末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年6月7日)

令和4年6月7日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

小惑星「リュウグウ」のサンプルからアミノ酸が検出された件、スポーツ賭博(ベッティング)、運動部活動の地域移行、日本大学の新理事長候補について、日本大学の不祥事対応等について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年6月7日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年6月7日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年6月7日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は冒頭ございませんので、幹事会社の方、お願いいたします。

記者)
 質問させていただきたいと思うんですけれども、昨日、一部報道で、「はやぶさ2」が「小惑星リュウグウ」から採取した試料の分析結果が報道されていたと思います。その報道の事実確認をしたいというのと、今後、JAXAから、多く、分析結果というものが報道されてくると思うんですけれども、それに対する期待というのを教えてください。

大臣)
 小惑星探査機「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」のサンプルを地球に帰還させるなど、大きな成果を上げまして、我々に大きな感動や誇りを持たせてくれました。サンプルの分析状況につきましては、私自身も大変注目をいたしたところでございます。この「リュウグウ」のサンプルにつきましては、現在、大学等の、研究所によりまして初期分析が行われているところでございまして、昨日6日、JAXAを通じまして、分析の結果、生命の起源に結びつきますアミノ酸が存在することが判明をしたとの報告を受けております。サンプルの分析結果の詳細につきましては、これから論文などで発表されていくものと承知をいたしておりますが、分析が更に進みまして、地球の生命の起源、あるいは進化など、多くの謎を解明するために新たな知見が得られることを期待をいたしております。2014年に打ち上げられました、12月3日に。そして、2018年にサンプルを持ち帰られているわけですね。小惑星ですね。2020年に帰還ですね、これは。12月6日に帰還をしています。5.4グラムということで、非常に少量なのですけれども、しかし、研究者にとっては大変な財産でありまして、伺いましたら、この5.4グラムをそれぞれ分けまして、今、分析の結果をしております。初期分析は、これは0.3グラムですか。フェーズ2は、0.2グラムとなっていますけれども、それぞれ、岡山大学でフェーズ2の研究をされて、岡山大学と高知コア研究所ですね、こちらの方でも進めておられるみたいですけれども。いずれにしましても、大きな期待を寄せているところでございます。

記者)
 部活動改革の関連で、2点、お伺いします。経済産業省が、スポーツを賭けの対象とするスポーツベッティングの解禁に向けた素案を取りまとめました。スポーツベッティングと言いますと、いわゆる八百長ですとかギャンブル依存といったリスクも懸念されていますが、その素案に対するですね、大臣の見解をまず1点お伺いできますでしょうか。2点目としましては、スポーツベッティングの収益を財源としてですね、部活動改革の財源に充てるという構想もあるようです。その点について、文科省としての検討状況をお聞かせください。

大臣)
 後段についてのお話、2つ目の質問につきましては、財源的な検討は、一切そんなことはしていないと、私はお話申し上げておきたいと思います。今、運動部活動の地域移行に要する経費について、スポーツを対象とした、いわゆるベッティングで賄う考えがあるかどうかというご質問だと思います。運動部活動の地域移行に要する経費をベッティングで賄うことに関する議論が経済産業省の方で、会議においてなされているということは聞いておりました。この議論につきましては、今年の2月に報道があった直後に開催されましたスポーツ庁の「運動部活動の地域移行に関する検討会議」でも、スポーツ庁におきまして地域移行に要する経費に充てるためにスポーツを対象としたベッティングを解禁する検討を行っている事実はないと否定をいたしております。今回の提言におきましても、中学生向けの活動を実施するスポーツ団体等に対しまして、必要な予算の確保やtoto助成を含めた多様な財源の確保を検討することとされていますが、ベッティングで賄うことは議論になっておりません。私自身も、報告は一度も受けていませんし、私自身が議論したこともありません。さらに、このベッティングにつきましては、我が国における具体の制度設計や導入時期が、現時点で一切不明確であると認識をしております。文部科学省としましては、部活動の地域移行に要する経費につきましては、スポーツを対象としたベッティングによる収益を充てることは全く考えていないというのが我々の考えです。そういう状況でございます。

記者)
 日本大学の次期理事長に作家の林真理子さんの就任が決まりました。日本大学を巡っては、大臣もいろいろと厳しいご発言をなさってきたわけですが、今回の人事についての大臣のご見解、ご感想をお聞かせください。あともう1点、今、読売新聞さんが質問なさったスポーツ賭博の関係ですけれども、一般論としての大臣のお考えを伺いたいんですが。そういった賭博収益を教育関係の事業に使うことに対して、大臣はいかがお考えかというのをお聞かせいただければと思います。

大臣)
 後段の話ですけれども、ベッティングによる財源をですね、元にして、どういう形にしてもスポーツに接していくということ、特に、地域移行のこともあろうかと思うんですけれども、そういう考え方は全く持っていないという考え方でございます。かつて、いろいろとスポーツの現場において、いろんな問題が起きてきたことがございますので、そのことを念頭に置けば、今、一切考えていないというのが私の思いです。
 それと、林真理子理事長予定者が、先週金曜日にお見えになりましたんですけれど、日本大学の加藤理事長及び林真理子理事長予定者が来省されまして、同日開催された理事会において、理事長候補として林真理子さんご自身が、私が内定したという報告を、内定しましたということの報告にお見えになられました。林先生からは、「現在の日本大学の古い体質を一掃して、女性の登用や、風通しの良い組織運営の構築など、日本大学の再生のための取組に尽力したい」との固い決意と、改革への高い志をお伺いすることができたと思っております。私としましても、林氏のこれまでのご経験であるとか、見識を存分に発揮していただきまして、大学全体の改革・再生を目指して、学生が安心して学べる環境、教職員が誇りをもって働ける学校運営に取り組んでいただくとともに、日本大学が自ら策定しました最終報告書に掲げる改善策を確実に実行していただきたいという、そのように考えております。私としては、やはり学生が大学を支える一番の存在でありますので、学生とトップとの応答性をきちっとしたものにせなきゃいけないと。風通しということについては、あの場所では意見が一致をしたところであります。それと、やはり日大を変えることが社会を変えるぐらいの勢いできちっと進めていただきたいということの話もいたしましたですね。そういうことで、非常に、話としては短い時間でありましたけれども、意義のある話合いができたということで。大学は自治でありますので、私たちの意見そのものが、あまり言い過ぎてもいけませんので。とにかく、再発防止と同時に、きちっとしたガバナンスを進めていただきたい、学生を大事にしていただきたい、そういうことのお話は申し上げました。以上です。

記者)
 先ほどスポーツベッティングと地域移行の財源の話について、地域移行の財源に充てる考えではないというのは先ほど把握しているので、地域移行とは別の話として伺います。今日の報道で、先ほど読売さんがおっしゃっていたように、スポーツ庁と経産省で7月に有識者会議を再開してスポーツベッティング解禁に向けた議論に入るという報道がありました。そもそもスポーツ賭博は、totoを始めた際も様々な議論があったと記憶しています。改めて、今回の報道と、そもそもスポーツベッティングの是非について、大臣のご所見をお願いします。部活についての関連なくでお願いします。

大臣)
 現在のtoto助成はあの通りやっておるわけですけども、現状において、それから何か新たに検討してその財源に充てるということについての考え方は、私はないんですよ、これについては。ですから、クラブ、部活動ですね。

記者)
 部活に充てる充てないではなくて、スポーツベッティング自体は。

大臣)
 私は、今申し上げた通りです。新たに考えることは思っていませんです、それは、はい。

記者)
 すみません、もう1問だけ。地域移行全体についての、スポーツベッティングは別に、地域移行全体について、財源についてどう確保するかというのも、それはスポーツ庁の検討会議の中で話題になっているんですけど、どのようにそれを、財源を確保していくのかということについてお願いします。

大臣)
 地域移行の受け皿となりますスポーツ団体に対しまして必要な予算の確保とか、今言いました、toto助成を含む多様な財源の確保をどうするかということにつきましては、今、検討を進めているところです、検討を始めたと言った方がいいかもしれません。そういう状況でありますので、後は、指導者の確保のための支援策であるとか、それと、困窮するご家庭に対してどういう支援をすべきかということのその範囲の問題もありますので、その辺りの協議を、今、進めているところでございます。ですから、総合的な中に財源の問題も入ってきますけれども、そういうようにご理解いただきたいと思ってございます。

記者)
 日大で次期理事長が決まったということで、一つの区切りだと思うので、あえて改めて質問させていただきますけれども、それは田中前理事長の説明責任について、現時点でどう考えているかということについてです。ご案内の通り、日本大学には、2020年度実績で90億円を超える私学助成金が支給されています。これは、憲法が定めた納税の義務を履行した国民がですね、納めた税金の一部です。そして、それだけ多額の支援を受けている学校法人を13年間にわたって率いてきた方が、田中前理事長ですけれども、一方で関連業者からのリベートを隠蔽して所得法違反ということで逮捕起訴されて有罪が決まったと。確定しています。そもそも昨年の9月に自身が任命に関わった側近とされる元理事の方のですね、これは背任事件ですけれども、その関係先として、自宅や理事長室ですかね、家宅捜索を受けたのが昨年の9月ですけれども、それ以降、今日に至るまでですね、公の場でただの一度も説明されていないで今日に至っていると。判決が確定した直後には大学の方に出入りされて関係者と接触したと。そのことについて、大臣はこの場でね、苦言を呈するような発言がありましたけれども、現時点で前理事長の説明責任についてどう考えるのかと。

大臣)
 前理事長ね。

記者)
 田中さん。で、説明責任を現在でも果たす必要があるというふうにお考えになっているのかというのが1点目とですね、2点目は、もしそういうお考えを、今、大臣としてお持ちになっているならば今後どうされるのか。執行部に対して、やはり前理事長に対して、説明責任を果たすように促すことを期待されるのかね、望まれるのか。以上2点について、補助金を所管する大臣として、また、国民から選挙で選ばれた政治家として、率直な今の思いを聞かせてください。

大臣)
 新しい理事長として林真理子さんが決定をしたということで、新たな出発でございます。おっしゃる通り、田中前理事長が、あれだけのですね、脱税というようなことで社会的な問題を引き起こして表に出てこなかったと。しかし、この記者会見場でも、何度も説明責任を最低限果たすべきではないかということを申し付けてきました。日大の方は、田中さんに代わってですね、加藤さんであるとか、一応、田中さんに代わる方々、責任者の方々がお話を、この声明を発表されながら説明責任を果たしてきたということになるんですけれども、田中氏が会見を行うべきという今のご指摘につきましては、田中さん自身は、確かに既に責任を問われて職を解任されておりますので、現在、学校法人とは無関係になってしまったということが、現時点における状況です。だから、文科省として、今、会見を求めるという立場にはないという、進行してまいりましたので、そのことについてはですね、これは逆に言えば、現執行部の方々ですね、お考えいただいてもいいのかなということは思ってございます。これは、客観的に私が述べた話です。それと日本大学そのものが、今ご指摘がありましたけれども、田中氏との決別宣言をされておられますので、自ら策定した最終報告書に基づいて再生に向けた取組を行っているところでありますので、まず、改善策を確実に実行していただくことが大事であるかなというのが私の思いであります。それを前提にしましてどうかと言えばですね、私は、やはり一度も、田中さんが、きちっと社会に対してお詫びなり説明をされなかったということにつきましては、私は、残念に思っています、それは。それが、私の思いです。

(了)

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