盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年1月26日)

令和6年1月26日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

石川県への教職員・スクールカウンセラーの派遣、小型月着陸実証機SLIMの成果、教師不足解消に向けた取組の調査、石川県の特別支援学校の学校再開の見通し、文化財の耐震対策に関する指針等

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年1月26日(金曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年1月26日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年1月26日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

(大臣)
 冒頭、今日は私から2件ございます。
 昨日、石川県に視察に伺いました。被災地で奮闘されている教職員の方々の姿を拝見し、また、馳知事から御要望もいただきましたが、本日より、教職員とスクールカウンセラーを県外の他自治体から石川県に派遣いただくことといたしました。現時点においても既に自主的に、宮城県・三重県・京都府・兵庫県・岡山県・熊本県から教職員を、京都市からスクールカウンセラーを派遣いただいていると承知しておりますが、これらに加え、今回、石川県からの要望を受けて、文部科学省から各教育委員会に教職員41名の派遣協力を依頼し、輪島市などの集団避難先における学習指導や夜間の生活指導等を行うため、本日より、福井県・広島県・名古屋市から9名、30日より、茨城県・岐阜県・兵庫県から5名の教職員を派遣いただくことになりました。スクールカウンセラーについても、まずは追加的に15名程度の派遣ができるよう、日本臨床心理士会と連携して調整を行い、本日より、千葉県・広島県から2名が珠洲市に、28日より広島県から2名が輪島市に、群馬県・鳥取県から2名が珠洲に派遣されることとなりました。このほか、多数の自治体から派遣協力の意向をいただいており、引き続き、マッチングを進め、速やかな派遣につなげてまいりたいと考えています。また、教職員等の派遣に御協力いただく各自治体等の皆様には、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。文部科学省としても、引き続き、被災地のニーズに寄り添い、各自治体等とも連携しながら、子供たちの就学機会の確保、心のケアについて、しっかりと支援してまいります。
 続いて2件目です。昨日JAXAは、小型月着陸実証機SLIMが、世界で初めて月面へのピンポイント着陸の技術実証に成功したことなどを発表しました。今回の成果で、「降りたいところに降りる」月探査の新たな時代に入ったものと考えています。我が国の産学官のそれぞれの機関が持てる技術を投入し、努力を積み重ねてこられた結果であり、関係者の果敢な挑戦に心から敬意を表します。また、皆様も御覧になったと思いますが、小型ロボットSORA-Qが、月の表面にあるSLIMの姿を映しました。記念すべき画像になったと感じております。なお、計画通りでない事象も生じていますが、その原因を突き止め、得られた教訓を今後にいかしてほしいと考えております。このような内容について、私から談話として取りまとめましたので、後ほど皆様にお配りしたいと思います。
 以上です。

記者)
 先日開催された都道府県・指定都市教育会議において、教師不足の解消に向けた具体的な取組の調査を実施して、来月下旬までに回答を求めるとのことでした。この調査の狙いと、年度が始まる直前で回答が集まることになるかなと思いますが、この調査結果の反映を含む今後のスケジュールについてお伺いできたらと思います。

大臣)
 先日23日に開催いたしました都道府県・指定都市教育委員会教育長会議では、特に教師不足への対応について、子供たちのために十分な指導体制を整えるのは私たち大人の責任であるという認識のもと、教師人材の確保に向けた取組の強化をお願いしたところです。その上で、各教育委員会が教師不足の解消に向けて、具体的にどのような見通しを持って取り組む計画なのか、見込まれる効果も含め状況の把握を行うため、同日、都道府県・指定都市教育委員会に対して、調査を依頼いたしました。調査結果を受けた対応については、教育委員会からの回答を踏まえた上で検討することとしておりますが、例えば、対応の遅れが懸念される教育委員会に対しましては、国の補助事業の活用や他自治体の先導的な取組の導入など、必要な指導・助言を行うことを考えています。

記者)
 冒頭に御発言がありました月面着陸に成功したSLIMについて伺います。昨日のJAXAの会見を踏まえて改めて大臣の評価を教えてください。また、昨日のJAXAの記者会見ですと、坂井プロジェクトマネージャーはピンポイント着陸について100点満点と、また宇宙研の國中所長は画像の撮影も含めて63点とおっしゃっていました。大臣は何点をつけられますでしょうか。

大臣)
 責任者のお二人がそのような観点から点数をつけられているということなので、私が点数をつけるのはどうなのかなと思いますが、今回の月の画像、月面での画像と言うのですかね、逆立ちしていますけれども、SLIMがきれいに映っているあの写真見ましたら、金メダルをあげてもいいのではないかなと、そんなふうに思います。

記者)
 先日、能登半島地震の被災地域に大臣が出張されたということですけれどもそれに関連しての質問です。被災地域での特別支援学校の再開の見通しについてですけれども、現状はまだ立っていないと伺っております。再開する上で現状、ハードルになっていることや再開するまでの生徒の学習の保障をどのようにしていくのかということについて質問させてください。

大臣)
 今の御質問に対してですが、発災後、七尾にあります特別支援学校の本校、これは七尾市にあります、そして同校の輪島の分校、珠洲の分校が休校となっておりましたが、このうち七尾の本校につきましては、関係者の御尽力によりまして今日26日から再開されているところであります。また、輪島と珠洲の分校につきましては、1日も早い学校再開を目指し、教職員の方々をはじめ、関係者が一丸となって御尽力をいただいているところです。そしてこの間、この間と言うのでしょうか、これらの学校の教職員による家庭訪問あるいは避難所等への巡回によりまして、児童生徒の状況を把握し、障害の特性などにも配慮しながら、オンライン教育あるいはプリントの配布などを通じて、可能な限り、子供たちの学びを継続していただいているものと理解しております。文部科学省においても、障害のある児童生徒等が避難所等の慣れない環境の中で、少しでも安心して過ごせるよう、障害の状況や特性等に応じた配慮事項や支援に関する資料等を示した事務連絡を発出しておりますが、そのほかに、心のケアなどに対応するスクールカウンセラーの追加配置等の取組を進めることとしております。引き続き、被災地域のニーズ等を踏まえつつ、関係機関とよく連携をしながら、特別支援学校の再開に向けて、被災地に寄り添った支援に全力を尽くしていきたいと考えています。

記者)
 地震の関連でお聞かせください。今回の地震で能登を中心に多くの文化財建築が被災しました。この復旧の必要性や復旧に向けた検討の状況をお聞かせください。また、その際の費用の負担はどうなるのでしょうか。また、関連して今回の地震では耐震補給を施した文化財建築であっても倒壊したものが多くありました。重要文化財の耐震診断指針の見直しとか、こういった何らかの検討をされている、対応の検討をしているのでしょうか。

大臣)
 今回の地震におきましては、各地の木造の文化財建造物を中心に相当な被害が発生しております。その中には、今御指摘があったとおり、過去に耐震補強工事を行っていたものも含まれております。文化庁では、所有者が耐震診断・耐震補強を行うに際して推奨される標準的な手法や水準などをまとめた指針等を策定し、安全性の確保に努めてきたところであります。今般の被災にあたっては、現在、専門職員等を現地に派遣し、文化財の被害状況の早急な把握と緊急的な保全に努めているところです。これらの復旧に当たっては、所有者等との協議の上で、必要な技術的支援、財政支援に速やかに取り組んでまいりますが、それとあわせて、文化財のさらなる強靭化の在り方についても、これら指針等の検証を行った上で、必要な対応を検討してまいりたいと考えています。

記者)
 先ほど幹事からの質問で、教員不足の対応について対応の遅れが懸念される自治体には必要な指導助言を行うと、調査結果を受けてということなのですけれども、今回の調査は来年度の新年度の初頭に教員不足がどのくらいあるのかということについて聞いていると思うのですが、必要な指導助言というのは、結局調査が出て、調査は一応2月20日ぐらいに、締め切りがそのぐらいなので、その後その結果を受けてこの来年度の新年度に間に合わせるということは、そういう指導助言の動きというのは結局年度内にやるべきだとお考えになりますか。

大臣)
 今回の調査は、来年度に向けても各地で教師不足に至る状況が懸念されることから、各教育委員会の対応を促進する目的で、具体的な取組の検討と回答を求めているものです。各地域における教師不足については、来年度当初の状況を各教育委員会から伺うことを考えているところです。

記者)
 それを受けて、対応の遅れが懸念される自治体があれば必要な指導助言を行うというのは最初の幹事さんに対するお答えだったのですけども、当然ながら年度当初に対応するということはその前に助言まで踏み込むようなイメージを持っていらっしゃるのでしょうか。

大臣)
 それは内容次第、ケースバイケースということではないかと思います。

(了)

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