末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年5月13日)

令和4年5月13日(金曜日)
教育

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教育未来創造会議における第一次提言とりまとめ、教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律、公立学校における非正規教員の割合について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年5月13日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年5月13日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年5月13日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは2件ございます。
 まず1件目です。5月10日(火曜日)、教育未来創造会議におきまして、第一次提言を取りまとめ、本日、閣議報告を行いました。今回の提言は、我が国の未来を担う大学等と社会の在り方に関しまして、未来を支える人材を育む大学等の機能強化、2つ目は、新たな時代に対応する学びの支援の充実でございます。そして3つ目は、学び直しを促進するための環境整備でございます。このことにつきまして、今後取り組むべき具体的な方策等を取りまとめたものでございます。今後、関係各省と連携し、施策の工程表を夏までに作成するなど、提言の着実な実行に向けまして、政策実施プロセスを明らかにしまして、政府として全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。
 次に2つ目でございます。今国会に提出をしておりました「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」が、11日に参議院本会議におきまして可決され成立をいたしました。今後は、改正法を踏まえまして、個々の学校現場や教師のニーズに即しました新たな研修システムを整備することで、先生方、教師の質の向上に取り組んでまいりたいと存じます。また、文部科学大臣が定めます資質向上に関する「指針」の改正であるとか、それに基づきます「ガイドライン」を新たに策定することを予定をしております。今後は、関係者や関係団体の皆様のご意見などを踏まえつつ、中央教育審議会での専門的な検討を経た上で、本年夏までに具体的な内容を示せるように検討してまいりたいと存じます。また、教員免許更新制の発展的解消に伴いまして、7月1日より、休眠状態のものも含め現に有効な教員免許状につきましては、手続きなく有効期間のない免許状となります。新免許状と旧免許状、休眠・失効状態となっている免許状が、7月1日以降どのような取り扱いになるかということにつきましては、後ほど皆様に資料をお配りしますが、今後とも関係者の皆様に向けまして、周知広報をしっかりと行っていきたいと、そのように考えているところです。とりあえず、私からは2件、以上でございます。後ほど資料は、事務方から皆さんにお配りさせていただきます。

記者)
 1問お伺いします。今の免許制廃止のことなんですけれども、自主的に先生方が研修を受けるという形になるんですけれども、国として最低何時間受けなさいというような目安は示さないというのをお聞きしています。先生方が忙しい中で、自主的に受ける研修だけで教師の能力を担保できるのかという懸念の声があります。自民党内でもこの法案に関しては当初賛否が分かれた経緯などもあって、今後どうやって教師の質の確保に努めていくか、方針をお聞かせください。

大臣)
 今回の法改正では、教師が自律的に学ぶという主体的な姿勢を発揮しつつも、個別最適な学びを組織的に実現できるようですね、教師と学校管理職等とが研修記録を活用しながら対話を行って、それを踏まえて研修の実施や資質の向上に関する指導助言等の仕組みを設けることといたしております。なお、これからの教師の学びの姿としては、教師一人一人の個性、身に付けている能力の状況が異なることに加えまして、組織の中で果たすべき役割が異なることから、学ぶ内容や量につきましてもそれぞれに応じたものとなることを想定いたしております。ですから、今ご質問があったように、何時間やりましょうといったことにつきましては、今、まずこの免許法の改正が成立しましたので、ここのところは、今ご意見がありましたけれども、じっくり夏までに考えているところでありますけれども、しかし、極めて、自主的・自律的を基本に置きたいと思いますので、あなたは何時間とかじゃなくて、全体としてここまで何時間やりましょうとかいうような決め方はならないというように、私は、今はそのように考えてございます。ちょっとお時間をいただきたいと思います。

記者)
 冒頭発言の免許更新制に、発展的解消に関連して1問伺いたいんですけれども、国会、衆参両院で附帯決議が付いていると思います。いろんな内容が含まれているんですけれども、その中でも、人事評価とは別の物にすべきであるということ、審議の中でも、人事評価と一体化してしまうのではないかという懸念があったと思うんですけれども、この辺を、具体的に峻別するためにどういった対策をとっていくのか、具体的なものはないかもしれないんですけれども、今のところで大臣のお考えを伺えればなと思います。

大臣)
 今回の法改正によりましてですね、教育委員会が行うと想定しております研修等に関する記録は校長等の管理者が行うこととされておりまして、資質の向上に関する指導助言等の際に活用されるものでありまして、人事評価とはその趣旨と目的が異なるものであります。これはもう何回か、ちょっとご答弁させていただいたんですけれども。あくまで、教員の人事評価というのは、校長等の管理職が日常の職務行動の観察を通じて得られた情報などを総合的に踏まえつつ、各教師が発揮した能力や上げた業績を期末面談等で確認した上で評価をするものでございます。このために、研修等に関する記録自体やですね、研修量の多寡そのものが人事評価に直接反映されるものではありませんが、研修を行った結果として、各教師が、やはり、能力や、あるいは業績を上げた場合は、それは人事評価の対象となるものと考えているわけでありまして、そこの峻別というのは、あくまで研修を、沢山行けば、多様な研修をすれば人事評価につながるということとは別でありまして、その方が、個人的であろうとどちらかであろうと、やっぱり力量のある教師になっていったら評価は上がるものでありますから、そこを言葉だけで峻別せいということはできないものでありますけれども、あえて言葉で申し上げたら、最初申し上げたような内容になってまいります。これは、与野党意見がいろいろとありましたけれども、最終的にはかなり理解をいただいたと思うんですけれども。

記者)
 私、火曜日の記者会見で取り上げられた臨時的任用教員の件で伺いたいと思います。火曜日のお答えでは、臨時的任用職員の割合が多い自治体については、それぞれの事情や状況に応じて効果的な方策を検討していくというお答えをいただいたんですけれども、この件につきましては、昨年5月にですね、当時の萩生田文科大臣が、都道府県の任命権者を集めた会議でですね、正規教員の割合について一定のスタンダードを共有したいというご発言を伝えられていると思います。また、月曜日に有識者の教員不足の提言があったときにも同じ内容が入っていました。教員の採用は、もちろん都道府県の権限だというのは十分承知した上なんですけれども、義務教育の質を担保するという観点から、正規教員の割合ですね、これに一定の目安を示していくということについてどのようにお考えなのかということと、これは、学校や教育委員会にとっては、とても関心の高いところだと思いますので、コミュニケーションをとっていただく意味でも、検討の状況とか方向性とかを教えていただければと思います。

大臣)
 お話は、申し上げまして、萩生田前大臣からもそういうお話が、昨年の5月に、非正規教員の割合について基準設定へということで、地域差が大きいという記事になっているのは拝見はいたしました。先日の会見でも申し上げましたように、公立学校の教員の任用等につきましては、任命権者であります、今お話の通り、教育委員会の権限と責任に基づいておりますが、全国的に見れば、義務標準法に基づきまして、教員のこの定数に対する正規教員の割合が9割を超えておりまして、この割合は近年大きく変動いたしてございません。先だって沖縄の例は少し挙げましたけれど、少し非正規の先生が、構成比が高いということは事実なんですけれども、一方、教育委員会ごとに見ますと、教員定数に占める臨時的任用教員の割合にばらつきは、確かに今言ったようにありまして、文部科学省としては、特に、臨時的任用教員の割合が大きい自治体について、それぞれの事情や今後の見直しなどの対応に関する状況を把握しながら、効果的な方策を検討してまいりたいと考えております。そのように申し上げました。臨時的任用のですね、この背景としましては、定年退職者の大量退職に当たりまして、教員の年齢構成を平準化させるため、すべて正規採用にするのではなくて、一部を臨時的に任用することによりまして、教員の年齢構成の平準化を進めていることと、また、これも申し上げましたけれども、特別支援学級が見込み以上に増加をしておりまして、予定している教員数では足りず、臨時的任用教員を任用せざるを得ない状況が生じているということ、こういうことがあげられまして、各教育委員会の抱える課題、状況は様々でございます。こうした中で、ご質問の目安を付けるということにつきましては、引き続きの検討課題でありまして、その際、その目安の拘束力とか設定する数値の合理性とか各教育委員会への影響、決定権者は都道府県の教育委員会がございますから、その他の地方公務員とのバランスなど、様々な観点から検討する必要があると考えてございます。このため、文部科学省としましては、各教育委員会の事情を伺いながら、各学校において正規教員を基本とした教員組織が構成されるように、目安を設けることの是非を含めて、効果的な方策を検討してまいりたいと思います。1回前の記者会見の話でございましたので、大きくそれから話が進んだということはございませんけれども、同時に、確かに考え方としてはどうかということについては、正規の先生、非正規の先生がおられますけれども、確かにいろんな話をしましたけれども、蓄積をしていくという点におきましてはね、それはやはり、正規、非正規の先生方、その学校にとっては、多少のバランスということについては、検討していくということは正しい方向であると思うんですけれども。頑張っていただいている非正規の先生はたくさんおられます。今のところ、私から申し上げるのはここまででございます。

(了)

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