末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年7月5日)

令和4年7月5日(火曜日)
教育、スポーツ、その他

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第5回アジアパラ競技大会、日本大学執行部の新体制について、教員免許更新制の廃止と再授与手続について、大学入学共通テストの分析・評価について、自由民主党副総裁の発言について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年7月5日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年7月5日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年7月5日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件でございます。
 本日の閣議におきまして、2026年に愛知県名古屋市で開催されます第5回アジアパラ競技大会につきまして、政府として協力する旨の了解をいただきました。アジア最大の障害者の総合スポーツ大会でございます本大会が我が国で開催されることは、国際親善や、スポーツの振興、共生社会の実現に大変有意義なものであります。また、先に開催されます第20回アジア競技大会と一体的に開催されるものでありますから、政府としても本大会開催の成功に向け必要な協力を行ってまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。

記者)
 1問だけ質問させていただきます。先日、日本大学の理事長に林真理子氏が就任されることが正式に決まりました。女性が9人となる理事会のメンバーもあわせて発表されました。大臣の受け止めとですね、新たなメンバーについては大学の運営に詳しい人物が理事会に入っていないのではないかという懸念の声もあります。そこの点についても、あわせてご所感を伺えればと思います。

大臣)
 ご挨拶にお見えになってだいぶ日にちは経ったんですけれども、どういう体制をとられるのかなということについては、私なりに注目をいたしてございました。今お話の通り、日本大学におきまして、7月1日付けで林真理子氏を新理事長とする新たな執行部体制が発足したわけですが、新執行部の名簿を拝見しますと、理事22名のうち、女性が9名登用されたことに加えまして、外部理事につきまして、理事長選考委員会からの指摘も踏まえて、林理事長をバックアップする人材として、学長経験者、弁護士さん、また、公認会計士等々、様々な分野から9名の方が外部理事として選任をされたわけです。林理事長にはこのような方々の知見を生かすことができるように、積極的なコミュニケーションを取りつつ改革を進めていっていただきたいというふうに考えてございます。日本大学は、改革のスタートラインに立ったところでありまして、これからが改革の正念場としてですね、再生に向けて、全理事、あるいは教職員一丸となって取り組んでもらいたいというように、そのように考えてございます。日大再生ということで、その先頭を切っていることですので、非常に期待をいたしてございます。

記者)
 教員免許の再授与手続について伺いたいと思います。7月1日に教員免許更新制がなくなりまして、いわゆる休眠免許ですとか新免許で失効した免許について、30時間の研修があっても再授与されることになったわけです。教育新聞の中にもそういう免許ホルダーが何人かいるので、実際に教育委員会に問い合わせてみますとですね、手続の簡素化の手順がまだ決まっていないなんていうところでですね、再授与の受付ができないという状態になっている自治体もいくつかあるようです。こうした教員不足への対策として、休眠免許の復活というのは期待されるところだと思うんですけれども、自治体の対応をどのように把握していらっしゃるか。また、せっかくの制度が効果を発揮するために、どのように取り組んでいくお考えなのか伺えればと思います。

大臣)
 教員免許状の再授与につきましては、申請があった場合に速やかに授与できるよう、各都道府県において適切に対応をしていただく必要があると考えてございます。それで、この点も含めまして、再授与手続につきましては、5月11日の法律成立後、おおよそ2週間をかけまして、全ての都道府県教育委員会と、個別に、オンラインで意見交換を行いました上でですね、6月21日付けで、法律の施行通知を発出しまして、そして、さらに6月29日には、全国都道府県教育委員会向けのオンライン説明会を行ったところです。一部の教育委員会につきまして、手続の簡素化に必要な規則改正などが遅れているというふうに伺ってますが、その際にも通常の手続による再授与を速やかに実施していただきたいと考えてはおります。いずれにしましても、この再授与手続が円滑に進むように、必要に応じ、各都道府県に委員会(注)と協議をしてまいりたいと思います。当然、これはもう速やかにというのは当たり前のことであるというふうに考えてございますので、遅れにつきましては、これは、こちらの要望も兼ねてきちっと対応いたしたいというように考えてございます。
(注)「各都道府県に委員会」と発言しましたが、正しくは「各都道府県教育委員会」です。

記者)
 手続が進んでいるかどうかを、例えばある程度時間が経った後にチェックしたりですね、文科省の方から自治体の方と連絡をとっていくお考えは。

大臣)
 それは、私の方で行ってもいいかなと思うんですけれども、ちょっと、事務方にその辺りのことは、またお尋ねをしましょうか。ちょっと細かな手続になってきますので。

事務方)
 しばらく経ってから、またちょっと各都道府県の状況を確認してまいりたいと思います。

大臣)
 かなり細かなことなので、微細に調べてもらおうと思っています。今のお話でしたら。

記者)
 大学入試関係で質問します。7科目で過去最低の平均点となった今年の大学入学共通テストの外部評価がまとまり、数学IAなどの難易度についてあまり適正でないという指摘もありました。数学以外も含めてですけれども、外部評価の受け止めをお聞きします。また、今後の共通テストの難易度などの在り方についてどのようにしていくべきか、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 これは一度議論になった話だと思います。大学入試センターでは、毎年度の大学入学共通テストの終了後に、試験問題の内容等につきまして、自己点検あるいは評価や高校関係者等によります第三者評価を実施をしております、ご承知の通りです。こうしたプロセスを経まして、本年1月に実施されました令和4年度大学入学共通テストの分析・評価に関する報告書が、6月30日に公表されたと聞いております。評価内容につきまして、全体的には概ね適切な試験だったとの評価がされておりますけれども、ご指摘の「数学I」、「数学I・数学A」におきましては、時間配分、そして計算量の多さについて課題が見られたと、そういった評価がされたと承知をいたします。文科省としましては、こうした評価を踏まえて、大学入試センターにおきまして、今後更なる良問、良い質問ですね、良問の作成に努めていただきたいというふうに考えております。今、ご指摘があったように、非常にこう、範囲は、省内でちょっと話も聞きましたれども、範囲は適切であったんですけれども、非常に量がものすごく多かったとは聞いておりまして、一部学生さんでは、相当のですね、落胆感と言うんでしょうか、終わってからのそういう出来高、満足感を満たすことができなかったというような声もあったようでございますので。内容は適切ですけれども、量が多かったという点はございます。

記者)
 昨日のことになってしまうんですけれども、自民党の麻生太郎副総裁が、千葉県市川市の街頭演説で、ロシアのウクライナ侵攻に関連して「子供のときにいじめられたのはどんな子だったか。弱いのがいじめられる。強いやつはいじめられない。国も同じだ」という発言をされました。いろんな、ちょっと趣旨が判然としないかもしれないんですけれども、弱い子がいじめられるというのは、これまで文科省がいろんな発信してきたいじめの姿であったり対策の在り方と一致はしないのかなと思うんですけれども、この麻生副総裁の発言に対して大臣のご所感を伺えますでしょうか。

大臣)
 今、お話を初めてお聞きをしまして、弱い国がいじめられる、強い国がいじめるとおっしゃったんですか。

記者)
 「子供のときにいじめられたのはどんな子だったか。弱いのがいじめられる。強いやつはいじめられない。国も同じだ」という発言だったと。

大臣)
 麻生副総理のご趣旨は分かりかねるんですけれども、弱い強いということについて、人間は、場面場面によって私は異なると思いますので、常に生徒さんがずっと弱り続けたかどうかということは、私はちょっと、一概には論じることはできないと思うんですね、これは。ですから、それをもって国の単位でですね、事件の話に引っ掛けていかれるということについては、ちょっと副総理のお話を聞いてみないと何ともコメントのしようがないというのが私の今の思いです。
 昨日、選挙演説でされたんですか。

記者)
 街頭演説で。

大臣)
 街頭演説で。続きはどうなったんですか。

記者)
 続きというか、今の発言があったということになります。

大臣)
 これは、真意をきちっとお聞きをして把握していかないと、正しいコメントを出すのは難しいかなと思ってございます。一般論として、そういう決めつけ方というのはどうかなと思います、私は。

(了)

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