末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年8月2日)

令和4年8月2日(火曜日)
教育、文化

キーワード

新型コロナウイルス感染症に係る医療機関・保健所からの証明書等の取得に対する配慮に関する要請について、芸術文化観光専門職大学及び新潟県訪問、人文科学・社会科学系大学院修了者のキャリアパス、世界平和統一家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会)との関係について、「佐渡島の金山」の世界遺産登録に向けた推薦について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年8月2日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年8月2日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年8月2日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から2件でございます。
 新型コロナにかかる医療機関・保健所からの証明書等の取得の配慮につきまして申し上げます。新型コロナにつきまして、新規感染者数が全国的にこれまでも最も高いレベルを更新し続けておりまして、最大限の警戒感を持って注視をしていく必要がございます。こうした中で、7月29日(金曜日)には、政府対策本部におきまして「病床、診療、検査医療機関のひっ迫回避に向けた対応」が決定をされまして、政府全体として、医療のひっ迫を回避するための対策を着実に実施していくことになりました。文部科学省といたしましては、現在の新型コロナの感染状況を踏まえまして、これらに協力する観点から、事業所や学校等において仕事や学校を休むとき、あるいは復帰するときなど、従業員や生徒等に対しての追加の検査結果の提出を求めることがないよう、所管の団体等に依頼したところでございます。引き続き、関係省庁と連携して対応をいたしてまいります。
 2つ目でございます。昨日1日(月曜日)、兵庫県豊岡市にございます芸術文化観光専門職大学及び新潟県を訪問いたしました。はじめに訪問いたしました芸術文化観光専門職大学は、日本で初めて芸術文化と共に観光を学ぶことのできる公立の専門職大学として令和3年度に開学をいたしました。施設見学では、本格的な舞台上演が可能な演劇(注)や楽屋、大道具等の制作室なども視察をいたしたところでございます。また、平田オリザ学長や学生の皆さんを交えまして意見交換を行いまして、芸術文化観光専門職大学の特色や現状等につきましてお話を伺うとともに、関係者の皆様と意見交換を行ったところであります。今回の視察を通じまして、理論と実践をバランスよく学び、新たな価値を創造する専門職大学の意義や実情を把握することができまして、私にとりましては、大変有意義な機会でございました。今後の施策の検討にしっかりと生かしてまいります。その後、新潟県に移動しまして、花角英世新潟県知事と面会をいたしました。花角知事には、「佐渡島の金山」の推薦書を改めて提出をすることに至った経緯を説明をいたしました。併せて、9月末の推薦書暫定版提出をはじめ、世界遺産登録の実現に向けました取組につきまして、新潟県及び佐渡市の協力をお願いしたところでございます。まずは本日、文化庁の審議官はじめ事務方と専門の調査官を新潟県に派遣いたしておりまして、推薦書の改訂作業を進めることといたしております。今後、県や市との連携を一層強化しつつ、「佐渡島の金山」の登録実現に向けて全力で取り組んでまいります。ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。
(注)「演劇」と発言しましたが、正しくは「劇場」です。

記者)
 1点、大学院生のキャリア支援についてお尋ねします。7月21日の中教審の大学院部会で、人文社会学系の大学院教育に関する方向性の中間とりまとめ案が議論されました。人文系は、理工系と比べて、さらに民間企業への就職が厳しい状況が続いていますが、博士号取得者らの社会での活躍を後押しするためにどのような取組が必要か、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 いろいろな検討がなされておりますけれども、大変難しい課題だと認識をいたしております。物事の移り変わりが激しく不確実性の高い現代におきまして、新たな生き方の視点や価値感を提供する人文科学や社会科学分野の重要性は一層高まってはおります。我が国における人文科学・社会科学系の高度人材のキャリアは、しかしながら未だ限定的でございます。ご質問にもありました大学院部会では、その背景につきまして、1つはまず、大学院修了者の能力や活躍につきまして、社会と大学、それと、あるいは学生自身との間で相互理解がなかなか進んでいないという、ちょっと距離があるんじゃないかという、そういうこととか、あるいは、幅広いキャリアパスを念頭に置いた大学院教育や組織的な就職支援の枠組みが、実は十分整備されていないということではないかということを、文科省の中でも議論をいたしてございます。特に、博士課程におきましては、学生のテーマに合致する研究指導が十分行われておりませず、学位取得に長期を要する傾向にあること、オーバードクターという言葉をよく使っておられます、オーバードクターといった課題が指摘されていると承知をいたしております。文科省といたしましては、近く公表予定であります同部会の中間とりまとめの内容を踏まえながら、人文科学・社会科学系の大学院修了者の方々のキャリアパス拡大に向けた具体的な方策を検討・推進をいたしてまいりたいと思います。私も、中教審の中央教育審議会の大学分科会、大学院部会における検討、経緯に目を通しましたけれども、今言ったような話になっておりますけれども、なかなか実は難しいところがありますので、時間をかけながら前へ進めていかなきゃいけない、重要な課題でございます。

記者)
 旧統一教会と大臣との関係について改めてお尋ねします。大臣、先日の閣議後会見で、イベントにメッセージを送ったりとか関係団体の方からパーティー券を購入されたりしてたというご発言がありましたけれども、その団体とですね、当時、どのような認識、経緯でですね、関係があったのかということと、あともう1点、自民党の茂木幹事長が関係は慎重であるべきだという発言をされてますけれども、大臣として付き合い方について見直したりとか、どういうお考えでおられるか、この2点をよろしくお願いします。

大臣)
 今お話ありましたけれども、実はメッセージを送った件とかですね、3回ほど前の記者会見で申し上げたことにつきましては、事務所に確認をして、皆さんからご質問が出るということもあるかもしれないと思って実は話したことでありまして、実情は、実は私は、よく承知をいたしてございません。従いまして、内容につきましては、詳しいことは事務所にお聞きいただきたいと思うんですけれども、一般的に申し上げたら、やはり、今問題になっております団体でありましたから、やはりきちっとそういったお付き合いをするんだったら、やはり丁寧な説明ができるような対応をしなきゃいけないと思っています。私自身は、メッセージを送っている、その全文の内容につきましても、事務所に聞きましたら、平和を祈る集いというものにメッセージを送ってほしいということで、それは言葉としては、非常に求める、社会が求める内容の案内でありましたからメッセージを送ったということでありまして。今後におきましては、しっかり、内容をですね、見極めた上で事務所も対応をしていきますし、私も慎重に対応していきたいと思ってございます。

記者)
 念のため、ちょっと確認ですけども、そうすると、大臣としては、関連団体であるとかっていう認識はないまま事務所の方が対応されたと、そういう理解でよろしいでしょうか。

大臣)
 全くその通りでございます。ここで申し上げたことにつきましては、あのとき、そういう趣旨で申し上げております。従って、認識はまずないということです。どういう方がどうであるということは承知をいたしてございません。事務所の所長にお聞きいただいたら詳しいと思いますし、はい。

記者)
 「佐渡島の金山」について改めて伺います。花角知事との会談について、予定15分でしたけれども、大幅に30分以上超過して、かなり長い間やり取りされたと思うんですけれども、どの辺りに、改めてですね、時間を割かれたのか、地元からどういった要望があって、大臣、どのようにご対応されたのかということとですね、昨日終わった後、大臣、来週にも佐渡に行きたいというようなことをおっしゃっていたと思うんですけれども、大臣、就任されてから佐渡に行かれるのはおそらく初めてだと思いますが、来島されてどういったことを地元に伝えたいのか、どういったご予定なのか、その2点をお願いします。

大臣)
 予定時間は15分でありましたけれども、30分はお話をさせていただいたと思ってございます。限られた30分でありますけれども、重要な点につきましては、腹蔵なくお話ができたということを認識しております。昨日のお話は、やはり、経緯を説明をいたしました。今日も、あるいは昨日のネットニュースなんかで出ております。記者の皆さん方が書かれた通りでございます。新たな出発、もう一度仕切り直して、しっかりと前を向いてやっていくという決意表明、それに対して県・市の、そして地方自治体と県民の皆様方のご協力をぜひ得たいという、そのことのお願いに参りました。知事からもお話があったのは、オール日本でやってほしいということについて、当然のことですと。これはやはりオール日本でやっていくということのお話でございます。今日から、間を置くことなく、今日から小林審議官を現地へ派遣しております。調査官も、2名でしょうか、担当者を派遣をいたしておりまして、作業にかかっていきたいと。内容につきましても、次回については、推薦の在り方、様式が変わっていますので、一つの資産と複数の世界遺産とでは字数が違いますので、そういったこともありますから、とにかく双方連携して、未来志向で、早期・確実に進めてまいりたいということで意見が一致をしたということであります。それと、一番申し上げにくかったというのは、やはり、どうして情報共有できなかったということにつきましては、これはやはり、相手、ユネスコの方と話をしておりまして、本来、日本だけを特別なですね、例外扱いにできるというわけじゃないという、そういうお話も、行間で読み取れるような話もあったようでございますので、相手に対しては、やはりできるだけ静かなところで淡々と進めていかないと、態度を硬化させたりとか、あるいは議論にですね、途中段階でやはり不都合が生じる、影響が出てくるということを、そのことを、実は危惧をいたしたところでありまして、そういうことで、ご理解を、ぜひいただきたいということでありまして、知事も副知事さんもみんなおられましたけれども、そのことにつきましては、理解をいただいたということであります。なかなか言葉では伝えにくい話でございます。そういうことで、来週につきましては、できましたら、明日も月曜日も少し遠方へ参りますんですけれども、日曜日に佐渡視察を、各地、2つの金山、どっちかと言ったら西三川の金銀山、佐渡市、今、先方と調整中でありますけれども、日曜日にお伺いする予定でございます。決定次第、またご連絡申し上げます。

(了)

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