ておりました。日本だけではなくて、これが世界にも広まったという点で、他の漫画やアニメーションの作家さんもそうですけれども、鳥山明さんも大変大きな影響力をお持ちの素晴らしい作家というか漫画家さんであったと思います。それだけに大変残念でございます。これからももっと多くのね、作品を世に出していただきたかったなと私自身も思いますし、心から哀悼の意を表し、ご冥福を祈りたいということでございます。
 
(了)

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