末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年4月12日)

令和4年4月12日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

博物館法の一部を改正する法律、大阪公立大学入学式・開学記念式典出席及び大阪大学の視察、次世代X-nics半導体創生拠点形成事業、科学技術週間、水際措置の見直しに伴う外国人留学生の入国について、学校衛生管理マニュアル、米国民間宇宙船のISS到着と宇宙輸送ビジネスについて

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年4月12日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年4月12日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年4月12日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から4件ございます。少し長くなりますがよろしくお願いします。
 まず1件目は、博物館法の一部を改正する法律の成立についてでございます。今国会提出をいたしておりました「博物館法の一部を改正する法律案」が8日、参議院本会議において可決成立をいたしました。もう内容は皆様ご承知の通りでございます。今後は、改正法の趣旨を踏まえまして、より多くの博物館が地域や社会に貢献するとともに、地域住民に親しまれまして、信頼される存在となるように、文部科学省として、様々な手段を講じてまいりたいと考えております。まず、各都道府県が審査の基準を策定するに当たりまして参酌すべき基準など、関係政省令を整備するとともに、多くの博物館に登録制度をご利用いただけるような、新たなインセンティブの検討を進めてまいりたいと思います
 2件目はですね、昨日11日(月曜日)、大阪公立大学の入学式・開学記念式典に出席をしまして、その後、国立大学法人大阪大学を訪問いたしました。大阪公立大学は、皆さんご承知の通り、大阪府立大学と大阪市立大学が統合されまして、幅広い学問領域を擁する公立大学最大規模の大学として開学をいたしました。どちらも140年にわたる歴史を持った大学でございます。その統合でございます。入学式・開学記念式典では、栄えある第1期生として入学されます学生さんにお祝いを申し上げますとともに、開学に向けた関係者のご尽力に対しまして深く敬意を表した次第であります。次に、大阪大学では、免疫学フロンティア研究センター、そして、未来型知的インフラモデル発信拠点、最後に、再生誘導医学協働研究所を視察いたしまして、若手研究者や企業研究者の方々と意見交換を行ったところであります。文部科学省における重要な政策課題でございます、世界最高水準の研究環境の実現であるとか、あるいは産業界との連携によるイノベーション創出に向けまして、貴重なご意見をお伺いすることができました。今後の施策を進めていくに当たりまして、しっかりと生かしてまいりたいとそのように考えております。
 次は3点目でございます。文部科学省が新たに開始をいたします「次世代X-nics半導体創生拠点形成事業」につきまして、採択結果が決定いたしましたのでご報告を申し上げます。半導体技術を巡りましては熾烈な国際競争が繰り広げられておりまして、本事業では、Society5.0、炭素中立化に向けた「次の半導体」づくりを目指しまして、日本の基礎研究の強みを結集した拠点を形成することにいたしております。この度、全国の大学から全9件の応募がございました。そして、東京大学の「Agile-X~革新的半導体技術の民主化拠点」、そして、東北大学の「スピントロニクス融合半導体創出拠点」、そして、東京工業大学の「集積Green-niX研究・人材育成拠点」の3件を採択させていただくことになりました。今後は、この3大学を中心にいたしまして、国内外の大学や企業等とのネットワークを広げながらですね、全く新しい原理、材料等を活用した研究開発であるとか、将来の半導体分野をけん引いたします人材の育成を10年間にわたりまして進めることといたしておりまして、文部科学省としては、経済産業省とも十分な連携を図りまして、本事業を全力で進めてまいりたいと思います。
 最後、4件目でございます。科学技術につきまして広く一般国民の関心と理解を深め、我が国の科学技術の振興を図ることを目的に、昭和35年から科学技術週間を毎年開催いたしております。今年(第63回科学技術週間)は、来週18日(月曜日)から24日(日曜日)にかけて開催をします。全国の大学、研究機関、科学館等で施設公開や講演会など、100件以上の関連イベントを行う予定であります。また、文部科学省では、平成17年より学習資料「一家に1枚」を製作しまして、全国の小中高等学校、科学館等に配付いたしております。平成4年(注1)、2022年が国連の国際ガラス年であることを踏まえまして、今年のテーマは「ガラス」です。文部科学省の科学技術週間ホームページにおきまして、特設ウェブサイトや動画を本日より公開をいたしておりますので、ぜひ皆さん方にもご覧をいただきますようお願い申し上げます。科学技術週間を通しまして、多くの国民の方々に科学技術に触れ合っていただきまして、興味を持っていただければというように強く願っております。以上4件が、冒頭、私からの発言でございました。ありがとうございました。
(注1)「平成4年」と発言しましたが、正しくは「令和4年」です。

記者)
 幹事社から2問伺います。1問目は、留学生の受け入れについてです。水際措置として設けられている一日の入国者数上限が、4月10日から1万人に引き上げられました。一方、11日には、オミクロン株の新系統XEが国内で初めて確認されました。今後の留学生の受け入れについて大臣のお考えと、既に行っている留学生円滑入国スキームのこれまでの実績を教えてください。2問目は、衛生管理マニュアルの改訂です。給食時のマスク着用を巡る出席停止の扱いについて、改めて、大臣からポイントをお示しいただけますでしょうか。

大臣)
 まず、1点目の留学生の方々の対応です。4月1日の松野官房長官の記者会見におきまして、水際対策の緩和が公表されまして、4月10日以降、一日の入国者総数の上限を日本人及び外国人合わせて、現在の(注2)7,000人から10,000人程度を目安とすることになりました。これまでの外国人留学生の入国状況につきましては、速報値ではございますものの、3月以降ですね、約30,000人の留学生が入国したと承知をいたしております。今回の水際対策の緩和によりまして、入国の更なる加速化が、期待しているところであります。現状、一般枠での入国が概ね順調に進んでいるところではございますが、「留学生円滑入国スキーム」では、特に一般枠で予約が困難な中国やネパールの航空便についての航空券の手配を補完的に行っておりまして、これまでに、延べ約300人の仮予約が完了いたしております。文部科学省といたしましては、引き続き、フライト毎の一般枠や留学生の円滑入国スキームにおいて、待機留学生の皆さんが着実かつ円滑に入国できるように、全力を挙げて取り組んでいきたいと、そのように思っております。考えております。
 次に、衛生管理マニュアルの件なんですけれども、ちょっと記事等が少し出たことで、間違えちゃいけませんのでお話申し上げます。今月の1日に改訂をいたしました衛生管理マニュアルでは、前回12月の改訂以降、オミクロン株の特徴を踏まえた対応として事務連絡で周知してきた内容や、感染状況に関する地域住民や保護者への情報提供等につきまして追記をいたしてまいりました。その際、ご懸念の学校で感染者と接触があった者のうち、あった方のうちですね、会話の際にマスクを着用していないなど感染対策を行わずに飲食を共にした方等に対して、出席停止の措置を取るとの記載も盛り込みました。このことにつきまして、先月の、厚労省からですね、一般の事業所では濃厚接触者等の特定等は行わないとの方針変更に伴いまして、それにあわせて、「感染者と接触があった者のうち、会話の際にマスクを着用していないなど感染対策を行わずに飲食を共にしたもの等は」ですね、一定の期間の「外出自粛を含めた感染拡大防止対策を取る」ことが示されました。中学校や高等学校も同様の取扱いとなるため、衛生管理マニュアルにおきましては、厚労省におけるこの方針を踏まえた、学校での対応を記載したものでありまして、出席停止の範囲を実質的に広げたものではございません。その上で申し上げましたならば、学校で「飲食を共にする」、給食ですよね、場面として、主に給食の時間が想定されますが、今言いましたように、給食の時間が想定されますが、出席停止の対象は「感染対策を行わずに飲食を共にした」場合です。ここがポイントだと思います。「感染対策を行わずに飲食を共にした」場合です。そのため、衛生管理マニュアルに記載しているように、食事の際に飛沫が飛ばないよう、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるといった、従来の対策が講じられていれば、給食時にマスクをせずに会話したことだけで、一律に出席停止の措置を求めるということにはならないと考えております。これらの趣旨につきましては、都道府県教育委員会に対しまして、引き続き、丁寧に説明をいたしてまいりたいと考えております。
(注2)「現在の」と発言しましたが、正しくは「これまでの」です。

記者)
 今の幹事社の質問に関連して伺いたいんですけれども、留学生の関係で、その、在留資格があってまだ入国できていない留学生は確か15万人ぐらいいると思いまして。で、これまでの官房長官の会見などで、5月までに10万人ぐらいは入国が可能だというのを政府としておっしゃっていたと思うんですけども、このペースでその目標が達成できるかというか、留学を希望していて入国できない方がちゃんと入国できるのかというのを、大臣どう考えていらっしゃるかと、あと、ちょっと、スキームが延べ300人ということなんですけども、率直に言って少ないのかなと、ちょっと感じたんですが、これに対する評価もお願いします。

大臣)
 要はこの仮予約数ですね。これちょっと、仮予約数につきましては、今、中国とかネパールとかのことなんですけれども、これにつきましては、多い少ないということについては、ちょっと申し上げることは控えたいと思っております。300人の仮予約を完了しておりますんですけれども、300人はいっていないかもしれませんね、これは。ちょっと。

事務方)
 お尋ねの件ですけれども、まず、300件の「留学生円滑入国スキーム」に関するご質問ですけれども、これにつきましては、普通に、留学生が、通常、普通に航空チケットが取れる場合については、この円滑入国スキームを使う必要がないという補完的な制度でございまして。今、一般の入国枠が上がっていく中でですね、もちろん、中国とか、フライトが必ずしもスムーズではないところについては利用されていますけれども、基本的には、一般枠での入国が順調に進んでおりますので、円滑入国スキームを利用せずとも入国できていると、そういった状況であるというふうに認識してございます。

大臣)
 よろしいですかね。

記者)
 そもそも全体として間に合うのかという点は。

大臣)
 記憶は、たぶん14.7万人の方々がお待ちだったと思うんですけれども、ここへ来まして、3月以降約3万人の入国者の方がおられるということなんで、かなりピッチは上がってきておりますので、私、じゃあゴールデンウイークまでに達成できるかどうかということにつきましては、努力を続けるとしか申し上げようがないと思ってございます。すべての連携が取れなきゃいけませんので。私自身は、そういう思いでございます。では。

事務方)
 補足でございますけれども、元々5月末までに入国待機してですね、入管庁の在留資格ベースで言いますと15万人ほど。その後、2月下旬に文科省が推計した値を見ますと、約、推計値11万人ということで、この数字は、元々5月末までにという一つの目標を掲げている中でですね、今、入国がこういった形で、ちなみに、昨年1年間で留学生が来た人数というのは、入国できた人数は1.2万人でございますけれども、既に約3万人ということで、非常に、着実に順調に入国しておりまして。もちろん、いろんなオミクロン株の状況とか不確定要素はございますけれども、この形でですね、入国が着実に進んでいければというふうに思っているところでございます。

大臣)
 2月時点で、今言ったように11.7万人(注3)という数字を読んでおりまして、約11万人ですね。それで、5月、すみません、ゴールデンウイークと申し上げましたけれども、これは一つの、ゴールデンウイークという節目でありまして、5月末までに目指しまして、概ね順調に推移をしておるという、それで、最大限の努力を続けていくということで、理解をいただきたいと思っております。すべてがうまく整って、動いていかなきゃいけませんから。努力を続けています。はい。
(注3)「2月時点で11.7万人」と発言しましたが、正しくは「3月時点で11万人」です。

記者)
 宇宙関連で1点お聞きしたいんですけれども、先日、アメリカの宇宙企業スペースXの宇宙船のクルードラゴンに民間人4人が乗り込んで、今、ISSに到着したところだと思います。それに関して、大臣のまず受け止めをお伺いしたいのと、今後の宇宙旅行への期待というのを、もし、お答えいただければと思います。よろしくお願いします。

大臣)
 米国の民間事業者がですね、民間人4名が乗り込む宇宙船を打ち上げまして、ISSでの滞在を開始したこと、承知をいたしておりまして、宇宙旅行の事業化を目指した取組や、ISSの民間利用が一層多様化、活発化していると感じてございます。すごい費用がかかっていることは聞いておりますんですけれども。文部科学省としましては、昨年6月、宇宙旅行等の宇宙輸送ビジネスの実現に資します、革新的将来宇宙輸送システム実現に向けましたロードマップ検討会の中間とりまとめを公表しまして、現在、ロードマップの実現を目指した研究開発を進めているところでございます。民間におけます宇宙事業の関心の高まりを踏まえまして、官民連携によります、抜本的な低コスト化等を目指しまして、革新的な将来宇宙輸送システムの実現に向けまして、技術的な支援等に、極力努力をいたしていきたいと、そのように考えております。

(了)

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