盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年1月9日)

令和6年1月9日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

令和6年能登半島地震における被災地域の児童生徒等の就学機会の確保について、大学入学共通テストの追試験会場に金沢大学を追加、国立文化施設の視察、政治資金を巡る池田佳隆議員の逮捕、令和6年能登半島地震における追加の詳細調査研究、JAXAの衛星XRISM(クリズム)の初観測データ

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年1月9日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年1月9日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年1月9日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日はいつもの時間ではなくて、午前中予定が入ったものですから、こんな時間になりまして申し訳ありません。
 冒頭、私から3件ございます。まず第1点目、発生から1週間が経過いたしました。徐々に被害の大きさ、内容が明らかになってきておりますけれども、改めまして、元日に発生をいたしました令和6年能登半島地震において、亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に対しましてお見舞いを申し上げる次第でございます。今回の地震で、学校においても多くの被害が報告されております。被災された子供たちが安全・安心な環境の中で学校生活を送ることができるよう、先週4日に、被災地域の児童生徒等の安全確保に係る留意点について通知をさせていただいております。加えまして、今週以降、今日以降ということですが、多くの学校において新学期がスタートすることから、被災地域の児童生徒等の就学機会の確保等に向け、一昨日の7日、就学援助等について弾力的な対応を行うこと、ICT等を活用した学習指導を行うことなど、できる限り学びの継続に努めること、心のケアを含む健康相談等の充実に努めることなどについて教育委員会等へ通知をいたしました。引き続き、被災地域のニーズ等を踏まえつつ、関係機関ともよく連携をしながら、児童生徒等の安全確保や就学機会の確保に向けて、被災者に寄り添った支援に全力を尽くしてまいります。これが1点目でございます。
 そして2件目です。これは今月3日の大臣メッセージにおきまして、今回の地震の影響によりまして、1月13、14日、次の土曜日曜の大学入試共通テストの本試験を受験できない方々が受験しやすいよう、被災地の大学等と連携し、追試験会場を設置する予定としていたところですが、この度、追加される試験場は「金沢大学角間キャンパス」となることが決定いたしましたので御報告させていただきます。当該追試験会場につきましては、未だ頻発する余震への配慮を行うとともに、被災地の高校を含めた県としての意見などもお伺いした上で、金沢大学と大学入試センターが相談して決定していただいたところです。会場の収容人数についても、今後の状況の変化を十分踏まえながら、必要な人数を受け入れることができるよう準備を進めてまいります。
 3点目でございます。一昨日7日の日曜日に、関西の国立文楽劇場と京都国立博物館、京都国立近代美術館を視察させていただきました。視察の中では、伝統芸能や文化財を保存・継承していくにあたり、担い手や原材料の確保に向けた課題、理解者を増やす場としての劇場や博物館の必要性などについてお伺いをいたしました。また、地域に根付く伝統的価値をうまく取り上げ、発信する美術館のあり方についても拝見することができました。加えて、本日の午前中には、新国立劇場のバレエ・演劇研修を視察し、育成の現場における課題等においてお伺いすることができました。今後も、これらの文化施設が我が国の文化拠点として安定的に活動に取り組むことができるよう、必要な取組を進めていきたいと考えております。

記者)
 池田佳隆衆議院議員が政治資金規正法違反の疑いで逮捕され、自民党が池田議員を除名処分といたしました。一昨年まで文部科学副大臣として文科行政に携わっておられた方が逮捕され、かつ党を除名という非常に異例の展開になったわけですが、これについての大臣の受け止めをお願いします。

大臣)
 御指摘の報道は承知しておりますし、池田議員、これまで衆議院の文部科学委員会の理事でもございました。そういうような文科行政に大変関係の深い議員でございます。そういう人の逮捕というのは誠に残念、遺憾ということに尽きると思います。捜査機関の活動内容についてお答えすることはできませんですけれども、同じ党に所属をしていた国会議員が逮捕されるということは大変遺憾なことでございます。残念なことであります。重く受け止めているところです。今後、党において再発防止策の検討等が行われることと承知をしておりますが、国民の信頼回復に向けて、実効性のある対策を講じることが不可欠であると考えております。

記者)
 地震に関連してなのですけれども、防災科学技術研究所が1日から防災クロスビューを立ち上げて即時対応についていろいろやっているかと思うのですけれども、今回の地震そのものの調査研究について、今後どのように取り組むのか、そこら辺について教えてください。

大臣)
 今お話がありましたとおり、今回の地震に関しまして、防災科学技術研究所は、地震の発生直後から、職員の現地派遣、災害情報の集約や可視化、ウェブサイトでの情報発信、被害状況の分析などにより、被災現場での支援を進めているところです。また、地震調査委員会では、これまでに実施した日本海側の地下構造の調査に関する成果などを活用して、能登地方を含む日本海側の海域活断層の長期評価等を着実に実施していくこととしております。さらに、能登地方では昨年5月にも大規模な地震が発生したことを踏まえ、大学や研究機関等による地震の調査観測も緊急的に行われているところです。今回の地震を踏まえ、さらに追加調査の必要があれば、我々としても柔軟に対応してまいりたいと考えています。

記者)
 本来であれば今日始業式の学校が多かったと思いますが、その中で学校再開の目処が立たない学校もあるということで、先ほどの冒頭発言と被る部分があるかもしれませんけれども、こういった再開の目途が立たない学校に対して文科省として今後、特にどのようなことを検討していきたいのか、教えていただけますでしょうか。

大臣)
 今現在、災害の発生の状況を今まだ把握しているところでございます。なかなか全部が全部分かっているというところがないものですから、結局ケースバイケースということになるとは思いますけれども、まずは先週4日付けで、児童生徒等の安全確保を最優先とした上で、学校教育活動の開始に向けた留意点等を示す通知を発出しております。そしてまた、7日の日曜日付けで、被災地域の児童生徒等の就学機会の確保につきまして、被災により家計が急変した家庭に対する就学援助等の弾力的な対応の要請、高校生などへの修学支援における家計急変支援制度の活用、あるいはやむを得ず学校に登校できない児童生徒に対するICT等を活用した学習指導、被災児童生徒の進級や進学等に不利益が生じないための課程の修了の認定等への配慮、スクールカウンセラーの追加配置等による児童生徒等の心のケアの充実などを内容とする通知を7日に発出したところです。引き続き、被災児童生徒等の学びの継続に向けまして、現場のニーズあるいは現場の状況、こういったものを丁寧に把握しつつ、必要な支援を行ってまいりたいということです。繰り返しになりますけれどもケースバイケースになるという感じです。

記者)
 地震以外の質問になりますけれども、JAXAが先週の5日に衛星のXRISMによるファーストライト観測データを公開しました。銀河団の綺麗なX線画像の取得に成功したということですけれども、今年はいろいろSLIMの月面着陸ですとか、H-ⅡA、H3ロケットの打上げなど、かなり宇宙関連の行事が目白押しですけれども、新年1発目にXRISMが成功したということについて受け止めを教えていただけるとありがたいです。

大臣)
 XRISMを打ち上げたのは昨年の9月でございまして、そしてこの5日に、初観測データ、ファーストライトが公開できたということであります。今お話があったとおり、今回の初観測では、二つの銀河団が衝突している衝突銀河団のX線の画像、そして星の爆発の痕である超新星残骸のX線スペクトルの取得に成功したということは、大変喜ばしいこと、画期的なことであると喜んでおります。今後も画期的な成果が期待できるのではないかと思っております。我々としましては、銀河団の進化、あるいは宇宙での元素の生成などに関して、新しい知見が得られることを大いに期待をしているところです。

(了)

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