盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年1月23日)

令和6年1月23日(火曜日)
教育、科学技術・学術、その他

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令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議(第14回)への出席、能登半島地震に関する科研費による総合調査に対する追加助成、小型月着陸実証機SLIMの月面着陸、福島県への出張(原子力関連施設の視察)、次期通常国会における提出予定法案の検討状況

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年1月23日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年1月23日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年1月23日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、今日は多くて4件ございます。
 本日つい先ほど、令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議に出席をいたしました。対策本部におきましては、私から、現在、二次避難先で学校に通う子供、自宅や避難所等に留まり登校できない子供などがいる中、子供の環境に応じた学びの継続を図りつつ、早期の学校再開に向けた対応が喫緊の課題であること、引き続き、二次避難に伴う転入学や、学校再開までの一時的な子供の弾力的な受け入れ等について、保護者等に情報提供を行いつつ、教育委員会等の柔軟な対応を促すこと、既に、1人1台端末の無償貸与や通学支援等の取組を進めており、引き続き、教職員の派遣支援、スクールカウンセラーの追加配置、教科書の無償給付への支援、施設復旧の支援、子供の学習場所作り等を実施することなどについて報告をしました。また、先週、文部科学省内に設置した「被災地における就学機会の確保に関するプロジェクトチーム」のチーム員2名が、昨日より現地入りし、奥能登の市長を直接訪問し、状況やニーズをきめ細かく吸い上げ、被災者に寄り添った支援につなげることとしております。当省としては、あらゆる手立てを尽くし、就学機会の確保を図りながら、早期の学校再開に向け、関係省庁と連携しつつ、自治体と協力して環境整備に取り組んでいきます。
 次に2点目です。能登半島地震に関する総合調査に対する追加助成を決定しましたので、御報告いたします。本調査につきましては、昨年の6月から、金沢大学の平松良浩教授を研究代表者として、科研費の特別研究促進費の助成によって実施しておりましたが、今回の地震で地震活動の範囲が拡大したことなどを受けて、追加助成を行うこととしました。なお、先日のJAMSTECによる緊急調査航海に加えて、今回の追加助成についても、石川県知事から御要望の「地震の調査研究の早期実施」に資するものです。文部科学省としては、これらの調査研究の成果が、できるだけ速やかに、地震調査委員会による地震の評価に活用され、地元自治体にも共有されるよう、研究者と連携をして被災地の支援に全力を尽くしてまいります。
 次に3件目です。20日土曜日の未明、小型月着陸実証機SLIMが我が国で初めて月面着陸に至ったことを喜ばしく思います。19日金曜日の深夜ということでございましたが、多くの皆様が、JAXAによるライブ配信をどきどきしながら見守られたのではないかと思います。我が国の宇宙開発の歴史に照らして、大きな意義のある着陸だというふうに考えております。月面への着陸後、残念ながらまだ太陽電池は発電しておりませんが、その後、取得された技術データの地球への送信は完了できたと聞いております。現在、JAXAにおいて取得データの詳細な解析を進めるとともに、復旧を目指すと承知しております。引き続き、関係者の御尽力に期待したいと思いますし、明後日25日にJAXAがSLIMについて記者会見をするとも聞いているところです。
 最後4件目です。先週末20日土曜日、福島県へ出張し、原子力関連施設を視察しましたので、御報告いたします。まず、東電福島第一原発を訪問させていただきました。1号機から6号機の廃炉の進捗状況やALPS処理水の海洋放出の状況を確認し、関係者と意見交換をいたしました。また、日本原子力研究開発機構では、ALPS処理水の第三者分析や、燃料デブリ取り出しに向けた遠隔操作技術の試験等の現状を拝見させていただき、廃炉における研究開発機関の役割を再認識したところです。今回の視察を通じて得られたことを踏まえ、引き続き、東電福島第一原発の廃炉の現場を支える長期的な取組への支援を進め、福島の復興に取り組んでまいります。
 以上でございます。

記者)
 冒頭発言にもございました月探査機SLIMについてでございます。飛行データの詳しい分析というのはこれからだと聞いておりますが、JAXAのほうではいわゆるピンポイント着陸については技術実証ができたと考えているという前向きなコメントがございました。この技術を今後、月面の探査、またひいては月面開発にどのように生かしていきたいとお考えか、現時点でのお考えを伺えればと思います。

大臣)
 アルテミス計画への参画をはじめ、我が国が持続的な月面探査を進めていくためには、月への輸送及び着陸技術を自ら有することが重要であります。今回実証したところの着陸技術の獲得は、我が国にとって、大きな第一歩ではないかと考えています。特に、ピンポイントの着陸技術は、水資源等の探査活動を有利に進めることや、サイエンスとして到達したい着陸点へのアプローチを可能とする世界で最先端かつ画期的なものであると考えています。今回の技術を、今後の我が国の産学官による月面活動の重要な基盤技術として最大限にいかし、関係各国と協調しながら、月面探査に向けた取組を進めてまいりたいと考えています。

記者)
 今のSLIMの質問に関連してなのですけれども、SLIMの月着陸直後のJAXA宇宙研の國中所長の記者会見ではギリギリ合格の60点という発言がありました。今回、データの地球への送信を完了したということで、さらに着陸直後から一歩前進しているのかなと思うのですけれども、大臣から見て現在評価するなら何点をつけられるでしょうかということをお願いします。

大臣)
 先ほど申しましたように、今回の月面着陸、着陸としては成功したということで、大変意義があることだったと思います。さっきも申しましたが、明後日JAXAのほうでいろんなデータに基づいて会見があると聞いております。私も現時点ではどのようなデータが送られたか承知しておりません。そういうような技術的な評価、これをちょっと待たないと今どういうふうなところまでという具体的な点数付けをすることはできないのではないかなと。60点からですね、だいぶ高まっていくのではないかなと私自身も期待しているというのですかね。そのデータがどういうデータで、どういうところまで分かったのか、これを私自身も個人的にも知りたいと思っているところでありますので、ちょっと点数は今の段階ではつけられない。しかし、少なくとも合格はしているということではないでしょうか。

記者)
 今週、通常国会が召集されるということなのですけれども、文部科学省が関係する法案の検討状況を教えてください。

大臣)
 26日から始まります通常国会にどのような法案を提出するかについては、現時点ではまだ検討を進めている段階ということでございます。今後、内容の精査を進めるとともに、政府部内の諸手続を経た上で、国会をはじめ関係者の皆様の幅広い御理解・御協力をいただけるよう、丁寧に作業を進めてまいりたいと考えています。現時点ではこんなところです。

(了)

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