盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年1月12日)

令和6年1月12日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

海洋研究開発機構(JAMSTEC)による能登半島沖の緊急調査航海の実施、科学技術振興機構(JST)の大学発新産業基金事業の採択について、輪島市が中学生の集団避難を検討しているという報道について、能登半島沖地震による文化財等の保全・復旧について、令和6年度大学入学共通テストを控える受験生へのメッセージ、武蔵野市立小学校における児童間の盗撮について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年1月12日(金曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年1月12日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年1月12日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から2件ございます。令和6年能登半島地震を踏まえまして、JAMSTEC、海洋研究開発機構のことです、このJAMSTECが東京大学地震研究所他の関係機関と共同で、1月16日から、JAMSTECが所有する研究船「白鳳丸」これを用いまして、緊急調査航海を実施することとなりましたのでお知らせをいたします。本航海では、能登半島北東沖における海底地震計などの設置、海底地形の調査を行い、地震のメカニズムを明らかにすることを目的としております。この研究成果は、地震調査委員会の海域活断層の長期評価にも活用されるものと承知しております。なお、本調査航海は、先日石川県知事から総理への要望にあった、地震の調査研究の早期実施にも対応するものです。文部科学省としては、今回の地震を踏まえ、本日発表させていただいたJAMSTECの緊急調査航海に限らず、さらなる追加調査についても、柔軟に対応し、被災地の支援に全力を尽くしてまいる所存です。
 もう1点です。大学発新産業創出基金事業「スタートアップ・エコシステム共創プログラム」の採択課題が決定しましたので御報告いたします。本事業は、大学発スタートアップの継続的な創出を支え、人・知・資金が循環するエコシステムの構築を目指し、すでに形成されている拠点都市プラットフォームへの支援強化と、新たな地域プラットフォームの構築支援を行うものです。今般、拠点都市プラットフォームに7件、地域プラットフォームに2件の応募があり、実施機関である科学技術振興機構、JSTの審査の結果、9件全てを採択いたしました。文部科学省としては、大学発スタートアップが経済成長と社会課題解決を実現し、大学等へのさらなる投資につながるよう、関係府省と密に連携し、事業を進めてまいります。
 以上、2点です。

記者)
 能登半島地震関連で1点質問をお願いします。石川県輪島市が市内全ての中学校の希望する生徒を、県南部の方へ集団避難させるということを明らかにしました。生徒の安全確保、学びの継続のための措置としておりますけれども、生徒が親元を離れることになる見通しであること、また受け入れ先の体制など、これは非常になかなか課題の多い取組だと思います。この取組への大臣の受け止めと、こうした生徒の集団避難を考える自治体に対して文科省としてどのような支援が考えられるか、御見解を伺います。

大臣)
 輪島市の教育委員会が市立の中学校に通う生徒のうち希望者について、被災地以外への集団避難を検討しており、石川県白山市内の県の施設で、生徒が避難生活を送りながら、白山市の協力を得て学校教育を受けられるよう調整を進めている旨、石川県教育委員会等を通じて承知しております。文部科学省におきましては、引き続き、被災児童生徒の学びの継続に向けまして、石川県教育委員会等と連携しつつ、現場のニーズを把握し、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

記者)
 先ほどの冒頭で発表のあった大学発ベンチャー基金なのですが、スタートアップ・エコシステム拠点なのですけれども、採択された拠点の一つが今回の地震で被災した金沢大学とか北陸先端大学なども含まれてます。それらについて何か追加で支援したりそういうことはお考えでしょうか。

大臣)
 JSTを通じまして、主幹機関であります北陸先端科学技術大学院大学及び金沢大学と連絡を取り、現時点におきましては、震災による事業計画への影響はない旨、確認をしております。一方、今後、事業計画の変更など具体的な相談があった場合には、本基金事業の目的も踏まえつつ、被災地域の実情に応じて、柔軟に対応していく所存です。

記者)
 能登半島地震の関係で1点お尋ねします。適宜発表いただいている文化財に加えて、地域の工芸品など伝統産業であったり、美術品や関連施設にも地震の被害が出ているように聞いております。文科省及び文化庁として何らか支援のお考えがあればお聞かせください。

大臣)
 文化財は、国民共有の財産であるとともに、地域の誇りでもあります。災害からの復旧の段階では被災地の心の支えともなると考えております。復旧支援に全力で取り組んでいくことが必要と考えております。今回の地震による文化財の被災状況については、文化庁において、各自治体や報道等を通じ、情報収集に努めているところです。各地の木造の文化財建造物や、重要伝統的建造物群保存地区である輪島市の黒島地区、重要無形文化財である輪島塗、金沢城跡の石垣をはじめとして、相当の被害が発生していると認識しております。しかしながら、まだ被害状況を十分に我々は把握できているという状況ではございません。ある程度は分かっておりますけれどもこれからまだ明らかになってくるところもあろうかと思います。文化庁では、各自治体や国立文化財機構等の関係機関と連携をし、現地の状況を踏まえつつ、本日から文化庁の専門職員等の現地派遣を開始しており、被害状況の早急な把握、そして緊急的な保全に速やかに取り組んでまいりたいと考えています。あわせまして、復旧に向けましては、被災した文化財の所有者の状況に応じて、必要な財政支援を行ってまいりたいと考えております。

記者)
 明日から大学入学共通テストが始まります。被災した受験生も試験に臨むかと思いますが、大臣からメッセージがあればお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

大臣)
 今おっしゃったように明日、明後日と令和6年度の大学入学共通テストが実施されます。受験生の皆さんに対しましては、試験に向けてこれまで準備を積み重ねてこられたことと思います。とりわけ、被災をされた受験生の皆さんは、大きな不安を抱えながら過ごされているのではないかなと。普段とは違う状況の中で明日、明後日の共通テストということになるのではないかと思いますが、この試験では、皆さんが持っている力を存分に発揮されるよう、平常心で対応していただけるよう、フルに力を出し切っていただけるよう、そうなることを心から願う次第です。

記者)
 昨日報道にもあったのですけれども、武蔵野市の小学校で複数の男子児童が女子児童の着替えを盗撮したという事案がありました。この盗撮が学校のICT教育の一環で配られたタブレットで行われたということなのですが、国としてもGIGAスクール構想などを進めている中で大臣としての受け止め、所感を伺いたいと思います。

大臣)
 今御指摘がありましたとおり、武蔵野市立小学校におきまして、児童間の盗撮事案が発生したということを承知しております。現在、事案の発生した学校と武蔵野市教育委員会が、警察とも連携しつつ対応しているところという報告を受けております。武蔵野市教育委員会において、被害児童の心のケアを行いつつ、情報モラル教育を含め再発防止に取り組んでいくと報告を受けているところです。引き続き、学校・教育委員会において適切に御対応いただきたいと、そのように考えております。

(了)

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